2019/03/15(金) - 08:45
5日前のストラーデビアンケに続く、ティレーノ〜アドリアティコ第2ステージ勝利。ポマランチェの登りスプリントでジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)がライバルを蹴散らした。総合首位の座はアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)の手に渡っている。
カマイオーレからトスカーナ州を一路南下する第2ステージは、標高364mの丘の上の街ポマランチェにフィニッシュする。山頂フィニッシュとは呼べない難易度だが、残り8km地点には最大16%の急勾配区間も登場。そこから勾配3〜4%の緩斜面を駆け上がるレイアウトはパンチャー向きだ。
スタート直後に飛び出して4分を超えるリードを得たのは、ミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニCSF)、ナトナエル・ベルハネ(エリトリア、コフィディス・ソルシオンクレディ)、マルケル・イリサル(スペイン、トレック・セガフレード)、ステパン・クリアノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)、セバスティアン・シェーンベルガー(オーストリア、ネーリソットリ・セッレイタリア)の5名。主にUCIプロコンチネンタルチームで構成されたこの逃げを、ミッチェルトン・スコット率いるメイン集団が追いかけた。
リーダージャージを着用するマイケル・ヘップバーン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)も牽引役を務め、残り50km地点でタイム差を3分30秒まで縮める。徐々にフィニッシュに向けてスピードが上がる中、この日のステージ優勝候補の一角ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)は残り22km地点でのパンクでチャンスを失った。
総合系チームがペースアップに加わったメイン集団は、残り14km地点でそれまで逃げていた5名を追い抜いていく。エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)をはじめとするピュアスプリンターたちもこの日ばかりはアシスト役として集団先頭へ。ミッチェルトン・スコット、ユンボ・ヴィズマ、CCCチームの3チームが隊列を組んで残り8km地点からの急勾配区間に突入した。
リーダージャージを守る立場のミッチェルトン・スコットが登りでアタックを許さない強力なペースを作る。急勾配区間を通過した後も、クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク)やルーク・ダーブリッジ(オーストラリア)、ダミアン・ホーゾン(オーストラリア)が緩斜面で徹底的にハイペースを刻んだ。
残り6km地点でダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)が、そして残り5km地点でカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックを仕掛けたが決まらない。すると、残り4km地点でヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)がアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)を引き連れてアタック。ここでついにメイン集団は形を崩した。
フルサングに発射される形で飛び出したルツェンコに乗じてプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)まで加速する刺激的な展開に。先頭ログリッチェにはルツェンコとサイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト)、トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)、ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)の4名が追いついて残り2km表示。結局この5名は残り1kmアーチを前にメイン集団に引き戻されたが、ログリッチェは諦めずに先頭でペースを上げ続けた。
ステージ優勝に向けての短い牽制を挟んで、アシスト役のローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が先頭に立ってリードアウト。ロングスパートを仕掛けたエフゲニー・シャルノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)の後ろから、タイミングを見計らってアラフィリップとグレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)が加速した。
勾配5%の最終ストレートで繰り広げられたパンチャーたちによるスプリント。好位置から勝負に持ち込んだアラフィリップがファンアーフェルマートを振り切った。
残り8km地点からフィニッシュまで、先頭集団は平均勾配3.1%の登りを平均スピード37.4km/hで駆け抜けている。アラフィリップの最終スプリントの最高スピードは48.6km/hだった。
このハイスピードな展開に対応できず、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)が15秒のタイムを失った他、2017年にこの日と同じポマランチェで勝利したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)は1分23秒遅れでフィニッシュしている。
ストラーデビアンケで見せた好調ぶりをこのティレーノでも遺憾無く発揮したアラフィリップがシーズン5勝目(最多タイ)。同時期に開催されているパリ〜ニースにフランス人選手が集中しがちなため、フランス人選手によるティレーノでのステージ優勝は2009年のジュリアン・エルファレス以来10年ぶり。ストラーデビアンケの優勝者がティレーノでステージ優勝を飾るのはアラフィリップが初めてだ。
「昨日のチームタイムトライアルで最高のスタートはきれなかったけど、昨日は昨日。今日はチームメイト全員がステージ優勝に向けて高いモチベーションで挑んでいた。この調子でいけば総合争いにも絡むことができると思う。仮に総合争いに絡めなくても、今日十分な満足感を得たと思えるほど信じられない勝利だ」。ボーナスタイム10秒を獲得したアラフィリップはトップと27秒差の総合8位に浮上している。
リーダージャージをヘップバーンから引き継いだのはステージ5位に入ったアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)。双子のサイモンはジロ・デ・イタリアやブエルタ・ア・エスパーニャ、パリ〜ニース、ツール・ド・ロマンディでリーダージャージを経験しているが、アダムがステージレースでリーダージャージを着用するのは5年前のツアー・オブ・ターキーに続く自身2度目のこと。
「もちろんステージ優勝できれば最高だったけど、今日のレイアウトは自分向きではなかった。明後日からの厳しい2日間は、自分もボーナスタイム争いに加わることができるはず。本格的な山頂フィニッシュが登場しないので総合優勝は難しいかもしれないけど、ステージ優勝と、可能な限り総合上位を目指して走りたい」と、ツールでミッチェルトン・スコットのエースを担う予定のアダムは語っている。
カマイオーレからトスカーナ州を一路南下する第2ステージは、標高364mの丘の上の街ポマランチェにフィニッシュする。山頂フィニッシュとは呼べない難易度だが、残り8km地点には最大16%の急勾配区間も登場。そこから勾配3〜4%の緩斜面を駆け上がるレイアウトはパンチャー向きだ。
スタート直後に飛び出して4分を超えるリードを得たのは、ミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニCSF)、ナトナエル・ベルハネ(エリトリア、コフィディス・ソルシオンクレディ)、マルケル・イリサル(スペイン、トレック・セガフレード)、ステパン・クリアノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)、セバスティアン・シェーンベルガー(オーストリア、ネーリソットリ・セッレイタリア)の5名。主にUCIプロコンチネンタルチームで構成されたこの逃げを、ミッチェルトン・スコット率いるメイン集団が追いかけた。
リーダージャージを着用するマイケル・ヘップバーン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)も牽引役を務め、残り50km地点でタイム差を3分30秒まで縮める。徐々にフィニッシュに向けてスピードが上がる中、この日のステージ優勝候補の一角ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)は残り22km地点でのパンクでチャンスを失った。
総合系チームがペースアップに加わったメイン集団は、残り14km地点でそれまで逃げていた5名を追い抜いていく。エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)をはじめとするピュアスプリンターたちもこの日ばかりはアシスト役として集団先頭へ。ミッチェルトン・スコット、ユンボ・ヴィズマ、CCCチームの3チームが隊列を組んで残り8km地点からの急勾配区間に突入した。
リーダージャージを守る立場のミッチェルトン・スコットが登りでアタックを許さない強力なペースを作る。急勾配区間を通過した後も、クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク)やルーク・ダーブリッジ(オーストラリア)、ダミアン・ホーゾン(オーストラリア)が緩斜面で徹底的にハイペースを刻んだ。
残り6km地点でダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)が、そして残り5km地点でカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックを仕掛けたが決まらない。すると、残り4km地点でヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ)がアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)を引き連れてアタック。ここでついにメイン集団は形を崩した。
フルサングに発射される形で飛び出したルツェンコに乗じてプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)まで加速する刺激的な展開に。先頭ログリッチェにはルツェンコとサイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト)、トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ)、ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)の4名が追いついて残り2km表示。結局この5名は残り1kmアーチを前にメイン集団に引き戻されたが、ログリッチェは諦めずに先頭でペースを上げ続けた。
ステージ優勝に向けての短い牽制を挟んで、アシスト役のローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)が先頭に立ってリードアウト。ロングスパートを仕掛けたエフゲニー・シャルノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)の後ろから、タイミングを見計らってアラフィリップとグレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)が加速した。
勾配5%の最終ストレートで繰り広げられたパンチャーたちによるスプリント。好位置から勝負に持ち込んだアラフィリップがファンアーフェルマートを振り切った。
残り8km地点からフィニッシュまで、先頭集団は平均勾配3.1%の登りを平均スピード37.4km/hで駆け抜けている。アラフィリップの最終スプリントの最高スピードは48.6km/hだった。
このハイスピードな展開に対応できず、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)が15秒のタイムを失った他、2017年にこの日と同じポマランチェで勝利したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)は1分23秒遅れでフィニッシュしている。
ストラーデビアンケで見せた好調ぶりをこのティレーノでも遺憾無く発揮したアラフィリップがシーズン5勝目(最多タイ)。同時期に開催されているパリ〜ニースにフランス人選手が集中しがちなため、フランス人選手によるティレーノでのステージ優勝は2009年のジュリアン・エルファレス以来10年ぶり。ストラーデビアンケの優勝者がティレーノでステージ優勝を飾るのはアラフィリップが初めてだ。
「昨日のチームタイムトライアルで最高のスタートはきれなかったけど、昨日は昨日。今日はチームメイト全員がステージ優勝に向けて高いモチベーションで挑んでいた。この調子でいけば総合争いにも絡むことができると思う。仮に総合争いに絡めなくても、今日十分な満足感を得たと思えるほど信じられない勝利だ」。ボーナスタイム10秒を獲得したアラフィリップはトップと27秒差の総合8位に浮上している。
リーダージャージをヘップバーンから引き継いだのはステージ5位に入ったアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)。双子のサイモンはジロ・デ・イタリアやブエルタ・ア・エスパーニャ、パリ〜ニース、ツール・ド・ロマンディでリーダージャージを経験しているが、アダムがステージレースでリーダージャージを着用するのは5年前のツアー・オブ・ターキーに続く自身2度目のこと。
「もちろんステージ優勝できれば最高だったけど、今日のレイアウトは自分向きではなかった。明後日からの厳しい2日間は、自分もボーナスタイム争いに加わることができるはず。本格的な山頂フィニッシュが登場しないので総合優勝は難しいかもしれないけど、ステージ優勝と、可能な限り総合上位を目指して走りたい」と、ツールでミッチェルトン・スコットのエースを担う予定のアダムは語っている。
ティレーノ〜アドリアティコ2019第2ステージ結果
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 4:48:09 |
2位 | グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) | |
3位 | アルベルト・ベッティオル(イタリア、EFエデュケーションファースト) | |
4位 | ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル) | |
5位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | |
6位 | ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
7位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | |
8位 | ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) | |
9位 | ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) | |
10位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル) |
個人総合成績
1位 | アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) | 5:10:34 |
2位 | ブレント・ブックウォルター(アメリカ、ミッチェルトン・スコット) | |
3位 | プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) | 0:00:07 |
4位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | |
5位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ) | 0:00:22 |
6位 | トム・デュムラン(オランダ、サンウェブ) | |
7位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) | |
8位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:27 |
9位 | カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 0:00:37 |
10位 | ワウト・プールス(オランダ、チームスカイ) | 0:00:47 |
ポイント賞
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 12pts |
2位 | ミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニCSF) | 10pts |
3位 | グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) | 10pts |
山岳賞
1位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) | 15pts |
2位 | ナトナエル・ベルハネ(エリトリア、コフィディス・ソルシオンクレディ) | 10pts |
3位 | グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) | 10pts |
ヤングライダー賞
1位 | ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ) | 5:10:41 |
2位 | セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、サンウェブ) | 0:00:15 |
3位 | サム・オーメン(オランダ、サンウェブ) |
チーム総合成績
1位 | ユンボ・ヴィズマ | 14:46:59 |
2位 | サンウェブ | 0:00:15 |
3位 | ドゥクーニンク・クイックステップ | 0:01:00 |
text:Kei Tsuji
photo:LaPresse - D'Alberto / Ferrari
photo:LaPresse - D'Alberto / Ferrari
Amazon.co.jp