「写真判定で負けるのはもうたくさんなので、スプリント勝負に持ち込むのではなく独走で勝ちたかった」とは、熾烈なアタック合戦の末に勝利したエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)。その他逃げメンバーや、マイヨジョーヌで個人TTに挑むクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)らのコメントを紹介します。



ステージ優勝、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)

2011年以来のツールでのステージ優勝を飾ったエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)2011年以来のツールでのステージ優勝を飾ったエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) photo:Makoto.AYANO
今朝、フィニッシュ地点のビデオを見て予習していたので、ラウンドアバウトの右側が有利だと分かっていた。ニキアス・アルントを除いて他の選手たちは左側をチョイス。ラウンドアバウトを抜けたところで距離が開いたので、そこがタイミングだと判断して仕掛けた。

写真判定で負けるのはもうたくさんなので、スプリント勝負に持ち込むのではなく独走で勝ちたかった。敗れはしたものの、集団スプリントでの僅差の敗北が自分に自信を与えてくれた。マーク・カヴェンディッシュがリタイアした後も、チームはモチベーションを失わず、ただ集団の中で過ごすのではなく、攻撃を続けたんだ。ようやく手にした勝利をとにかく嬉しく思う。

独走でフィニッシュするエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)独走でフィニッシュするエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) photo:Tim de Waele / TDWsport
チームメイトは集団のペースを作って、登りでは常にアタックに反応できる位置にいさせてくれた。逃げ集団に乗ってからはうまく協調して一気に差を広げることができたんだ。当然最後はアタック合戦になったけれど、集団の中で脚を残しながらスマートに立ち振る舞えた。

2位を悔しがるニキアス・アルント(ドイツ、サンウェブ)2位を悔しがるニキアス・アルント(ドイツ、サンウェブ) photo:Makoto.AYANOボアッソンに逃げられたニキアス・アルント(ドイツ、サンウェブ)

逃げグループ内に強い選手がたくさんいたので、9人に絞り込まれてもなお厳しい戦いになるなと思っていたよ。ランドアバウトの右側を選んだら少し差が生まれたけれど、ボアッソンの加速に付き切れしてしまった。サンウェブとしてはステージ優勝が4つ、特別賞ジャージが2つ、そして今日は2位を確保できた。チームの雰囲気は素晴らしいし、その中で生んだ2位は良い結果だと思う。

ステージ3位、イェンス・クークレール(ベルギー、オリカ・スコット)

敢闘賞はイェンス・クークレール(ベルギー、オリカ・スコット)敢闘賞はイェンス・クークレール(ベルギー、オリカ・スコット) photo:Makoto.AYANO
もちろんステージ優勝できれば良かったけれど、3位表彰台も悪くはない。オリカ・スコットとしてはほぼ全ての手は尽くした。逃げに乗ることがまず第1で、人数を絞ることが第2、勝利を飾ることが第3だったけれど、そこには到達できなかった。今朝のミーティングでランドアバウトの存在について話していて、右側から通過するのがベターだとわかっていたつもりだった。でもそれが頭から消えかかっていて、左側から抜けようとした時にふと気づいた。けれどもうその時にはボアッソンが加速体制に入っていたんだ。彼には10m以上の差を与えてはいけなかったのに。

4位を悔しがるダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、モビスター)4位を悔しがるダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、モビスター) photo:Makoto.AYANOステージ4位、ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、モビスター)

ボアッソンが20〜30mの差を付けたらもう追いつけない。左側を通過した選手のミスだった。バッドラック続きのチームにステージ優勝したかったけれど届かなかった。バルベルデのため、そして木曜日が誕生日だった息子フランチェスコのため、そしてジロの活躍が祟って総合順位を落としてしまったキンタナのために勝ちたかった。望む形になっていないこのツールだけど、全力は尽くした。

ステージ5位、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)

注意すべきはボアッソン、クークレール、そしてシャヴァネルの3人。今日の状況ではとても危険な選手だった。逃げ集団内のほぼ全ての選手が疲れていたので、ボアッソンがアタックした時も注意散漫だったように思う。残念ながらもっと上の成績を残せただろうけど、今日の逃げがスーパー敢闘賞に繋がれば良いね。

マイヨジョーヌでTTに挑むクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)

マイヨジョーヌを着て最終個人TTに挑むことになったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)マイヨジョーヌを着て最終個人TTに挑むことになったクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsuji / TDWsport
明日はビッグ・ファイトになるはず。チームではなく、個人対個人の戦い。TV観戦が面白くなりそうだ。個人TTのコースは基本的に平坦でコーナーも少ないが、1.2kmで12〜15%と急勾配の登りが控えている。そのあとはハイスピードでコーナーが連続するダウンヒルが続く。自分向きだけど、ステージ優勝を狙えるかと聞かれればプリモシュ・ログリッチェやトニー・マルティンには及ばないと思う。自分はリスクを犯すことなく今まで通りにTTを走るだけ。ホイールは交換できるけど脚は交換できないので、パンクよりも落車が怖い。総合タイムを挽回しなければならない立場よりも、追われる立場のほうがずっといい。

警戒しているのはリゴベルト(ウラン)の走り。彼が絶好調の時の平坦の走りは素晴らしいし、ツール終盤だけにフレッシュさがものをいう。このような状況では有力勢以外でもサプライズ的な走りを見せる選手がいるんだ。例えばバルデだって脅威になりうる。観客の彼に対する応援は本当にすごいものさ。

マイヨアポワを確定させたワレン・バルギル(フランス、サンウェブ)

マイヨアポワを確定させたワレン・バルギル(フランス、サンウェブ)マイヨアポワを確定させたワレン・バルギル(フランス、サンウェブ) photo:CorVos
落車やその他トラブルに対するプレッシャーやストレスもぐっと減った。パリまでマイヨアポワを着ている時間を楽しみたいと思う。マルセイユでTTを終えればすぐにパリだ。今朝はすごく早く目が覚めて、マイヨヴェールを着ているルームメイトのマシューズと一緒にずっと僕らの夢を語り合ってた。このツールでは笑みが消えないよ。ツール開幕前に二人が特別賞なんて言われたら馬鹿げてる!と言い返しただろうけれど、それが現実に起こってしまった。

text:So.Isobe

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