集団スプリントで決着したツアー・オブ・デンマーク第2ステージで、ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が勝利。フィリプセンらライバルを退け、ツール・ド・フランス途中リタイアの悔しさを晴らした。



開幕の地ボーンホルム島を離れ、首都コペンハーゲンの北西で行われたポストノルド・ツアー・オブ・デンマーク(UCI2.Pro)第2ステージ。105.5kmのショートコースには2級山岳が2つ登場するものの、登坂距離は300mに満たないという難易度の低さ。そのためピュアスプリンターたちにとって絶好の勝利チャンスとなった。

プロトンはスプリントを狙う、ピクニック・ポストNLなどが牽引した photo:PostNord Tour of Denmark

ラスムスブーイ・ヴァリン(ウノエックス・モビリティ)らデンマーク人選手にフランス出身のアントン・ミュレール(チーム ノボ ノルディスク)が加わった逃げグループは7名。ミュレールの落車によりデンマーク出身者だけになったこのエスケープは、30秒のリードで残り16km地点を通過。ヴァリンら2名が最後まで粘りを見せたものの、残り2.8km地点で吸収された。

スプリントに向けて集団先頭でペースを作ったのは、20歳の若手スプリンターであるステフェン・デシュハイテニール(ベルギー)を擁するロットだった。直角コーナーでライアン・ギボンズ(南アフリカ、リドル・トレック)が単独落車するなか、一時、先頭はヤスペル・フィリプセン(ベルギー)のアルペシン・ドゥクーニンクに代わる。しかし再びロットが主導権を握ると、さらにウノエックス・モビリティやピクニック・ポストNLも先頭にトレインを引き上げ、激しい主導権争いを繰り広げた。

ロットとウノエックスという赤色のジャージをまとうチームが先頭で人数を固めるなか、先にスプリントを開始したのは、地元デンマークのダニエル・スタンペ(BHS・PLベトン・ボーネホルム)だった。この動きを利用したニルス・エーコフ(オランダ、ピクニック・ポストNL)が踏み込み、ウノエックスのトレインからはソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー)が発進。フィリプセンのスピードが伸び悩むなか、圧巻のスプリントを発揮したヴァーレンショルトがフィニッシュラインに飛び込んだ。

圧巻のスプリント勝利を飾ったソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) photo:PostNord Tour of Denmark

「(不調だった前日とは)全く違う脚があった。ラスムスブーイ(ヴァリン)の逃げ切り勝利が叶わなかったので、僕にチャンスが回ってきた。しかしラストは混沌とした展開だった。残り700mで集団の前に出過ぎてしまったが、後ろ過ぎるよりは良かった」と、ヴァーレンショルトは勝利を振り返った。

今年3月のオムロープ・ヘットニュースブラットでキャリアハイとなる勝利を挙げたヴァーレンショルト。アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)を差し置き、エーススプリンターとして臨んだツール・ド・フランスでは初日に区間3位、3日目にも4位と勝利に迫ったものの、落車により第10ステージでリタイア。その悔しさをデンマークの地で晴らした。

2位はデシュハイテニールで、3位はアクセル・ジングレ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)。復帰後初の集団スプリントとなったフィリプセンは4位でフィニッシュしている。
ポストノルド・ツアー・オブ・デンマーク2025第2ステージ
1位 ソーレン・ヴァーレンショルト(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) 2:09:12
2位 ステフェン・デシュハイテニール(ベルギー、ロット)
3位 アクセル・ジングレ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)
4位 ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
5位 ニルス・エーコフ(オランダ、ピクニック・ポストNL)
個人総合成績
1位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) 6:12:47
2位 ルカシュ・クビシュ(スロバキア、ユニベット・ティテマ・ロケッツ) +0:04
3位 コンラ・ハウグステ(デンマーク、チーム・コロクイック) +0:05
4位 ニクラス・ラーセン(デンマーク、BHS・PLベトン・ボーネホルム) +0:10
5位 ラスムスブーイ・ヴァリン(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)
その他の特別賞
ポイント賞 マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)
山岳賞 コンラ・ハウグステ(デンマーク、チーム・コロクイック)
ヤングライダー賞 コンラ・ハウグステ(デンマーク、チーム・コロクイック)
チーム総合成績 リドル・トレック
text:Sotaro.Arakawa
photo:PostNord Tour of Denmark

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