日本最大級のオフロードバイクの祭典、シマノバイカーズフェスティバルが開催された。富士見パノラマとその周辺エリアを舞台に、MTBからグラベル、ロードバイクまであらゆる自転車アソビを詰め込んだイベントのレポートをお届け。

多くの参加者が集まったシマノバイカーズフェスティバル。ことしはロゴもリニューアル。合わせてスタートゲートも豪華に!
大盛況。今年のシマノバイカーズフェスティバルは、その大会名の通り自転車乗りのお祭りと呼ぶにふさわしい活気に満ちていた。多くの人が行き交う会場全体にも、あか抜けた空気が漂っていた。
例えば、スタート/フィニッシュゲートのトラスが木目調となっていたり、メインステージのバックパネルに立体的な装飾がされていたり、インフォメーションテントの横幕に大会スケジュールが大きくプリントされていたり……。なにもかもが新たに作られていて、まさに「リニューアル」という言葉がぴったり。その原動力となったのは、大会ロゴの刷新だ。

大きなLEDビジョンではレースの様子が中継されている
シマノバイカーズフェスティバルの躍動感とポップな親しみやすさを表現した新ロゴは、会場のいたるところに。先ほど挙げた制作物も、新ロゴへの切り替えの為に全てが新しくされている。これまで毎年使い続けられてきた全てを捨て、新たに作り直す。シマノバイカーズフェスティバルが、新たなステージへと踏み出したことは、会場に訪れた皆さんにも伝わったのではないだろうか。
昨年から始まったブースエリアとメインステージ、XCレースのスタート/フィニッシュ、DHのフィニッシュを集結させた「バイカーズビレッジ」と呼ばれる会場レイアウトも更に磨き上げられ、朝から常に多くの人が行き交っている。

タイムスケジュールが大きく印刷されている 
子ども達の笑顔がはじける

朝イチの試走時間。スタート直後からなかなかの斜度の登りが登場するXCコースを確かめる
そう、朝イチがシマノバイカーズフェスティバルの最も忙しない時間帯でもある。普通のイベントであれば受付とコース試走くらいのものだが、多種多様な種目が行われるシマノバイカーズフェスティバルではツーリングの集合/ミーティング、TrailRide+の朝の会など、色んな場所で色んな種目が同時多発的に動き出すのだ。ちなみに、バイカーズ公式アプリを使えば全体のタイムテーブルだけでなく自分の参加種目のタイムスケジュールを登録できるので安心だ。
慌ただしい時間帯が一旦落ち着くタイミングで開会式が行われた後、最多種目数を誇るXCレースが始動する。ここ2年はキッズレースで幕開けてきたシマノバイカーズフェスティバルだが、今年は少し様子が違う。

この日最初のXC種目、マスターズがスタート

華麗なジャンプをメイク
今大会の口火を切るのは新設されたマスターズクラス。若者たちには負けん!と脚に覚えのあるベテランライダーたちが、特設XCコースへと飛び出していった。
この日の為に特別に用意されたコースは、シングルトラックの過酷な登りからスタート。一旦ゲレンデまで高度を上げたのち、フローな中にドロップオフなどがテクニカルセクションがちりばめられたダウンヒルへと続いていく。難易度の高い区間にはエスケープルートも用意され、スキルレベルに合わせて楽しめるよう工夫されたスペシャルコースだ。

大人顔負けのスタートを切るXCキッズ

子ども達が一生懸命激坂をこなす
ベテランライダーたちの白熱バトルが繰り広げられた後には、一気に若返ったキッズレースがスタート。年齢別にカテゴリーが分けられており、それぞれの成長に合わせてライバルと競えるようになっている。高学年カテゴリーは大人顔負けのレースが繰り広げられる一方、低学年カテゴリーは最初の登りで押し歩いてしまう選手もたくさん。レンズ越しに思わず「頑張れ!」と声をかけてしまうほど健気な頑張りを見せてくれた。
その後もXCレースエリアでは初心者向けのビギナーやライト、バイカーズイチの参加人数を誇る3時間/90分エンデュランス、グラベルバイクやシクロクロスといったドロップハンドルバイクで参加できるGX(グラベルクロス)、そして今年初開催であり、日曜のXCOのスタートグリッドを決めるXCCと、1日を通して数多くの種目が繰り広げられた。

GX(グラベルクロス)ではドロップハンドルバイクでXCコースを戦った
XC系種目では先頭のレース展開を中継するためにカメラライダーとしてプロレーサーが随伴。鎬を削る先頭争いを迫力ある映像で中継し、会場の大型ビジョンへと届けてくれた。
XCと並ぶレース種目が下り系のDHレース。コースを攻略することが重要となる種目でもあり、午前中は主に試走タイムに設定されている。その中でも、トップライダーに自分の走りを指導してもらえる追走クリニックも開催され、レベルアップの機会にもなっていた。

ダウンヒル種目も大盛り上がりだ

試走で最速ラインを探る

ダウンヒルライダーたちが集まった第4リフトは長蛇の列に
今年はダウンヒル種目も大きく盛り上がり、第4リフトの前には行列が。特設コースを攻略すべく、何度も試走へと向かうダウンヒルライダー達の列は、レストラン前まで届かんとするほど。
午後からはついにレースがスタート。まず行われたのは2~3人のチームで走り、2人目のライダーのフィニッシュタイムを競うDH Team。チームタイムトライアルのダウンヒル版とも言える種目で、シマノバイカーズフェスティバルの名物種目でもある。

迫力あるライドを見ているだけで楽しめるダウンヒル種目

華麗なジャンプをメイク。行き交う観客の視線を釘づける
1人だけでも迫力のあるダウンヒルだが、3人連なって走ってくるのだからそのインパクトは絶大。昨年から継続するゲレンデからチケット売り場までの階段を下りる最終区間では、入笠山ハイキングに訪れた一般来場者のかたたちも思わず「すごーい!」と見入ってしまうほどだ。
その後にはソロのDH Raceが開催され、この日の最速ダウンヒラーが決定。バイカーズビレッジへと次々にフィニッシュしてくるダウンヒルライダー達を見ていると、いつか自分もあんな風に走れたら楽しいだろうな、と思わされる。

一気に駆け出すミルキーレース

参加賞のお菓子をゲット!嬉しいね!
XCとDHに加え、昨年からシマノバイカーズフェスティバルの新たな魅力となっているTrail Ride+は今年更にパワーアップ。トレイルライドというMTB遊びのもっともプリミティブな部分にフォーカスを当てた種目で、富士見パノラマに設けられたトレイルライクな特設コースを1日中楽しめるというもの。
実際に走った方は「想像よりもトレイルしてました!」という感想で、コース途中に設けられたチルエリアなども合わせ、非常に好評だったよう。これはぜひ来年は実走取材という名目で参加してみたい……。

ロードツーリングにはシマノレーシングの選手たちが帯同してくれた
レース系種目だけでなく、ツーリング種目もシマノバイカーズフェスティバルの大きな魅力。中でも意外な人気を誇るのがオンロードを走るRoad Rideで、毎年あっというまに定員が埋まってしまうのだという。シマノレーシングの選手たちと野寺監督がサポートライダーとして一緒に走ってくれるうえ、各エイドも豪華ということで、リピーター率も非常に高いのだとか。また、釣り具メーカーとしての顔も持つシマノが提唱する自転車×釣りという遊び方を体験できるRide&Fishも開催され、八ヶ岳の管理釣り場でニジマス釣りを楽しんだという。
そしてオフロード系のツーリング種目ももちろん充実しており、MTBのトレイルツーリングやグラベルツーリングなど、距離や難易度に応じた様々なコースが用意されている。午後からは自転車とロゲイニングを融合したBiker's ロゲインも開催され、仲間や家族で参加する姿も見られた。

ツーリングから帰ってきた参加者をスタッフが迎える

BIKER‘Sロゲインに一家で参加!
シマノバイカーズフェスティバルの魅力は走るだけじゃない。バイカーズビレッジに並んだブースには、各ブランドの新製品や注目アイテムが勢揃い。やはり中でも注目が集まったのは、今年フルモデルチェンジを果たしフルワイヤレス電動変速へと進化したXTRだろう。
バイカーズビレッジの中央に大きく構えられたXTRブースでは展示車の他にも豊富に試乗車が用意され、本格的なトレイルでその性能を味わうことが出来るように。XCとエンデューロ、それぞれの用途に応じてラインアップされたXTRだけに、試乗車も相応しいラインアップが揃えられていた。

大きな存在感を放っていたXTRブース

新型XTRのプレゼンテーションも行われた 
XTRブースではMTB乗り方講座も開催。沢田時と山本幸平という豪華講師陣

XTRだけでなく、様々な新プロダクトが登場したシマノブース。

新型GRXを搭載した展示車も登場 
注目集まるAI変速、Q‘AUTO
それだけでなく、プロレーサーによるMTB講座やシマノスタッフによるXTRのプレゼンテーションなど様々な企画も行われ、常に盛り上がる空間となっていた。
馴染み深い自転車関連メーカーのブースに加え、「自転車xクルマxキャンプ」をテーマにした「6Wheel&Camping Zone」もことしはパワーアップ。キャンプ向けのカスタムカーやトレーラーがずらりと並び、こんな装備でキャンプとMTBを楽しめたら最高だろうな、と夢がふくらむエリアとなっていた。各ブースの様子は以下、写真でお伝えしよう。

自転車とキャンプ、そしてクルマのシナジーを描く6WHEEL&CAMPING 
まるで秘密基地のようなトレーラー。こんな機材で全国のトレイルやパークを回れたら最高ですよね

地元の名産品を味わえるバイカーズマルシェ 
自転車旅には欠かせないオルトリーブもブース出展

会場でも見かける率が高かったスコット。イチオシはグラベルバイクのAddict Gravel 
ダイアテックはアンオーソライズドの新型バイク(しかも3モデル!)のプロトを展示

WTBは新型サドルをお披露目。ショートタイプのパフォーマンスモデルが揃う 
ジャイアントからは新型E-MTBのStance E+が登場。最大75Nmのパワフルなユニットを搭載したフルサスモデルだ

カブトはオフロードモデルのFM-Xがイチオシ。本格的なオフロードライドから街中のライドまでカバーする 
ヘルメットメーカーの雄、ショーエイがMTBに本格参入。国内の直営店にて購入可能な高性能モデルがお披露目された

注目集まるKYBの倒立フォークも展示 
オールロードやMTBホイールもラインアップするフルクラム。今シーズンのイチオシはSPEED 42のチームエディションだ

サンタクルズのグラベルバイクSTIGMATA。オフロードを知り尽くした同社ならではの設計が光る。 
コンチネンタルの新型XCタイヤをプッシュするミズタニ自転車。沢田時の全日本優勝を足元から支えたのもコンチネンタルだ

シマノバイカーズフェスティバルのチャンピオンジャージを手掛けるチャンピオンシステム 
実は会場で最後の仕上げが行われているのだ!

ミシュラン、クオック、ブライトン、グッドイヤーと魅力的なプロダクトを揃えるフカヤ。 
メリダは新型XCモデル、BIG Nineの展示と試乗を実施

マキシスは新型グラベルタイヤをプッシュ。シクロワイアードでもインプレッション記事を掲載予定だ 
ワークショップで勾玉造りを体験中
MTBからグラベル、ロードバイクと車種を問わず、初心者から上級者まで技量と経験も問わず、子どもから大人まで年齢も問わず、自転車アソビに存在する垣根を全て取り払うシマノバイカーズフェスティバル。つねに笑顔で一杯の1日を締めくくったのは、身体に響くビートを打つ富士見太鼓と、心を震わせる大迫力のBMXパフォーマンス。
豪華なBBQサンドとシマノオリジナルクラフトビールやXTRビール(!?)、地酒の真澄が振舞われたウェルカムパーティーにて、シマノバイカーズフェスティバルの1日目が幕を下ろした。

地酒の真澄が樽でふるまわれた

抽選大会で豪華な賞品をゲット! 
XTRオリジナルビールも振舞われた。あっというまに売り切れる人気ぶり

ワイルドなBBQスタイルで焼かれた豚肉が振舞われた 
XTRビールで乾杯!

ビッグエアを披露してくれたBMXパフォーマンス
コロナ禍以降、明暗が分かれつつある自転車イベントの中で、シマノバイカーズフェスティバルはついにコロナ以前の賑わいを取り戻したという。いや、来場者数という定量的な見方であれば、取り戻したという表現になるが、会場の熱気や盛り上がりという定性的な目線からすると、ここ数年で最も活気に溢れていたのではないだろうか。
昨年のバイカーズビレッジ導入以降、加速度的にその改革を進めるシマノバイカーズフェスティバルだが、その原動力となっているのは、志のある若手社員たちなのだという。
「世界中のイベントを見て、MTBイベントの理想的な姿を具現化したいという想いが募った若手の皆さんがコアメンバーとして頑張ってくれてるんです。私がしたのは彼らが動きやすいような環境を作るくらいで(笑)」と語るのは、シマノの文化推進課の久保さん。

シマノ文化推進室の久保氏
「例えばコース一つとっても、コースデザインチームとして知恵を出し合ってよりよくしよう、と熱心にやってくれていて。それは他のイベントや種目でも同じで。普段は開発とか商品企画とかで働いているメンバーが、MTB文化をもっと広めたい、という想いで積極的に携わってくれているんです。
もっともっと、若い人たちにMTBの楽しみを届けたい。ハードルが高く感じる面もあるけれども、やっぱり楽しい乗り物ですから。少しでもシマノバイカーズフェスティバルが、その魅力を知るきっかけになって、MTBに乗る人が1人でも増える未来に繋がれば嬉しいですね」と語っていただいた。
MTB、そして自転車を愛するシマノ社員の熱い思いが込められたシマノバイカーズフェスティバル。今まで参加したことが無かった人も、最近足が遠のいていた人も、ぜひ来年、この魅力と活気を味わってみてほしい。

大盛況。今年のシマノバイカーズフェスティバルは、その大会名の通り自転車乗りのお祭りと呼ぶにふさわしい活気に満ちていた。多くの人が行き交う会場全体にも、あか抜けた空気が漂っていた。
例えば、スタート/フィニッシュゲートのトラスが木目調となっていたり、メインステージのバックパネルに立体的な装飾がされていたり、インフォメーションテントの横幕に大会スケジュールが大きくプリントされていたり……。なにもかもが新たに作られていて、まさに「リニューアル」という言葉がぴったり。その原動力となったのは、大会ロゴの刷新だ。

シマノバイカーズフェスティバルの躍動感とポップな親しみやすさを表現した新ロゴは、会場のいたるところに。先ほど挙げた制作物も、新ロゴへの切り替えの為に全てが新しくされている。これまで毎年使い続けられてきた全てを捨て、新たに作り直す。シマノバイカーズフェスティバルが、新たなステージへと踏み出したことは、会場に訪れた皆さんにも伝わったのではないだろうか。
昨年から始まったブースエリアとメインステージ、XCレースのスタート/フィニッシュ、DHのフィニッシュを集結させた「バイカーズビレッジ」と呼ばれる会場レイアウトも更に磨き上げられ、朝から常に多くの人が行き交っている。



そう、朝イチがシマノバイカーズフェスティバルの最も忙しない時間帯でもある。普通のイベントであれば受付とコース試走くらいのものだが、多種多様な種目が行われるシマノバイカーズフェスティバルではツーリングの集合/ミーティング、TrailRide+の朝の会など、色んな場所で色んな種目が同時多発的に動き出すのだ。ちなみに、バイカーズ公式アプリを使えば全体のタイムテーブルだけでなく自分の参加種目のタイムスケジュールを登録できるので安心だ。
慌ただしい時間帯が一旦落ち着くタイミングで開会式が行われた後、最多種目数を誇るXCレースが始動する。ここ2年はキッズレースで幕開けてきたシマノバイカーズフェスティバルだが、今年は少し様子が違う。


今大会の口火を切るのは新設されたマスターズクラス。若者たちには負けん!と脚に覚えのあるベテランライダーたちが、特設XCコースへと飛び出していった。
この日の為に特別に用意されたコースは、シングルトラックの過酷な登りからスタート。一旦ゲレンデまで高度を上げたのち、フローな中にドロップオフなどがテクニカルセクションがちりばめられたダウンヒルへと続いていく。難易度の高い区間にはエスケープルートも用意され、スキルレベルに合わせて楽しめるよう工夫されたスペシャルコースだ。


ベテランライダーたちの白熱バトルが繰り広げられた後には、一気に若返ったキッズレースがスタート。年齢別にカテゴリーが分けられており、それぞれの成長に合わせてライバルと競えるようになっている。高学年カテゴリーは大人顔負けのレースが繰り広げられる一方、低学年カテゴリーは最初の登りで押し歩いてしまう選手もたくさん。レンズ越しに思わず「頑張れ!」と声をかけてしまうほど健気な頑張りを見せてくれた。
その後もXCレースエリアでは初心者向けのビギナーやライト、バイカーズイチの参加人数を誇る3時間/90分エンデュランス、グラベルバイクやシクロクロスといったドロップハンドルバイクで参加できるGX(グラベルクロス)、そして今年初開催であり、日曜のXCOのスタートグリッドを決めるXCCと、1日を通して数多くの種目が繰り広げられた。

XC系種目では先頭のレース展開を中継するためにカメラライダーとしてプロレーサーが随伴。鎬を削る先頭争いを迫力ある映像で中継し、会場の大型ビジョンへと届けてくれた。
XCと並ぶレース種目が下り系のDHレース。コースを攻略することが重要となる種目でもあり、午前中は主に試走タイムに設定されている。その中でも、トップライダーに自分の走りを指導してもらえる追走クリニックも開催され、レベルアップの機会にもなっていた。



今年はダウンヒル種目も大きく盛り上がり、第4リフトの前には行列が。特設コースを攻略すべく、何度も試走へと向かうダウンヒルライダー達の列は、レストラン前まで届かんとするほど。
午後からはついにレースがスタート。まず行われたのは2~3人のチームで走り、2人目のライダーのフィニッシュタイムを競うDH Team。チームタイムトライアルのダウンヒル版とも言える種目で、シマノバイカーズフェスティバルの名物種目でもある。


1人だけでも迫力のあるダウンヒルだが、3人連なって走ってくるのだからそのインパクトは絶大。昨年から継続するゲレンデからチケット売り場までの階段を下りる最終区間では、入笠山ハイキングに訪れた一般来場者のかたたちも思わず「すごーい!」と見入ってしまうほどだ。
その後にはソロのDH Raceが開催され、この日の最速ダウンヒラーが決定。バイカーズビレッジへと次々にフィニッシュしてくるダウンヒルライダー達を見ていると、いつか自分もあんな風に走れたら楽しいだろうな、と思わされる。


XCとDHに加え、昨年からシマノバイカーズフェスティバルの新たな魅力となっているTrail Ride+は今年更にパワーアップ。トレイルライドというMTB遊びのもっともプリミティブな部分にフォーカスを当てた種目で、富士見パノラマに設けられたトレイルライクな特設コースを1日中楽しめるというもの。
実際に走った方は「想像よりもトレイルしてました!」という感想で、コース途中に設けられたチルエリアなども合わせ、非常に好評だったよう。これはぜひ来年は実走取材という名目で参加してみたい……。

レース系種目だけでなく、ツーリング種目もシマノバイカーズフェスティバルの大きな魅力。中でも意外な人気を誇るのがオンロードを走るRoad Rideで、毎年あっというまに定員が埋まってしまうのだという。シマノレーシングの選手たちと野寺監督がサポートライダーとして一緒に走ってくれるうえ、各エイドも豪華ということで、リピーター率も非常に高いのだとか。また、釣り具メーカーとしての顔も持つシマノが提唱する自転車×釣りという遊び方を体験できるRide&Fishも開催され、八ヶ岳の管理釣り場でニジマス釣りを楽しんだという。
そしてオフロード系のツーリング種目ももちろん充実しており、MTBのトレイルツーリングやグラベルツーリングなど、距離や難易度に応じた様々なコースが用意されている。午後からは自転車とロゲイニングを融合したBiker's ロゲインも開催され、仲間や家族で参加する姿も見られた。


シマノバイカーズフェスティバルの魅力は走るだけじゃない。バイカーズビレッジに並んだブースには、各ブランドの新製品や注目アイテムが勢揃い。やはり中でも注目が集まったのは、今年フルモデルチェンジを果たしフルワイヤレス電動変速へと進化したXTRだろう。
バイカーズビレッジの中央に大きく構えられたXTRブースでは展示車の他にも豊富に試乗車が用意され、本格的なトレイルでその性能を味わうことが出来るように。XCとエンデューロ、それぞれの用途に応じてラインアップされたXTRだけに、試乗車も相応しいラインアップが揃えられていた。






それだけでなく、プロレーサーによるMTB講座やシマノスタッフによるXTRのプレゼンテーションなど様々な企画も行われ、常に盛り上がる空間となっていた。
馴染み深い自転車関連メーカーのブースに加え、「自転車xクルマxキャンプ」をテーマにした「6Wheel&Camping Zone」もことしはパワーアップ。キャンプ向けのカスタムカーやトレーラーがずらりと並び、こんな装備でキャンプとMTBを楽しめたら最高だろうな、と夢がふくらむエリアとなっていた。各ブースの様子は以下、写真でお伝えしよう。




















MTBからグラベル、ロードバイクと車種を問わず、初心者から上級者まで技量と経験も問わず、子どもから大人まで年齢も問わず、自転車アソビに存在する垣根を全て取り払うシマノバイカーズフェスティバル。つねに笑顔で一杯の1日を締めくくったのは、身体に響くビートを打つ富士見太鼓と、心を震わせる大迫力のBMXパフォーマンス。
豪華なBBQサンドとシマノオリジナルクラフトビールやXTRビール(!?)、地酒の真澄が振舞われたウェルカムパーティーにて、シマノバイカーズフェスティバルの1日目が幕を下ろした。






コロナ禍以降、明暗が分かれつつある自転車イベントの中で、シマノバイカーズフェスティバルはついにコロナ以前の賑わいを取り戻したという。いや、来場者数という定量的な見方であれば、取り戻したという表現になるが、会場の熱気や盛り上がりという定性的な目線からすると、ここ数年で最も活気に溢れていたのではないだろうか。
昨年のバイカーズビレッジ導入以降、加速度的にその改革を進めるシマノバイカーズフェスティバルだが、その原動力となっているのは、志のある若手社員たちなのだという。
「世界中のイベントを見て、MTBイベントの理想的な姿を具現化したいという想いが募った若手の皆さんがコアメンバーとして頑張ってくれてるんです。私がしたのは彼らが動きやすいような環境を作るくらいで(笑)」と語るのは、シマノの文化推進課の久保さん。

「例えばコース一つとっても、コースデザインチームとして知恵を出し合ってよりよくしよう、と熱心にやってくれていて。それは他のイベントや種目でも同じで。普段は開発とか商品企画とかで働いているメンバーが、MTB文化をもっと広めたい、という想いで積極的に携わってくれているんです。
もっともっと、若い人たちにMTBの楽しみを届けたい。ハードルが高く感じる面もあるけれども、やっぱり楽しい乗り物ですから。少しでもシマノバイカーズフェスティバルが、その魅力を知るきっかけになって、MTBに乗る人が1人でも増える未来に繋がれば嬉しいですね」と語っていただいた。
MTB、そして自転車を愛するシマノ社員の熱い思いが込められたシマノバイカーズフェスティバル。今まで参加したことが無かった人も、最近足が遠のいていた人も、ぜひ来年、この魅力と活気を味わってみてほしい。
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