2022/03/09(水) - 07:28
一直線の緩斜面登坂で繰り広げられた55km/hオーバーのスプリントで、マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)が勝利。落車したクリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)は救済措置によってマイヨジョーヌを維持している。
春の風物詩ステージレース、パリ〜ニース(UCI2.ワールドツアー)3日目は、サントル=ヴァル・ド・ロワールのビエルゾンからデュン・ル・パレステルを目指して南下する同レースらしい進路をとる。190.8kmコースの前半区間は平坦のスプリンター向けステージだが、勝負に加わるには後半に用意された難易度の低い3級山岳x3を生き残る必要がある。
例年序盤ステージは未だ冬の雰囲気残る中を走るパリ〜ニースだが、今年は一転快晴続き。澄み渡る空の下逃げたのは名手トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)と2日連続逃げのアレクシー・グジャール(フランス、B&Bホテルズ KTM)、そしてオウェイン・ドゥール(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)という3名だった。
2011年と2012年の同大会で逃げ切り勝利を挙げているデヘントたちは後半の丘陵区間に逃げ切りのチャンスを見出していたものの、一致団結してスプリントを目指すメイン集団は射程圏内に捕らえながらペースメイク。残り30km付近で逃げとの差を1分程度まで縮めたタイミングで、未だチーム勝利が無いチームDSMはセーアン・クラーウアナスン(デンマーク)をアタックさせたものの、しばらくして活性化した集団に引き戻された。
この流れの中でデヘントたちも吸収され、ライバルスプリンターを振り落としたいユンボ・ヴィスマやバーレーン・ヴィクトリアスが登りでハイペースを刻み、スプリンターを抱えないチームがアタックを継続した。
ユンボが刻むハイペースによって前日勝者ファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)やディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)、サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)といった重量級スプリンターたちはあえなく脱落。ボーナスタイムが懸けられた中間スプリントではプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が2位通過し、-2秒の獲得に成功した。
散発的なアタックを全て吸収し、ユンボ・ヴィスマがワウト・ファンアールト(ベルギー)の必勝体制を敷きつつフィニッシュラインまで続く距離2.1km/平均3.3%の緩斜面を駆け上がる。ファンアールトのアシストを終え、後方に下がるマイヨジョーヌのクリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)が他選手と絡んで落車するのを尻目に、先頭を奪い取ったヤスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)の背後からマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)がスプリントを開始した。
前日スプリントで5位に甘んじていた元世界王者が、パワフルなスプリントでフィニッシュめがけて突き進む。最高速55.9km/hで追従したファンアールトを寄せ付けず、猛然と追撃するブライアン・コカール(フランス、コフィディス)を振り切ったピーダスンが両手を広げた。
「昨日はパンクでアレックス・キルシュを失い、僕もスプリント中にチェーンを落としてしまった。その借りを今日返したいと思っていたんだ」と言うピーダスン。「残り1.5kmからフィニッシュラインが見えるタイミングの難しい勝負だった。今日はチームメイトが素晴らしい働きをし、キルシュとピーダスンの完璧なリードアウトを得ることができたんだ。多分距離にして250〜300m。ロングスプリントだったけれど、早駆けすれば全員を驚かせられると思った。リスクはあったし、うまくいくかどうかも分からなかったけれど、幸い全員を置き去りにするのに完璧なタイミングだった」と、開幕初日から2日連続5位が続いていたピーダスンは笑顔を輝かせた。
落車した総合首位ラポルトは擦過傷のみであり、救済措置が適用されたためマイヨジョーヌを維持。総合上位陣に若干の順位変動はあったものの、相変わらずトップスリーはユンボ・ヴィスマ勢が独占中だ。
明日の第4ステージは緩斜面勾配のある13.4km個人タイムトライアル。いよいよ総合優勝争いに向けた戦いが本格化する。
春の風物詩ステージレース、パリ〜ニース(UCI2.ワールドツアー)3日目は、サントル=ヴァル・ド・ロワールのビエルゾンからデュン・ル・パレステルを目指して南下する同レースらしい進路をとる。190.8kmコースの前半区間は平坦のスプリンター向けステージだが、勝負に加わるには後半に用意された難易度の低い3級山岳x3を生き残る必要がある。
例年序盤ステージは未だ冬の雰囲気残る中を走るパリ〜ニースだが、今年は一転快晴続き。澄み渡る空の下逃げたのは名手トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)と2日連続逃げのアレクシー・グジャール(フランス、B&Bホテルズ KTM)、そしてオウェイン・ドゥール(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)という3名だった。
2011年と2012年の同大会で逃げ切り勝利を挙げているデヘントたちは後半の丘陵区間に逃げ切りのチャンスを見出していたものの、一致団結してスプリントを目指すメイン集団は射程圏内に捕らえながらペースメイク。残り30km付近で逃げとの差を1分程度まで縮めたタイミングで、未だチーム勝利が無いチームDSMはセーアン・クラーウアナスン(デンマーク)をアタックさせたものの、しばらくして活性化した集団に引き戻された。
この流れの中でデヘントたちも吸収され、ライバルスプリンターを振り落としたいユンボ・ヴィスマやバーレーン・ヴィクトリアスが登りでハイペースを刻み、スプリンターを抱えないチームがアタックを継続した。
ユンボが刻むハイペースによって前日勝者ファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)やディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)、サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)といった重量級スプリンターたちはあえなく脱落。ボーナスタイムが懸けられた中間スプリントではプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が2位通過し、-2秒の獲得に成功した。
散発的なアタックを全て吸収し、ユンボ・ヴィスマがワウト・ファンアールト(ベルギー)の必勝体制を敷きつつフィニッシュラインまで続く距離2.1km/平均3.3%の緩斜面を駆け上がる。ファンアールトのアシストを終え、後方に下がるマイヨジョーヌのクリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)が他選手と絡んで落車するのを尻目に、先頭を奪い取ったヤスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)の背後からマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)がスプリントを開始した。
前日スプリントで5位に甘んじていた元世界王者が、パワフルなスプリントでフィニッシュめがけて突き進む。最高速55.9km/hで追従したファンアールトを寄せ付けず、猛然と追撃するブライアン・コカール(フランス、コフィディス)を振り切ったピーダスンが両手を広げた。
「昨日はパンクでアレックス・キルシュを失い、僕もスプリント中にチェーンを落としてしまった。その借りを今日返したいと思っていたんだ」と言うピーダスン。「残り1.5kmからフィニッシュラインが見えるタイミングの難しい勝負だった。今日はチームメイトが素晴らしい働きをし、キルシュとピーダスンの完璧なリードアウトを得ることができたんだ。多分距離にして250〜300m。ロングスプリントだったけれど、早駆けすれば全員を驚かせられると思った。リスクはあったし、うまくいくかどうかも分からなかったけれど、幸い全員を置き去りにするのに完璧なタイミングだった」と、開幕初日から2日連続5位が続いていたピーダスンは笑顔を輝かせた。
落車した総合首位ラポルトは擦過傷のみであり、救済措置が適用されたためマイヨジョーヌを維持。総合上位陣に若干の順位変動はあったものの、相変わらずトップスリーはユンボ・ヴィスマ勢が独占中だ。
明日の第4ステージは緩斜面勾配のある13.4km個人タイムトライアル。いよいよ総合優勝争いに向けた戦いが本格化する。
パリ〜ニース2022第3ステージ結果
1位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | 4:23:29 |
2位 | ブライアン・コカール(フランス、コフィディス) | |
3位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | |
4位 | ヤスパー・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | |
5位 | アントニー・テュルジス(フランス、トタルエネルジー) | |
6位 | ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
7位 | フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
8位 | ダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) |
個人総合成績
1位 | クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ) | 11:34:44 |
2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | +0:01 |
3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | +0:09 |
4位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | +0:29 |
5位 | ブライアン・コカール(フランス、コフィディス) | +0:33 |
6位 | ピエール・ラトゥール(フランス、トタルエネルジー) | |
7位 | ゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップ・アルファヴィニル) | |
8位 | ヤスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) | +0:38 |
9位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:39 |
10位 | フロリアン・セネシャル(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | マシュー・ホームズ(イギリス、ロット・スーダル) |
ヤングライダー賞 | スタン・デウルフ(ベルギー、AG2Rシトロエン) |
チーム総合成績 | ユンボ・ヴィスマ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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