2017/08/20(日) - 16:03
U23版ツール・ド・フランスと形容されるツール・ド・ラヴニールに挑戦する日本ナショナルチームのレポート。第2ステージは自転車競技の本場ブルターニュへ。個性あふれる日本人選手の紹介と各国の選手に事情を聞くコラムもスタート。
18日にフランスの自転車首都ブルターニュ地方からグランデパールを切ったU23最高峰レース ツール・ド・ラヴニール。第2ステージはフランス東部に向けて都市間を大移動する。自転車文化が根づいているブルターニュ地方でのレースは沿道の観客数も老若男女に渡って多く、さながらツール・ド・フランスかと見間違うほどだ。
ブルターニュが長年に渡って世界的選手を輩出出来る理由は、自転車ロードレースへの長年に渡る愛と情熱によるものであると再確認。U23ジャパンナショナルチームも、そのような地で戦えることに幸せを感じつつ、更に上のレベルへとのし上がり、この地で羨望の眼差しを浴びる事に夢を馳せる。
■第2ステージ「アンザンナック=ロクリスト>ビニャン」=132.9km(獲得標高1634m)
フランスの自転車首都、ブルターニュ地方はアンザンザック=ロクリストをスタートした、U23版国別対抗ツール・ド・フランスである「ツール・ド・ラヴニール」第2ステージ。スタート地点にはブルターニュの英雄、いや神!?であるベルナール・イノー氏も駆けつけ、否が応にも会場は盛り上がる。
レースは各国の代表チームを出し抜いて、フランス地方選抜のアドリアン・ガレル(ブルターニュ地方選抜)とロジェ・マクシム(ローヌアルプ地方選抜)がスタート直後にアタック。タイム差はみるみるうちに3分以上に。しかし集団からあまり警戒されていない2人に対し、デンマーク=リーダーチーム、イギリス、ノルウェイらスプリント狙いのチームがゆっくりと冷静に集団を牽引し、計算尽くで捉えに行く展開。
そんな中、U23日本は山本大喜が他選手のクラッシュに巻き込まれて落車。ハンドルを破損するほどの衝撃で右手首も痛めたが、幸い大事には至らず。しかし集団復帰に全精力を使い切る。
レース終盤まで逃げを容認したプロトンの計画通り、混沌が予想されるビニャン最終周回コース突入前に逃げは吸収され、勝負はスプリントで決することに。ここまで比較的穏やかに進んでいたレースせいか、全チーム共に周回コースでは即フルスロットルモードに突入。
集団での位置取りは熾烈を極め、日本チームは後方に追いやられる。スプリントの役目を担った小野寺も、パンクに見舞われ脱落。ゴールまで300mの最終コーナーでは先頭の選手が落車。昨日ステージ優勝しリーダージャージを着るキャスパー・アスグリーン(デンマーク)も巻き込まれ、壊れた自転車を引きずりながらゴールまで歩く羽目に。
最後は落車を生き延びた5名程度による上りスプリントとなり、U23オランダチャンピオンのファビオ・ヤコブセン(オランダ)が制す。最終コーナーでの落車は、ゴール手前3km以内で発生したことでタイム差は付かず。よってキャスパー・アスグリーン(デンマーク)はマイヨジョーヌをキープ。U23日本も落車した山本大喜以外は全員マイヨジョーヌから4秒差につけている。
■U23ジャパンナショナルチーム浅田顕監督のコメント
「今日は特に終盤スプリントに向けての位置取りに緊張感が凝縮されたレース展開となった。そんな中、終盤に抜け出して入賞も狙えた山本大喜の落車は残念。しかし大事に至らずホッとしている。
チームとしては小野寺のスプリントで狙う計画だったが、最終局面で痛恨のパンク。残念だったが、同じタイプのステージはまだ何個か続くので、そこで今日出来なかった事を成就してほしい。
選手には“このレースがU23活動の頂点である”ことを常に言い続けており、選手らも重々承知している。結果、彼らのこのレースに賭ける集中力の高さには並ならぬものを感じており、結果に出してくれると信じている。」
■各選手コメント
・総合1位:キャスパー・アスグリーン(デンマーク)
「スタート直後に2名の逃げが発生した後は、僕らデンマークとノルウェイが協調してレースをコントロールし、追走アタックが生まれないようにしたんだ。最終コーナーで落車に巻き込まれたが、幸い自転車が壊れただけで済んだので問題ないよ。正直言うと、ボクは総合系ライダーではないので、これからずっとマイヨジョーヌを守れるとは思っていない。もちろんマイヨジョーヌの事はリスペクトしているし、できるだけ長い間着たいけど、ボクの脚質的に山岳で失うのは間違いない。だからチームにもマイヨジョーヌを守るという責務を負わせまくるつもりはないんだ。」
・岡本隼(日本U23/日本大学/愛三工業レーシング)第2ステージ27位
「終盤までは比較的おとなしくレースは進んだんですが、ゴール地点の街に入ってからの3周回は脚や技術というよりも”気持ちの思い切り”がものを言う展開。各国とも位置取り合戦のナーバスさは半端なかったです。海外で対等に戦うには気持ちで恐れていては駄目ですね」
・岡篤志(日本U23/宇都宮ブリッツェン)第2ステージ40位(総合でトップから+4秒)
「終盤の周回コースはクレイジーなほど混沌としていましたね。これぞ海外のトップレースという感じです。最終周回では結構前方に位置取り出来た場面もありましたが、位置取り合戦に負けてすぐに後ろに追いやられてしまった。運がよければスプリントする、何となく上位を目指す、と言う気持ちでは良くても20位前後にしかなれないと思い知らされた。やるなら本気で狙わないといけませんね。」
・小野寺玲(日本U23/宇都宮ブリッツェン)第2ステージ66位(総合でトップから+4秒)
「今日はボクのスプリントで勝負する段取りでチームでは動いていましたが、ゴールの街ビニャンの周回でパンクに見舞われ勝負に絡めなかったのは無念ですね。しかしこのレベルでの選手によるスプリントでは”上位入賞する”程度の目標で臨むとスプリントでの位置取りに負ける。”強い心”を持って本気で優勝を狙わないと行けないと感じました」
・石上優大(日本U23/EQADS/Amical Vélo Club Aix en Provence) 第2ステージ81位
「最初のフランス人2名の逃げが決まった後、道が狭い関係もあり各国ともに中々追走アタックが形成されなかった。自らアタックも仕掛けたが、デンマーク&ノルウェイの集団コントロールも盤石で思い通りにはなりませんでした。
最後の周回は幸い前方で展開できたので比較的に楽に走れ、岡選手との連携も出来たため、勝利は出来ないにしても良い結果を出すことが出来ると思っていた。しかし、最後の勝負どころ直前でルクセンブルク人に弾かれ集団後方に下げられてしまった。気持ち的に本気で勝つ!という覚悟を持たないと位置取りは難しいということを強く認識しました。とはいえ、この混沌としたステージにて無傷で済んでホッとしている。まだまだ先は長い。」
・雨澤毅明(日本U23/宇都宮ブリッツェン)第2ステージ100位
「スタート後にフランス人選手2名の逃げが発生し、それを見ながら集団がコントロール。主にデンマーク、イギリス、ノルウェイがイニシアティブを持って追いかけるという展開でした。前半は比較的おとなしいステージだったかと思います。しかし、ゴールの街ビニャンの周回コースでのスプリンターチームによる位置取り合戦は恐ろしかった。危険は冒さずに安全策を取って無事にゴールを目指しました。早く山岳地帯に入って暴れたいですね。」
・山本大喜(日本U23/鹿屋体育大学)第2ステージ140位(総合でトップから+9分53秒)
「序盤でのアタックを狙っていたが、フランス人2名が逃げた後は強豪チームが集団前方に蓋をしてしまったため、残念ながら今日も逃げる事ができなかった。中盤の補給地点でイタリアチームの選手がサコッシュを取り損なって、それに巻き込まれ落車。ハンドルを破損するほどの衝撃で左手首が少々痛いままメイン集団を追いかけました。幸いスピードが格段に上がる終盤の周回コースに入る前に集団復帰。最後は再度メイン集団からちぎれましたが、無事にゴールできて良かったです。相変わらず逃げるモチベーションは高いので、明日からのステージでもあくまでも逃げる事を念頭に臨みます。」
■U23ジャパンナショナルチーム選手ピックアップ!
『小野寺 玲(日本U23/宇都宮ブリッツェン)』
選手がかけるサングラスはスポーツタイプが主流の昨今。そんな時代に逆行する様な“昭和”なサングラス、夜の新宿で張り込みをする刑事を彷彿とさせるシャキっとした髪型。まるで往年の名作ドラマ「西部警察」の登場人物の様な小野寺玲のスタイルには半端ない本人のこだわりが隠れている。
「トム・クルーズ主演の映画“トップガン”を学生の頃に観て、トムのかっこよさに衝撃を受けてしまったんです。そこでトムが掛けていたのがこのレイバンのティアドロップ。ボクは“トップガン”が好きすぎて、戦闘機パイロットの試験を受けたぐらいなんですよ。海外UCIレースのタイムトライアルでもこのティアドロップで走っています。世界的にも選手間ではスポーツタイプのサングラスが主流なので、このタイプのサングラスでレースに出ると海外選手や観客がざわつきますね(笑)コレをかけると、命をかけて戦う男のメンタリティが宿る気がします。今の若者は“トップガン”の良さがわからないので、少々がっかりしていますね。」
独自のスタイルを貫く強さは、世界で戦う者にとっては重要な要素。この漢(おとこ)が世界自転車界のファッショントレンドを塗り替える日を心待ちにしよう!
■敵チーム諜報活動報告:『ポルトガル』
欧州に於いては小国ながら、ルイ・コスタなどの世界チャンピオンを輩出する隠れた強豪国ポルトガル。そんなポルトガルのU23代表選手であり、2016年のヨーロッパ選手権エリミネーション種目王者である20歳のルイ・オリベイラ(20歳、ポルトガルU23ナショナルチーム・米Axeon-Hagens
Berman所属)、に、日本チームに対する率直な感想を聞いてみた。
オリベイラ「プロトンでは最近日本の存在感が増している気がする。正確に云うと“居る”ということがはっきり認識されてきたと思うよ。決して強いとはいえないけど、軽視はされていないと思うね。以前は正直言って軽視されていたと思う。やはり君たちが遠くから欧州に来てレースに出続け、居場所を獲得しようと努力した結果だと思うよ。
世界チャンピオンを輩出したとはいえ、ポルトガルは選手数が他の欧州大国に比べて絶対的に少ない。だから効率の良い強化策を行わなければならないよね。レースも予算がかからない地続きの欧州中心で戦っているし、パワーメーターも積極的に導入している。昨今のレーススピードに付いていくには、もちろん旧来の集団ロードトレーニングも有用だけど、やはりパワーメーターがあるに越したことはない。何はともあれ、最高のトレーニングは“実戦レース“だね。昨日今日の高速ステージを見てみなよ(第1&第2ステージ)。パワーメーターを使った練習だって、絶対にあそこまでは追い込めない。だから仮に日本チームが更に強くなりたいなら、欧州に来てガンガンレースに出ることが重要だと思う。」
18日にフランスの自転車首都ブルターニュ地方からグランデパールを切ったU23最高峰レース ツール・ド・ラヴニール。第2ステージはフランス東部に向けて都市間を大移動する。自転車文化が根づいているブルターニュ地方でのレースは沿道の観客数も老若男女に渡って多く、さながらツール・ド・フランスかと見間違うほどだ。
ブルターニュが長年に渡って世界的選手を輩出出来る理由は、自転車ロードレースへの長年に渡る愛と情熱によるものであると再確認。U23ジャパンナショナルチームも、そのような地で戦えることに幸せを感じつつ、更に上のレベルへとのし上がり、この地で羨望の眼差しを浴びる事に夢を馳せる。
■第2ステージ「アンザンナック=ロクリスト>ビニャン」=132.9km(獲得標高1634m)
フランスの自転車首都、ブルターニュ地方はアンザンザック=ロクリストをスタートした、U23版国別対抗ツール・ド・フランスである「ツール・ド・ラヴニール」第2ステージ。スタート地点にはブルターニュの英雄、いや神!?であるベルナール・イノー氏も駆けつけ、否が応にも会場は盛り上がる。
レースは各国の代表チームを出し抜いて、フランス地方選抜のアドリアン・ガレル(ブルターニュ地方選抜)とロジェ・マクシム(ローヌアルプ地方選抜)がスタート直後にアタック。タイム差はみるみるうちに3分以上に。しかし集団からあまり警戒されていない2人に対し、デンマーク=リーダーチーム、イギリス、ノルウェイらスプリント狙いのチームがゆっくりと冷静に集団を牽引し、計算尽くで捉えに行く展開。
そんな中、U23日本は山本大喜が他選手のクラッシュに巻き込まれて落車。ハンドルを破損するほどの衝撃で右手首も痛めたが、幸い大事には至らず。しかし集団復帰に全精力を使い切る。
レース終盤まで逃げを容認したプロトンの計画通り、混沌が予想されるビニャン最終周回コース突入前に逃げは吸収され、勝負はスプリントで決することに。ここまで比較的穏やかに進んでいたレースせいか、全チーム共に周回コースでは即フルスロットルモードに突入。
集団での位置取りは熾烈を極め、日本チームは後方に追いやられる。スプリントの役目を担った小野寺も、パンクに見舞われ脱落。ゴールまで300mの最終コーナーでは先頭の選手が落車。昨日ステージ優勝しリーダージャージを着るキャスパー・アスグリーン(デンマーク)も巻き込まれ、壊れた自転車を引きずりながらゴールまで歩く羽目に。
最後は落車を生き延びた5名程度による上りスプリントとなり、U23オランダチャンピオンのファビオ・ヤコブセン(オランダ)が制す。最終コーナーでの落車は、ゴール手前3km以内で発生したことでタイム差は付かず。よってキャスパー・アスグリーン(デンマーク)はマイヨジョーヌをキープ。U23日本も落車した山本大喜以外は全員マイヨジョーヌから4秒差につけている。
■U23ジャパンナショナルチーム浅田顕監督のコメント
「今日は特に終盤スプリントに向けての位置取りに緊張感が凝縮されたレース展開となった。そんな中、終盤に抜け出して入賞も狙えた山本大喜の落車は残念。しかし大事に至らずホッとしている。
チームとしては小野寺のスプリントで狙う計画だったが、最終局面で痛恨のパンク。残念だったが、同じタイプのステージはまだ何個か続くので、そこで今日出来なかった事を成就してほしい。
選手には“このレースがU23活動の頂点である”ことを常に言い続けており、選手らも重々承知している。結果、彼らのこのレースに賭ける集中力の高さには並ならぬものを感じており、結果に出してくれると信じている。」
■各選手コメント
・総合1位:キャスパー・アスグリーン(デンマーク)
「スタート直後に2名の逃げが発生した後は、僕らデンマークとノルウェイが協調してレースをコントロールし、追走アタックが生まれないようにしたんだ。最終コーナーで落車に巻き込まれたが、幸い自転車が壊れただけで済んだので問題ないよ。正直言うと、ボクは総合系ライダーではないので、これからずっとマイヨジョーヌを守れるとは思っていない。もちろんマイヨジョーヌの事はリスペクトしているし、できるだけ長い間着たいけど、ボクの脚質的に山岳で失うのは間違いない。だからチームにもマイヨジョーヌを守るという責務を負わせまくるつもりはないんだ。」
・岡本隼(日本U23/日本大学/愛三工業レーシング)第2ステージ27位
「終盤までは比較的おとなしくレースは進んだんですが、ゴール地点の街に入ってからの3周回は脚や技術というよりも”気持ちの思い切り”がものを言う展開。各国とも位置取り合戦のナーバスさは半端なかったです。海外で対等に戦うには気持ちで恐れていては駄目ですね」
・岡篤志(日本U23/宇都宮ブリッツェン)第2ステージ40位(総合でトップから+4秒)
「終盤の周回コースはクレイジーなほど混沌としていましたね。これぞ海外のトップレースという感じです。最終周回では結構前方に位置取り出来た場面もありましたが、位置取り合戦に負けてすぐに後ろに追いやられてしまった。運がよければスプリントする、何となく上位を目指す、と言う気持ちでは良くても20位前後にしかなれないと思い知らされた。やるなら本気で狙わないといけませんね。」
・小野寺玲(日本U23/宇都宮ブリッツェン)第2ステージ66位(総合でトップから+4秒)
「今日はボクのスプリントで勝負する段取りでチームでは動いていましたが、ゴールの街ビニャンの周回でパンクに見舞われ勝負に絡めなかったのは無念ですね。しかしこのレベルでの選手によるスプリントでは”上位入賞する”程度の目標で臨むとスプリントでの位置取りに負ける。”強い心”を持って本気で優勝を狙わないと行けないと感じました」
・石上優大(日本U23/EQADS/Amical Vélo Club Aix en Provence) 第2ステージ81位
「最初のフランス人2名の逃げが決まった後、道が狭い関係もあり各国ともに中々追走アタックが形成されなかった。自らアタックも仕掛けたが、デンマーク&ノルウェイの集団コントロールも盤石で思い通りにはなりませんでした。
最後の周回は幸い前方で展開できたので比較的に楽に走れ、岡選手との連携も出来たため、勝利は出来ないにしても良い結果を出すことが出来ると思っていた。しかし、最後の勝負どころ直前でルクセンブルク人に弾かれ集団後方に下げられてしまった。気持ち的に本気で勝つ!という覚悟を持たないと位置取りは難しいということを強く認識しました。とはいえ、この混沌としたステージにて無傷で済んでホッとしている。まだまだ先は長い。」
・雨澤毅明(日本U23/宇都宮ブリッツェン)第2ステージ100位
「スタート後にフランス人選手2名の逃げが発生し、それを見ながら集団がコントロール。主にデンマーク、イギリス、ノルウェイがイニシアティブを持って追いかけるという展開でした。前半は比較的おとなしいステージだったかと思います。しかし、ゴールの街ビニャンの周回コースでのスプリンターチームによる位置取り合戦は恐ろしかった。危険は冒さずに安全策を取って無事にゴールを目指しました。早く山岳地帯に入って暴れたいですね。」
・山本大喜(日本U23/鹿屋体育大学)第2ステージ140位(総合でトップから+9分53秒)
「序盤でのアタックを狙っていたが、フランス人2名が逃げた後は強豪チームが集団前方に蓋をしてしまったため、残念ながら今日も逃げる事ができなかった。中盤の補給地点でイタリアチームの選手がサコッシュを取り損なって、それに巻き込まれ落車。ハンドルを破損するほどの衝撃で左手首が少々痛いままメイン集団を追いかけました。幸いスピードが格段に上がる終盤の周回コースに入る前に集団復帰。最後は再度メイン集団からちぎれましたが、無事にゴールできて良かったです。相変わらず逃げるモチベーションは高いので、明日からのステージでもあくまでも逃げる事を念頭に臨みます。」
■U23ジャパンナショナルチーム選手ピックアップ!
『小野寺 玲(日本U23/宇都宮ブリッツェン)』
選手がかけるサングラスはスポーツタイプが主流の昨今。そんな時代に逆行する様な“昭和”なサングラス、夜の新宿で張り込みをする刑事を彷彿とさせるシャキっとした髪型。まるで往年の名作ドラマ「西部警察」の登場人物の様な小野寺玲のスタイルには半端ない本人のこだわりが隠れている。
「トム・クルーズ主演の映画“トップガン”を学生の頃に観て、トムのかっこよさに衝撃を受けてしまったんです。そこでトムが掛けていたのがこのレイバンのティアドロップ。ボクは“トップガン”が好きすぎて、戦闘機パイロットの試験を受けたぐらいなんですよ。海外UCIレースのタイムトライアルでもこのティアドロップで走っています。世界的にも選手間ではスポーツタイプのサングラスが主流なので、このタイプのサングラスでレースに出ると海外選手や観客がざわつきますね(笑)コレをかけると、命をかけて戦う男のメンタリティが宿る気がします。今の若者は“トップガン”の良さがわからないので、少々がっかりしていますね。」
独自のスタイルを貫く強さは、世界で戦う者にとっては重要な要素。この漢(おとこ)が世界自転車界のファッショントレンドを塗り替える日を心待ちにしよう!
■敵チーム諜報活動報告:『ポルトガル』
欧州に於いては小国ながら、ルイ・コスタなどの世界チャンピオンを輩出する隠れた強豪国ポルトガル。そんなポルトガルのU23代表選手であり、2016年のヨーロッパ選手権エリミネーション種目王者である20歳のルイ・オリベイラ(20歳、ポルトガルU23ナショナルチーム・米Axeon-Hagens
Berman所属)、に、日本チームに対する率直な感想を聞いてみた。
オリベイラ「プロトンでは最近日本の存在感が増している気がする。正確に云うと“居る”ということがはっきり認識されてきたと思うよ。決して強いとはいえないけど、軽視はされていないと思うね。以前は正直言って軽視されていたと思う。やはり君たちが遠くから欧州に来てレースに出続け、居場所を獲得しようと努力した結果だと思うよ。
世界チャンピオンを輩出したとはいえ、ポルトガルは選手数が他の欧州大国に比べて絶対的に少ない。だから効率の良い強化策を行わなければならないよね。レースも予算がかからない地続きの欧州中心で戦っているし、パワーメーターも積極的に導入している。昨今のレーススピードに付いていくには、もちろん旧来の集団ロードトレーニングも有用だけど、やはりパワーメーターがあるに越したことはない。何はともあれ、最高のトレーニングは“実戦レース“だね。昨日今日の高速ステージを見てみなよ(第1&第2ステージ)。パワーメーターを使った練習だって、絶対にあそこまでは追い込めない。だから仮に日本チームが更に強くなりたいなら、欧州に来てガンガンレースに出ることが重要だと思う。」
リザルト:第2ステージ
1位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ) | 3時間5分28秒(平均時速42,994 km/h) |
2位 | アルヴァロ・ホセ・ホデグ・チャグィ(コロンビア) | +0秒 |
3位 | クリストファー・ハルフォルセン(ノルウェイ) | |
27位 | 岡本 隼(日本大学/愛三工業レーシング) | |
40位 | 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) | |
66位 | 小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン) | |
81位 | 石上優大(EQADS/Amical Vélo Club Aix en Provence) | |
100位 | 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン) | |
140位 | 山本大喜(鹿屋体育大学) | +9分53秒 |
総合成績
1位 | キャスパー・アスグリーン(デンマーク) | 6時間9分22秒 |
2位 | クリストファー・ハルフォルセン(ノルウェイ) | +4秒 |
3位 | アルヴァロ・ホセ・ホデグ・チャグィ(コロンビア) | |
22位 | 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) | |
23位 | 岡本 隼(日本大学/愛三工業レーシング) | |
36位 | 小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン) | |
105位 | 石上優大(EQADS/Amical Vélo Club Aix en Provence) | |
112位 | 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン) | |
137位 | 山本大喜(鹿屋体育大学) |
*フルリザルト
https://dataride.uci.ch/iframe/CompetitionResults/32489/10/
photo&text:Kenichi.YAMAZAKI(Cyclisme Japon)
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