2023/03/22(水) - 09:30
早くもクイーンステージが訪れたボルタ・ア・カタルーニャ2日目。標高2,135mの超級山岳バルテル頂上で繰り広げられた三つ巴スプリントで、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)がログリッチとエヴェネプールを下した。
ボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)の主催者であるA.S.O.は大会2日目に早くもクイーンステージを用意した。スペインのバルセロナにあるマタローを出発するコースは、平坦路からピレネー山脈に向かい標高を上げ、まずは1級山岳コウベット峠をクリア。そして最後は標高2,135mに達する超級山岳バルテル(距離17.7km/平均6.1%/最大13%)に上り詰める。
展開次第では逃げ切りも十分考えられるこの日は、若手クライマーのサイモン・カー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)やベテランのクリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ジェイコ・アルウラー)ら8名がエスケープ。メイン集団はリーダーチームのユンボ・ヴィスマが4分半以上のリードを許さないタイトなコントロールを披露した。
超級山岳に臨む選手たちの”脚慣らし”といえる1級山岳コウベット峠を逃げのシモーネ・ペティッリ(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が先頭でクリア。一方のプロトンはベテランのロベルト・ヘーシンク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が早くも高速牽引を実行したため、逃げとのタイム差が縮小しただけでなくプロトンの人数も絞られた。
ダリオ・カタルド(イタリア、トレック・セガフレード)が落車して複数箇所を骨折した大会初日に続き、この日も終盤に落車が発生。メイン集団の前方で起こったその大規模落車には、またしてもトレックからケニー・エリッソンド(フランス)が巻き込まれる。検査の結果エリッソンドに骨折は見つからなかったものの、トレックは2日目にして2名のクライマーを失うことになった。
超級山岳バルテル(距離17.7km/平均6.1%)に突入した時点で逃げとプロトンの差は1分半。徐々に縮まるタイム差に逃げ集団はバラバラとなり、唯一カーが粘ったものの残り7kmで吸収。いよいよプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)やレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)ら総合勢による、リーダージャージをかけた争いが幕開けた。
豊富なクライマーを揃えるバーレーン・ヴィクトリアスが集団先頭でペースを作るなか、コロンビア王者ジャージを着るエステバン・チャベス(EFエデュケーション・イージーポスト)がファーストアタック。反対にチームメイトかつ昨年総合2位のリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)が遅れ、膝の怪我から復帰したエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)も脱落した。
ガレた路面と急勾配のコーナーを飛ぶように登るチャベスに対し、25秒後方のプロトンから残り2.1kmでミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が飛び出す。しかしこの動きは成功せず、活性化した集団から今度はエヴェネプールが加速。これにランダやログリッチ、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)、そして前日に落車したばかりのアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)が追従した。
フィニッシュが近づくにつれケイデンスが落ちていったチャベスが残り500mで集団に捉まり、先頭固定で突き進むエヴェネプールが更にスピードアップする。これにチッコーネとログリッチが食らいつき、勝負は3名による登りスプリントへ。残り75mの左コーナーに先頭で突入したエヴェネプールだったが速度が速すぎたためコース外側に膨らんでしまう。その隙を見逃さず先頭に出たチッコーネが、ログリッチを抑えて勝利した。
「キャリア最高のレースの一つ」と喜んだのはログリッチとエヴェネプールを下し、金星とも言える勝利を掴んだチッコーネ。「ティレーノ~アドリアティコは負け続きで、特に全てを持っていったログリッチには歯が立たなかった。だが長い登りと標高2,000m以上では状況が一変したんだ。脚に力を感じ、ベストを尽くした。最後はログリッチとエヴェネプールに食らいつき、ラスト500mを全力で踏み込んだ」とチッコーネは勝利を振り返った。
一方で、終盤に自らハイペースに持ち込みながらも3位に沈んだエヴェネプールは「調子は良かったものの、最後のスプリントを開始するのが早すぎた」と敗者の弁。「だが、これほど標高あるなかで戦った初めてのレースだ。これは来るステージに向けて励みになったよ」と前向きなコメントを残している。
総合リーダージャージは区間2位で-6秒を加算したログリッチがキープ。そして大会初日から2日連続で総合勢によるスプリントで決着した翌日も、1級と超級山岳を越え、1級山岳ラ・モリーナ(距離11.6km/平均4.3%)にフィニッシュする山岳ステージ。最後の登りは勾配が緩いため、3度目の登りスプリントに持ち込まれる可能性が高い。
ボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)の主催者であるA.S.O.は大会2日目に早くもクイーンステージを用意した。スペインのバルセロナにあるマタローを出発するコースは、平坦路からピレネー山脈に向かい標高を上げ、まずは1級山岳コウベット峠をクリア。そして最後は標高2,135mに達する超級山岳バルテル(距離17.7km/平均6.1%/最大13%)に上り詰める。
展開次第では逃げ切りも十分考えられるこの日は、若手クライマーのサイモン・カー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)やベテランのクリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ジェイコ・アルウラー)ら8名がエスケープ。メイン集団はリーダーチームのユンボ・ヴィスマが4分半以上のリードを許さないタイトなコントロールを披露した。
超級山岳に臨む選手たちの”脚慣らし”といえる1級山岳コウベット峠を逃げのシモーネ・ペティッリ(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が先頭でクリア。一方のプロトンはベテランのロベルト・ヘーシンク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が早くも高速牽引を実行したため、逃げとのタイム差が縮小しただけでなくプロトンの人数も絞られた。
ダリオ・カタルド(イタリア、トレック・セガフレード)が落車して複数箇所を骨折した大会初日に続き、この日も終盤に落車が発生。メイン集団の前方で起こったその大規模落車には、またしてもトレックからケニー・エリッソンド(フランス)が巻き込まれる。検査の結果エリッソンドに骨折は見つからなかったものの、トレックは2日目にして2名のクライマーを失うことになった。
超級山岳バルテル(距離17.7km/平均6.1%)に突入した時点で逃げとプロトンの差は1分半。徐々に縮まるタイム差に逃げ集団はバラバラとなり、唯一カーが粘ったものの残り7kmで吸収。いよいよプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)やレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)ら総合勢による、リーダージャージをかけた争いが幕開けた。
豊富なクライマーを揃えるバーレーン・ヴィクトリアスが集団先頭でペースを作るなか、コロンビア王者ジャージを着るエステバン・チャベス(EFエデュケーション・イージーポスト)がファーストアタック。反対にチームメイトかつ昨年総合2位のリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)が遅れ、膝の怪我から復帰したエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)も脱落した。
ガレた路面と急勾配のコーナーを飛ぶように登るチャベスに対し、25秒後方のプロトンから残り2.1kmでミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)が飛び出す。しかしこの動きは成功せず、活性化した集団から今度はエヴェネプールが加速。これにランダやログリッチ、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)、そして前日に落車したばかりのアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)が追従した。
フィニッシュが近づくにつれケイデンスが落ちていったチャベスが残り500mで集団に捉まり、先頭固定で突き進むエヴェネプールが更にスピードアップする。これにチッコーネとログリッチが食らいつき、勝負は3名による登りスプリントへ。残り75mの左コーナーに先頭で突入したエヴェネプールだったが速度が速すぎたためコース外側に膨らんでしまう。その隙を見逃さず先頭に出たチッコーネが、ログリッチを抑えて勝利した。
「キャリア最高のレースの一つ」と喜んだのはログリッチとエヴェネプールを下し、金星とも言える勝利を掴んだチッコーネ。「ティレーノ~アドリアティコは負け続きで、特に全てを持っていったログリッチには歯が立たなかった。だが長い登りと標高2,000m以上では状況が一変したんだ。脚に力を感じ、ベストを尽くした。最後はログリッチとエヴェネプールに食らいつき、ラスト500mを全力で踏み込んだ」とチッコーネは勝利を振り返った。
一方で、終盤に自らハイペースに持ち込みながらも3位に沈んだエヴェネプールは「調子は良かったものの、最後のスプリントを開始するのが早すぎた」と敗者の弁。「だが、これほど標高あるなかで戦った初めてのレースだ。これは来るステージに向けて励みになったよ」と前向きなコメントを残している。
総合リーダージャージは区間2位で-6秒を加算したログリッチがキープ。そして大会初日から2日連続で総合勢によるスプリントで決着した翌日も、1級と超級山岳を越え、1級山岳ラ・モリーナ(距離11.6km/平均4.3%)にフィニッシュする山岳ステージ。最後の登りは勾配が緩いため、3度目の登りスプリントに持ち込まれる可能性が高い。
ボルタ・ア・カタルーニャ2023第2ステージ
1位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | 4:13:37 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | |
3位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
4位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:11 |
5位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | エステバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:15 |
8位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | |
9位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
10位 | キアン・アイデブルックス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 8:01:38 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:06 |
3位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
4位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:27 |
5位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | +0:31 |
7位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | エステバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
9位 | キアン・アイデブルックス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:41 |
10位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +0:46 |
その他の特別賞
ポイント賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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