2010/02/23(火) - 09:01
182kmの平坦コースで行なわれたブエルタ・ア・アンダルシア第2ステージは、強風によるトラブルを回避したスプリンターによるバトルが繰り広げられ、オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク)が接戦を制して優勝。ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)は落車によりレースを去った。
この日のゴール地点は、イスラム時代の面影を色濃く残す街、コルドバ。182kmのコースに大きな山岳は設定されておらず、特にレース後半にかけて平坦路が続く。この日選手たちを苦しめたのは強風だった。
レースは序盤から地元アンダルシア・カハスール勢が積極的にアタックを仕掛け、ヘスス・ロセンド(スペイン、アンダルシア・カハスール)が単独でエスケープ。ロセンドは最大4分30秒のリードを得たが、風の強い平坦コースは決して単独逃げ向きではなかった。
ロセンドは83km地点、ゴールまで約100kmを残してカルミオオーロ・NGCがコントロールするメイン集団に吸収されてしまう。強風下でのアタックはどれも成功せず、集団は一つのままコルドバに向かった。
ゴールが近づき、カルミオオーロ・NGCに代わって集団牽引を開始したのはチームHTC・コロンビア、チームミルラム、ランプレ、チームスカイ。シーズン初戦のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)擁するHTCコロンビアトレイン先頭でゴールへ。
しかし終盤に入っても風は収まらず、ラスト500m地点で沿道のバリアーが強風に煽られてコースに飛び出すトラブルが発生する。この影響で集団では落車が発生し、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)やリーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)らが巻き込まれた。
先頭のスプリント勝負はカヴェンディッシュが出遅れ、ロベルト・ワグナー(ドイツ、スキル・シマノ)とフレイレが先行。勝利を確信したワグナーが手を挙げるその横で、バイクを目一杯投げ込んだフレイレが僅かに先着した。
フレイレはチャレンジ・マヨルカのトロフェオ・カラミヨールに続く今シーズン2勝目。順調に調子を上げている。近年ラボバンクはコルドバゴールと縁があり、昨年のブエルタ・ア・エスパーニャ第15ステージでもラース・ボーム(オランダ)が優勝を飾っている。
落車したゲルデマンやクネゴは遅れてゴール。ゲルデマンは「これまでのキャリアで最悪の落車だった。落車を避けるためにわざと集団中程に下がっていたのに、突然バリアーが目の前に横たわっていたんだ。その上で宙返りして背中で着地した。少し擦り傷はあるけど大丈夫。幸運なことに大怪我には至らなかった」と恐怖の落車を振り返る。ゲルデマンは問題なく第3ステージも出走する予定だ。
その一方でクネゴは、バイクに跨がってゴールしたものの、ドクターストップによってレース離脱を決めた。チームドクターを務めるグアルダッショーネ医師は「ダミアーノはラスト500mで沿道の柵と接触し、右手首に打撲を負った。肘と腕にも擦過傷を負っているが、幸いどの箇所も骨折はしていない」と、クネゴの容態を説明している。
他にも、総合9位のイェーレ・ファネンデルト(ベルギー、オメガファーマ・ロット)やローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク)も落車。両者は病院に搬送され、打撲や擦過傷の診断を受けている。
総合首位のパルディージャは安全に集団内でゴールし、リーダージャージをキープ。総合順位に大きな変動は無かった。翌第3ステージは、カテゴリー山岳が5つ設定された162kmの山岳コースで行なわれる。
レース展開はレース公式サイト、選手やスタッフのコメントは各チーム公式サイトより。
ブエルタ・ア・アンダルシア2010第2ステージ結果
1位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク) 4h53'06"
2位 ロベルト・ワグナー(ドイツ、スキル・シマノ)
3位 アレックス・ラスムッセン(デンマーク、サクソバンク)
4位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)
5位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、カルミオオーロ・NGC)
6位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ)
7位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、チームHTC・コロンビア)
8位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
9位 イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)
10位 ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、チームミルラム)
個人総合成績
1位 セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC) 9h05'01"
2位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +09"
3位 マヌエル・バスケス(スペイン、アンダルシア・カハスール) +13"
4位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)
5位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク) +21"
6位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)
7位 ハビエル・モレーノ(スペイン、アンダルシア・カハスール) +28"
8位 ダニエル・モレーノ(スペイン、オメガファーマ・ロット) +29"
9位 イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
10位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ) +31"
ポイント賞
セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)
山岳賞
セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)
チーム総合成績
オメガファーマ・ロット
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
この日のゴール地点は、イスラム時代の面影を色濃く残す街、コルドバ。182kmのコースに大きな山岳は設定されておらず、特にレース後半にかけて平坦路が続く。この日選手たちを苦しめたのは強風だった。
レースは序盤から地元アンダルシア・カハスール勢が積極的にアタックを仕掛け、ヘスス・ロセンド(スペイン、アンダルシア・カハスール)が単独でエスケープ。ロセンドは最大4分30秒のリードを得たが、風の強い平坦コースは決して単独逃げ向きではなかった。
ロセンドは83km地点、ゴールまで約100kmを残してカルミオオーロ・NGCがコントロールするメイン集団に吸収されてしまう。強風下でのアタックはどれも成功せず、集団は一つのままコルドバに向かった。
ゴールが近づき、カルミオオーロ・NGCに代わって集団牽引を開始したのはチームHTC・コロンビア、チームミルラム、ランプレ、チームスカイ。シーズン初戦のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)擁するHTCコロンビアトレイン先頭でゴールへ。
しかし終盤に入っても風は収まらず、ラスト500m地点で沿道のバリアーが強風に煽られてコースに飛び出すトラブルが発生する。この影響で集団では落車が発生し、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)やリーナス・ゲルデマン(ドイツ、チームミルラム)らが巻き込まれた。
先頭のスプリント勝負はカヴェンディッシュが出遅れ、ロベルト・ワグナー(ドイツ、スキル・シマノ)とフレイレが先行。勝利を確信したワグナーが手を挙げるその横で、バイクを目一杯投げ込んだフレイレが僅かに先着した。
フレイレはチャレンジ・マヨルカのトロフェオ・カラミヨールに続く今シーズン2勝目。順調に調子を上げている。近年ラボバンクはコルドバゴールと縁があり、昨年のブエルタ・ア・エスパーニャ第15ステージでもラース・ボーム(オランダ)が優勝を飾っている。
落車したゲルデマンやクネゴは遅れてゴール。ゲルデマンは「これまでのキャリアで最悪の落車だった。落車を避けるためにわざと集団中程に下がっていたのに、突然バリアーが目の前に横たわっていたんだ。その上で宙返りして背中で着地した。少し擦り傷はあるけど大丈夫。幸運なことに大怪我には至らなかった」と恐怖の落車を振り返る。ゲルデマンは問題なく第3ステージも出走する予定だ。
その一方でクネゴは、バイクに跨がってゴールしたものの、ドクターストップによってレース離脱を決めた。チームドクターを務めるグアルダッショーネ医師は「ダミアーノはラスト500mで沿道の柵と接触し、右手首に打撲を負った。肘と腕にも擦過傷を負っているが、幸いどの箇所も骨折はしていない」と、クネゴの容態を説明している。
他にも、総合9位のイェーレ・ファネンデルト(ベルギー、オメガファーマ・ロット)やローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク)も落車。両者は病院に搬送され、打撲や擦過傷の診断を受けている。
総合首位のパルディージャは安全に集団内でゴールし、リーダージャージをキープ。総合順位に大きな変動は無かった。翌第3ステージは、カテゴリー山岳が5つ設定された162kmの山岳コースで行なわれる。
レース展開はレース公式サイト、選手やスタッフのコメントは各チーム公式サイトより。
ブエルタ・ア・アンダルシア2010第2ステージ結果
1位 オスカル・フレイレ(スペイン、ラボバンク) 4h53'06"
2位 ロベルト・ワグナー(ドイツ、スキル・シマノ)
3位 アレックス・ラスムッセン(デンマーク、サクソバンク)
4位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTC・コロンビア)
5位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、カルミオオーロ・NGC)
6位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ)
7位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、チームHTC・コロンビア)
8位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
9位 イェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)
10位 ファビアン・ウェーグマン(ドイツ、チームミルラム)
個人総合成績
1位 セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC) 9h05'01"
2位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +09"
3位 マヌエル・バスケス(スペイン、アンダルシア・カハスール) +13"
4位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)
5位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク) +21"
6位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)
7位 ハビエル・モレーノ(スペイン、アンダルシア・カハスール) +28"
8位 ダニエル・モレーノ(スペイン、オメガファーマ・ロット) +29"
9位 イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
10位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ) +31"
ポイント賞
セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)
山岳賞
セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)
チーム総合成績
オメガファーマ・ロット
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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