2023/03/27(月) - 13:30
7日間に渡るボルタ・ア・カタルーニャが閉幕。最終日をレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が制し、勝利を譲ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が自身初となる総合優勝者に輝いた。
1週間続いたボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)も最終日。スペイン第2の都市バルセロナを巡る第7ステージは序盤に2級山岳を越え、長い平坦路を経てバルセロナ市街地の8kmコースを5周する。その周回コースの中盤に設定された2級山岳モンジュイックの丘(距離2.7km/平均4.7%)がレースの難易度を上げた。
昨年はクライマーによる集団スプリントに持ち込まれたカタルーニャ最終日は、山岳賞ランキングで上位につけるギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)やイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)、ダビ・デラクルス(スペイン、アスタナ・カザフスタン)など強力な9名が逃げを打った。
それをメイン集団の先頭で追いかけたのはスーダル・クイックステップ。総合首位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)と連日激しい戦いを繰り広げ、10秒差の逆転を狙うレムコ・エヴェネプール(ベルギー)のためにチームはハイペースでバルセロナ市街地の周回コースに突入した。
周回を重ねる逃げ集団はヘイターの脱落から徐々に人数を減らしていく。そして残り3周の直前で最後まで粘ったデラクルスを飲み込んだプロトンから、エヴェネプールが加速。それにログリッチが反応し、遅れて合流したマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)を含む3名の先頭グループが出来上がった。
ボーラ・ハンスグローエが牽引するプロトンに対し、先頭集団は10〜20秒のリードを得る。そのきっかけを作ったエヴェネプールがログリッチとソレルに先頭交代を要求するものの、後方に控えるチームメイトが合流した方が有利と判断した2人はそれを拒否。しかしエヴェネプールが先頭固定であってもメイン集団との差は拡がりつづけ、この日最後のモンジュイックの丘でエヴェネプールの加速にソレルが脱落した。
追走集団ではジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)やエステバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト)、ソレルの遅れを聞いたジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)がアタックするものの、先頭2人には追いつかない。逃げ切りが濃厚となり、ログリッチもローテーションに加わるようになると更に2人のリードは拡大した。
そして、最後は約28kmに渡ってほぼ1人でリードを築いたエヴェネプールに対し、ログリッチが勝利を譲る形で総合トップの2人がフィニッシュラインを通過。エヴェネプールが今大会区間2勝目を挙げ、ログリッチが自身初となる総合優勝に輝いた。
「この大会には区間優勝と総合表彰台を目指しやってきた。だからそれ以上の結果が得られてとても嬉しい。チーム全体でレースを厳しくできたことを誇りに思う。世界最高峰の選手(ログリッチ)を相手にすることは困難だと分かっていた。だがベストを尽くし、モンジュイックの丘で何度もアタックを繰り返した。あと少しで総合優勝に手が届きそうだったことは、僕のコンディションが良い証拠になるよ」と、エヴェネプールは喜びながら大会を振り返った。
そしてティレーノ~アドリアティコに続く、今季2度目の総合優勝を手に入れたログリッチは「スリルのある最終日となった。カタルーニャの総合優勝は喜びと共に誇りに感じる」とコメント。「レムコが今日も仕掛けることは明らかで、幸運にも彼についていく脚があった。素晴らしい1週間となり、(昨年の肩の手術から)これ以上ない前進となった。数週間後に来るレースでもこのコンディションが保てると最高だね」と、ジロ・デ・イタリアという次なる目標に向けて意気込みを語った。
ログリッチとエヴェネプールは共に高地でのトレーニング合宿を挟み、5月6日に開幕するジロにて再び直接対決することになる。そしてミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)の総合5位入賞に尽力した新城幸也は、最終ステージで途中棄権となったものの、笑顔で今シーズン初戦となるボルタ・ア・カタルーニャを終えている。
1週間続いたボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)も最終日。スペイン第2の都市バルセロナを巡る第7ステージは序盤に2級山岳を越え、長い平坦路を経てバルセロナ市街地の8kmコースを5周する。その周回コースの中盤に設定された2級山岳モンジュイックの丘(距離2.7km/平均4.7%)がレースの難易度を上げた。
昨年はクライマーによる集団スプリントに持ち込まれたカタルーニャ最終日は、山岳賞ランキングで上位につけるギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)やイーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)、ダビ・デラクルス(スペイン、アスタナ・カザフスタン)など強力な9名が逃げを打った。
それをメイン集団の先頭で追いかけたのはスーダル・クイックステップ。総合首位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)と連日激しい戦いを繰り広げ、10秒差の逆転を狙うレムコ・エヴェネプール(ベルギー)のためにチームはハイペースでバルセロナ市街地の周回コースに突入した。
周回を重ねる逃げ集団はヘイターの脱落から徐々に人数を減らしていく。そして残り3周の直前で最後まで粘ったデラクルスを飲み込んだプロトンから、エヴェネプールが加速。それにログリッチが反応し、遅れて合流したマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)を含む3名の先頭グループが出来上がった。
ボーラ・ハンスグローエが牽引するプロトンに対し、先頭集団は10〜20秒のリードを得る。そのきっかけを作ったエヴェネプールがログリッチとソレルに先頭交代を要求するものの、後方に控えるチームメイトが合流した方が有利と判断した2人はそれを拒否。しかしエヴェネプールが先頭固定であってもメイン集団との差は拡がりつづけ、この日最後のモンジュイックの丘でエヴェネプールの加速にソレルが脱落した。
追走集団ではジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)やエステバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト)、ソレルの遅れを聞いたジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)がアタックするものの、先頭2人には追いつかない。逃げ切りが濃厚となり、ログリッチもローテーションに加わるようになると更に2人のリードは拡大した。
そして、最後は約28kmに渡ってほぼ1人でリードを築いたエヴェネプールに対し、ログリッチが勝利を譲る形で総合トップの2人がフィニッシュラインを通過。エヴェネプールが今大会区間2勝目を挙げ、ログリッチが自身初となる総合優勝に輝いた。
「この大会には区間優勝と総合表彰台を目指しやってきた。だからそれ以上の結果が得られてとても嬉しい。チーム全体でレースを厳しくできたことを誇りに思う。世界最高峰の選手(ログリッチ)を相手にすることは困難だと分かっていた。だがベストを尽くし、モンジュイックの丘で何度もアタックを繰り返した。あと少しで総合優勝に手が届きそうだったことは、僕のコンディションが良い証拠になるよ」と、エヴェネプールは喜びながら大会を振り返った。
そしてティレーノ~アドリアティコに続く、今季2度目の総合優勝を手に入れたログリッチは「スリルのある最終日となった。カタルーニャの総合優勝は喜びと共に誇りに感じる」とコメント。「レムコが今日も仕掛けることは明らかで、幸運にも彼についていく脚があった。素晴らしい1週間となり、(昨年の肩の手術から)これ以上ない前進となった。数週間後に来るレースでもこのコンディションが保てると最高だね」と、ジロ・デ・イタリアという次なる目標に向けて意気込みを語った。
ログリッチとエヴェネプールは共に高地でのトレーニング合宿を挟み、5月6日に開幕するジロにて再び直接対決することになる。そしてミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)の総合5位入賞に尽力した新城幸也は、最終ステージで途中棄権となったものの、笑顔で今シーズン初戦となるボルタ・ア・カタルーニャを終えている。
ボルタ・ア・カタルーニャ2023第7ステージ
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 2:59:24 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | |
3位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +0:53 |
4位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:58 |
5位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
6位 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー) | |
7位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
8位 | ダビ・デラクルス(スペイン、アスタナ・カザフスタン) | |
9位 | クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
10位 | オスカー・オンレー(イギリス、チームDSM) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 28:19:10 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:06 |
3位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +2:11 |
4位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +2:49 |
5位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +2:59 |
6位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | +3:03 |
7位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | +3:06 |
8位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +3:11 |
9位 | キアン・アイデブルックス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) | +3:32 |
10位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | +3:53 |
その他の特別賞
ポイント賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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