2022/07/14(木) - 10:54
「長年の夢が現実となった」と戸惑うヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)は、ツール初勝利とマイヨジョーヌを手にそう喜んだ。「3分遅れたのなら直ぐに3分取り返せばいい」と語るポガチャルなど、ツール11日目を終えた選手たちの言葉を紹介します。
区間優勝&マイヨヴェール ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)
レース直後インタビュー
ここでステージ優勝とマイヨジョーヌを手に入れることができるなんて全くの想定外。この気持ちを表現する言葉がない。ずっと夢見てきたことが、いまここで叶った。ただただ素晴らしい。
今日は序盤から作戦通りに走った。その作戦とは単純に「レースをスーパーハードにする」こと。それは僕にとって、またプリモシュ(ログリッチ)にとっても有利に働くことだった。総合でタイムを稼ぐことができたのはチームメイトのおかげ。彼らの力がなければ不可能だった。感謝したい。全員が本当に素晴らしく、力強い走りを見せてくれた。
(ポガチャルの弱さが見えたのは)僕がアタックした時。全員を振り落としたガリビエ峠の頂上では、まだ彼はその力を見せていた。そして最後の峠で「仕掛けなければ勝利はない」と思い踏み込んだんだ。もちろん総合2位という順位は素晴らしいが、昨年僕はそれを既に手にしている。だから総合優勝のために飛び出したんだ。
そのアタックが成功し、マイヨジョーヌを手にすることができた。この後もパリでのマイヨジョーヌを目指して頑張るよ。
表彰式後インタビュー
マイヨジョーヌを着た今もまだ、これが現実だと思えない。夢が叶った。本当に素晴らしいよ。今朝起きた時からステージ優勝とマイヨジョーヌを強く願っていた。しかしまさかそれが叶うとは思わなかった。ツールで初めての勝利とマイヨジョーヌ着用だ。本当に素晴らしい。
ーデンマークにいるファンはさぞかし熱狂していることでしょう
どうだろうね。分からない。でもデンマークで開幕したことによって母国でツールの熱狂は続いているだろうから、盛り上がっているかもしれないね。
タデイ(ポガチャル)はファイターなのでこれから毎日のようにアタックを仕掛けてくるだろう。それを僕たちがパリまで守り続けることができだろうか。もちろん僕たちは全力を尽くすが、どうなるか注視していく。
区間2位&総合5位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)
この結果に満足しているし、これ以上は望めなかっただろう。繰り返し言っているように、一歩一歩着実にレースを進めていくことが大切なんだ。そして今日は自分に「行かなければならない」と言い聞かせてアタックした。自分のペースで登り、総合で数秒を稼ぐことができた。明日はまた大きな山岳がやってくる。
区間3位&総合2位 ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)
とてもハードな日だったし、予想通り総合順位が大きく動くステージとなった。テレグラフであそこまでハイペースになるのは予想外。その後は単純な脚の勝負だった。そして明日はまた、大きな戦いが待っている。
区間4位&総合4位 ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
ポガチャルが遅れることは予想外だったものの、ヴィンゲゴーの強さは明らかっだった。ユンボ・ヴィスマは強かったし、それもまた予想していたこと。ポガチャルの集団脱落はレースを面白くしたね。僕は彼らのアタック合戦を尻目に、自分のペースを守りながら登っていた。特にテレグラフで早くも彼らは攻防を繰り広げ、スプリントと停止を繰り返していた。
最後の山岳では集団の人数が戻り、僕としては自分のペースで最も早く山頂にフィニッシュすることを試みた。その途中ポガチャルが遅れたので先頭に出たのだが、僕に前を牽かせるブラフなんじゃないかと思ったんだ。しかし彼は遅れ、その後僕はタイムトライアルで1人頂上を目指した。勝利したヴィンゲゴーに称賛を送りたい。彼は今日、間違いなく一番強い選手だった。
明日もどうなるか分からないが、ラルプデュエズでまたヴィンゲゴーが勝ったとしても驚かない。これでユンボ・ヴィスマがリーダーチームとして集団をコントロールすることになる。つまり今日のように序盤からクレイジーな展開にはならないだろう。また、同時にポガチャルによる攻撃も見られることだろう。
しかしキンタナやバルデ、何より僕たちのツールはまだ終わっていない。いまは回復に努め、明日何ができるか見ていきたい。
区間7位&総合3位&マイヨブラン タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
ー一体何が起こった?
わからない。ガリビエ峠での調子はとても良く、ユンボのアタックも上手く対応することができていた。だが最後の山岳で遅れ、良い1日の締めくくりとならなかった。最後は本当に苦しかったよ。
ー原因はなんだと思う?補給の失敗かユンボ・ヴィスマによるアタックか。
わからない。その全てが原因かもしれないし、単純にベストデーではなかったということだろう。明日は今日よりも良い走りができるといいね。もちろんリベンジを果たしたいし、最後まで決して諦めない。持てる限りの力を尽くし戦い続ける。
ユンボは本当にスマートな戦いを見せた。逃げがタイム差を稼ぎ、人数の少ない僕たちにとって展開のコントロールは非常に難しかった。それに加えラポルトとファンアールトが先頭で待っている状況を作るなど、彼らはとても戦略的だった。
だがまだ何も終わっていない。もし3分失ったのならば、次の日に3分取り戻せばいいだけ。最後まで戦い続けるよ。
ヴィンゲゴーのアシストに徹したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)
今朝チームで話し合った計画よりも良い結果となった。チームとしてこれ以上ない走りができた。ヨナスがマイヨジョーヌを着用できて僕自身クレイジーなほど嬉しいよ。僕は失うものが何もなかったのでアタックした。そして最も強かったヨナスが勝った。それだけだ。
ポガチャルの様子については分からない。なぜなら自分の走りに集中していたから。今日も頂上にたどり着くことができてよかったよ。
マイヨヴェール ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)
今日はビックデーとなった。僕らはマイヨジョーヌ獲得に向けてこのステージへの準備を進めていたんだ。ヨナスとプリモシュをサポートするために逃げに乗ることは簡単ではなかった。しかしチームとして仕掛けた結果、ポガチャルを最後に引き離すことができた。
飛び出した自分の後ろにマチュー(ファンデルプール)がいて驚いたよ。とても良いシーンだっただろ?そのおかげで最初の30kmはとても速く、何よりとても楽しかった。今日は中間スプリントのポイントも加算することができ、特に総合にとっては完璧な日となった。
マイヨアポワ(山岳賞) シモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス)
このジャージを守ることができて誇りに思う。プロキャリアで最も過酷なステージの1つだった。逃げに入ることだけで相当な力を使わなければならず、僕みたいに体重の軽い選手が何度もアタックに追従するのは簡単ではない。だが何とか逃げに入り、ガリビエ峠でポイントを獲得することができた。
またワレン(バルギル)がステージ優勝できなかったことも幸運だった。彼は良い友人だし、彼はマイヨアポワはもちろんステージ優勝もふさわしい選手だ。だが、それによってジャージを保持することができたんだ。
text:Sotaro.Arakawa
区間優勝&マイヨヴェール ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)
レース直後インタビュー
ここでステージ優勝とマイヨジョーヌを手に入れることができるなんて全くの想定外。この気持ちを表現する言葉がない。ずっと夢見てきたことが、いまここで叶った。ただただ素晴らしい。
今日は序盤から作戦通りに走った。その作戦とは単純に「レースをスーパーハードにする」こと。それは僕にとって、またプリモシュ(ログリッチ)にとっても有利に働くことだった。総合でタイムを稼ぐことができたのはチームメイトのおかげ。彼らの力がなければ不可能だった。感謝したい。全員が本当に素晴らしく、力強い走りを見せてくれた。
(ポガチャルの弱さが見えたのは)僕がアタックした時。全員を振り落としたガリビエ峠の頂上では、まだ彼はその力を見せていた。そして最後の峠で「仕掛けなければ勝利はない」と思い踏み込んだんだ。もちろん総合2位という順位は素晴らしいが、昨年僕はそれを既に手にしている。だから総合優勝のために飛び出したんだ。
そのアタックが成功し、マイヨジョーヌを手にすることができた。この後もパリでのマイヨジョーヌを目指して頑張るよ。
表彰式後インタビュー
マイヨジョーヌを着た今もまだ、これが現実だと思えない。夢が叶った。本当に素晴らしいよ。今朝起きた時からステージ優勝とマイヨジョーヌを強く願っていた。しかしまさかそれが叶うとは思わなかった。ツールで初めての勝利とマイヨジョーヌ着用だ。本当に素晴らしい。
ーデンマークにいるファンはさぞかし熱狂していることでしょう
どうだろうね。分からない。でもデンマークで開幕したことによって母国でツールの熱狂は続いているだろうから、盛り上がっているかもしれないね。
タデイ(ポガチャル)はファイターなのでこれから毎日のようにアタックを仕掛けてくるだろう。それを僕たちがパリまで守り続けることができだろうか。もちろん僕たちは全力を尽くすが、どうなるか注視していく。
区間2位&総合5位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)
この結果に満足しているし、これ以上は望めなかっただろう。繰り返し言っているように、一歩一歩着実にレースを進めていくことが大切なんだ。そして今日は自分に「行かなければならない」と言い聞かせてアタックした。自分のペースで登り、総合で数秒を稼ぐことができた。明日はまた大きな山岳がやってくる。
区間3位&総合2位 ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)
とてもハードな日だったし、予想通り総合順位が大きく動くステージとなった。テレグラフであそこまでハイペースになるのは予想外。その後は単純な脚の勝負だった。そして明日はまた、大きな戦いが待っている。
区間4位&総合4位 ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
ポガチャルが遅れることは予想外だったものの、ヴィンゲゴーの強さは明らかっだった。ユンボ・ヴィスマは強かったし、それもまた予想していたこと。ポガチャルの集団脱落はレースを面白くしたね。僕は彼らのアタック合戦を尻目に、自分のペースを守りながら登っていた。特にテレグラフで早くも彼らは攻防を繰り広げ、スプリントと停止を繰り返していた。
最後の山岳では集団の人数が戻り、僕としては自分のペースで最も早く山頂にフィニッシュすることを試みた。その途中ポガチャルが遅れたので先頭に出たのだが、僕に前を牽かせるブラフなんじゃないかと思ったんだ。しかし彼は遅れ、その後僕はタイムトライアルで1人頂上を目指した。勝利したヴィンゲゴーに称賛を送りたい。彼は今日、間違いなく一番強い選手だった。
明日もどうなるか分からないが、ラルプデュエズでまたヴィンゲゴーが勝ったとしても驚かない。これでユンボ・ヴィスマがリーダーチームとして集団をコントロールすることになる。つまり今日のように序盤からクレイジーな展開にはならないだろう。また、同時にポガチャルによる攻撃も見られることだろう。
しかしキンタナやバルデ、何より僕たちのツールはまだ終わっていない。いまは回復に努め、明日何ができるか見ていきたい。
区間7位&総合3位&マイヨブラン タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
ー一体何が起こった?
わからない。ガリビエ峠での調子はとても良く、ユンボのアタックも上手く対応することができていた。だが最後の山岳で遅れ、良い1日の締めくくりとならなかった。最後は本当に苦しかったよ。
ー原因はなんだと思う?補給の失敗かユンボ・ヴィスマによるアタックか。
わからない。その全てが原因かもしれないし、単純にベストデーではなかったということだろう。明日は今日よりも良い走りができるといいね。もちろんリベンジを果たしたいし、最後まで決して諦めない。持てる限りの力を尽くし戦い続ける。
ユンボは本当にスマートな戦いを見せた。逃げがタイム差を稼ぎ、人数の少ない僕たちにとって展開のコントロールは非常に難しかった。それに加えラポルトとファンアールトが先頭で待っている状況を作るなど、彼らはとても戦略的だった。
だがまだ何も終わっていない。もし3分失ったのならば、次の日に3分取り戻せばいいだけ。最後まで戦い続けるよ。
ヴィンゲゴーのアシストに徹したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)
今朝チームで話し合った計画よりも良い結果となった。チームとしてこれ以上ない走りができた。ヨナスがマイヨジョーヌを着用できて僕自身クレイジーなほど嬉しいよ。僕は失うものが何もなかったのでアタックした。そして最も強かったヨナスが勝った。それだけだ。
ポガチャルの様子については分からない。なぜなら自分の走りに集中していたから。今日も頂上にたどり着くことができてよかったよ。
マイヨヴェール ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)
今日はビックデーとなった。僕らはマイヨジョーヌ獲得に向けてこのステージへの準備を進めていたんだ。ヨナスとプリモシュをサポートするために逃げに乗ることは簡単ではなかった。しかしチームとして仕掛けた結果、ポガチャルを最後に引き離すことができた。
飛び出した自分の後ろにマチュー(ファンデルプール)がいて驚いたよ。とても良いシーンだっただろ?そのおかげで最初の30kmはとても速く、何よりとても楽しかった。今日は中間スプリントのポイントも加算することができ、特に総合にとっては完璧な日となった。
マイヨアポワ(山岳賞) シモン・ゲシュケ(ドイツ、コフィディス)
このジャージを守ることができて誇りに思う。プロキャリアで最も過酷なステージの1つだった。逃げに入ることだけで相当な力を使わなければならず、僕みたいに体重の軽い選手が何度もアタックに追従するのは簡単ではない。だが何とか逃げに入り、ガリビエ峠でポイントを獲得することができた。
またワレン(バルギル)がステージ優勝できなかったことも幸運だった。彼は良い友人だし、彼はマイヨアポワはもちろんステージ優勝もふさわしい選手だ。だが、それによってジャージを保持することができたんだ。
text:Sotaro.Arakawa
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