宇都宮シクロクロスを走ったプロバイクにフィーチャー。フランス王者スティーブ・シェネル(フランス、チームシャザル・キャニオン)ら海外招待選手と、1週間前の全日本選手権で新女王となった松本璃奈(TEAM SCOTT)のバイクを紹介します。



スティーブ・シェネル(フランス、チームシャザル・キャニオン) キャニオン INFLITE CF SLX

スティーブ・シェネル(フランス、チームシャザル・キャニオン)のキャニオン INFLITE CF SLXスティーブ・シェネル(フランス、チームシャザル・キャニオン)のキャニオン INFLITE CF SLX photo:So.Isobe
フランスチャンピオンを祝うトリコロールフランスチャンピオンを祝うトリコロール photo:So.Isobeシートチューブには二人の子供の名前が記される。反対側は「KIARA」シートチューブには二人の子供の名前が記される。反対側は「KIARA」 photo:So.Isobe


悲願のフランスナショナル王者戴冠を果たし、2016年のお台場シクロクロスぶりの来日参戦を果たしたスティーブ・シェネル(フランス、チームシャザル・キャニオン)。今回はトップチューブのデザインが特徴的なキャニオンのINFLITE CF SLXを2台持ち込んだ。

ジュニア時代から数えて20年越しのナショナルタイトル戴冠を祝い、バイクは白地に赤と青を加えたトリコロール。「トレーニング中でも大切な家族を想っていたい」との理由から、トップチューブには二人の子供の名前「CALISTE」「KIARA」が記されている。

プロロゴのサドルにもチャンピオンカラーが入るプロロゴのサドルにもチャンピオンカラーが入る photo:So.Isobeバイクのロゴは削れないようクリアテープで養生されていたバイクのロゴは削れないようクリアテープで養生されていた photo:So.Isobe

フロント歯数は46-36Tと一般的な構成フロント歯数は46-36Tと一般的な構成 photo:So.Isobeマヴィックのコスミック プロ カーボン SL チューブラー ディスクにチャレンジタイヤを組み合わせるマヴィックのコスミック プロ カーボン SL チューブラー ディスクにチャレンジタイヤを組み合わせる photo:So.Isobe


コンポーネントはR8070系アルテグラDi2で、リアディレイラーはクラッチ機構を搭載した「RX」ではなくロングケージの通常モデル。フロントギア歯数は一般的な46-36Tで、「自分はハイケイデンスで回していく選手だから」と、マチュー・ファンデルポール(オランダ、コレンドン・サーカス)などシマノ契約選手が使う39Tインナーリングは使用していない。かなりオーソドックスな機材セットアップと言えるだろう。

マヴィックのサポートを受けているため、ホイールはコスミック プロ カーボン SL チューブラー ディスクで、チャレンジのTEAM EDITION S3タイヤ各種を組み合わせている。サドルとバーテープはプロロゴ。泥による剥がれや掠れを防ぐため、各部分のロゴはクリアテープで保護されていた。



フェリペ・オルツ(スペイン、DELIKIA - GINESTAR) BH RX TEAM

フェリペ・オルツ(スペイン、DELIKIA - GINESTAR)のBH RX TEAMフェリペ・オルツ(スペイン、DELIKIA - GINESTAR)のBH RX TEAM photo:So.Isobe
クランクセットはローター。ALDHUクランクとQRINGSチェーンリングでフロントシングル化しているクランクセットはローター。ALDHUクランクとQRINGSチェーンリングでフロントシングル化している photo:So.IsobeコンポーネントはR8070系アルテグラDi2コンポーネントはR8070系アルテグラDi2 photo:So.Isobe


1日目はメカトラに泣かされて2位、その翌日に見事リベンジを果たしたフェリペ・オルツ(スペイン、DELIKIA - GINESTAR) 。国内選手権2位のスペインの若獅子は今年リドレーから母国スペインのBHにスイッチし、その最上級モデルであるRX TEAMを使用中だ。

オルツは体格に対してかなり小さめのフレームを選び、ゼロセットバックのシートピラーや、短めのステムを組み合わせ上体を起こしたポジショニングが特徴。コンポーネントはR8070系アルテグラDi2だが、ローターの新型クランクALDHUと、QRINGSチェーンリング、そしてXLCのチェーンウォッチャーでフロントシングル運用を行なっている。リアディレイラーはクラッチ付きのアルテグラRXだ。

リアディレイラーはクラッチ機構付きのアルテグラRXリアディレイラーはクラッチ機構付きのアルテグラRX photo:So.IsobeホイールはBH傘下のEVO。38mmハイトのモデルを複数セット持ち込んでいたホイールはBH傘下のEVO。38mmハイトのモデルを複数セット持ち込んでいた photo:So.Isobe

見慣れない形状のブレーキローターはスペインのガルファー製見慣れない形状のブレーキローターはスペインのガルファー製 photo:So.IsobeサドルもスペインブランドのKAPHサドルもスペインブランドのKAPH photo:So.Isobe


ホイールはBHグループのホイールブランド「EVO WHEEL」で、オルツは38mmハイトモデルを使用する。タイヤはチャレンジで、あまり見かけないフォルムのディスクブレーキローターはガルファー製。同社はスペイン、バルセロナに拠点を置き、主にオートバイや自動車用部品を製造しているブランドだ。サドルもスペインのKAPH、ハンドル周りもホイールと同じくEVO製品と、スペイン率の高いアッセンブルが特徴だった。



松本璃奈(TEAM SCOTT) スコット ADDICT CX

松本璃奈(TEAM SCOTT)のスコット ADDICT CX松本璃奈(TEAM SCOTT)のスコット ADDICT CX photo:So.Isobe
サドルはエルゴンのSMR3 Pro CarbonサドルはエルゴンのSMR3 Pro Carbon photo:So.Isobeステムはタイオガ、ハンドルは日東。バーテープは左右で色を変えているステムはタイオガ、ハンドルは日東。バーテープは左右で色を変えている photo:So.Isobe


UCIマキノ、全日本選手権、宇都宮シクロクロス2連戦と重要レースで快進撃を続けている新女王が松本璃奈(TEAM SCOTT)。パワフルな走りを身上とし、2019年はアメリカでのMTB活動を予定している18歳が駆るのはスコットのADDICT CXだ。

父である松本駿(TEAM SCOTT)がカスタムしたというADDICT CXは、R9070系デュラエースDi2を基本にウルフトゥースのチェーンリング(40T)でフロントシングル化。リアディレイラーとパイオニアのペダリングモニターが装着された左クランク、ペダル、そしてディスクブレーキローターはXTRと、MTBレーサーらしいパーツアッセンブルが特徴だ。

リアディレイラーはXTR。MTB選手らしい選択だリアディレイラーはXTR。MTB選手らしい選択だ photo:So.Isobe右側クランクはFC-9000。ウルフトゥースの40Tチェーンリングを用いる右側クランクはFC-9000。ウルフトゥースの40Tチェーンリングを用いる photo:So.Isobe

パイオニアのペダリングモニターが装備された左クランクはXTRパイオニアのペダリングモニターが装備された左クランクはXTR photo:So.IsobeホイールはDTスイスのCRC 1400 SPLINE。IRCのSERACシリーズでチューブレス運用を行うホイールはDTスイスのCRC 1400 SPLINE。IRCのSERACシリーズでチューブレス運用を行う photo:So.Isobe


足回りはチューブレスで、届いたばかりというDTスイスのCRC 1400 SPLINEホイールにIRCのSERACシリーズを組み合わせる。その他サドルはエルゴンのSMR3 Pro Carbonで、ステムはタイオガ、ハンドルは日東。Di2のシステムインフォメーションディスプレイを活用している点もMTB選手らしいポイントだろう。



クリス・ジョンジェワード(オーストラリア、Flanders JBLOOD CX team) フランダース FORTE

クリス・ジョンジェワード(オーストラリア、Flanders JBLOOD CX team)のフランダース FORTEクリス・ジョンジェワード(オーストラリア、Flanders JBLOOD CX team)のフランダース FORTE photo:So.Isobe
オーストラリアブランドの「フランダース」オーストラリアブランドの「フランダース」 photo:So.IsobeサドルはファブリックのSCOOP。オーストラリア王者のためのスペシャルモデルだサドルはファブリックのSCOOP。オーストラリア王者のためのスペシャルモデルだ photo:So.Isobe


毎年日本のUCIレースに遠征しているクリス・ジョンジェワード(オーストラリア、Flanders JBLOOD CX team)。今年の宇都宮初日に4位、2日目に3位となった豪州王者が駆るのはオーストラリアのバイクブランド、フランダース のFORTEだ。

ダークグレーとエメラルドグリーンに塗り分けられたフレームに組み付けられるのはスラム、FORCE 1。ただしクランクのみ最上級グレードのREDで、RACEFACEの42Tチェーンリングと組み合わせて運用していた。リアカセットの歯数は11-32Tだ。

コンポーネントはスラムのFORCE1コンポーネントはスラムのFORCE1 photo:So.IsobeタイヤはFMB。ホイールはジップの202とCourse 30を混用していたタイヤはFMB。ホイールはジップの202とCourse 30を混用していた photo:So.Isobe

クランクのみRED。RACEFACEの42Tチェーンリングでフロントシングル化しているクランクのみRED。RACEFACEの42Tチェーンリングでフロントシングル化している photo:So.Isobeチェーンリングの取り付けを裏側から見るチェーンリングの取り付けを裏側から見る photo:So.Isobe


オーストラリア王者を示すように、ファブリックのサドルはナショナルカラーとカンガルーをデザインしたスペシャル品。メインホイールはジップの202とCourse 30のチューブラー。チームプロフィールではチャレンジだが、実際にはFMBのチューブラータイヤを運用していた。ハンドル周りもジップのSLシリーズで、ディスクブレーキはエイヴィッド。ペダルはクランクブラザースのCandyで、K-EDGEのチェーンウォッチャーを取り付けていた。

ジョンジェワードはゼロオフセットのシートピラーを用い、限界までサドルを前出ししたポジションが特徴的だが、これは「腰痛持ちなのであまり深いポジションが厳しい」ための工夫だという。

text&photo:So.Isobe

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