2020/04/03(金) - 14:06
御殿場MTBパークFUTAGOにおいて3月21日に開催されたマウンテンバイクレース 「CSC Classic」。各クラスの優勝者たちが駆ったクロスカントリー仕様のMTBを紹介する後編。アップダウンの厳しいコースを走破するバイクとは?(前編はこちら)
エリート女子優勝 早瀬久美(日本ろう自転車競技協会)
メリダ BIG NINE9000
エリート女子を制したのは聴覚障害のあるアスリートチーム、JDCA(日本ろう自転車競技協会)の早瀬久美さん。世界のデフリンピックMTBレースで活躍するトップライダーだ。
早瀬さんの愛車はメリダ のハードテイル29erモデル、BIG NINE9000。以前は27.5で走っていたが、デフリンピックのアベレージスピードの高さに「走破性に優位がある29インチが必要」と、2019年より29erを初導入した。身長が低いため一番小さなフレームでもサイズがやや大きい。そのためステムやシートポスト、サドル、ハンドルなどで身体に合わせるフィッティングを施しているという。
ステムとハンドルはサンエスのOnebyESU。マイナス角度ステムでギリギリまで下げ、かつ突き出しの短いものをチョイス。サドルは特にこだわり、女性にも合うショートノーズでパッドがフィットするプロロゴのDIMENSION NDRをチョイス。ペダルはずっと愛用しているクランクブラザーズのエッグビーター3だ。
CSCクラシックはコースが難しくなく、長い平坦が多いためスピードが出てコーナーでもグリップの効くIRC ミトスXCチューブレスレディをチョイスした。クランクブラザーズのドロッパーシートポストを取り付けたのは、2021年ブラジル・デフリンピックに向けてどんなコースでも対応できるようにするためだ。
サスペンションは軽量性を重視したSRサンツアーAxon34 WERX Boost 29、ホイールも軽量なDTスイス XCT1200をチョイス。コンポは信頼性の高いシマノXTR9100で統一し、BBはWISHBONE。グリップはVenoを長く愛用している。
「こだわりは出来るだけ軽量にまとめたことと、ハンドルに取り付けた親指を引っ掛ける突起状のレバー、TOGS(トグス)。これで登りの時にハンドルへの力の入り方がスムーズになるんです」。また「グリップとケーブルの色をフレームにあわせてグリーンで統一しました」。
「レース毎には必ずショップ(横浜のサイクラリーKIRIN)に行き点検。耳が聞こえないので異音チェックもショップにお任せ。チェーンも数レース毎に交換し、デフリンピック本番を想定して常に最高の状態に仕上げてもらっています」。
チャレンジ男子優勝 吉川大地(Rapha Cycing Club)
スペシャライズド CHISEL
チャレンジ男子で優勝した吉川大地さん(Rapha Cycing Club)。MTBに乗り始めて1年、レース参加はこれで3戦目という初心者で、「優勝はもちろん初めて。MTB、楽しいですね。シクロクロスレースにはよく出ていますが、スキルアップになるかな?と始めました。でも楽しさにハマっています(笑)」。
吉川さんの愛車はスペシャライズド CHISEL(チゼル)。アルミフレーム採用の29erで、コスパのいいXC-MTBとして超人気のモデルだ。
「アルミなのに乗り心地が良くて気に入っています。こだわっているところは特に無いですが、よく転ぶのでトップチューブに凹み防止のチューブを巻いています」と言う吉川さんだが、つぶさにみていくと面白いセッティング。なんと左右でクランクが違うのだ。
左クランクにはSTAGESのロゴが入っているとおり、パワーメーターを使用している。DUBスピンドルでつながるチェーンホイールはスラムFORCEで、ブースト仕様のため左クランクは少々軸がズレているという。計測したパワーはwahoo ELEMNT ROAMでモニターする。
タイヤはフロントがマキシスASPEN、リアはスペシャライズドFASTRACKを使用。前輪にノブの立ったモデルを使うことでコーナリンググリップを稼いでいる。
アドバンス男子優勝 高橋翔(cycleclub3UP)
Liv OBSESS SLR
上位クラスのアドバンス男子で、大人たちを蹴散らす圧倒的な走りで優勝した高橋翔選手(cycleclub3UP)。全国各地のMTB・シクロクロス・ロードレースで勝ちまくっているスーパー中学生だ。14歳、東京在住の2年生。そんな将来有望な彼のピンクの愛車はLiv OBSESS SLR。アルミフレーム採用の27.5インチ、2019年モデルだ。
「本来は女性用モデルなんですが、背が低いため選びました。女性用ということもあってかアルミフレームにしてはやや柔らかくて、乗りやすい。振動吸収性がカーボン並にあって、進ませやすいんです。カラーも気に入っています」。
「今年に入ってからドロッパーポストを使っていますが、下りで有効です。ブレーキはマグラがフィーリングが良くて最高です。そしてペダルはディズナのクロス48ペダル。Qファクターが狭くて泥詰まりにも強く、オフロードレースには欠かせない存在。回しやすいのでロードでも使っているんです」。
キッズ 高学年優勝 中仙道侑毅(イオンバイクJr.レーシング&怪しい道調査隊)
コナ CINDER CONE
キッズ 高学年に優勝した中仙道侑毅くんはイオンバイクJr.レーシングで走る、将来プロ選手を夢見る実力派。MTBとともにトライアルが好きで、フィニッシュでは鮮やかなウィリーを決めた。
KONA総代理店のアキコーポレーションからサポートを受けているというバイクはコナのアルミハードテイル CINDER CONE(シンダーコーン)。トレイルライド向きの27.5インチモデルだ。
クランクは成長期の身長にあわせて150mmというアームの短いものを採用。DRIVE LINEという聞き慣れないブランドの製品は、お父さんがネットオークションで手に入れたという。フォークはFOX32 FLOAT FACTORY FIT4 SCで、ホイールはフルクラム RED PASSION。タイヤは前:シュワルベROCKETRON、後:同THUNDER BURT。2.25の太さで空気圧は40PSI。
完成車状態からカスタマイズするうちに、フレーム以外はすべて入れ替わったという。そして練習とレース時にはFサスフォークとホイールを入れ替えて使っているとのこと。メカニックであるお父さんのサポートぶりが伺える。
photo&text:Makoto.AYANO
エリート女子優勝 早瀬久美(日本ろう自転車競技協会)
メリダ BIG NINE9000
エリート女子を制したのは聴覚障害のあるアスリートチーム、JDCA(日本ろう自転車競技協会)の早瀬久美さん。世界のデフリンピックMTBレースで活躍するトップライダーだ。
早瀬さんの愛車はメリダ のハードテイル29erモデル、BIG NINE9000。以前は27.5で走っていたが、デフリンピックのアベレージスピードの高さに「走破性に優位がある29インチが必要」と、2019年より29erを初導入した。身長が低いため一番小さなフレームでもサイズがやや大きい。そのためステムやシートポスト、サドル、ハンドルなどで身体に合わせるフィッティングを施しているという。
ステムとハンドルはサンエスのOnebyESU。マイナス角度ステムでギリギリまで下げ、かつ突き出しの短いものをチョイス。サドルは特にこだわり、女性にも合うショートノーズでパッドがフィットするプロロゴのDIMENSION NDRをチョイス。ペダルはずっと愛用しているクランクブラザーズのエッグビーター3だ。
CSCクラシックはコースが難しくなく、長い平坦が多いためスピードが出てコーナーでもグリップの効くIRC ミトスXCチューブレスレディをチョイスした。クランクブラザーズのドロッパーシートポストを取り付けたのは、2021年ブラジル・デフリンピックに向けてどんなコースでも対応できるようにするためだ。
サスペンションは軽量性を重視したSRサンツアーAxon34 WERX Boost 29、ホイールも軽量なDTスイス XCT1200をチョイス。コンポは信頼性の高いシマノXTR9100で統一し、BBはWISHBONE。グリップはVenoを長く愛用している。
「こだわりは出来るだけ軽量にまとめたことと、ハンドルに取り付けた親指を引っ掛ける突起状のレバー、TOGS(トグス)。これで登りの時にハンドルへの力の入り方がスムーズになるんです」。また「グリップとケーブルの色をフレームにあわせてグリーンで統一しました」。
「レース毎には必ずショップ(横浜のサイクラリーKIRIN)に行き点検。耳が聞こえないので異音チェックもショップにお任せ。チェーンも数レース毎に交換し、デフリンピック本番を想定して常に最高の状態に仕上げてもらっています」。
チャレンジ男子優勝 吉川大地(Rapha Cycing Club)
スペシャライズド CHISEL
チャレンジ男子で優勝した吉川大地さん(Rapha Cycing Club)。MTBに乗り始めて1年、レース参加はこれで3戦目という初心者で、「優勝はもちろん初めて。MTB、楽しいですね。シクロクロスレースにはよく出ていますが、スキルアップになるかな?と始めました。でも楽しさにハマっています(笑)」。
吉川さんの愛車はスペシャライズド CHISEL(チゼル)。アルミフレーム採用の29erで、コスパのいいXC-MTBとして超人気のモデルだ。
「アルミなのに乗り心地が良くて気に入っています。こだわっているところは特に無いですが、よく転ぶのでトップチューブに凹み防止のチューブを巻いています」と言う吉川さんだが、つぶさにみていくと面白いセッティング。なんと左右でクランクが違うのだ。
左クランクにはSTAGESのロゴが入っているとおり、パワーメーターを使用している。DUBスピンドルでつながるチェーンホイールはスラムFORCEで、ブースト仕様のため左クランクは少々軸がズレているという。計測したパワーはwahoo ELEMNT ROAMでモニターする。
タイヤはフロントがマキシスASPEN、リアはスペシャライズドFASTRACKを使用。前輪にノブの立ったモデルを使うことでコーナリンググリップを稼いでいる。
アドバンス男子優勝 高橋翔(cycleclub3UP)
Liv OBSESS SLR
上位クラスのアドバンス男子で、大人たちを蹴散らす圧倒的な走りで優勝した高橋翔選手(cycleclub3UP)。全国各地のMTB・シクロクロス・ロードレースで勝ちまくっているスーパー中学生だ。14歳、東京在住の2年生。そんな将来有望な彼のピンクの愛車はLiv OBSESS SLR。アルミフレーム採用の27.5インチ、2019年モデルだ。
「本来は女性用モデルなんですが、背が低いため選びました。女性用ということもあってかアルミフレームにしてはやや柔らかくて、乗りやすい。振動吸収性がカーボン並にあって、進ませやすいんです。カラーも気に入っています」。
「今年に入ってからドロッパーポストを使っていますが、下りで有効です。ブレーキはマグラがフィーリングが良くて最高です。そしてペダルはディズナのクロス48ペダル。Qファクターが狭くて泥詰まりにも強く、オフロードレースには欠かせない存在。回しやすいのでロードでも使っているんです」。
キッズ 高学年優勝 中仙道侑毅(イオンバイクJr.レーシング&怪しい道調査隊)
コナ CINDER CONE
キッズ 高学年に優勝した中仙道侑毅くんはイオンバイクJr.レーシングで走る、将来プロ選手を夢見る実力派。MTBとともにトライアルが好きで、フィニッシュでは鮮やかなウィリーを決めた。
KONA総代理店のアキコーポレーションからサポートを受けているというバイクはコナのアルミハードテイル CINDER CONE(シンダーコーン)。トレイルライド向きの27.5インチモデルだ。
クランクは成長期の身長にあわせて150mmというアームの短いものを採用。DRIVE LINEという聞き慣れないブランドの製品は、お父さんがネットオークションで手に入れたという。フォークはFOX32 FLOAT FACTORY FIT4 SCで、ホイールはフルクラム RED PASSION。タイヤは前:シュワルベROCKETRON、後:同THUNDER BURT。2.25の太さで空気圧は40PSI。
完成車状態からカスタマイズするうちに、フレーム以外はすべて入れ替わったという。そして練習とレース時にはFサスフォークとホイールを入れ替えて使っているとのこと。メカニックであるお父さんのサポートぶりが伺える。
photo&text:Makoto.AYANO
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