ジャパントラックカップ最終日は、男女あわせて5種目の決勝が行われた。窪木一茂がエリミネーションとポイントレースで優勝し、今大会5勝目を挙げた。男子スクラッチでは梅澤幹太が優勝。女子ケイリンではアルカンシェルを着て臨んだ佐藤水菜がパリ五輪金メダリストを破って優勝した。



最終日は今大会最多の観客数となった伊豆ベロドローム photo:Satoru Kato

アルカンシェルを着る3人が国内大会で初披露 photo:Satoru Kato
エキシビジョンとしてラジコンカーがバンクを走った photo:Satoru Kato


伊豆ベロドロームで開催されたジャパントラックカップⅡ2日目は、男子スクラッチ、エリミネーション、ポイントレース、女子マディソン、男女ケイリンが行われた。全日程の最終日は日曜日の開催とあって会期中最多の観客が集まり、熱戦に声援を送った。



男子スクラッチ

男子スクラッチ アルカンシェルを着て走る窪木一茂(日本ナショナルチーム) photo:Satoru Kato
男子スクラッチ 終盤オーストラリア勢がペースを一気に上げる photo:Satoru Kato


男子スクラッチ 梅澤幹太(チームブリヂストンサイクリング)が優勝 photo:Satoru Kato

40周10kmで行われた男子スクラッチ決勝は予選を勝ち上がった23名が出走。レース終盤、梅澤幹太、木綿崚介、山本哲央(以上チームブリヂストンサイクリング)らを含む5名の集団が先行して集団をラップ(=周回遅れ)。アルカンシェルを着る窪木一茂(日本ナショナルチーム)はこの動きに乗れず、勝負は5名に絞られる。オーストラリアナショナルチームが集団を加速させて最終周回に入った直後「スプリントは苦手なので逃げる展開を作りたかった」という梅澤が飛び出して先行。後続が迫るもフィニッシュまで逃げ切って優勝を決めた。

男子スクラッチ 表彰式 photo:Satoru Kato



男子エリミネーション

男子エリミネーション オーストラリア勢2人に対抗する窪木一茂(日本ナショナルチーム) photo:Satoru Kato

男子エリミネーション 最終周回アタックする窪木一茂(日本ナショナルチーム) photo:Satoru Kato

2組に分けて行われた予選を勝ち上がった23名が出走した男子エリミネイション決勝は、オーストラリアナショナルチームの3名と窪木一茂(日本ナショナルチーム)が残る展開。圧倒的に不利な状況にもかかわらず、窪木は仕掛けのタイミングと力技でオーストラリアの3人を下して優勝を決めた。

男子エリミネーション 表彰式 photo:Satoru Kato



ポイントレース

男子ポイントレース 後半2回のラップでトップに躍り出た窪木一茂(日本ナショナルチーム) photo:Satoru Kato

男子ポイントレース 梅澤幹太(チームブリヂストンサイクリング)が最終周回に飛び出す photo:Satoru Kato

120周30kmで行われたポイントレース決勝は、予選を勝ち上がった22名が出走。レース前半、梅澤幹太(チームブリヂストンサイクリング)がキム・ヒョンソク(韓国)と共に抜け出して集団をラップ。その後ラップを成功させる選手が続くも、梅澤はポイントを追加して首位を維持し続ける。

後半に入ると、それまでポイントを取っていなかった窪木一茂(日本ナショナルチーム)が単独先行。「50周目くらいまでは休んで、後半から攻めようと考えていた。みんな体力が削れているようだったので、タイミングよく飛び出せた」という言葉通り、一気に集団をラップ。窪木は残り10周を切ってからもう一度飛び出し、最終周回直前に2度目のラップに成功。梅澤を4ポイント上回って首位に立つ。

その直後、梅澤はフィニッシュの倍ポイントを狙って先行を試みるも、追走する後続に飲まれてポイントを加算出来ず。窪木が終盤の猛チャージで逆転優勝を決めた。

男子ポイントレース 表彰式 photo:Satoru Kato



ケイリン

男子ケイリン アルカンシェルの山崎賢人が最後方 photo:Satoru Kato

男子ケイリン ハンドルの投げ合いで山崎賢人(日本ナショナルチーム)が先着したが・・・ photo:Satoru Kato

男子決勝は最後方からのスタートとなったアルカンシェルを着る山崎賢人(日本ナショナルチーム)が、最終周回のバックストレートから加速。フィニッシュラインで中石湊(チーム楽天Kドリームス)とハンドルの投げ合い、タイヤ差で先着した。しかし他選手を押し上げたとして降格となり、中石が優勝した。

女子ケイリン 佐藤水菜(日本ナショナルチーム)が先行から逃げ切って優勝 photo:Satoru Kato

佐藤水菜(日本ナショナルチーム)が観客とハイタッチ photo:Satoru Kato

女子は、アルカンシェルを着る佐藤水菜(日本ナショナルチーム)が1回戦と1/2決勝を1位通過。決勝でも先行から押し切り、パリ五輪ケイリン金メダリストのエレッセ・アンドリュース(ニュージーランド)を抑えて優勝した。

男子ケイリン 表彰式 photo:Satoru Kato
女子ケイリン 表彰式 photo:Satoru Kato




女子マディソン

女子マディソン優勝 オーストラリアナショナルチーム photo:Satoru Kato

女子マディソン 日本ナショナルチーム(梶原・水谷)は4位 photo:Satoru Kato

10チームが出場した女子マディソンは80周20kmのレース。序盤からオーストラリアナショナルチームとニュージーランドの2チームによるポイントの取り合いが続き、後半に入るとオーストラリアナショナルチームが1位通過を連取。フィニッシュも1位となって2位以下にほぼダブルスコアの差をつけて優勝した。梶原悠未と水谷彩奈で出場した日本ナショナルチームはなかなかポイントを加算できず、フィニッシュで2位になるも2ポイント足りずに表彰台を逃し、4位で終えた。

女子マディソン 表彰式 photo:Satoru Kato



男女ジュニア各種目

・ポイントレース
男子ジュニア・ポイントレース 終盤単独先行する沢野司(エカーズ) photo:Satoru Kato
女子ジュニア・ポイントレース 西原夕華(日本ナショナルチーム)が優勝 photo:Satoru Kato


男子ジュニア・ポイントレース表彰式 photo:Satoru Kato
女子ジュニア・ポイントレース表彰式 photo:Satoru Kato


男子ポイントレースは、終盤に単独先行した沢野司(エカーズ)が逆転優勝。女子ポイントレースは終始リードした西原夕華(日本ナショナルチーム)が優勝した。

・エリミネーション
男子ジュニア・エリミネーション 落車から復帰した松田奏太郎(日本ナショナルチーム)が優勝 photo:Satoru Kato
女子ジュニア・エリミネーション ファン・ウェンシン(台湾)が西原夕華を下して優勝 photo:Satoru Kato


男子ジュニア エリミネーション表彰式 photo:Satoru Kato
女子ジュニア エリミネーション表彰式 photo:Satoru Kato


男子エリミネーションは途中落車によりレースが中断。その落車に巻き込まれながらも再スタートした松田奏太郎(日本ナショナルチーム)が優勝した。女子はファン・ウェンシン(台湾)が西原を下して優勝した。

・ケイリン
男子ジュニア・ケイリン 競輪選手を志すチェ・テホ(韓国)が圧勝 photo:Satoru Kato
女子ジュニア・ケイリン 鶴葵衣(日本ナショナルチーム)が優勝 photo:Satoru Kato


男子ジュニア ケイリン表彰式 photo:Satoru Kato
女子ジュニア ケイリン表彰式 photo:Satoru Kato


男子ケイリンは、日本の競輪選手を目指すと言うチェ・テホ(韓国)が圧倒的な強さを見せて優勝し、スプリントに続き2勝目を挙げた。女子は鶴葵衣(日本ナショナルチーム)が優勝し、スプリントとあわせ2勝目とした。


text&photo:Satoru Kato