2022/05/06(金) - 14:46
本日5月6日に開幕する2022年ジロ・デ・イタリア。スプリンターが争うマリアチクラミーノ(ポイント賞)、クライマーのマリアアッズーラ(山岳賞)、25歳以下によるマリアビアンカ(ヤングライダー賞)の3つのジャージを狙う注目選手を紹介します。
最強スプリンターたちによって争われるのが、2018年に赤から紫のシクラメンカラーに戻されたジャージ「マリアチクラミーノ」だ。コース途中に設定されたスプリントポイントとフィニッシュラインの合計ポイントで争われ、平坦ステージは山岳やタイムトライアルよりも配点が高いことから、スプリンターたちによる戦いとなる。
昨年マリアチクラミーノに輝いたペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)が不在の中、開幕前の注目を一手に引き受けるのがマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)だ。最後に出場したのはオメガファルマ・クイックステップに移籍初年度の2013年。過去に区間5勝を重ね、古巣で復活を遂げたカヴェンディッシュの走りを世界中のファンが見守る。
体調不良で春のクラシックを棒に振ったカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)は、4月中旬に実戦復帰戦となったツアー・オブ・ターキーで区間2勝と本来の力を取り戻しつつある。年々登りへの適性を高めるユアンにとって、距離5.5km/平均勾配4.2%の登りがフィニッシュへと続く第1ステージですらチャンスとなる。だが今年もツール・ド・フランスへの出場が決まっているため、昨年と同様に大会途中でレースを去る可能性が濃厚。マリアチクラミーノ争いには加わらず、本格山岳ステージが幕開ける前日の第13ステージ後のリタイアが既定路線か。
昨年ツールを選んだアルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)は今年ツールではなくジロを選んだ。2月のシーズンインから未だ未勝利のデマールだが、一度勝ち出すと手がつけられなのは区間4勝してマリアチクラミーノを獲得した2020年大会で証明済み。第4ステージに登場するエトナ山で行った高地トレーニングが功を奏するか。
昨年大会でアルペシン・フェニックスのエースとして区間1勝を挙げたティム・メルリール(ベルギー)は、パリ〜ルーベで負傷した肘の回復が間に合わず出場を回避したものの、代わりにマチュー・ファンデルプール(オランダ)がようやくのジロデビューを果たす。7つある平坦ステージはもちろん、6つの丘陵ステージでも勝利が狙えるファンデルプールがマリアチクラミーノを狙うのならば、ライバルたちは白旗を上げるしかない。
3月のヘント〜ウェヴェルヘムで優勝し、母国エリトリアで凱旋パレードが開かれるなど躍進するビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)は初出場のグランツールで成績を残せるか。また2015、16年と2年連続でマリアチクラミーノを獲得したジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、イスラエル・プレミアテック)も忘れてはならない存在であり、悲願のステージ初勝利を挙げた昨年大会の再現をすべく、今年は発射役リック・ツァベル(ドイツ)との連携にも注目だ。
地元イタリア勢としてシモーネ・コンソンニ(コフィディス)や、昨年はポイントランキング3位と及ばなかったフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)、マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)なども虎視眈々とマリアチクラミーノを狙う。
最強スプリンターたちによって争われるのが、2018年に赤から紫のシクラメンカラーに戻されたジャージ「マリアチクラミーノ」だ。コース途中に設定されたスプリントポイントとフィニッシュラインの合計ポイントで争われ、平坦ステージは山岳やタイムトライアルよりも配点が高いことから、スプリンターたちによる戦いとなる。
昨年マリアチクラミーノに輝いたペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)が不在の中、開幕前の注目を一手に引き受けるのがマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)だ。最後に出場したのはオメガファルマ・クイックステップに移籍初年度の2013年。過去に区間5勝を重ね、古巣で復活を遂げたカヴェンディッシュの走りを世界中のファンが見守る。
体調不良で春のクラシックを棒に振ったカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)は、4月中旬に実戦復帰戦となったツアー・オブ・ターキーで区間2勝と本来の力を取り戻しつつある。年々登りへの適性を高めるユアンにとって、距離5.5km/平均勾配4.2%の登りがフィニッシュへと続く第1ステージですらチャンスとなる。だが今年もツール・ド・フランスへの出場が決まっているため、昨年と同様に大会途中でレースを去る可能性が濃厚。マリアチクラミーノ争いには加わらず、本格山岳ステージが幕開ける前日の第13ステージ後のリタイアが既定路線か。
昨年ツールを選んだアルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)は今年ツールではなくジロを選んだ。2月のシーズンインから未だ未勝利のデマールだが、一度勝ち出すと手がつけられなのは区間4勝してマリアチクラミーノを獲得した2020年大会で証明済み。第4ステージに登場するエトナ山で行った高地トレーニングが功を奏するか。
昨年大会でアルペシン・フェニックスのエースとして区間1勝を挙げたティム・メルリール(ベルギー)は、パリ〜ルーベで負傷した肘の回復が間に合わず出場を回避したものの、代わりにマチュー・ファンデルプール(オランダ)がようやくのジロデビューを果たす。7つある平坦ステージはもちろん、6つの丘陵ステージでも勝利が狙えるファンデルプールがマリアチクラミーノを狙うのならば、ライバルたちは白旗を上げるしかない。
3月のヘント〜ウェヴェルヘムで優勝し、母国エリトリアで凱旋パレードが開かれるなど躍進するビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)は初出場のグランツールで成績を残せるか。また2015、16年と2年連続でマリアチクラミーノを獲得したジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、イスラエル・プレミアテック)も忘れてはならない存在であり、悲願のステージ初勝利を挙げた昨年大会の再現をすべく、今年は発射役リック・ツァベル(ドイツ)との連携にも注目だ。
地元イタリア勢としてシモーネ・コンソンニ(コフィディス)や、昨年はポイントランキング3位と及ばなかったフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAEチームエミレーツ)、マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)なども虎視眈々とマリアチクラミーノを狙う。
歴代ポイント賞受賞者
2021年 | ペテル・サガン(スロバキア) |
2020年 | アルノー・デマール(フランス) |
2019年 | パスカル・アッカーマン(ドイツ) |
2018年 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア) |
2017年 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア) |
2016年 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア) |
2015年 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア) |
2014年 | ナセル・ブアニ(フランス) |
2013年 | マーク・カヴェンディッシュ(イギリス) |
2012年 | ホアキン・ロドリゲス(スペイン) |
マリアアッズーラ 山岳賞
グランツールの中で最も山岳の難易度が高いと言われるジロ・デ・イタリア。それだけにジロの山岳賞ジャージには大きな価値がある。かつては緑色のマリアヴェルデが採用されていたが、2012年から青色に変更された。「クライミング」「俊敏さ」「スタミナ」を象徴するジャージの名称はマリアアッズーラ(青色ジャージ)だ。
高い登坂力をもつ選手は必然的に総合争いに流れ、さらに多くのクライマーたちがアシストとしてエースのために走ることを強いられるため、登坂力ランキングがそのまま山岳賞ランキングになることはない。総合順位を落としたマリアローザ候補たちが山岳賞に目標をスイッチすることもあるため予想が難しい賞だ。
2021年大会では第2週目から積極的に逃げに乗ったジョフレ・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン)が、9日目から最終日まで青色ジャージに袖を通し続けた。2019年に区間1勝とともにマリアアッズーラを獲得したジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)は直前の記者会見で総合争いに専念すると明言。同じチームのバウケ・モレマ(オランダ)も、あくまで狙いはステージ優勝だと否定する。
スプリントチームながら山岳ではある程度の自由が与えられるジェームス・ノックス(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)やトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)、また16回目の出場となる大ベテランのドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)などもチャンスがあれば狙ってくるだろう。
グランツールの中で最も山岳の難易度が高いと言われるジロ・デ・イタリア。それだけにジロの山岳賞ジャージには大きな価値がある。かつては緑色のマリアヴェルデが採用されていたが、2012年から青色に変更された。「クライミング」「俊敏さ」「スタミナ」を象徴するジャージの名称はマリアアッズーラ(青色ジャージ)だ。
高い登坂力をもつ選手は必然的に総合争いに流れ、さらに多くのクライマーたちがアシストとしてエースのために走ることを強いられるため、登坂力ランキングがそのまま山岳賞ランキングになることはない。総合順位を落としたマリアローザ候補たちが山岳賞に目標をスイッチすることもあるため予想が難しい賞だ。
2021年大会では第2週目から積極的に逃げに乗ったジョフレ・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン)が、9日目から最終日まで青色ジャージに袖を通し続けた。2019年に区間1勝とともにマリアアッズーラを獲得したジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)は直前の記者会見で総合争いに専念すると明言。同じチームのバウケ・モレマ(オランダ)も、あくまで狙いはステージ優勝だと否定する。
スプリントチームながら山岳ではある程度の自由が与えられるジェームス・ノックス(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)やトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)、また16回目の出場となる大ベテランのドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)などもチャンスがあれば狙ってくるだろう。
歴代山岳賞受賞者
2021年 | ジョフレ・ブシャール(フランス) |
2020年 | ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル) |
2019年 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア) |
2018年 | クリストファー・フルーム(イギリス) |
2017年 | ミケル・ランダ(スペイン) |
2016年 | ミケル・ニエベ(スペイン) |
2015年 | ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア) |
2014年 | ジュリアン・アレドンド(コロンビア) |
2013年 | ステファノ・ピラッツィ(イタリア) |
2012年 | マッテーオ・ラボッティーニ(イタリア) |
マリアビアンカ ヤングライダー賞
25歳以下の選手を対象にしたマリアビアンカは、1997年1月1日以降に生まれた選手の中で最も総合タイムが良い選手に与えられる。若手の活躍が著しい近年は総合優勝者がそのままヤングライダー賞を獲得することも多く、一昨年と昨年はいずれも総合優勝を果たした選手(2020年:テイオ・ゲイガンハート、2021年:エガン・ベルナル)が獲得している。
今大会で対象となる45名の選手の中でも最有力候補は23歳のジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ))だろう。2020年大会で15日間に渡りマリアローザを着用したアルメイダは、ルイ・コスタ(ポルトガル)やディエゴ・ウリッシ(イタリア)といったベテランのサポートを受けて総合成績を目指せば、自ずとマリアビアンカが近づいてくる。
対抗となるは24歳のイバン・ソーサ(コロンビア、モビスター)。直前のブエルタ・アストゥリアス区間1勝と共に総合優勝を挙げるなど、自身2度目のジロかつ初の単独総合エースへの準備は万全だ。その他にパヴェル・シヴァコフ(フランス、イネオス・グレナディアーズ)やトビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ)もチームにおける役割は山岳アシストだが、エースの調子次第では分からない。またフェリックス・ガル(オーストリア、AG2Rシトロエン)やフィリッポ・ザナ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)の走りにも注目したい。
25歳以下の選手を対象にしたマリアビアンカは、1997年1月1日以降に生まれた選手の中で最も総合タイムが良い選手に与えられる。若手の活躍が著しい近年は総合優勝者がそのままヤングライダー賞を獲得することも多く、一昨年と昨年はいずれも総合優勝を果たした選手(2020年:テイオ・ゲイガンハート、2021年:エガン・ベルナル)が獲得している。
今大会で対象となる45名の選手の中でも最有力候補は23歳のジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ))だろう。2020年大会で15日間に渡りマリアローザを着用したアルメイダは、ルイ・コスタ(ポルトガル)やディエゴ・ウリッシ(イタリア)といったベテランのサポートを受けて総合成績を目指せば、自ずとマリアビアンカが近づいてくる。
対抗となるは24歳のイバン・ソーサ(コロンビア、モビスター)。直前のブエルタ・アストゥリアス区間1勝と共に総合優勝を挙げるなど、自身2度目のジロかつ初の単独総合エースへの準備は万全だ。その他にパヴェル・シヴァコフ(フランス、イネオス・グレナディアーズ)やトビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ)もチームにおける役割は山岳アシストだが、エースの調子次第では分からない。またフェリックス・ガル(オーストリア、AG2Rシトロエン)やフィリッポ・ザナ(イタリア、バルディアーニCSFファイザネ)の走りにも注目したい。
歴代ヤングライダー賞受賞者
2021年 | エガン・ベルナル(コロンビア) |
2020年 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス) |
2019年 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア) |
2018年 | ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア) |
2017年 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク) |
2016年 | ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク) |
2015年 | ファビオ・アル(イタリア) |
2014年 | ナイロ・キンタナ(コロンビア) |
2013年 | カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア) |
2012年 | リゴベルト・ウラン(コロンビア) |
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