2023/03/13(月) - 10:00
1級山岳エズ峠で飛び出したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)による19kmの独走勝利。パリ〜ニース最終日を制したポガチャルは、2連続となる区間3勝目と共に自身初となる総合優勝に輝いた。
強風のため第6ステージがレースキャンセルになるトラブルもありながら、選手たちはパリ〜ニース(UCI.WT)最終日を迎えた。第8ステージは全長117.2kmのコンパクトな山岳ステージ。ニースを出発するレースは3つの2級山岳を立て続けに越え、後半は1級山岳ペイユ峠(6.5km/6.9%)と1級山岳エズ峠(7.7km/5.7%)をクリア。ダイナミックなダウンヒルからニースに帰着する。
登りと下りしかないこの日の序盤に飛び出したのはヨナス・グレゴー(デンマーク、ウノエックス・プロサイクリングチーム)。連日のように逃げに乗り、2日目から山岳賞ジャージを着用するグレゴーはチームメイトのアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)と2人で先頭グループを作り、3つの2級山岳全てをトップ通過。ランキング2位と大差をつけたグレゴーが山岳賞獲得を確定させた。
レース中盤、グレゴーを含む先頭グループには総合争いに関係しないヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス)ら9名が合流し、遅れてヤン・トラトニク(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)らも加わる。そのため16名の強力な逃げ集団が出来上がったものの、ショートステージということもありプロトンを牽引するUAEチームエミレーツは1分差以上を許さないタイトなコントロールを見せた。
1級山岳ペイユ峠(6.5km/6.9%)に突入するとプロトンからワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)がアタックする。モナコ在住ゆえトレーニングコースでもある登りを軽快に飛ばし、既に崩壊して5名となった先頭グループに合流。するとプールスはスピードを緩めることなく先頭集団を抜き、単独で最終山岳エズ峠を目指した。
プールスが先頭通過したボーナスタイム付きの中間スプリントは、総合リーダーのタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が総合2位ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)に先着して-4秒を加算。貪欲に総合リードを拡大したUAEは残り27kmでプールスを捉え、プロトンはひと塊のまま今大会最後の勝負所の1級山岳エズ峠(7.7km/5.7%)に突入した。
15名に絞られたプロトンから最初に仕掛けたのは、昨年もここでのアタックから勝利したサイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー)だった。しかしこれは決まらず、この加速を利用してポガチャルがアタック。重いギヤをシッティングのまま踏み続けるポガチャルと後続のタイム差は一気に拡がり、追走するゴデュやヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)に40秒差をつけながらエズ峠の頂上に到着した。
ゴデュとヴィンゲゴー、イェーツとマッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター)がローテーションしながら追走するものの、得意とする個人タイムトライアルのようなエアロポジションで突き進むポガチャルとの差は縮まらない。ほど近いモナコ在住という地の利もあり、テクニカルな下りも危なげなくクリアしたポガチャルが、ボウ・アンド・スクレープをしながらフィニッシュラインを通過した。
大会4日目と7日目に続く区間3勝目を飾ったポガチャルは、「パリ〜ニースで優勝することを夢見ていた。それを叶えたいまの気分は最高だ。攻撃が最大の防御という言葉通り、今日は自ら仕掛けた。また、すぐ近所に住んでいることもありここはトレーニングコースなんだ。それもあり最終山岳で自分の脚の状態がわかり、頂上までの力加減も把握していたんだよ」と勝利を振り返った。
今シーズン開幕から13戦7勝という脅威の勝率を誇るポガチャルは、総合優勝に加えポイント賞とヤングライダー賞にも輝いている。また、33秒遅れでフィニッシュにやってきた追走集団はヴィンゲゴーが先着し、区間3位でレースを終えたゴデュは総合2位に入った。
大会前から注目されたポガチャルとの直接対決に敗れたヴィンゲゴーは、「ポガチャルの調子が昨日ほど良くないことを願い、最終山岳でアタックする準備をしていた。だが、今日の彼も本当に強かったよ。ポガチャルについていく力はなかったものの、この大会での走りには概ね満足している。これから臨むレースに向けて調子を上げていきたい。まだまだやらなければならないことが沢山あるよ」と語った。
強風のため第6ステージがレースキャンセルになるトラブルもありながら、選手たちはパリ〜ニース(UCI.WT)最終日を迎えた。第8ステージは全長117.2kmのコンパクトな山岳ステージ。ニースを出発するレースは3つの2級山岳を立て続けに越え、後半は1級山岳ペイユ峠(6.5km/6.9%)と1級山岳エズ峠(7.7km/5.7%)をクリア。ダイナミックなダウンヒルからニースに帰着する。
登りと下りしかないこの日の序盤に飛び出したのはヨナス・グレゴー(デンマーク、ウノエックス・プロサイクリングチーム)。連日のように逃げに乗り、2日目から山岳賞ジャージを着用するグレゴーはチームメイトのアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)と2人で先頭グループを作り、3つの2級山岳全てをトップ通過。ランキング2位と大差をつけたグレゴーが山岳賞獲得を確定させた。
レース中盤、グレゴーを含む先頭グループには総合争いに関係しないヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス)ら9名が合流し、遅れてヤン・トラトニク(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)らも加わる。そのため16名の強力な逃げ集団が出来上がったものの、ショートステージということもありプロトンを牽引するUAEチームエミレーツは1分差以上を許さないタイトなコントロールを見せた。
1級山岳ペイユ峠(6.5km/6.9%)に突入するとプロトンからワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)がアタックする。モナコ在住ゆえトレーニングコースでもある登りを軽快に飛ばし、既に崩壊して5名となった先頭グループに合流。するとプールスはスピードを緩めることなく先頭集団を抜き、単独で最終山岳エズ峠を目指した。
プールスが先頭通過したボーナスタイム付きの中間スプリントは、総合リーダーのタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が総合2位ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)に先着して-4秒を加算。貪欲に総合リードを拡大したUAEは残り27kmでプールスを捉え、プロトンはひと塊のまま今大会最後の勝負所の1級山岳エズ峠(7.7km/5.7%)に突入した。
15名に絞られたプロトンから最初に仕掛けたのは、昨年もここでのアタックから勝利したサイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー)だった。しかしこれは決まらず、この加速を利用してポガチャルがアタック。重いギヤをシッティングのまま踏み続けるポガチャルと後続のタイム差は一気に拡がり、追走するゴデュやヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)に40秒差をつけながらエズ峠の頂上に到着した。
ゴデュとヴィンゲゴー、イェーツとマッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター)がローテーションしながら追走するものの、得意とする個人タイムトライアルのようなエアロポジションで突き進むポガチャルとの差は縮まらない。ほど近いモナコ在住という地の利もあり、テクニカルな下りも危なげなくクリアしたポガチャルが、ボウ・アンド・スクレープをしながらフィニッシュラインを通過した。
大会4日目と7日目に続く区間3勝目を飾ったポガチャルは、「パリ〜ニースで優勝することを夢見ていた。それを叶えたいまの気分は最高だ。攻撃が最大の防御という言葉通り、今日は自ら仕掛けた。また、すぐ近所に住んでいることもありここはトレーニングコースなんだ。それもあり最終山岳で自分の脚の状態がわかり、頂上までの力加減も把握していたんだよ」と勝利を振り返った。
今シーズン開幕から13戦7勝という脅威の勝率を誇るポガチャルは、総合優勝に加えポイント賞とヤングライダー賞にも輝いている。また、33秒遅れでフィニッシュにやってきた追走集団はヴィンゲゴーが先着し、区間3位でレースを終えたゴデュは総合2位に入った。
大会前から注目されたポガチャルとの直接対決に敗れたヴィンゲゴーは、「ポガチャルの調子が昨日ほど良くないことを願い、最終山岳でアタックする準備をしていた。だが、今日の彼も本当に強かったよ。ポガチャルについていく力はなかったものの、この大会での走りには概ね満足している。これから臨むレースに向けて調子を上げていきたい。まだまだやらなければならないことが沢山あるよ」と語った。
パリ〜ニース2023第8ステージ結果
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 2:51:02 |
2位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | +0:33 |
3位 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | |
4位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー) | |
5位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター) | |
6位 | ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:43 |
7位 | パヴェル・シヴァコフ(フランス、イネオス・グレナディアーズ) | |
8位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) | |
9位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | ジーノ・メーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス) |
個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 24:01:38 |
2位 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | +0:53 |
3位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | +1:29 |
4位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー) | +2:14 |
5位 | ジーノ・メーダー(スイス、バーレーン・ヴィクトリアス) | +2:56 |
6位 | ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) | +3:17 |
7位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) | +3:19 |
8位 | マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター) | |
9位 | パヴェル・シヴァコフ(フランス、イネオス・グレナディアーズ) | +4:05 |
10位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +4:56 |
その他の特別賞
ポイント賞 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
山岳賞 | ヨナス・グレゴー(デンマーク、ウノエックス・プロサイクリングチーム) |
ヤングライダー賞 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | ジェイコ・アルウラー |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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