2022/07/10(日) - 07:07
スイスに入国し、登坂後の集団ゴールで決着したツール・ド・フランス第8ステージ。マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)とタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)を抜き去ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が今大会2勝目をマークした。
神経変性疾患研究の寄付を募る特別ジャージでプレゼンに臨んだAG2Rシトロエンのメンバー(レース時は通常ジャージ) photo:CorVos
第8ステージ ドール〜ローザンヌ 186.5km image:A.S.O.
7月9日(土)第8ステージ ドール〜ローザンヌ 186.5km image:A.S.O.
デンマーク、フランス、そしてベルギーに続き、第109回ツール・ド・フランスが通過する4カ国目は隣国スイス。フランスのドールを出発して4級と3級山岳、スイスに入って4級山岳を越えてからローザンヌを目指す186.5kmコースは、総獲得標高2,500mほどの丘陵ステージだ。
「近代細菌学の開祖」とされるルイ・パスツールの生誕200年を祝い、その出生地であるドールの街(ツールを迎えるのは合計4回目)を出発。ローザンヌにあるIOC(国際オリンピック委員会)本部前を通過し、最後にオリンピックスタジアムを目指して3級山岳(距離4.8km/平均4.6%)を駆け上がるレイアウトは「登れるスプリンター」あるいは爆発力に長けるパンチャー向けだ。
この日は前日に逃げたヴェガールスターケ・ラエンゲン(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)が新型コロナウイルス陽性となり、レースから離脱。幸いUAEの他メンバーには伝染しておらず、マイヨジョーヌを着るタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)らは問題なくドールの街を出発した。
ルイ・パスツールの生誕200年を祝い、生誕地ドールの街を出発 photo:Makoto AYANO
マティア・カッタネオ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)ら、3名が集団との差を広げていく photo:CorVos
全く逃げが決まらなかったここまでの2日間とは異なり、この日は散発的なアタックがパラパラと続く落ち着いたレース序盤戦となった。山岳賞ランキングでポガチャルに1ポイント差まで迫られたマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)が逃げを試みたものの決まらず、そのカウンターで仕掛けたフレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)を含む3名の抜け出しを集団は見送った。
逃げグループを形成した3名
マティア・カッタネオ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)
フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)
フレデリック・フリソン(ベルギー、ロット・スーダル)
逃げとの差が20秒程度まで広がり、そろそろペースダウンかというタイミングで、メイン集団先頭付近では大規模な落車が発生し、複数の選手が路面に叩きつけられ、あるいは路肩の草地に放り投げ出される事態に。停止しきれず落車したポガチャルに幸い怪我はなかったものの、真っ先に落車したケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ、チームDSM)は左鎖骨骨折を負い初出場ツールからの涙のリタイアを強いられている。
ジュラ県の田舎町アルボワを通過するプロトン photo:Kei Tsuji
集団牽引を担うネイサン・ファンフーイドンク(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
2名となってからも逃げ切りを目指すマティア・カッタネオ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)とフレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
総合19位、3分58秒遅れのカッタネオが逃げたため、ラエンゲンのツール離脱によって7名となったUAEチームエミレーツが許したタイム差は最大でも3分半。この日最後のスプリント勝負を見据えるユンボ・ヴィスマとバイクエクスチェンジ・ジェイコも一人ずつアシスト役を送ってレース状況をコントロール。46.9km地点のモンロンの街に設定された中間スプリントポイントでは、最高速60.2km/hでもがいたヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)がワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)を下して13ポイント(ファンアールトは11ポイント)を獲得した。
ジュラ山脈に入り、逃げとメイン集団のタイム差が2分少々に縮まった状態で、最初の4級山岳をフリソンを先頭に通過する。続く3級山岳はカッタネオが先頭通過し、標高1,000m台の台地に出てからスイスへと入国。補給地点ではトレック・セガフレードのスタッフがバウケ・モレマ(オランダ)に渡そうとしたサコッシュに、ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)が顔をぶつけるシーンも。アイウェアに守られたピノは幸い怪我なくプロトンに復帰している。
やがて「2人のクライマーがペースを上げた時、僕になす術はなかった」と言うフリソンが遅れ、3つ目の4級山岳もカッタネオが先頭通過。約28kmのダウンヒルを経て、スイスとフランスにまたがるレマン湖沿いの平坦区間へと入り、最後の3級山岳を目指した。
最後の3級山岳を駆け上がるフレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
3級山岳コート・ドゥ・スタード・オリンピックでラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ)がペースメイク photo:Makoto AYANO
スタートからちょうど4時間に達した残り8.5km地点で、ライトがカッタネオを振り切って独走に持ち込んだ。オリンピックスタジアムを目指す距離4.8km/平均4.6%の「コート・ドゥ・スタード・オリンピック」に大歓声を浴びながら突入したライトだったが、すぐ後ろには、登坂スプリント体制を整えるメイン集団が迫っていた。
パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)の牽引によって残り3.5kmでライトは吸収。一列棒状で登坂を駆け上がり、モレマやレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が脱落するハイペースを刻む。コンラッドの「漢牽き」が残り1.5kmで終了すると、ポガチャルを連れたラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ)がペースセットを引き継いだ。
マイカ、ブランドン・マクナルティ(アメリカ)、ポガチャルのUAEトレインがリードし、その後ろでは総合2位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)がファンアールトを引き連れると共にポガチャルの動きをチェック。マイカの牽引が残り300mで終了し、ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、AG2Rシトロエン)のペースアップの背後でタイミングを待ったマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)がスプリントを開始した。
スプリントで競り合うタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)やワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:Kei Tsuji
スプリントで一気に先頭に出るワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:Kei Tsuji
圧巻のスプリントで勝利したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
2日前の第6ステージでポガチャルに負けたマシューズが「あの時の失敗から一番先にスプリントを始める必要があることを学んだ」と真っ先に加速する。マイヨジョーヌのポガチャルこそ抑えたものの、左側からはマイヨヴェールのファンアールトが飛んでくる。アウト側からマシューズを追い抜き、完全に抜け出す圧巻の加速力でファンアールトが勝利した。
「この勝利に興奮しているよ。勝つ自信があったからこそチームにレースをコントロールしてくれと頼んだ。勝負を制することができて最高の気分だ」。フィニッシュ直後にチームメイトたちと勝利の喜びを分かち合ったファンアールトはそのように言う。「こういうステージではチームの力なくして勝利はない。ネイサン・ファンフーイドンクは一日中レースをコントロールしてくれた。彼のためにも勝てて良かった」。
今大会2勝目を挙げたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:Makoto AYANO
ステージ3位に入り、ボーナスタイムを得たタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Makoto AYANO
敢闘賞を獲得したマティア・カッタネオ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:Makoto AYANO
ポイントリーダーを維持しているマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:Makoto AYANO
ファンアールトは初日から3日連続でステージ2位に入り、4日目に劇的な逃げ切りでステージ優勝。マイヨヴェールに着替えてからはアシストとして2日間を過ごしてきたが、まさにファンアールト向きの第8ステージで今大会2勝目。「ポイント賞ランキングにおいても大切な勝利だ。最後はポガチャルも総合リードのためにステージを狙ったため緊張感が高かったよ。でも、そういうプレッシャーが掛かった時にこそ、僕は力を最大限発揮できる」。
得意の登坂スプリントでまたしても2位。前回はポガチャルに、今回はファンアールトに敗れたマシューズは「正直言って自分がミスしたとは思えない。ただ僕より速い選手がいたと言うこと。残り200mでタデイとワウトが囲まれているのを見て、そのまま勝てると思っていたけれど、十分じゃなかった」と話している。
母国ファンの声援に応えてフィニッシュを目指すシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) photo:Makoto AYANO
集団内でフィニッシュを目指すペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー) photo:Makoto AYANO
オリンピックスタジアム前のフィニッシュにやってきたフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)ら photo:Makoto AYANO
ここまで8ステージをこなし、ファンアールととポガチャルが2勝ずつ。プロトンを代表する「超オールラウンダー」が、今後さらにステージ優勝を量産、そして分け合うことを予感させる幕切れとなった。
![神経変性疾患研究の寄付を募る特別ジャージでプレゼンに臨んだAG2Rシトロエンのメンバー(レース時は通常ジャージ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/tdfr-03464jpg.jpeg)
![第8ステージ ドール〜ローザンヌ 186.5km](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/06/28/82e694.jpeg)
![7月9日(土)第8ステージ ドール〜ローザンヌ 186.5km](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/06/28/544781.jpeg)
デンマーク、フランス、そしてベルギーに続き、第109回ツール・ド・フランスが通過する4カ国目は隣国スイス。フランスのドールを出発して4級と3級山岳、スイスに入って4級山岳を越えてからローザンヌを目指す186.5kmコースは、総獲得標高2,500mほどの丘陵ステージだ。
「近代細菌学の開祖」とされるルイ・パスツールの生誕200年を祝い、その出生地であるドールの街(ツールを迎えるのは合計4回目)を出発。ローザンヌにあるIOC(国際オリンピック委員会)本部前を通過し、最後にオリンピックスタジアムを目指して3級山岳(距離4.8km/平均4.6%)を駆け上がるレイアウトは「登れるスプリンター」あるいは爆発力に長けるパンチャー向けだ。
この日は前日に逃げたヴェガールスターケ・ラエンゲン(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)が新型コロナウイルス陽性となり、レースから離脱。幸いUAEの他メンバーには伝染しておらず、マイヨジョーヌを着るタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)らは問題なくドールの街を出発した。
![ルイ・パスツールの生誕200年を祝い、生誕地ドールの街を出発](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/ayano2022tdf8e-95.jpeg)
![マティア・カッタネオ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)ら、3名が集団との差を広げていく](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/photonews10987992-088jpg.jpeg)
全く逃げが決まらなかったここまでの2日間とは異なり、この日は散発的なアタックがパラパラと続く落ち着いたレース序盤戦となった。山岳賞ランキングでポガチャルに1ポイント差まで迫られたマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)が逃げを試みたものの決まらず、そのカウンターで仕掛けたフレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)を含む3名の抜け出しを集団は見送った。
逃げグループを形成した3名
マティア・カッタネオ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)
フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)
フレデリック・フリソン(ベルギー、ロット・スーダル)
逃げとの差が20秒程度まで広がり、そろそろペースダウンかというタイミングで、メイン集団先頭付近では大規模な落車が発生し、複数の選手が路面に叩きつけられ、あるいは路肩の草地に放り投げ出される事態に。停止しきれず落車したポガチャルに幸い怪我はなかったものの、真っ先に落車したケヴィン・ヴェルマーク(アメリカ、チームDSM)は左鎖骨骨折を負い初出場ツールからの涙のリタイアを強いられている。
![ジュラ県の田舎町アルボワを通過するプロトン](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/cw2022tdf0805.jpg)
![集団牽引を担うネイサン・ファンフーイドンク(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/tdfr-03670jpg.jpeg)
![2名となってからも逃げ切りを目指すマティア・カッタネオ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)とフレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/tdfr-03695jpg.jpeg)
総合19位、3分58秒遅れのカッタネオが逃げたため、ラエンゲンのツール離脱によって7名となったUAEチームエミレーツが許したタイム差は最大でも3分半。この日最後のスプリント勝負を見据えるユンボ・ヴィスマとバイクエクスチェンジ・ジェイコも一人ずつアシスト役を送ってレース状況をコントロール。46.9km地点のモンロンの街に設定された中間スプリントポイントでは、最高速60.2km/hでもがいたヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)がワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)を下して13ポイント(ファンアールトは11ポイント)を獲得した。
ジュラ山脈に入り、逃げとメイン集団のタイム差が2分少々に縮まった状態で、最初の4級山岳をフリソンを先頭に通過する。続く3級山岳はカッタネオが先頭通過し、標高1,000m台の台地に出てからスイスへと入国。補給地点ではトレック・セガフレードのスタッフがバウケ・モレマ(オランダ)に渡そうとしたサコッシュに、ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)が顔をぶつけるシーンも。アイウェアに守られたピノは幸い怪我なくプロトンに復帰している。
やがて「2人のクライマーがペースを上げた時、僕になす術はなかった」と言うフリソンが遅れ、3つ目の4級山岳もカッタネオが先頭通過。約28kmのダウンヒルを経て、スイスとフランスにまたがるレマン湖沿いの平坦区間へと入り、最後の3級山岳を目指した。
![最後の3級山岳を駆け上がるフレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/tdfr-03696jpg.jpeg)
![3級山岳コート・ドゥ・スタード・オリンピックでラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ)がペースメイク](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/ayano2022tdf8e-263.jpeg)
スタートからちょうど4時間に達した残り8.5km地点で、ライトがカッタネオを振り切って独走に持ち込んだ。オリンピックスタジアムを目指す距離4.8km/平均4.6%の「コート・ドゥ・スタード・オリンピック」に大歓声を浴びながら突入したライトだったが、すぐ後ろには、登坂スプリント体制を整えるメイン集団が迫っていた。
パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)の牽引によって残り3.5kmでライトは吸収。一列棒状で登坂を駆け上がり、モレマやレナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が脱落するハイペースを刻む。コンラッドの「漢牽き」が残り1.5kmで終了すると、ポガチャルを連れたラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ)がペースセットを引き継いだ。
マイカ、ブランドン・マクナルティ(アメリカ)、ポガチャルのUAEトレインがリードし、その後ろでは総合2位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)がファンアールトを引き連れると共にポガチャルの動きをチェック。マイカの牽引が残り300mで終了し、ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、AG2Rシトロエン)のペースアップの背後でタイミングを待ったマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)がスプリントを開始した。
![スプリントで競り合うタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)やワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/cw2022tdf0806.jpg)
![スプリントで一気に先頭に出るワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/cw2022tdf0807.jpg)
![圧巻のスプリントで勝利したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/tdfr-03763jpg.jpeg)
2日前の第6ステージでポガチャルに負けたマシューズが「あの時の失敗から一番先にスプリントを始める必要があることを学んだ」と真っ先に加速する。マイヨジョーヌのポガチャルこそ抑えたものの、左側からはマイヨヴェールのファンアールトが飛んでくる。アウト側からマシューズを追い抜き、完全に抜け出す圧巻の加速力でファンアールトが勝利した。
「この勝利に興奮しているよ。勝つ自信があったからこそチームにレースをコントロールしてくれと頼んだ。勝負を制することができて最高の気分だ」。フィニッシュ直後にチームメイトたちと勝利の喜びを分かち合ったファンアールトはそのように言う。「こういうステージではチームの力なくして勝利はない。ネイサン・ファンフーイドンクは一日中レースをコントロールしてくれた。彼のためにも勝てて良かった」。
![今大会2勝目を挙げたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/ayano2022tdf8e-460.jpeg)
![ステージ3位に入り、ボーナスタイムを得たタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/ayano2022tdf8e-451.jpeg)
![敢闘賞を獲得したマティア・カッタネオ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/ayano2022tdf8e-497.jpeg)
![ポイントリーダーを維持しているマグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/ayano2022tdf8e-476.jpeg)
ファンアールトは初日から3日連続でステージ2位に入り、4日目に劇的な逃げ切りでステージ優勝。マイヨヴェールに着替えてからはアシストとして2日間を過ごしてきたが、まさにファンアールト向きの第8ステージで今大会2勝目。「ポイント賞ランキングにおいても大切な勝利だ。最後はポガチャルも総合リードのためにステージを狙ったため緊張感が高かったよ。でも、そういうプレッシャーが掛かった時にこそ、僕は力を最大限発揮できる」。
得意の登坂スプリントでまたしても2位。前回はポガチャルに、今回はファンアールトに敗れたマシューズは「正直言って自分がミスしたとは思えない。ただ僕より速い選手がいたと言うこと。残り200mでタデイとワウトが囲まれているのを見て、そのまま勝てると思っていたけれど、十分じゃなかった」と話している。
![母国ファンの声援に応えてフィニッシュを目指すシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/ayano2022tdf8e-365.jpeg)
![集団内でフィニッシュを目指すペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/ayano2022tdf8e-397.jpeg)
![オリンピックスタジアム前のフィニッシュにやってきたフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)ら](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2022/07/10/ayano2022tdf8e-418.jpeg)
ここまで8ステージをこなし、ファンアールととポガチャルが2勝ずつ。プロトンを代表する「超オールラウンダー」が、今後さらにステージ優勝を量産、そして分け合うことを予感させる幕切れとなった。
ツール・ド・フランス2022第8ステージ結果
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | 4:13:06 |
2位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | |
3位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・スーダル) | |
5位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
6位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
7位 | バンジャマン・トマ(フランス、コフィディス) | |
8位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | |
9位 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、AG2Rシトロエン) | |
10位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 28:56:16 |
2位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | +0:39 |
3位 | ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +1:14 |
4位 | アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +1:22 |
5位 | ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) | +1:35 |
6位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) | +1:36 |
7位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +1:39 |
8位 | ニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) | +1:41 |
9位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +1:47 |
10位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | +1:59 |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | 264pts |
2位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル) | 149pts |
3位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 128pts |
マイヨアポワ(山岳賞)
1位 | マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト) | 11pts |
2位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 10pts |
3位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | 8pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 28:56:16 |
2位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +1:36 |
3位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | +7:02 |
チーム総合成績
1位 | イネオス・グレナディアーズ | 86:52:43 |
2位 | ユンボ・ヴィスマ | +0:26 |
3位 | EFエデュケーション・イージーポスト | +6:06 |
text:So Isobe
photo:Makoto AYANO, Kei Tsuji, CorVos
photo:Makoto AYANO, Kei Tsuji, CorVos
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