2022/03/20(日) - 14:18
1906年に創業した老舗イタリアンブランドのウィリエールが、新型ミドルグレードロードのGARDA DISCをリリースしている。これまでのラインアップされていた中級機やエンデュランス系バイクのシリーズに入らない、全く新しいモデルをインプレッションした。
1906年、今から1世紀も前に創業したウィリエール。イタリア北部のロッサーノ・ヴェネトに拠点を構える老舗は、1990年代後半より革新性に満ちたハイテクノロジーブランドとして名声を高め、イタリアの伝統である自転車工房(チクリ)と一線を画す存在として飛躍を遂げたブランドだ。
マルコ・パンターニと共にグランツールを制覇したウィリエールは、2001年に初となるフルカーボンモノコックフレームK2をレースに投入。スチールからアルミ、カーボンへと瞬く間に素材のトレンドが変わるなか、時勢をいち早く捉え、具現化する技術力のあるブランドとしての地位を確かなものに。
その後2006年に創業100年を迎えたウィリエールは、今も続くCentoシリーズの第1弾をローンチ。その直後に世界初の三菱製60Tカーボンを使用したCento 1(チェント ウノ)、デビュー当時(2011年)に世界最軽量だったZero.7、現在でも最軽量級のZero.6(2016年)を次々に発表し、ハイテクノロジーブランドらしい姿を世界に発信し続けてきた。
そんなCentoとZeroシリーズはウィリエールの中核バイクとして新作が生み出され続け、ラインアップのトップエンドとしていくつもの勝利に貢献。時代がディスクブレーキが前提とするバイクを要求すると、ウィリエールはZero SLRというモデルで応えた。
2020年モデルとしてデビューした新型フラッグシップは、HUS-MODというオリジナルのカーボンレイアップ、液晶ポリマーと言った最新のテクノロジーを駆使し、再びウィリエールの技術力をアピールする一台となった。また、これまでZero.6などナンバリングが与えられてきたヒルクライムバイクだが、この世代ではSLRという文字に置き換えられている。
ナンバリングから外れた新世代は翌年発表されるFILANTE SLRにも波及。FILANTE以前はエアロロードと言えばCentoシリーズだったが、ウィリエールは大胆にCentoシリーズとは異なるバイクとして明示。ウィリエールが次なる時代へ舵を切ったことが伝わる一台となった。
モデル名からも伝わる新時代への歩みはついにミドルグレードまで到達し、Garda Discがデビューした。エンデュランスロードとしてお馴染みの存在のGran Tourismoシリーズと並ぶ一台であり、「ストレスフリー・ライド」をコンセプトとする新世代のエンデュランスロードだ。
フラッグシップで培ったケーブルの内装システムを採用することで、現代的なスッキリとしたフォルムを実現している。上位モデルと同じようにステンマSステムを使用したケーブルルーティングが用いられており、機械式変速にも対応する点はユーザーフレンドリーといえよう。
また時代が進むにつれてディスクブレーキバイクを前提とするだけではなく、標準となるタイヤ幅が広がっている。ロードレースでは25C、サイクリングユースでは28Cがスタンダードとなりつつあり、近年のオールロードと呼ばれる遊び方では30Cがポピュラーだ。
そんな中でGarda Discでは最大タイヤ幅32Cに設定。ワイドタイヤを装着することで、接地面積の大きさ故の優れたグリップ力、エアボリューム増加による優れた快適性を期待することができ、ちょっとした未舗装路を含むサイクリングルートを楽しめるバイクへと仕上がるだろう。
フレームの作りは非常にオーソドックスで、シートポストは27.2mm径の丸型を採用する。ポピュラーな規格が用いられているため、好みのアイテムを選べるのは嬉しいポイントだ。フレーム重量は1,120gで、フォークは370g。販売はフレームセット(291,500円)、シマノULTEGRA DI2完成車(533,500円)、シマノ105完成車(374,000円、いずれも税込)と非常にバリューの高いモデルとなっている。
今回ウィリエールのミドルグレードをテストするのは、東京都狛江市に店舗を構えるBicicletta SHIDOの安藤光平店長だ。Jプロツアーで戦っていた経験のあるライダーはGarda Discをどう評価するのか。インプレッションに移ろう。
−インプレッション
「エンデュランスライドで軽快さと快適性を味わえるバイク」安藤光平(Bicicletta SHIDO)
クルージングには最高のバイクです。淡々と一定のペースで漕ぎ続ける走りをした時は、気持ちよく前に進んでくれますし、走りの軽さを感じられます。登りでも軽快感は損なわれませんし、振動吸収性も良いのでどんな状態の路面でも対応できるポテンシャルもあります。林道のガタガタした道でも不安なく走れる快適性を持っていますね。
一方でレースのようなペースを上下させる走り方や、思い切りペダリングするようなシチュエーションは苦手です。スプリントをかけるとBB周りにねじれを感じ、反応が鈍く感じられる瞬間もありました。重いギアを踏んでいくような自転車ではありませんね。実業団に登録してロードレースに出場したいと思う人にはマッチしないかもしれません。
とはいえ、ハイパワーをかけた時以外の領域では全方向に良さを感じます。試乗車にアセンブルされていたホイール(シマノ WH-RS171)は軽量なモデルではありませんが、「なんでこんなに?」と思わず口に出してしまうぐらい軽快に走れてしまう。フレーム重量も1,120gと軽くはないんですが、走っていると重さを感じず軽快感が勝る気がします。
ヘッド周りはスプリントでも剛性不足に感じなかったので、BB周りは乗り心地の良さを出すために、あえてそういう味付けをしているのかもしれませんね。ロードレースこそ苦手かもしれませんが、ヒルクライムレースやサーキットエンデューロのような上げ下げが少ないレースや、エンデュランスライドにはうってつけだと思います。
ハンドリングもストレスを感じることなく、行きたい方向に身体を傾けるだけで思った通りに曲がってくれました。機械式変速だとハンドルが右には切りやすいけど、左方向にはワイヤーが引っ張られる、みたいなことが起こるバイクもあるのですが、これはそういったストレスはありません。
この快適性は長時間乗り続けるシチュエーションでアドバンテージが発揮されると思いますし、高いハンドリング性のおかげで長時間乗っていても気を使わず楽に走ることができるでしょうね。
フレームの衝撃吸収性については、28Cのクリンチャータイヤを装備していることを含めて考えても思ったより優れています。サイクリングであれば、どこへ行っても活躍してくれると思います。
ホイールを完成車から交換する場合は、選ぶ方向性はスピードよりも快適な走行感を重視したいです。アルテグラのような手頃な価格のミドルハイト・カーボンホイールが相性良さそう。
バイクの価格もエンデュランスバイクとしては適切だと思います。ただケーブルをフル内装できるスペックなので、お買い得感はありますね。カーボンフレームに初めて乗る方にはマッチするモデルだと思います。
「巡航性に優れるエンデュランスバイク」高木三千成(シクロワイアード編集部)
GARDAは乗り心地がマイルドで、巡航性能に優れるエンデュランスバイクって印象がありました。ペダルにパワーをかけるとBB周りが動く感覚があり、踏み心地がマイルドだと感じます。それゆえにダッシュした時にワンテンポ置いて加速するので、レース用というより、長い時間、長い距離走り続けられるタイプだなと、ペダルを踏んでいくたびに感じました。
とはいえバイクの加速性能が劣る訳ではなく、パワーをかけて踏むペダリングで加速させるより、じわじわとパワーをフレームに伝えていくようにペダルを回すとよく進んでくれます。GARDAにマッチしたペダリングをしてあげると巡航しやすく、気に入りました。
硬いレーシングフレームは瞬発力が高く、瞬く間に加速しますが、その状態をキープできるかというと相当の脚力が求められます。GARDAの場合は素早い反応が苦手ですが、入力に対して穏やかに反応して、ペダルを踏み切った後も余韻を残しながら進んでくれるような印象があります。ジワジワとパワーがフレームに伝わっていく性格が、巡航性の高さに繋がっているのでしょう。
衝撃吸収性にも優れていて、乗り心地の良さを感じられました。太めのタイヤを装着して荒れた路面でも走りたくなるほどです。それでいて剛性も感じられたのは、シートステーのブリッジのお陰でしょう。全体的なバランスもしっかり整えられていると感じます。
テストでもレースを意識して走るのですが、フロント周りの剛性がしっかりしているため、狙ったコーナリングラインをトレースできましたし、余裕を持ってコーナーをクリアできました。
このバイクはカスタムする楽しさも味わえると思います。テストしたホイールは重量があるものでしたが、それを加味してもGARDAは気持ちよく進んでくれたので、ホイールを軽量なものに交換してあげれば俊敏さを補えるはずです。カンパニョーロ BORA WTOなど軽くて硬いホイールで俊敏に走らせる方向性も良いでしょうし、先ほど言ったようにワイドなタイヤを活かすサイクリング仕様としてもマッチすると思います。
ハンドルやシートポストも専用品ではなく、一般的な規格を採用した物がアセンブルされているため、ハンドルはエアロ仕様に、シートポストをカーボン製として軽量性と乗り心地を高めてみても良いでしょう。
GARDAはULTEGRA DI2で53万円、105完成車で37万なので、予算に余裕がある方には初めての1台に良いですし、2台目に乗り換えとして検討されている方にもおすすめです。今までリムブレーキのバイクに乗っていてディスクロードに移行する人や、これまでレースをやっていてエンデュランスに切り替えたい人などにはぴったりでしょう。乗り心地が良く体に優しいので万人受けするバイクかなと思います。
ウィリエール Garda Disc シマノ105完成車
フレーム: ウィリエール モノコックカーボン
ステム:ウィリエール ステンマ S
ハンドル:ウィリエール バッラ S
サドル:プロロゴ スクラッチ RS
コンポーネント:シマノ105
ホイール:シマノ WH-RS171
タイヤ:アリスン 700x28C
カラー:マットブラック/レッド、ブラック/ブルー
サイズ:XS、S、M、L、XL
価格:374,000円(税込)
インプレッションライダーのプロフィール
安藤光平(Bicicletta SHIDO)
東京都狛江市に店舗を構えるBicicletta SHIDOの店長。強豪クラブチームを渡り歩き、Jプロツアーに10年間参戦した実力派ライダー。2012年には2days race in 木祖村でスプリント賞を獲得。店主としてのコンセプトは「店長と遊んでくれる仲間募集中」で、ロード、グラベル、シクロクロスを共に楽しみたいという。
Bicicletta SHIDO
高木三千成(シクロワイアード編集部)
JCLに参戦するさいたまディレーブに所属しながら、シクロワイアード編集部に勤める。学連で活躍したのち、那須ブラーゼンに加入しJプロツアーに参戦。東京ヴェントスを経て、さいたまディレーブへと移籍。シクロクロスではC1を走り、2021年の全日本選手権では10位を獲得した。
text:Gakuto Fujiwara, Michinari Takagi, Sotaro Arakawa
photo:Makoto AYANO
1906年、今から1世紀も前に創業したウィリエール。イタリア北部のロッサーノ・ヴェネトに拠点を構える老舗は、1990年代後半より革新性に満ちたハイテクノロジーブランドとして名声を高め、イタリアの伝統である自転車工房(チクリ)と一線を画す存在として飛躍を遂げたブランドだ。
マルコ・パンターニと共にグランツールを制覇したウィリエールは、2001年に初となるフルカーボンモノコックフレームK2をレースに投入。スチールからアルミ、カーボンへと瞬く間に素材のトレンドが変わるなか、時勢をいち早く捉え、具現化する技術力のあるブランドとしての地位を確かなものに。
その後2006年に創業100年を迎えたウィリエールは、今も続くCentoシリーズの第1弾をローンチ。その直後に世界初の三菱製60Tカーボンを使用したCento 1(チェント ウノ)、デビュー当時(2011年)に世界最軽量だったZero.7、現在でも最軽量級のZero.6(2016年)を次々に発表し、ハイテクノロジーブランドらしい姿を世界に発信し続けてきた。
そんなCentoとZeroシリーズはウィリエールの中核バイクとして新作が生み出され続け、ラインアップのトップエンドとしていくつもの勝利に貢献。時代がディスクブレーキが前提とするバイクを要求すると、ウィリエールはZero SLRというモデルで応えた。
2020年モデルとしてデビューした新型フラッグシップは、HUS-MODというオリジナルのカーボンレイアップ、液晶ポリマーと言った最新のテクノロジーを駆使し、再びウィリエールの技術力をアピールする一台となった。また、これまでZero.6などナンバリングが与えられてきたヒルクライムバイクだが、この世代ではSLRという文字に置き換えられている。
ナンバリングから外れた新世代は翌年発表されるFILANTE SLRにも波及。FILANTE以前はエアロロードと言えばCentoシリーズだったが、ウィリエールは大胆にCentoシリーズとは異なるバイクとして明示。ウィリエールが次なる時代へ舵を切ったことが伝わる一台となった。
モデル名からも伝わる新時代への歩みはついにミドルグレードまで到達し、Garda Discがデビューした。エンデュランスロードとしてお馴染みの存在のGran Tourismoシリーズと並ぶ一台であり、「ストレスフリー・ライド」をコンセプトとする新世代のエンデュランスロードだ。
フラッグシップで培ったケーブルの内装システムを採用することで、現代的なスッキリとしたフォルムを実現している。上位モデルと同じようにステンマSステムを使用したケーブルルーティングが用いられており、機械式変速にも対応する点はユーザーフレンドリーといえよう。
また時代が進むにつれてディスクブレーキバイクを前提とするだけではなく、標準となるタイヤ幅が広がっている。ロードレースでは25C、サイクリングユースでは28Cがスタンダードとなりつつあり、近年のオールロードと呼ばれる遊び方では30Cがポピュラーだ。
そんな中でGarda Discでは最大タイヤ幅32Cに設定。ワイドタイヤを装着することで、接地面積の大きさ故の優れたグリップ力、エアボリューム増加による優れた快適性を期待することができ、ちょっとした未舗装路を含むサイクリングルートを楽しめるバイクへと仕上がるだろう。
フレームの作りは非常にオーソドックスで、シートポストは27.2mm径の丸型を採用する。ポピュラーな規格が用いられているため、好みのアイテムを選べるのは嬉しいポイントだ。フレーム重量は1,120gで、フォークは370g。販売はフレームセット(291,500円)、シマノULTEGRA DI2完成車(533,500円)、シマノ105完成車(374,000円、いずれも税込)と非常にバリューの高いモデルとなっている。
今回ウィリエールのミドルグレードをテストするのは、東京都狛江市に店舗を構えるBicicletta SHIDOの安藤光平店長だ。Jプロツアーで戦っていた経験のあるライダーはGarda Discをどう評価するのか。インプレッションに移ろう。
−インプレッション
「エンデュランスライドで軽快さと快適性を味わえるバイク」安藤光平(Bicicletta SHIDO)
クルージングには最高のバイクです。淡々と一定のペースで漕ぎ続ける走りをした時は、気持ちよく前に進んでくれますし、走りの軽さを感じられます。登りでも軽快感は損なわれませんし、振動吸収性も良いのでどんな状態の路面でも対応できるポテンシャルもあります。林道のガタガタした道でも不安なく走れる快適性を持っていますね。
一方でレースのようなペースを上下させる走り方や、思い切りペダリングするようなシチュエーションは苦手です。スプリントをかけるとBB周りにねじれを感じ、反応が鈍く感じられる瞬間もありました。重いギアを踏んでいくような自転車ではありませんね。実業団に登録してロードレースに出場したいと思う人にはマッチしないかもしれません。
とはいえ、ハイパワーをかけた時以外の領域では全方向に良さを感じます。試乗車にアセンブルされていたホイール(シマノ WH-RS171)は軽量なモデルではありませんが、「なんでこんなに?」と思わず口に出してしまうぐらい軽快に走れてしまう。フレーム重量も1,120gと軽くはないんですが、走っていると重さを感じず軽快感が勝る気がします。
ヘッド周りはスプリントでも剛性不足に感じなかったので、BB周りは乗り心地の良さを出すために、あえてそういう味付けをしているのかもしれませんね。ロードレースこそ苦手かもしれませんが、ヒルクライムレースやサーキットエンデューロのような上げ下げが少ないレースや、エンデュランスライドにはうってつけだと思います。
ハンドリングもストレスを感じることなく、行きたい方向に身体を傾けるだけで思った通りに曲がってくれました。機械式変速だとハンドルが右には切りやすいけど、左方向にはワイヤーが引っ張られる、みたいなことが起こるバイクもあるのですが、これはそういったストレスはありません。
この快適性は長時間乗り続けるシチュエーションでアドバンテージが発揮されると思いますし、高いハンドリング性のおかげで長時間乗っていても気を使わず楽に走ることができるでしょうね。
フレームの衝撃吸収性については、28Cのクリンチャータイヤを装備していることを含めて考えても思ったより優れています。サイクリングであれば、どこへ行っても活躍してくれると思います。
ホイールを完成車から交換する場合は、選ぶ方向性はスピードよりも快適な走行感を重視したいです。アルテグラのような手頃な価格のミドルハイト・カーボンホイールが相性良さそう。
バイクの価格もエンデュランスバイクとしては適切だと思います。ただケーブルをフル内装できるスペックなので、お買い得感はありますね。カーボンフレームに初めて乗る方にはマッチするモデルだと思います。
「巡航性に優れるエンデュランスバイク」高木三千成(シクロワイアード編集部)
GARDAは乗り心地がマイルドで、巡航性能に優れるエンデュランスバイクって印象がありました。ペダルにパワーをかけるとBB周りが動く感覚があり、踏み心地がマイルドだと感じます。それゆえにダッシュした時にワンテンポ置いて加速するので、レース用というより、長い時間、長い距離走り続けられるタイプだなと、ペダルを踏んでいくたびに感じました。
とはいえバイクの加速性能が劣る訳ではなく、パワーをかけて踏むペダリングで加速させるより、じわじわとパワーをフレームに伝えていくようにペダルを回すとよく進んでくれます。GARDAにマッチしたペダリングをしてあげると巡航しやすく、気に入りました。
硬いレーシングフレームは瞬発力が高く、瞬く間に加速しますが、その状態をキープできるかというと相当の脚力が求められます。GARDAの場合は素早い反応が苦手ですが、入力に対して穏やかに反応して、ペダルを踏み切った後も余韻を残しながら進んでくれるような印象があります。ジワジワとパワーがフレームに伝わっていく性格が、巡航性の高さに繋がっているのでしょう。
衝撃吸収性にも優れていて、乗り心地の良さを感じられました。太めのタイヤを装着して荒れた路面でも走りたくなるほどです。それでいて剛性も感じられたのは、シートステーのブリッジのお陰でしょう。全体的なバランスもしっかり整えられていると感じます。
テストでもレースを意識して走るのですが、フロント周りの剛性がしっかりしているため、狙ったコーナリングラインをトレースできましたし、余裕を持ってコーナーをクリアできました。
このバイクはカスタムする楽しさも味わえると思います。テストしたホイールは重量があるものでしたが、それを加味してもGARDAは気持ちよく進んでくれたので、ホイールを軽量なものに交換してあげれば俊敏さを補えるはずです。カンパニョーロ BORA WTOなど軽くて硬いホイールで俊敏に走らせる方向性も良いでしょうし、先ほど言ったようにワイドなタイヤを活かすサイクリング仕様としてもマッチすると思います。
ハンドルやシートポストも専用品ではなく、一般的な規格を採用した物がアセンブルされているため、ハンドルはエアロ仕様に、シートポストをカーボン製として軽量性と乗り心地を高めてみても良いでしょう。
GARDAはULTEGRA DI2で53万円、105完成車で37万なので、予算に余裕がある方には初めての1台に良いですし、2台目に乗り換えとして検討されている方にもおすすめです。今までリムブレーキのバイクに乗っていてディスクロードに移行する人や、これまでレースをやっていてエンデュランスに切り替えたい人などにはぴったりでしょう。乗り心地が良く体に優しいので万人受けするバイクかなと思います。
ウィリエール Garda Disc シマノ105完成車
フレーム: ウィリエール モノコックカーボン
ステム:ウィリエール ステンマ S
ハンドル:ウィリエール バッラ S
サドル:プロロゴ スクラッチ RS
コンポーネント:シマノ105
ホイール:シマノ WH-RS171
タイヤ:アリスン 700x28C
カラー:マットブラック/レッド、ブラック/ブルー
サイズ:XS、S、M、L、XL
価格:374,000円(税込)
インプレッションライダーのプロフィール
安藤光平(Bicicletta SHIDO)
東京都狛江市に店舗を構えるBicicletta SHIDOの店長。強豪クラブチームを渡り歩き、Jプロツアーに10年間参戦した実力派ライダー。2012年には2days race in 木祖村でスプリント賞を獲得。店主としてのコンセプトは「店長と遊んでくれる仲間募集中」で、ロード、グラベル、シクロクロスを共に楽しみたいという。
Bicicletta SHIDO
高木三千成(シクロワイアード編集部)
JCLに参戦するさいたまディレーブに所属しながら、シクロワイアード編集部に勤める。学連で活躍したのち、那須ブラーゼンに加入しJプロツアーに参戦。東京ヴェントスを経て、さいたまディレーブへと移籍。シクロクロスではC1を走り、2021年の全日本選手権では10位を獲得した。
text:Gakuto Fujiwara, Michinari Takagi, Sotaro Arakawa
photo:Makoto AYANO
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