2023/11/06(月) - 18:14
フレンチタイヤブランドの雄、ミシュランがPOWER ADVENTUREをリリースした。センタースリック、サイドをブロックパターンとすることで舗装路からグラベルまでカバーするモデルであり、路面のタイプを気にせず自由にライドしたい方にぴったりの一本だ。
総合タイヤブランドとして自動車、オートバイ、航空機用の製品を手掛け、世界中にその名前が知れ渡るミシュラン。自転車用タイヤも定評のある製品を開発し続けており、ロード用フラッグシップのPOWERシリーズを中心にマウンテンバイク用タイヤなど幅広く手がけているブランドだ。
欧米を中心とするグラベルムーブメントと共に、ロードレース以外のロードサイクリングとグラベルの境目が溶け込み、サイクリストが走りたい場所を制限されず、思うがままに足を向けられるようなエンデュランスロードがラインアップされるようになってきた。タイヤもオールロードタイプのモデルが続々と登場しており、ミシュランもPOWER ADVENTUREを用意してその領域をカバーする。
POWER ADVENTUREは舗装路やライトグラベルで転がりの軽さを発揮するために、タイヤのセンター部分はスリックにデザイン。対してサイド部分は細かいブロックパターンとすることでグラベルのコーナリングでのトラクション性を確保していることが特徴だ。サイド部分のブロックは低く作られていることも、オールロードらしいグリップ力と転がり抵抗の両立に貢献している。
コンパウンドはMTBエンデューロのハイエンドタイヤ"GUM-X"と同じものが用いられた。路面の状況に左右されない低い転がり抵抗と、路面が硬い状況でもグリップ力を発揮する性能を備えており、舗装路を中心に走りつつもグラベルなどでグリップ力を求めたい時に活躍するタイヤに仕上げられた。
ケーシングの構造は3x100TPIで、その内側の全面に耐パンク層のBEAD TO BEAD SHIELDを採用している。サイドカットからトレッド面の突き刺しパンクなどを防ぐ設計となっているため、オフロードでも安心してライドに集中することができるだろう。
またPOWER ADVENTUREがミシュランのラインアップにおいてCOMPETITION LINE(競技やハードユース向け)とされていることにも注目したい。レースユースではないものの高い性能を備えることで、オールロードでもファストライドを楽しめるタイヤを実現している。世界中の道を知り尽くしたミシュランが用意したオールロードタイヤは30Cと36Cの2種類。価格は8,690円(税込)。
−インプレッション
ロードバイクで未舗装路を走ってみたら新たな世界が広がった。これまでは視界に入ってはいたものの道として認識されていなかったところが、進める場所として見えるようになり、どんどん前に突き進んでいけるようになった。
そして、自転車トレンドも未舗装路を軽快に走れるグラベルバイクが登場したかと思えば、今度は未舗装路までカバーできるエンデュランス(オール)ロードが充実しはじめており、日常にオフロードのアクセントを加えやすい環境が整っている。
各ブランドのタイヤラインアップにもグラベル用のワイドな物から、エンデュランスロードに適した30C前後のモデルが登場しており、フレンチタイヤブランドの雄ミシュランもPOWER ADVENTUREとしてグラベルとロードの中間を繋ぐタイヤをリリースしている。今回はその30Cのタイヤをテストした。
一昔前はエンデュランス用のタフネスタイヤが硬くて重いというイメージを拭いきれない物だったが、POWER ADVENTUREはそのような雰囲気はない。コンペティションラインにカテゴライズされ、現在のロードフラッグシップモデルのPOWERという名前を冠するだけあって、その性能に妥協はないようだ。
このタイヤが活躍するのはスピードの増減が落ち着く巡航時。一度転がり始めてしまえば、重量を感じさせないようにスムースにスピードが乗っていき、その後は多少路面が荒れていようが一定のフィーリングで転がり続ける。それは舗装路でもグラベルでも同じ。
足を止めた時もあからさまにスピードが落ちていく抵抗感もなく、ストレスを感じずにサイクリングを楽しめる。これにはコンパウンドが優れていることはもちろん、センタースリックのトレッドパターンが転がり抵抗の小ささに寄与しているはずだ。ダンシング時にトレッド面が加速の邪魔をせず、スムーズにスピードが伸びてくれるのも、コンパウンドに溝を切るようなブロックパターンのおかげだろう。
そしてサイドのパターンはコーナリング時で程よい存在感を示してくれる。舗装路の曲がり角でもコンパウンドが路面の微細な凹凸による振動を吸収してくれるため、ある程度砂利が浮いているダウンヒルでも安心してバイクを倒すことが可能だ。
一方でグラベルにおいてはタイヤに大きな荷重をかけるとグリップが破綻してしまうので、自分に合わせた空気圧を見つけて、コントロールを意識する必要はある。とはいえスリックよりは数段扱いやすさは優っているため、グラベルに突入することに恐れを感じることはない。
今年新車が続々と登場し盛り上がりを見せているエンデュランス/オールロードにふさわしい一本がこのPOWER ADVENTUREだ。いわゆるグラベルまではいかないものの、サイクリングコースの一部に未舗装路を組み込みたい時にピッタリ。舗装路から未舗装路へ、新たな一歩に誘ってくれるだろう。(インプレッション:藤原岳人)
ミシュラン POWER ADVENTURE
タイプ:チューブレスレディ
ケーシング:3x100 TPI
カラー/サイズ/重量:
ブラック:700x30C(330g)、700x36C(395g)
クラシック:700x30C(340g)、700x36C(395g)
価格:8,690円(税込)
総合タイヤブランドとして自動車、オートバイ、航空機用の製品を手掛け、世界中にその名前が知れ渡るミシュラン。自転車用タイヤも定評のある製品を開発し続けており、ロード用フラッグシップのPOWERシリーズを中心にマウンテンバイク用タイヤなど幅広く手がけているブランドだ。
欧米を中心とするグラベルムーブメントと共に、ロードレース以外のロードサイクリングとグラベルの境目が溶け込み、サイクリストが走りたい場所を制限されず、思うがままに足を向けられるようなエンデュランスロードがラインアップされるようになってきた。タイヤもオールロードタイプのモデルが続々と登場しており、ミシュランもPOWER ADVENTUREを用意してその領域をカバーする。
POWER ADVENTUREは舗装路やライトグラベルで転がりの軽さを発揮するために、タイヤのセンター部分はスリックにデザイン。対してサイド部分は細かいブロックパターンとすることでグラベルのコーナリングでのトラクション性を確保していることが特徴だ。サイド部分のブロックは低く作られていることも、オールロードらしいグリップ力と転がり抵抗の両立に貢献している。
コンパウンドはMTBエンデューロのハイエンドタイヤ"GUM-X"と同じものが用いられた。路面の状況に左右されない低い転がり抵抗と、路面が硬い状況でもグリップ力を発揮する性能を備えており、舗装路を中心に走りつつもグラベルなどでグリップ力を求めたい時に活躍するタイヤに仕上げられた。
ケーシングの構造は3x100TPIで、その内側の全面に耐パンク層のBEAD TO BEAD SHIELDを採用している。サイドカットからトレッド面の突き刺しパンクなどを防ぐ設計となっているため、オフロードでも安心してライドに集中することができるだろう。
またPOWER ADVENTUREがミシュランのラインアップにおいてCOMPETITION LINE(競技やハードユース向け)とされていることにも注目したい。レースユースではないものの高い性能を備えることで、オールロードでもファストライドを楽しめるタイヤを実現している。世界中の道を知り尽くしたミシュランが用意したオールロードタイヤは30Cと36Cの2種類。価格は8,690円(税込)。
−インプレッション
ロードバイクで未舗装路を走ってみたら新たな世界が広がった。これまでは視界に入ってはいたものの道として認識されていなかったところが、進める場所として見えるようになり、どんどん前に突き進んでいけるようになった。
そして、自転車トレンドも未舗装路を軽快に走れるグラベルバイクが登場したかと思えば、今度は未舗装路までカバーできるエンデュランス(オール)ロードが充実しはじめており、日常にオフロードのアクセントを加えやすい環境が整っている。
各ブランドのタイヤラインアップにもグラベル用のワイドな物から、エンデュランスロードに適した30C前後のモデルが登場しており、フレンチタイヤブランドの雄ミシュランもPOWER ADVENTUREとしてグラベルとロードの中間を繋ぐタイヤをリリースしている。今回はその30Cのタイヤをテストした。
一昔前はエンデュランス用のタフネスタイヤが硬くて重いというイメージを拭いきれない物だったが、POWER ADVENTUREはそのような雰囲気はない。コンペティションラインにカテゴライズされ、現在のロードフラッグシップモデルのPOWERという名前を冠するだけあって、その性能に妥協はないようだ。
このタイヤが活躍するのはスピードの増減が落ち着く巡航時。一度転がり始めてしまえば、重量を感じさせないようにスムースにスピードが乗っていき、その後は多少路面が荒れていようが一定のフィーリングで転がり続ける。それは舗装路でもグラベルでも同じ。
足を止めた時もあからさまにスピードが落ちていく抵抗感もなく、ストレスを感じずにサイクリングを楽しめる。これにはコンパウンドが優れていることはもちろん、センタースリックのトレッドパターンが転がり抵抗の小ささに寄与しているはずだ。ダンシング時にトレッド面が加速の邪魔をせず、スムーズにスピードが伸びてくれるのも、コンパウンドに溝を切るようなブロックパターンのおかげだろう。
そしてサイドのパターンはコーナリング時で程よい存在感を示してくれる。舗装路の曲がり角でもコンパウンドが路面の微細な凹凸による振動を吸収してくれるため、ある程度砂利が浮いているダウンヒルでも安心してバイクを倒すことが可能だ。
一方でグラベルにおいてはタイヤに大きな荷重をかけるとグリップが破綻してしまうので、自分に合わせた空気圧を見つけて、コントロールを意識する必要はある。とはいえスリックよりは数段扱いやすさは優っているため、グラベルに突入することに恐れを感じることはない。
今年新車が続々と登場し盛り上がりを見せているエンデュランス/オールロードにふさわしい一本がこのPOWER ADVENTUREだ。いわゆるグラベルまではいかないものの、サイクリングコースの一部に未舗装路を組み込みたい時にピッタリ。舗装路から未舗装路へ、新たな一歩に誘ってくれるだろう。(インプレッション:藤原岳人)
ミシュラン POWER ADVENTURE
タイプ:チューブレスレディ
ケーシング:3x100 TPI
カラー/サイズ/重量:
ブラック:700x30C(330g)、700x36C(395g)
クラシック:700x30C(340g)、700x36C(395g)
価格:8,690円(税込)
リンク
Amazon.co.jp