2018/04/06(金) - 15:20
ロンドのプロバイク記事最終回。グレッグ・ヴァンアーヴェルマートとアルノー・デマールのカスタムペイントバイクの他、ミッチェルトン・スコット、ディメンションデータ、そしてコフィディスのバイクを紹介します。
グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
BMC teammachine SLR01
絶対的な強さを誇った昨年からはコンディションを落としているものの、後続集団のスプリントを獲り5位に入ったグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)。リオ五輪ロードレース金メダリストとして毎年スペシャルカラーのバイクを投入しているが、今年はオンループ・ヘットニュースブラッドでお披露目されたダークグレーのteammachine SLR01を愛用中だ。
シマノサポートチームであり、パワーメーターR9100Pを組み込んだR9150系デュラエースDi2や同C40ホイールを採用。ハンドルとバーテープはBMCと関係深い3Tで、ICSステムとシートポストはSLR01のオリジナル。BMCはオリジナルのガーミンマウントも用意しているが、スポンサー関係上K-EDGE製品を選択している。脱落防止のためにストラップをハンドルに巻きつけているのも石畳クラシックらしいポイント。
タイヤはCORSA CONTROLではなく通常のCORSAで、26cと他チームと比べ若干幅狭な印象を受ける。ギア構成はフロント53-39T/リア11-30Tで、クリアランスを広げるSLR01オリジナルのダイレクトマウント式ディレイラーハンガーは北のクラシックとのマッチングが良さそうだ。ヴァンアーヴェルマートはこのバイクで平均勾配12.5%の「パテルベルグ」を平均575W/最大768W(登坂時間1分7秒)で踏み切っている。
アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
ラピエール XELIUS SL ULTIMATE
アルノー・デマール(フランス)、ラモン・シンケルダム(オランダ)、イグナタス・コノヴァロヴァス(リトアニア)と3名のナショナルチャンピオンを揃えてロンドに挑んだグルパマFDJ。この3名はそれぞれの国旗をモチーフに塗られたラピエールを愛用中だ。
上記3名とオリヴィエ・ルガック(フランス)がオールラウンドモデルのXELIUSで、ダヴィデ・チモライとジャコポ・グアルニエーリ(共にイタリア)がエアロロードのAIRCODEとバイク選択が分かれた。3月からのチーム名変更に伴い、フレームのFDJロゴはシールで「グルパマFDJ」に置き換えられていた。
デマールのバイクはスプリンターらしく、低く遠いセッティングを目指して工夫が行なわれている。サプライヤーはシマノ(PRO)だが、ノーロゴのSL-Kステム(マイナス12度)を用い、更にコラムのトップキャップを抜いた状態で走った。
シマノヨーロッパと関係深く、プロトタイプ段階からシマノのパワーメーターを使用していたグルパマFDJだが、デマールのバイクのみSRMが取り付けられていた。ホイールは全員WH-R9100-C40で、タイヤは25mmと細めのコンチネンタルCOMPETITION PRO LTD RBX。ボトルケージをエリートのCiussi GELに変更するのは同チームの石畳クラシック定番カスタムだ。
マッテーオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
スコット ADDICT RC
一昨年のパリ〜ルーベ覇者マシュー・ヘイマン(オーストラリア)や、クイックステップフロアーズから移籍したマッテーオ・トレンティン(イタリア)らが揃うミッチェルトン・スコットのメインバイクはエアロロードのFOIL。ただしトレンティンだけは軽量オールラウンダーのADDICT RCで石畳の急勾配に挑んだ。
コンポーネントはR9150系デュラエースDi2が基本で、2018年からパワーメーターはSRMからシマノに変更されているものの、まだSRMを使う選手も混在している。クランクのインナーリングは選手によって39Tや42Tを使い分けているようだ。
タイヤのサプライヤーはコンチネンタルだが、「PRO TEAM EDITION」ロゴ入りFMB製パリ〜ルーベ(27c)を使う選手が7名中5名と大多数。残る2名は供給用の定番品COMPETITION PRO LTD(うち1名は石畳用のRBX)をセットしたホイールでスタートラインに並んだ。なお、カレイブ・ユアン(オーストラリア)が愛用するシンクロス製のステム一体型ハンドルRR1.0SLは使用されていなかった模様。
ジェイコブス・フェンター(南アフリカ、ディメンションデータ)
サーヴェロ R5
ディメンションデータのロンド用バイクは軽量モデルのRシリーズ。写真のジェイコブス・フェンター(南アフリカ)らは通常通りR5に乗ったが、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)など乗り心地を考慮してかミドルグレードのR3を選んだ選手もいた。
R9150系デュラエースDi2を駆動するKMCのゴールドチェーンには、マックオフがクラシックレース用に開発した高耐久のペースト状ルブ「HYDRO DYNAMIC CLASSIC LUBE」を塗布。エンヴィのリムにはコンチネンタルの供給用タイヤCOMPETITION PRO LTD(RBXではなくALX表記)を組み合わせ、ボトルケージもエリートのCiussi GELに交換するなど石畳対策を行っている。
ケネス・ヴァンビルセン(ベルギー、コフィディス・ソルシオンクレディ)
クォータ KHAN
フランスの名門チーム、コフィディス・ソルシオンクレディは機材をオルベアからクォータにスイッチし、ハイエンドモデルのKHANをメンバー全員が駆る。昨年まではFSAとの結び付きが強かったが、コンポーネントとホイールがカンパニョーロ、ハンドル周りがデダエレメンティとイタリア色濃いセットアップに模様替えした。
スーパーレコードEPSにはパワー2マックスのパワーメーターを組み合わせ、ペダル(ルック)とタイヤ(ミシュラン)がチームと同じフランスのブランド。「Service Course」のロゴが入る一般未発売モデルのPOWER COMPETITIONタイヤ(チューブラー)を使う点が注目される。
text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano
グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)
BMC teammachine SLR01
絶対的な強さを誇った昨年からはコンディションを落としているものの、後続集団のスプリントを獲り5位に入ったグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)。リオ五輪ロードレース金メダリストとして毎年スペシャルカラーのバイクを投入しているが、今年はオンループ・ヘットニュースブラッドでお披露目されたダークグレーのteammachine SLR01を愛用中だ。
シマノサポートチームであり、パワーメーターR9100Pを組み込んだR9150系デュラエースDi2や同C40ホイールを採用。ハンドルとバーテープはBMCと関係深い3Tで、ICSステムとシートポストはSLR01のオリジナル。BMCはオリジナルのガーミンマウントも用意しているが、スポンサー関係上K-EDGE製品を選択している。脱落防止のためにストラップをハンドルに巻きつけているのも石畳クラシックらしいポイント。
タイヤはCORSA CONTROLではなく通常のCORSAで、26cと他チームと比べ若干幅狭な印象を受ける。ギア構成はフロント53-39T/リア11-30Tで、クリアランスを広げるSLR01オリジナルのダイレクトマウント式ディレイラーハンガーは北のクラシックとのマッチングが良さそうだ。ヴァンアーヴェルマートはこのバイクで平均勾配12.5%の「パテルベルグ」を平均575W/最大768W(登坂時間1分7秒)で踏み切っている。
アルノー・デマール(フランス、グルパマFDJ)
ラピエール XELIUS SL ULTIMATE
アルノー・デマール(フランス)、ラモン・シンケルダム(オランダ)、イグナタス・コノヴァロヴァス(リトアニア)と3名のナショナルチャンピオンを揃えてロンドに挑んだグルパマFDJ。この3名はそれぞれの国旗をモチーフに塗られたラピエールを愛用中だ。
上記3名とオリヴィエ・ルガック(フランス)がオールラウンドモデルのXELIUSで、ダヴィデ・チモライとジャコポ・グアルニエーリ(共にイタリア)がエアロロードのAIRCODEとバイク選択が分かれた。3月からのチーム名変更に伴い、フレームのFDJロゴはシールで「グルパマFDJ」に置き換えられていた。
デマールのバイクはスプリンターらしく、低く遠いセッティングを目指して工夫が行なわれている。サプライヤーはシマノ(PRO)だが、ノーロゴのSL-Kステム(マイナス12度)を用い、更にコラムのトップキャップを抜いた状態で走った。
シマノヨーロッパと関係深く、プロトタイプ段階からシマノのパワーメーターを使用していたグルパマFDJだが、デマールのバイクのみSRMが取り付けられていた。ホイールは全員WH-R9100-C40で、タイヤは25mmと細めのコンチネンタルCOMPETITION PRO LTD RBX。ボトルケージをエリートのCiussi GELに変更するのは同チームの石畳クラシック定番カスタムだ。
マッテーオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
スコット ADDICT RC
一昨年のパリ〜ルーベ覇者マシュー・ヘイマン(オーストラリア)や、クイックステップフロアーズから移籍したマッテーオ・トレンティン(イタリア)らが揃うミッチェルトン・スコットのメインバイクはエアロロードのFOIL。ただしトレンティンだけは軽量オールラウンダーのADDICT RCで石畳の急勾配に挑んだ。
コンポーネントはR9150系デュラエースDi2が基本で、2018年からパワーメーターはSRMからシマノに変更されているものの、まだSRMを使う選手も混在している。クランクのインナーリングは選手によって39Tや42Tを使い分けているようだ。
タイヤのサプライヤーはコンチネンタルだが、「PRO TEAM EDITION」ロゴ入りFMB製パリ〜ルーベ(27c)を使う選手が7名中5名と大多数。残る2名は供給用の定番品COMPETITION PRO LTD(うち1名は石畳用のRBX)をセットしたホイールでスタートラインに並んだ。なお、カレイブ・ユアン(オーストラリア)が愛用するシンクロス製のステム一体型ハンドルRR1.0SLは使用されていなかった模様。
ジェイコブス・フェンター(南アフリカ、ディメンションデータ)
サーヴェロ R5
ディメンションデータのロンド用バイクは軽量モデルのRシリーズ。写真のジェイコブス・フェンター(南アフリカ)らは通常通りR5に乗ったが、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)など乗り心地を考慮してかミドルグレードのR3を選んだ選手もいた。
R9150系デュラエースDi2を駆動するKMCのゴールドチェーンには、マックオフがクラシックレース用に開発した高耐久のペースト状ルブ「HYDRO DYNAMIC CLASSIC LUBE」を塗布。エンヴィのリムにはコンチネンタルの供給用タイヤCOMPETITION PRO LTD(RBXではなくALX表記)を組み合わせ、ボトルケージもエリートのCiussi GELに交換するなど石畳対策を行っている。
ケネス・ヴァンビルセン(ベルギー、コフィディス・ソルシオンクレディ)
クォータ KHAN
フランスの名門チーム、コフィディス・ソルシオンクレディは機材をオルベアからクォータにスイッチし、ハイエンドモデルのKHANをメンバー全員が駆る。昨年まではFSAとの結び付きが強かったが、コンポーネントとホイールがカンパニョーロ、ハンドル周りがデダエレメンティとイタリア色濃いセットアップに模様替えした。
スーパーレコードEPSにはパワー2マックスのパワーメーターを組み合わせ、ペダル(ルック)とタイヤ(ミシュラン)がチームと同じフランスのブランド。「Service Course」のロゴが入る一般未発売モデルのPOWER COMPETITIONタイヤ(チューブラー)を使う点が注目される。
text:So.Isobe
photo:Makoto.Ayano
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