2021/06/21(月) - 16:46
新城幸也のチームメイトとして2013、14年のツール・ド・フランスに出場したケヴィン・レザ(フランス、B&Bホテルズ KTM)が、今シーズン限りでの現役引退を発表。リードアウトとして、またプロトンで数少ない黒人選手として活躍した。
「プロトン内の緊張感、選手たちが犯すリスク、何度も自転車から降り、そして再びスタートするときに求められる精神力。それら全てがもう続かなくなった」。レザはチームが公開した動画の中でそう語った。
1988年生まれ、33歳のレザはBboxブイグテレコムで2010年にプロデビュー。チーム名がユーロップカーに変わりワールドツアーチームに昇格した2014年までの5年間を新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)のチームメイトとして過ごし、ともに2013年、14年のツール・ド・フランスに出場した。その後はFDJに移籍し、2018年からはヴィタルコンセプト(現B&Bホテルズ KTM)でブライアン・コカール(フランス)のリードアウトとして活躍した。
「与えられた役割を全うするのが困難になったときは、自分に(引退を)問いかけなければならないと常に思っていた。(直近に出場した)ベルギーツアーでのコンディションは良かったのだが、頭がついてこなかった。もう身体がこの重圧に耐えられない。テレビではスムーズかつシンプルに見えるスプリントも、実際はとても難しいんだ」。
プロキャリアで勝利には届かなかったものの、ツール・ド・フランスには3度出場。久々の出場となった昨年大会では世界中に広がった「Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)」の運動を受け、レザの発案により出場選手たちがレース前に「No to Racizm(人種差別反対)」のマスクを着用するなど、プロトンで数少ない黒人選手として人種差別問題に積極的な活動を見せた。
自身の転機と語るのは2016年のブエルタ・ア・エスパーニャ。第10ステージでそのシーズンを棒に振る怪我を負った当時を、「あの落車からの復帰は困難な挑戦だった。だがあのまま現役を終えたくなかったし、またトップレベルに戻りたかった。しかし時はきた。多くの選手にとって『終わり』は禁句だが、いまの僕がこの言葉を口にしても何の問題もない」と振り返る。
シーズン開幕当初に予定していたツールの出場を取りやめたレザ。今後のレースについては未定だが、引退後については「7月は身体と心を休めて残りのレースに向かいたい。そして新しいキャリアについて考えたい。まだ将来について具体的なことは決まっていないが、どんなことでも前向きに考えていきたい」と語っている。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
「プロトン内の緊張感、選手たちが犯すリスク、何度も自転車から降り、そして再びスタートするときに求められる精神力。それら全てがもう続かなくなった」。レザはチームが公開した動画の中でそう語った。
1988年生まれ、33歳のレザはBboxブイグテレコムで2010年にプロデビュー。チーム名がユーロップカーに変わりワールドツアーチームに昇格した2014年までの5年間を新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)のチームメイトとして過ごし、ともに2013年、14年のツール・ド・フランスに出場した。その後はFDJに移籍し、2018年からはヴィタルコンセプト(現B&Bホテルズ KTM)でブライアン・コカール(フランス)のリードアウトとして活躍した。
「与えられた役割を全うするのが困難になったときは、自分に(引退を)問いかけなければならないと常に思っていた。(直近に出場した)ベルギーツアーでのコンディションは良かったのだが、頭がついてこなかった。もう身体がこの重圧に耐えられない。テレビではスムーズかつシンプルに見えるスプリントも、実際はとても難しいんだ」。
プロキャリアで勝利には届かなかったものの、ツール・ド・フランスには3度出場。久々の出場となった昨年大会では世界中に広がった「Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)」の運動を受け、レザの発案により出場選手たちがレース前に「No to Racizm(人種差別反対)」のマスクを着用するなど、プロトンで数少ない黒人選手として人種差別問題に積極的な活動を見せた。
自身の転機と語るのは2016年のブエルタ・ア・エスパーニャ。第10ステージでそのシーズンを棒に振る怪我を負った当時を、「あの落車からの復帰は困難な挑戦だった。だがあのまま現役を終えたくなかったし、またトップレベルに戻りたかった。しかし時はきた。多くの選手にとって『終わり』は禁句だが、いまの僕がこの言葉を口にしても何の問題もない」と振り返る。
シーズン開幕当初に予定していたツールの出場を取りやめたレザ。今後のレースについては未定だが、引退後については「7月は身体と心を休めて残りのレースに向かいたい。そして新しいキャリアについて考えたい。まだ将来について具体的なことは決まっていないが、どんなことでも前向きに考えていきたい」と語っている。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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