チームコロンビア・HTCのチームウェブサイトが伝えたところによると、コロンビアトレインの最終発射台として活躍したマーク・レンショー(オーストラリア)が、エプスタイン・バールウイルスに感染して戦線を離脱。シーズンインが大きくずれ込むと見られている。

マーク・レンショー(オーストラリア、チームコロンビア)マーク・レンショー(オーストラリア、チームコロンビア) photo:Makoto Ayanoエプスタイン・バールウイルスは、カラダの免疫機能を低下させ、伝染性単核球症などを引き起こすウイルスの一種。12月上旬に同ウイルスに感染したレンショーは、チームキャンプをキャンセル。

チームドクターのヘルゲ・リーペンホーフ医師によると、レンショーの病状は回復傾向にあるが、2010年のシーズン前半を回復に充てる予定だ。

マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)の最終発射台として活躍するレンショーの戦線離脱は、チームにとって大きな痛手だ。ツール・ド・フランス最終シャンゼリゼステージで芸術的なリードアウトを見せ、カヴェンディッシュとワンツー勝利を飾ったことは記憶に新しい。チームコロンビア・HTCのシーズン85勝という偉業は、レンショー無しには成し得なかっただろう。

レンショーは1月に母国オーストラリアで開催されるツアー・ダウンアンダーの暫定スタートリストに入っていたが、感染症の影響で出場をキャンセル。カヴェンディッシュが連覇を狙うミラノ〜サンレモを始め、春先のクラシックレースも欠場することになるだろう。


両手を挙げてシャンゼリゼのゴールに飛び込むマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)、後方がマーク・レンショー(オーストラリア)両手を挙げてシャンゼリゼのゴールに飛び込むマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)、後方がマーク・レンショー(オーストラリア) photo:Cor Vosこれまでコロンビアトレインを形成していたジョージ・ヒンカピー(アメリカ)やエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー)、トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン)らが相次いで移籍したため、トレインの攻撃力が低下していることは否めない。レンショーに代わる発射台として、新加入のマシュー・ゴス(オーストラリア)らの名前が挙がっている。

チームマネージャーのロルフ・アルダグ氏はウェブサイトの中で「彼の2010年シーズンには危機感を抱いていない。カヴェンディッシュの最終発射台としてグランツールで再び素晴らしいパフォーマンスを見せてくれると信じている。シーズン後半までフレッシュな状態を保つことが出来るため、彼の母国で行なわれるロード世界選手権でもいい走りが出来るはずだ」とコメント。頼れるスーパーアシストの復活を心待ちにしている様子だ。

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, Makoto Ayano