2019/08/08(木) - 18:23
レトロフューチャーをスローガンに、ブランドの再構築を進めるデローザが都内にて展示会を開催。アナウンスされていた新しいロゴをまとった実車の初お披露目をレポートしていこう。
デローザの2020年モデルが勢ぞろい
六本木にて開催された日直商会の展示会。多くのヨーロッパブランドを日本へ紹介してくれている日直商会だが、多岐にわたる取扱ブランドの中でも大きな存在感を放つのがイタリアの名門ブランド、デローザだ。
そのデローザの2020モデルが一堂に会したのが今回の展示会だ。例年注目度の高いイベントではあるが、今年は更に熱視線を浴びることに。その原因の一つが、デローザのロゴが変更されることにある。
長年続き、愛されてきたロゴが一新するのは、新しいデローザの方向性を示すため。そして、その姿勢を示すためにロゴを変更するだけでなく、同時に3つの新しいカーボンモデルを2020年に発表することに。
ピニンファリーナによってデザインされたデローザの新ロゴ
初山選手の実車も展示された
トップチューブにはネームシールが
この展示会のために、イタリアから来日したクリスティアーノ・デローザは言う。「デローザにとって、今回のリブランディングは非常に重要なもの。単なるロゴの変更だけでなく、新たな門出に相応しい、象徴となるようなバイクを揃える必要があった。」
そのために、デローザは多くのリソースを費やした、とも。「デローザにとって、レーシングバイクであるために必要な条件が4つある。軽さ、ライドパフォーマンス、デザイン、そして色気だ。そのために、デローザは総力を挙げてきた」。今回国内で初お披露目されたバイクたちはどれをとっても、それらを満たす”デローザバイク”に相応しい1台に仕上がっている、と自信を覗かせた。
新世代のデローザを象徴するMERAK
一つ目が軽量ヒルクライムバイクとなるMERAK。デローザを象徴するレーシングモデルの名前が久しぶりに復活した。コンパクトなリアトライアングル、ハンドル周りのケーブルフル内装とオールラウンドバイクの最先端トレンドを掴む、「新世代のデローザだ」とクリスティアーノ。
フルアルミレーサーとして高い評価を得た初代から数えれば4代目となるMERAK。BBシェルにはアルミスリーブを使用せず、フルカーボンシェルという思いきった仕様とするほど、軽量化を追い求めた一台だ。
2世代目へと進化を遂げたSK よりエアロ性能を高めつつ軽量化を果たした
2つ目が2代目となるSK。ピニンファリーナによる流麗なエアロデザインを更にブラッシュアップし、熟成を重ねた一台だ。「モデルチェンジで大幅に軽くなったんだ」と言うように、フレームは900gまで減量を達成。登れるエアロロードに生まれ変わった。
MERAK同様、ケーブル類もフル内装されスリムでクリーンなルックスを手に入れると同時に、エアロロードの本分である空力性能も大きく向上している。空力面で言えば、トップチューブはよりフラットなデザインとなることで更なる整流効果を発揮するとも。リアトライアングルはボリュームを増し、剛性も向上。より軽くエアロ、そして反応性に優れたレースバイクへと正当な進化を果たした。
ARCデザインコンセプトを継承するIDOL
3つはミドルグレードとなるIDOL。「初代からIDOLのデザインコンセプトは変わっていない」との言葉通り、優美な曲線を描く”ARCコンセプト”は最新作にも受け継がれている。特徴的な弓なりの構造は路面からの突き上げを吸収し、快適なライドフィールを演出するものでもある。
こちらもケーブルのフル内装化を果たし、クリーンなルックスとエアロダイナミクスの向上を実現。大きな人気を博した前作から、更なるパワーアップを果たした新世代のIDOLに期待が高まる。
爽やかなブルーに彩られたPROTOS
新作のカーボンモデル3種に共通して採用されるフル内装システムACR
デローザロゴの養生テープなんてグッズも
3つのカーボンフレームに加え、今年新たにモデルチェンジしたCORUM ラグレスのハンドメイドスチールバイクだ
そして、PROTOSをはじめとした既存のバイクたちも新たなデローザロゴとカラーリングを与えられた。どのモデルもモダンでありながら、デローザが培ってきた60年に渡る歴史を感じさせる存在感を放つ、まさに「レトロフューチャー」という言葉が似合うバイクとなった。
また、デローザだけでなく日直商会が取り扱う他のブランドの最新作も一斉に展示されている。その一つがエガン・ベルナルによって今年もツールを制したチームイネオスをサポートするカスク。今年で15周年の節目を迎えるイタリアンヘルメットブランドからも、担当者のジャコモ氏が来日。「これまで多くのサイクリストの安全を守ってきましたが、今年は更なるチャレンジの年となります」と意気込んだ。今後新たな製品が発表される予定だという。
サングラスホルダーという新たなカテゴリーの製品を開発したKOO
またカスクのアイウェア部門となるKOOからもニューモデル「ORION」が登場。トレック・セガフレードとの協業が生み出した新作で、交換しやすいレンズシステム、眉部分の可動パーツによる優れたベンチレーション機能など、プロ選手の要望に応えるハイエンドモデルだ。
ユニークなプロダクトとしてはステム/ハンドルマウント型のサングラスホルダー「Billy」が登場。ブリッジ部分を差し込むことで強力にサングラスをホールドしてくれるアイテムだ。アイウェアをヘルメットに挿していて落としてしまったことのある人や、ヒルクライム時には外しておきたい人などに福音となるプロダクトだろう。
スポーツフルはサガンをアメコミ風に描いたキッズジャージもラインアップ
デローザを愛用する西さん。スポーツフルで製作したチームジャージも販売中だ
ボーラ・ハンスグローエをはじめ多くのプロチームをサポートするスポーツフルも、様々なプロダクトを展示していた。プロ御用達のエアロスキンスーツ「Bomber」シリーズや、快適性に優れるトータルコンフォートショーツ、トレンドのグラベルやツーリングにぴったりのGIARAシリーズなど注目作が勢ぞろい。
中でも今年の一押しとなるのがモノクロームジャージ。無地のジャージに後染めしたという独特の製法によって、鮮やかな発色が印象的な1着に仕上がっている。それぞれ微妙な個体差があり、そういったゆらぎを楽しみ、自分だけの1着が欲しいという方にもおススメだ。
デローザファンを招いた一般観覧時間はクリスティアーノの乾杯で
みなさんシャンパンでカンパイ!
クリスティアーノに加え、初山選手と西選手も加わったトークショー
ディーラー向け展示会の後には、一般のデローザファンに向けたひと時も。新モデルに見入る何人かの方に新ロゴについて伺うと、「すごく良いですね!」とすっかりハートを掴まれた様子。
更に、クリスティアーノとNIPPOヴィーニファンティーニの初山翔、ルミナリアの西加南子というデローザを愛用する2人の選手らによるトークショーも開催された。デローザバイクの乗り味や、選び方などプロ目線のコメントが聞ける貴重な機会となった。
特大のデローザタペストリーにクリスティアーノ直々にサインしてくれた
皆でクオーレマーク!
和気藹々とした会は、日直商会が用意したデローザスペシャルタペストリーが当たるじゃんけん大会で〆。クリスティアーノ直々のサインが入った貴重な1枚を手に入れた方は、きっと家宝にするに違いない(笑)
新たな歴史のページをめくるデローザの2020モデル。新たな時代の一歩をブランドとともに踏み出せる貴重なこの年、あなたも憧れのクオーレを手にしてみては?
text&photo:Naoki.Yasuoka
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六本木にて開催された日直商会の展示会。多くのヨーロッパブランドを日本へ紹介してくれている日直商会だが、多岐にわたる取扱ブランドの中でも大きな存在感を放つのがイタリアの名門ブランド、デローザだ。
そのデローザの2020モデルが一堂に会したのが今回の展示会だ。例年注目度の高いイベントではあるが、今年は更に熱視線を浴びることに。その原因の一つが、デローザのロゴが変更されることにある。
長年続き、愛されてきたロゴが一新するのは、新しいデローザの方向性を示すため。そして、その姿勢を示すためにロゴを変更するだけでなく、同時に3つの新しいカーボンモデルを2020年に発表することに。
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そのために、デローザは多くのリソースを費やした、とも。「デローザにとって、レーシングバイクであるために必要な条件が4つある。軽さ、ライドパフォーマンス、デザイン、そして色気だ。そのために、デローザは総力を挙げてきた」。今回国内で初お披露目されたバイクたちはどれをとっても、それらを満たす”デローザバイク”に相応しい1台に仕上がっている、と自信を覗かせた。
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フルアルミレーサーとして高い評価を得た初代から数えれば4代目となるMERAK。BBシェルにはアルミスリーブを使用せず、フルカーボンシェルという思いきった仕様とするほど、軽量化を追い求めた一台だ。
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MERAK同様、ケーブル類もフル内装されスリムでクリーンなルックスを手に入れると同時に、エアロロードの本分である空力性能も大きく向上している。空力面で言えば、トップチューブはよりフラットなデザインとなることで更なる整流効果を発揮するとも。リアトライアングルはボリュームを増し、剛性も向上。より軽くエアロ、そして反応性に優れたレースバイクへと正当な進化を果たした。
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こちらもケーブルのフル内装化を果たし、クリーンなルックスとエアロダイナミクスの向上を実現。大きな人気を博した前作から、更なるパワーアップを果たした新世代のIDOLに期待が高まる。
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また、デローザだけでなく日直商会が取り扱う他のブランドの最新作も一斉に展示されている。その一つがエガン・ベルナルによって今年もツールを制したチームイネオスをサポートするカスク。今年で15周年の節目を迎えるイタリアンヘルメットブランドからも、担当者のジャコモ氏が来日。「これまで多くのサイクリストの安全を守ってきましたが、今年は更なるチャレンジの年となります」と意気込んだ。今後新たな製品が発表される予定だという。
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ユニークなプロダクトとしてはステム/ハンドルマウント型のサングラスホルダー「Billy」が登場。ブリッジ部分を差し込むことで強力にサングラスをホールドしてくれるアイテムだ。アイウェアをヘルメットに挿していて落としてしまったことのある人や、ヒルクライム時には外しておきたい人などに福音となるプロダクトだろう。
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中でも今年の一押しとなるのがモノクロームジャージ。無地のジャージに後染めしたという独特の製法によって、鮮やかな発色が印象的な1着に仕上がっている。それぞれ微妙な個体差があり、そういったゆらぎを楽しみ、自分だけの1着が欲しいという方にもおススメだ。
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ディーラー向け展示会の後には、一般のデローザファンに向けたひと時も。新モデルに見入る何人かの方に新ロゴについて伺うと、「すごく良いですね!」とすっかりハートを掴まれた様子。
更に、クリスティアーノとNIPPOヴィーニファンティーニの初山翔、ルミナリアの西加南子というデローザを愛用する2人の選手らによるトークショーも開催された。デローザバイクの乗り味や、選び方などプロ目線のコメントが聞ける貴重な機会となった。
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和気藹々とした会は、日直商会が用意したデローザスペシャルタペストリーが当たるじゃんけん大会で〆。クリスティアーノ直々のサインが入った貴重な1枚を手に入れた方は、きっと家宝にするに違いない(笑)
新たな歴史のページをめくるデローザの2020モデル。新たな時代の一歩をブランドとともに踏み出せる貴重なこの年、あなたも憧れのクオーレを手にしてみては?
text&photo:Naoki.Yasuoka
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