2022/03/09(水) - 09:34
マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)のソロエスケープは不発に終わり、各チーム入り乱れた集団スプリントでティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)が今季初勝利を収めた。
ティレニア海の海岸線と平行してトスカーナ州を南下するティレーノ〜アドリアティコ(UCI2.ワールドツアー)第2ステージ。コース全長は今大会最長の219kmで、後半にかけて内陸部に進路をとる。1日の獲得標高差2,000mの大半が後半区間のアップダウン区間に詰まっている。
同日開催のパリ〜ニース第3ステージと似通ったコースレイアウト。後半区間には登坂距離3〜4kmほどの小さな峠が連続するものの、最後の峠頂上を残り18km地点で越えて以降は下りと平坦路が続く。基本的には集団スプリント予想だが、展開次第では山岳をきっかけにした逃げ切りにもチャンスがある。
フランチェスコ・ガバッツィ(イタリア、エオーロ・コメタ)ら、エオーロ・コメタとバルディアーニ・CSF・ファイザネが2人ずつ、そしてドローンホッパー・アンドローニジョカトリが1人という、全員がUCIプロチーム(セカンドディヴィジョン)所属選手で構成された「ワールドツアーレースらしい」5名の逃げは、7分前後のタイム差を徐々に削り取られながら距離を消化。一方のメイン集団では元エクアドルチャンピオンの証を腕に巻くイネオス・グレナディアーズのヨナタン・ナルバエスと、ロット・スーダルのアシスト勢が長く先頭を牽き続けた。
地脚が問われる後半のアップダウン区間に入ると先頭グループが分裂。ガバッツィとダヴィデ・バイス(イタリア)のエオーロ・コメタコンビが抜け出したものの、虎視眈々とスプリントを目指すメイン集団を出し抜くには至らなかった。徐々にペースアップを図る集団からはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)が一時遅れる場面も。するとフィニッシュまで20kmを残し、UAEチームエミレーツ新加入のマルク・ソレル(スペイン)が飛び出した。
昨年ツール・ド・フランス第2ステージでの大落車に巻き込まれ、完走後に両腕骨折(左:尺骨頭、右:橈骨頭)が見つかりレースを去ったソレル。7年在籍したモビスターから一転、UAEチームエミレーツに移籍した28歳は、すぐに先頭を逃げ続けていたガバッツィ&バイス組を抜き去り、35秒リードで最後の山頂地点をクリアした。
アルノー・デマール(フランス)の必勝体制を敷くグルパマFDJが、勢いよく逃げるソレルを追走。下りから平坦区間に移って徐々にスピードを失ったソレルに対し、グルパマトレインはタイム差調整を行いながら残り3kmで引き戻す。直後の90度コーナーをクリアすると前日の個人タイムトライアルで圧勝したフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)も900ワット近いパワーで牽引を続けた。
アルペシン・フェニックスやバイクエクスチェンジ・ジェイコ、トタルエネルジーといったスプリンターチームが、郊外の狭い2車線道路で覇権争いを繰り広げた。右に左に緩いコーナーが続く最終区間に入ると、遅れたカヴェンディッシュに代わりダヴィデ・バッレリーニ(イタリア)をエースに切り替えたクイックステップ・アルファヴィニルが主導権を握り、そのままスプリント勝負へとなだれ込む。
真っ先にスプリントしたのはペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)だったものの、未だ復調していないのかトップスピードに持ち込めない。伸び悩むサガンを軽々と抜き去り、カーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)とオラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)を抑えたティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)が勝利した。
昨年のジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの開幕ステージを制したメルリールが、ティレーノ〜アドリアティコのマスドステージ初日にシーズン初勝利。チームに今季4勝目を献上したメルリールは「今日の第一目標は山岳を生き残ることだった。終盤はかなり混沌としていて、ソレルの逃げも強力だった。でもチームメイトが良い位置まで上げてくれて、その後は僕自身の勝負だった。ずっと好調だったのに噛み合わず、ようやく掴んだ勝利。とてもハッピーだよ」と今季初勝利を振り返っている。
この日は総合9位だったミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ)が遅れた以外に大きな総合順位変動はなし。翌日も2日連続の集団スプリント勝負が見込まれている。
ティレニア海の海岸線と平行してトスカーナ州を南下するティレーノ〜アドリアティコ(UCI2.ワールドツアー)第2ステージ。コース全長は今大会最長の219kmで、後半にかけて内陸部に進路をとる。1日の獲得標高差2,000mの大半が後半区間のアップダウン区間に詰まっている。
同日開催のパリ〜ニース第3ステージと似通ったコースレイアウト。後半区間には登坂距離3〜4kmほどの小さな峠が連続するものの、最後の峠頂上を残り18km地点で越えて以降は下りと平坦路が続く。基本的には集団スプリント予想だが、展開次第では山岳をきっかけにした逃げ切りにもチャンスがある。
フランチェスコ・ガバッツィ(イタリア、エオーロ・コメタ)ら、エオーロ・コメタとバルディアーニ・CSF・ファイザネが2人ずつ、そしてドローンホッパー・アンドローニジョカトリが1人という、全員がUCIプロチーム(セカンドディヴィジョン)所属選手で構成された「ワールドツアーレースらしい」5名の逃げは、7分前後のタイム差を徐々に削り取られながら距離を消化。一方のメイン集団では元エクアドルチャンピオンの証を腕に巻くイネオス・グレナディアーズのヨナタン・ナルバエスと、ロット・スーダルのアシスト勢が長く先頭を牽き続けた。
地脚が問われる後半のアップダウン区間に入ると先頭グループが分裂。ガバッツィとダヴィデ・バイス(イタリア)のエオーロ・コメタコンビが抜け出したものの、虎視眈々とスプリントを目指すメイン集団を出し抜くには至らなかった。徐々にペースアップを図る集団からはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、クイックステップ・アルファヴィニル)が一時遅れる場面も。するとフィニッシュまで20kmを残し、UAEチームエミレーツ新加入のマルク・ソレル(スペイン)が飛び出した。
昨年ツール・ド・フランス第2ステージでの大落車に巻き込まれ、完走後に両腕骨折(左:尺骨頭、右:橈骨頭)が見つかりレースを去ったソレル。7年在籍したモビスターから一転、UAEチームエミレーツに移籍した28歳は、すぐに先頭を逃げ続けていたガバッツィ&バイス組を抜き去り、35秒リードで最後の山頂地点をクリアした。
アルノー・デマール(フランス)の必勝体制を敷くグルパマFDJが、勢いよく逃げるソレルを追走。下りから平坦区間に移って徐々にスピードを失ったソレルに対し、グルパマトレインはタイム差調整を行いながら残り3kmで引き戻す。直後の90度コーナーをクリアすると前日の個人タイムトライアルで圧勝したフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)も900ワット近いパワーで牽引を続けた。
アルペシン・フェニックスやバイクエクスチェンジ・ジェイコ、トタルエネルジーといったスプリンターチームが、郊外の狭い2車線道路で覇権争いを繰り広げた。右に左に緩いコーナーが続く最終区間に入ると、遅れたカヴェンディッシュに代わりダヴィデ・バッレリーニ(イタリア)をエースに切り替えたクイックステップ・アルファヴィニルが主導権を握り、そのままスプリント勝負へとなだれ込む。
真っ先にスプリントしたのはペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)だったものの、未だ復調していないのかトップスピードに持ち込めない。伸び悩むサガンを軽々と抜き去り、カーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)とオラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)を抑えたティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)が勝利した。
昨年のジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの開幕ステージを制したメルリールが、ティレーノ〜アドリアティコのマスドステージ初日にシーズン初勝利。チームに今季4勝目を献上したメルリールは「今日の第一目標は山岳を生き残ることだった。終盤はかなり混沌としていて、ソレルの逃げも強力だった。でもチームメイトが良い位置まで上げてくれて、その後は僕自身の勝負だった。ずっと好調だったのに噛み合わず、ようやく掴んだ勝利。とてもハッピーだよ」と今季初勝利を振り返っている。
この日は総合9位だったミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ)が遅れた以外に大きな総合順位変動はなし。翌日も2日連続の集団スプリント勝負が見込まれている。
ティレーノ〜アドリアティコ2022第2ステージ結果
1位 | ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | 5:25:23 |
2位 | オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
3位 | カーデン・グローブス(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | |
4位 | ペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー) | |
5位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、コフィディス) | |
6位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
7位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
8位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、イスラエル・プレミアテック) | |
9位 | ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、グルパマFDJ) | |
10位 | アンドレア・ヴァンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン) |
個人総合成績
1位 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) | 5:40:40 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) | +0:11 |
3位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | +0:17 |
4位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、クイックステップ・アルファヴィニル) | +0:24 |
5位 | アレックス・ドーセット(イギリス、イスラエル・プレミアテック) | +0:25 |
6位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) | +0:28 |
7位 | トビアス・ルドヴィクソン(スウェーデン、グルパマFDJ) | +0:32 |
8位 | ヨス・ファンエムデン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +0:33 |
9位 | マッテオ・ソブレロ(イタリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) | +0:39 |
10位 | ローソン・クラドック(アメリカ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) |
山岳賞 | ダヴィデ・バイス(イタリア、エオーロ・コメタ) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) |
チーム総合成績 | クイックステップ・アルファヴィニル |
text:So Isobe
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