3月21日、静岡県御殿場市のMTBパークFUTAGOにおいてマウンテンバイクレース 「CSC Classic」が開催された。競技志向のクロスカントリーと耐久レース、そして缶ビール運びレースに参加者158人が春の一日を楽しんだ。
3時間耐久レースの一斉スタート photo:Hiro.AYANO
新型コロナウィルスの影響で全国のサイクルイベントが次々に自粛・中止されるなか、御殿場MTBパークFUTAGOにおいてCSCクラシックが開催された。政府の自粛要請が前日の20日まで、そして小規模のミニイベントであることから開催にこぎつけた。
朝のライダースミーティングは密集しないように間隔を取りながら photo:Makoto.AYANO
主催者の橋本賢毅さん photo:Makoto.AYANO
「CSC Classic」は、JCF競技規則に準じたクロスカントリー競技と、誰でも気軽に参加できる1〜3名での3時間エンデューロレースで構成されるMTBイベント。2014年に第1回が始まり、今回が7回目。2018年まで日本サイクルスポーツセンター(修善寺CSC)を舞台としていたため会場名がレース名に名残があるものの、継続的な開催でアマチュアのホビーマウンテンバイカーに好評のレースだ。
マスター男子は山崎雅典(AVA)と羽鳥和重(cycleclub3UP)の激しいバトルに photo:Makoto.AYANO
チャレンジは吉川大地(ラファサイクルクラブ)が優勝 photo:Makoto.AYANO
女子エリートは早瀬久美(日本ろう自転車競技協会)が優勝 photo:Makoto.AYANO
チャレンジ女子は山崎裕子(AVA)が優勝 photo:Makoto.AYANO
この大会は「MTBレースシーンを自分たちの手で盛り上げて行きたい」という思いをもつ、社会人で選手活動をしているメンバーによって運営されている。つまりスタッフは選手やチーム関係者が多くを占めているのだ。そしてレースメニューはCJシリーズなどのJCF公認レース以外ではなかなか開催されないいUCI形式のXCレースを午前中に、午後はソロや仲間で楽しめる3時間耐久レース、そして余興的な「30分ビール運搬耐久レース」が組まれている。
マスター男子は山崎雅典(AVA)が優勝 photo:Makoto.AYANO
新型コロナウィルスの問題でイベント開催については非常に微妙な時期。東京都は2月21日より3週間を「感染拡大防止の重要な時期」とし、屋内での大規模イベント(参加者500名以上)を中止又は延期に。そのなかでCSC Classicは、まず開催時期が指定期間明けの3月21日(土)であること、そして屋外イベントであること、参加者は150人前後のイベントであるため、東京都が中止又は延期を要請したような事項には該当しないため、開催を決めたという。
アドバンス男子優勝はスーパー中学2年生の高橋翔(cycleclub3UP)が優勝 photo:Makoto.AYANO
勝者にはMCからうまい棒のプレゼント! photo:Makoto.AYANO
なお、感染拡大防止策として、受付やトイレ入口に消毒液を設置。開会式などの際も隣人との距離を取り、スタッフもマクスを着用するなど、衛生対策をとりながらの運営となった。また参加者各位に体調管理に慎重になるよう呼びかけがなされていた。
昨年大会は前日に雪が降り、厳しいコースコンディションのなかレースが行われた。しかし今年は朝から快晴、日中は最高気温20℃まで上昇する初夏のような絶好のレース日和となった。
ミズタニ自転車のブースではFeedbackのローラー台サービスが展開 photo:Makoto.AYANO
ヴィットリアのタイヤサポートブースが展開された photo:Makoto.AYANO
マウンテンバイク愛好者が参加しやすい耐久レースを午後に、その前座として午前中には本格的なクロスカントリー競技を開催。初心者や入門者にXCレースを観てもらうこと、そして午後は耐久レースを走って体感してもらうことでMTBレースの普及につなげたいという狙いもあるこの大会。欲張りな人は午前も午後もダブルエントリー、なかにはビールレースまで入れてトリプルエントリーしてフルに楽しんでしまおうというタフな選手もいる。
キッズレース高学年のスタート photo:Hiro.AYANO
キッズレース高学年で優勝した 中仙道侑毅君は見事なウィリーフィニッシュを決めた! photo:Hiro.AYANO
エリート男子のスタート。U23&ジュニア選手も居てにぎやか photo:Makoto.AYANO
コースは御殿場MTBパークFUTAGO内の林間につけられた1周3.5kmの周回コース(キッズ&ビールは1周1.1km)。松林の斜面に付けられたロングコースで、登り下りのアップダウンに富み、平坦区間も長いタフなもの。湿った土のトレイルが多くの割合を占め、ガレ場がないためオフロード初心者にも危険が少なく、ハードテイルでも十分に楽しめる走りやすいコース。実際、参加者の中には平坦重視でシクロクロスバイクで走った人も数名いたほど。
エリート男子のスタート。グラウンドのループを経て林間コースへと出ていく photo:Makoto.AYANO
舗装路の登りをこなして林間コースへ向かう photo:Makoto.AYANO
午前第1レースはマスターズとチャレンジクラス。周回数は2周だが、JCF登録者も多く、レベルは高め。マスター男子は山崎雅典(AVA)が、チャレンジは吉川大地(ラファサイクルクラブ)が優勝した。
次いで開催の最高峰クラス、エリート男女はファクトリーチーム系のトップレーサーこそ集わないものの、U23やジュニア選手も参加可能とあって幅広い参加者層だ。アドバンスクラスとの同時スタート。エリート男子は松田賢太郎が中村龍吉(acu-power中央大学)との競り合いを制して優勝。女子エリートは早瀬久美(日本ろう自転車競技協会)が、アドバンス男子優勝はスーパー中学2年生の高橋翔(cycleclub3UP)がそれぞれ優勝した。
林間コースのスイッチバック 優勝した松田賢太郎を追う中村龍吉(acu-power中央大学) photo:Makoto.AYANO
林間コースのスイッチバックのハイスピードダウンヒル。優勝した松田賢太郎 photo:Makoto.AYANO
エリート男子の2位を行く中村龍吉(acu-power中央大学) photo:Makoto.AYANO
御殿場高原ビール全面協力のもと開催された「30分ビール運搬耐久レース」は、ショートコースを用いて周回ごとに缶ビールを1本づつもらえるというユニークな余興企画レース。背中には空のリュックを背負って走り、ホームに戻ってくる毎に御殿場高原ビールを一本リュックに入れることができるというルール。
30分ビール運搬耐久レース。ビール欲しさに参加した皆さん! photo:Makoto.AYANO
背中に背負ったリュックにビールを入れて集める photo:Makoto.AYANO
参加選手が缶ビールをリュックに入れるその脇では「うまい棒」や「おつまみピーナツ」をもった子どもたちが待機していて、容赦なく選手の口にくわえさせる。拒否はしにくい。周回ごとに増えるビールは背負ったまま走らなくてはいけない。多い人でビール6本を獲得したようだ。
子どもたちからはおつまみのうまい棒が容赦なく差し出される photo:Makoto.AYANO
午後からはソロや仲間と一緒にチームを組んで走る3時間耐久レースだ。「チャリダー」のTV番組取材もあり、ボビー・オロゴンさん、牧野ステテコさん、竹谷賢二さんチームも走った(6月放映予定)。ソロ、2人組、3人組、E-Bike、オールドMTBなど複数カテゴリーが表彰対象になった。
3時間耐久レースの一斉ローリングスタート photo:Hiro.AYANO
チャリダーのボビー・オロゴンさん、牧野ステテコさん、竹谷賢二さんチームも走った photo:Makoto.AYANO
CW編集部・綾野も3時間耐久ソロを走った photo:Hiro.AYANO
シクロクロスバイクで3時間耐久をソロで走って4位になった梶田晋選手 photo:Hiro.AYANO
3時間耐久をE-Bikeで走るのは頸椎損傷からカムバックを果たした多田尚史さん photo:Hiro.AYANO
レースやイベントが軒並みキャンセルになったため、数少ないレースイベントとなったCSCClassic。参加者たちはレースを走れる喜びを噛み締めていた。「開催には賛否あるのは覚悟していますが、旬の短い選手にとってレースは貴重。衛生への最大の配慮を行い、小さく開催しました」と橋本賢毅さん。
3時間耐久 ソロ表彰 photo:Makoto.AYANO
3時間耐久 3人チーム表彰 photo:Makoto.AYANO
レース終了後は参加者全員で記念撮影 photo:Makoto.AYANO
レースを終えた週明けの24日・火曜日には東京五輪の延期が決まった。国内におけるコロナウィルスを取り巻く状況は収束の気配がまだ見えず、さらに深刻化していくようにも思える。レースやイベントが再び安全な状況で開催できるようになる日が来ることを、編集部一同願っています。
photo&text:Makoto.AYANO

新型コロナウィルスの影響で全国のサイクルイベントが次々に自粛・中止されるなか、御殿場MTBパークFUTAGOにおいてCSCクラシックが開催された。政府の自粛要請が前日の20日まで、そして小規模のミニイベントであることから開催にこぎつけた。


「CSC Classic」は、JCF競技規則に準じたクロスカントリー競技と、誰でも気軽に参加できる1〜3名での3時間エンデューロレースで構成されるMTBイベント。2014年に第1回が始まり、今回が7回目。2018年まで日本サイクルスポーツセンター(修善寺CSC)を舞台としていたため会場名がレース名に名残があるものの、継続的な開催でアマチュアのホビーマウンテンバイカーに好評のレースだ。




この大会は「MTBレースシーンを自分たちの手で盛り上げて行きたい」という思いをもつ、社会人で選手活動をしているメンバーによって運営されている。つまりスタッフは選手やチーム関係者が多くを占めているのだ。そしてレースメニューはCJシリーズなどのJCF公認レース以外ではなかなか開催されないいUCI形式のXCレースを午前中に、午後はソロや仲間で楽しめる3時間耐久レース、そして余興的な「30分ビール運搬耐久レース」が組まれている。

新型コロナウィルスの問題でイベント開催については非常に微妙な時期。東京都は2月21日より3週間を「感染拡大防止の重要な時期」とし、屋内での大規模イベント(参加者500名以上)を中止又は延期に。そのなかでCSC Classicは、まず開催時期が指定期間明けの3月21日(土)であること、そして屋外イベントであること、参加者は150人前後のイベントであるため、東京都が中止又は延期を要請したような事項には該当しないため、開催を決めたという。


なお、感染拡大防止策として、受付やトイレ入口に消毒液を設置。開会式などの際も隣人との距離を取り、スタッフもマクスを着用するなど、衛生対策をとりながらの運営となった。また参加者各位に体調管理に慎重になるよう呼びかけがなされていた。
昨年大会は前日に雪が降り、厳しいコースコンディションのなかレースが行われた。しかし今年は朝から快晴、日中は最高気温20℃まで上昇する初夏のような絶好のレース日和となった。


マウンテンバイク愛好者が参加しやすい耐久レースを午後に、その前座として午前中には本格的なクロスカントリー競技を開催。初心者や入門者にXCレースを観てもらうこと、そして午後は耐久レースを走って体感してもらうことでMTBレースの普及につなげたいという狙いもあるこの大会。欲張りな人は午前も午後もダブルエントリー、なかにはビールレースまで入れてトリプルエントリーしてフルに楽しんでしまおうというタフな選手もいる。



コースは御殿場MTBパークFUTAGO内の林間につけられた1周3.5kmの周回コース(キッズ&ビールは1周1.1km)。松林の斜面に付けられたロングコースで、登り下りのアップダウンに富み、平坦区間も長いタフなもの。湿った土のトレイルが多くの割合を占め、ガレ場がないためオフロード初心者にも危険が少なく、ハードテイルでも十分に楽しめる走りやすいコース。実際、参加者の中には平坦重視でシクロクロスバイクで走った人も数名いたほど。


午前第1レースはマスターズとチャレンジクラス。周回数は2周だが、JCF登録者も多く、レベルは高め。マスター男子は山崎雅典(AVA)が、チャレンジは吉川大地(ラファサイクルクラブ)が優勝した。
次いで開催の最高峰クラス、エリート男女はファクトリーチーム系のトップレーサーこそ集わないものの、U23やジュニア選手も参加可能とあって幅広い参加者層だ。アドバンスクラスとの同時スタート。エリート男子は松田賢太郎が中村龍吉(acu-power中央大学)との競り合いを制して優勝。女子エリートは早瀬久美(日本ろう自転車競技協会)が、アドバンス男子優勝はスーパー中学2年生の高橋翔(cycleclub3UP)がそれぞれ優勝した。



御殿場高原ビール全面協力のもと開催された「30分ビール運搬耐久レース」は、ショートコースを用いて周回ごとに缶ビールを1本づつもらえるというユニークな余興企画レース。背中には空のリュックを背負って走り、ホームに戻ってくる毎に御殿場高原ビールを一本リュックに入れることができるというルール。


参加選手が缶ビールをリュックに入れるその脇では「うまい棒」や「おつまみピーナツ」をもった子どもたちが待機していて、容赦なく選手の口にくわえさせる。拒否はしにくい。周回ごとに増えるビールは背負ったまま走らなくてはいけない。多い人でビール6本を獲得したようだ。

午後からはソロや仲間と一緒にチームを組んで走る3時間耐久レースだ。「チャリダー」のTV番組取材もあり、ボビー・オロゴンさん、牧野ステテコさん、竹谷賢二さんチームも走った(6月放映予定)。ソロ、2人組、3人組、E-Bike、オールドMTBなど複数カテゴリーが表彰対象になった。





レースやイベントが軒並みキャンセルになったため、数少ないレースイベントとなったCSCClassic。参加者たちはレースを走れる喜びを噛み締めていた。「開催には賛否あるのは覚悟していますが、旬の短い選手にとってレースは貴重。衛生への最大の配慮を行い、小さく開催しました」と橋本賢毅さん。



レースを終えた週明けの24日・火曜日には東京五輪の延期が決まった。国内におけるコロナウィルスを取り巻く状況は収束の気配がまだ見えず、さらに深刻化していくようにも思える。レースやイベントが再び安全な状況で開催できるようになる日が来ることを、編集部一同願っています。
photo&text:Makoto.AYANO
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