2021/03/16(火) - 06:44
迫りくるスプリンターチームを振り切った6名によるスプリント。平均スピード45.645km/hの高速レースとなったティレーノ〜アドリアティコ第6ステージを締めくくるスプリントでマッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション)が勝利した。
最終日前日の第6ステージはピュアスプリンター向きの平坦コース。アドリア海沿いのリード・ディ・フェルモに至る169kmステージの獲得標高差は1,600mで、終盤にかけてカーポダルコ(全長2km・平均4.1%)の登りを含む11.2kmの周回コースを4周する。冷たい雨と風に見舞われた前日とは打って変わって、マルケ州は最高気温15度ほどの春の陽気に包まれた。
23km地点でメイン集団から抜け出した6名は、80km地点でそのアドバンテージを最大6分35秒まで広げることに成功する。次点の次点でマリアヴェルデ(山岳賞ジャージ)を着るマッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション)がKOMモンテサンジュストで最大ポイントを獲得したものの、山岳賞1位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)には4ポイント届いていない。
逃げグループを形成した6名
ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)
ヤン・バークランツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
マッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション)
ブレント・ファンムール(ベルギー、ロット・スーダル)
エミルス・リエピンス(ラトビア、トレック・セガフレード)
シモーネ・ヴェラスコ(イタリア、ガスプロム・ルスヴェロ)
総合リーダーチームであるとともに、フェルナンド・ガビリア(コロンビア)のスプリント勝利を狙うUAEチームエミレーツが長時間メイン集団を牽引し、ここにドゥクーニンク・クイックステップとアルペシン・フェニックスも合流。逃げグループとのタイム差は残り70kmで5分、残り40kmで3分30秒、残り30kmで3分。リード・ディ・フェルモの周回コースに入るとタイム差の縮小は鈍り、先頭6名は2分08秒のリードをもって最終周回へと入っていく。
翌日の個人タイムトライアルで2年連続勝利を狙うフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)が力を温存するために離脱する中、メイン集団からはシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)らがアタック。しかしメイン集団は最後まで逃げグループとのタイム差を詰め切ることはできなかった。
残り9km地点で逃げグループからリエピンスが脱落し、先頭5名によるスプリントが始まった。「最後はライバルたちをスプリントで敗ることができると確信していた」というウルスシュミットが、最高スピード65.9km/hでスプリントを制した。ウルスシュミットは最終ストレートで30秒間にわたって平均876W、最大1,190Wを出力している。
ステージ優勝者の平均スピード45.645km/hはティレーノ〜アドリアティコの歴史上2番目に速い記録。史上最速ステージはグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー)が勝利した2016年大会の第6ステージで、当時もこの日と同じカステルライモンドをスタートするコースレイアウトだった。
「周回コースに入った時点で、フィニッシュまで45kmを残してタイム差は4分。逃げ切ることができると確信していた。逃げ切るのは決して簡単なことじゃないけど、逃げグループ内では最後まで協調体制を築けていたんだ。プロ5年目でようやく手にしたワールドツアーレースの初勝利。信じられない気持ちであり、とにかく嬉しい」。2015年ロード世界選手権U23タイムトライアルで勝利し、3年間所属したカチューシャ・アルペシンから2020年に現チームに移籍した26歳のウルスシュミット。今大会2度目の逃げで、イスラエル・スタートアップネイションにシーズン2勝目をもたらした。
メイン集団は1分09秒遅れでティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)を先頭にフィニッシュ。安全に走り切り、1分15秒の総合リードをもって最終個人タイムトライアルに挑むことになったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は「今年はタイムトライアルが含まれているステージレースが多いので、明日は良いトレーニングになる。明日はとにかくリーダージャージを守ることに専念したい」とコメントしている。
総合2位ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)は、総合逆転が難しいことを認めつつも、最後まで成績を狙っていく考えだ。「昨年出場したすべてのタイムトライアルで勝利したフィリッポ・ガンナが最有力候補であり、彼に勝つのは簡単なことじゃない。1週間にわたって厳しいレースが続いたけど、明日の走りが楽しみだ」。
最終日前日の第6ステージはピュアスプリンター向きの平坦コース。アドリア海沿いのリード・ディ・フェルモに至る169kmステージの獲得標高差は1,600mで、終盤にかけてカーポダルコ(全長2km・平均4.1%)の登りを含む11.2kmの周回コースを4周する。冷たい雨と風に見舞われた前日とは打って変わって、マルケ州は最高気温15度ほどの春の陽気に包まれた。
23km地点でメイン集団から抜け出した6名は、80km地点でそのアドバンテージを最大6分35秒まで広げることに成功する。次点の次点でマリアヴェルデ(山岳賞ジャージ)を着るマッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション)がKOMモンテサンジュストで最大ポイントを獲得したものの、山岳賞1位のタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)には4ポイント届いていない。
逃げグループを形成した6名
ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター)
ヤン・バークランツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)
マッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション)
ブレント・ファンムール(ベルギー、ロット・スーダル)
エミルス・リエピンス(ラトビア、トレック・セガフレード)
シモーネ・ヴェラスコ(イタリア、ガスプロム・ルスヴェロ)
総合リーダーチームであるとともに、フェルナンド・ガビリア(コロンビア)のスプリント勝利を狙うUAEチームエミレーツが長時間メイン集団を牽引し、ここにドゥクーニンク・クイックステップとアルペシン・フェニックスも合流。逃げグループとのタイム差は残り70kmで5分、残り40kmで3分30秒、残り30kmで3分。リード・ディ・フェルモの周回コースに入るとタイム差の縮小は鈍り、先頭6名は2分08秒のリードをもって最終周回へと入っていく。
翌日の個人タイムトライアルで2年連続勝利を狙うフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)が力を温存するために離脱する中、メイン集団からはシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)らがアタック。しかしメイン集団は最後まで逃げグループとのタイム差を詰め切ることはできなかった。
残り9km地点で逃げグループからリエピンスが脱落し、先頭5名によるスプリントが始まった。「最後はライバルたちをスプリントで敗ることができると確信していた」というウルスシュミットが、最高スピード65.9km/hでスプリントを制した。ウルスシュミットは最終ストレートで30秒間にわたって平均876W、最大1,190Wを出力している。
ステージ優勝者の平均スピード45.645km/hはティレーノ〜アドリアティコの歴史上2番目に速い記録。史上最速ステージはグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー)が勝利した2016年大会の第6ステージで、当時もこの日と同じカステルライモンドをスタートするコースレイアウトだった。
「周回コースに入った時点で、フィニッシュまで45kmを残してタイム差は4分。逃げ切ることができると確信していた。逃げ切るのは決して簡単なことじゃないけど、逃げグループ内では最後まで協調体制を築けていたんだ。プロ5年目でようやく手にしたワールドツアーレースの初勝利。信じられない気持ちであり、とにかく嬉しい」。2015年ロード世界選手権U23タイムトライアルで勝利し、3年間所属したカチューシャ・アルペシンから2020年に現チームに移籍した26歳のウルスシュミット。今大会2度目の逃げで、イスラエル・スタートアップネイションにシーズン2勝目をもたらした。
メイン集団は1分09秒遅れでティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス)を先頭にフィニッシュ。安全に走り切り、1分15秒の総合リードをもって最終個人タイムトライアルに挑むことになったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)は「今年はタイムトライアルが含まれているステージレースが多いので、明日は良いトレーニングになる。明日はとにかくリーダージャージを守ることに専念したい」とコメントしている。
総合2位ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)は、総合逆転が難しいことを認めつつも、最後まで成績を狙っていく考えだ。「昨年出場したすべてのタイムトライアルで勝利したフィリッポ・ガンナが最有力候補であり、彼に勝つのは簡単なことじゃない。1週間にわたって厳しいレースが続いたけど、明日の走りが楽しみだ」。
ティレーノ〜アドリアティコ2021第6ステージ結果
1位 | マッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション) | 3:42:09 |
2位 | ブレント・ファンムール(ベルギー、ロット・スーダル) | |
3位 | シモーネ・ヴェラスコ(イタリア、ガスプロム・ルスヴェロ) | |
4位 | ヤン・バークランツ(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) | |
5位 | ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル、モビスター) | |
6位 | エミルス・リエピンス(ラトビア、トレック・セガフレード) | 0:00:25 |
7位 | ティム・メルリール(ベルギー、アルペシン・フェニックス) | 0:01:09 |
8位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
9位 | エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス) | |
10位 | マックス・カンター(ドイツ、チームDSM) | |
DNF | ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、コフィディス) | |
DNF | アルバロホセ・ホッジ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ) | |
DNS | イバン・ガルシア(スペイン、モビスター) | |
DNS | ミヒャエル・ゴグル(オーストリア、クベカ・アソス) |
個人総合成績
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 26:24:59 |
2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | 0:01:15 |
3位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | 0:03:00 |
4位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:03:30 |
5位 | マッテオ・ファッブロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:03:54 |
6位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) | 0:04:30 |
7位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:04:42 |
8位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) | 0:05:03 |
9位 | ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、トレック・セガフレード) | 0:05:54 |
10位 | サイモン・イェーツ(イギリス、バイクエクスチェンジ) | 0:06:58 |
ポイント賞
1位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | 43pts |
2位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 39pts |
3位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 35pts |
山岳賞
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 24pts |
2位 | マッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・スタートアップネイション) | 20pts |
3位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・フェニックス) | 18pts |
ヤングライダー賞
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 26:24:59 |
2位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | 0:03:30 |
3位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:04:42 |
チーム総合成績
1位 | アスタナ・プレミアテック | 79:41:23 |
2位 | イネオス・グレナディアーズ | 0:03:29 |
3位 | モビスター | 0:12:52 |
text:Kei Tsuji
photo:LaPresse, CorVos
photo:LaPresse, CorVos
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