1級山岳コルノ・アッレ・スカーレを駆け上がるジロ・デ・イタリア第9ステージで、ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)が勝利。今大会2勝目、プロ50勝目で1週目を締めくくり、区間4位に入ったエウラリオがマリアローザ保持に成功した。
5月17日(日)第9ステージ
チェルヴィア〜コルノ・アッレ・スカーレ 184km(丘陵/山頂フィニッシュ)

この日もピンク色の紙吹雪で迎えられたアフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos

ジロ・デ・イタリア第9ステージ image:RCS Sport 第109回ジロ・デ・イタリアの1週目を締めくくるのは、ラストに1級山岳コルノ・アッレ・スカーレ(距離10.8km/平均6.1%)を駆け上がるシンプルな山頂フィニッシュステージだ。アドリア海に面した町チェルヴィアを出発し、西へ向かう前半は平坦基調。まず3級山岳クエルチョーラ(距離11.3km/平均4.3%)を登り、下りを経て今大会2つ目の山頂フィニッシュに臨む。
マリアローザと同じピンク色のフラミンゴに見送られて始まったレースは、前日と同じく逃げ集団形成には数多くのアタックと吸収が繰り返された。そしてスタートから約35km地点で6日目勝者であるダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、XDSアスタナ)を含む8名の逃げグループが出来上がる。そこにモビスターは2名を入れ、ローテーションを回したものの、バーレーン・ヴィクトリアスとデカトロンCMA CGMが牽引するメイン集団は、4分以上のリードを許さないタイトなコントロールを見せた。
レースも後半に入り、カテゴリーなき登りではプロトンからジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)が飛び出す。この動きにはベテランのディエゴ・ウリッシ(イタリア、XDSアスタナ)とシクロクロスのトップ選手にして、32歳で自身初のグランツールを走るトーン・アールツ(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ)が同調。2分先の逃げ集団を目指す動きのなかで、チッコーネが積極性に欠ける2名に協力を呼びかけるシーンもあった。

逃げ集団に向け、プロトンを飛び出したジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)ら3名 photo:RCS Sport

タイトに逃げとのタイム差をコントロールしたプロトン photo:RCS Sport
その喝が効いたのか、残り59km地点でチッコーネらは逃げ集団に合流する。そのため11名と大所帯になった逃げグループだったが、その時点でプロトンとの差は1分15秒。人数は揃っていたものの、逃げ切り勝利の可能性は限りなく低いと思われた。
今度はロレンツォ・ミレージ(イタリア、モビスター)が逃げ集団に喝を入れながら、3級山岳クエルチョーラ(距離11.3km/平均4.3%)に2分差で突入する。そのミレージはチームメイトのエイネル・ルビオ(コロンビア)によるステージ優勝のために登りでペースを作り、頂上を通過する頃に逃げはチッコーネら5名まで絞られる。しかしプロトンではヴィスマ・リースアバイクも牽引に加わっていたため、逃げのリードが広がることはなかった。
1級山岳コルノ・アッレ・スカーレ(距離10.8km/平均6.1%)に入る直前にチッコーネが集団を飛び出し、唯一ルビオが反応する。途中にあるレッドブルKMはルビオが先頭通過し、頂上まで残り7.5km地点でチッコーネが再びアタック。今度はルビオを引き離し、達成すれば自身4度目となるジロのステージ優勝を目指して、脚に力を込めた。

最終1級山岳で先頭はエイネル・ルビオ(コロンビア、モビスター)とジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)の2名に絞られる photo:RCS Sport

ヴィスマ・リースアバイクが先導するプロトン photo:RCS Sport

単独先頭に立ったジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) photo:CorVos
プロトンではその頃、麓からペースを作っていたデカトロンCMA CGMに代わり、ヴィスマ・リースアバイクが主導権を握った。エースであるヴィンゲゴーの背後にジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がつくなか、そのチームメイトで繰り下げでマリアビアンカ(ヤングライダー賞ジャージ)を着用するジュリオ・ペリツァーリ(イタリア)が遅れていく。ペリツァーリは結果的にトップから1分28秒遅れでフィニッシュし、総合でも6位から9位に後退している。
一方、マリアローザを着るアフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス)が何とか粘るプロトンから、平均勾配が10%まで上がった残り2.4km地点でフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)が飛び出す。総合3位の仕掛けには当然ヴィンゲゴーが追従し、あっという間に先頭のチッコーネを捉える。2名に道を開けるように脇に寄ったチッコーネは、並走する観客を腕で押しやるようにして、勝利を逃した悔しさを表したように見えた。

残り2.4km地点で飛び出したガルに、唯一ヴィンゲゴーが追従した photo:CorVos

フィニッシュ手前800mでガルを引き離し、勝利したヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
先頭の2名はラスト1km地点を表すゲートをくぐると、その直後の残り800m地点でヴィンゲゴーがアタック。後ろを振り向き、ガルとの距離が広がっていくことを確認したヴィンゲゴーはシッティングに切り替え、軽快に駆け上がった先のフィニッシュ地点に到達。ハンドルに貼られた家族の写真にキスをして、ガッツポーズと共に勝利を決めた。
ヴィンゲゴーのアタックを見送ったガルはその後も粘り、12秒遅れでフィニッシュ。そして3番手につけていたテイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス)をフィニッシュ前でかわし、3位に入ったのはヴィンゲゴーの若きアシストであるダヴィデ・ピガンゾーリ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク)。マリアビアンカの対象である23歳が1週目最後の山頂フィニッシュでそのポテンシャルを見せつけた。

今大会2勝目、プロ通算50勝目を得たヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

マリアローザを守り、休息日に入るアフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
第7ステージに続き、今大会2勝目を飾ったヴィンゲゴーはこれがプロ通算50勝目。「最初はステージ優勝を目標としておらず、様子を見ていた。だが最後の登りで全力で行くことを決め、終盤はガルが力強い加速を見せた。でも僕も今日は調子の良さを感じていた。1週目を勝利で締めくくれて嬉しいし、ダヴィデ(ピガンゾーリ)が3位に入り、強さを示すことができた。彼はとても才能のある選手だからね」と語ったヴィンゲゴー。また「僕らは(総合で)良い位置につけている。残りの戦いが楽しみだし、まずは火曜のタイムトライアルに向けて集中したい」と休息日を挟み迎える、2週目以降への意気込みを語った。
総合首位のエウラリオは41秒遅れのステージ5位という予想以上の結果を残し、マリアローザのキープに成功している。
5月17日(日)第9ステージ
チェルヴィア〜コルノ・アッレ・スカーレ 184km(丘陵/山頂フィニッシュ)


マリアローザと同じピンク色のフラミンゴに見送られて始まったレースは、前日と同じく逃げ集団形成には数多くのアタックと吸収が繰り返された。そしてスタートから約35km地点で6日目勝者であるダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、XDSアスタナ)を含む8名の逃げグループが出来上がる。そこにモビスターは2名を入れ、ローテーションを回したものの、バーレーン・ヴィクトリアスとデカトロンCMA CGMが牽引するメイン集団は、4分以上のリードを許さないタイトなコントロールを見せた。
レースも後半に入り、カテゴリーなき登りではプロトンからジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)が飛び出す。この動きにはベテランのディエゴ・ウリッシ(イタリア、XDSアスタナ)とシクロクロスのトップ選手にして、32歳で自身初のグランツールを走るトーン・アールツ(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ)が同調。2分先の逃げ集団を目指す動きのなかで、チッコーネが積極性に欠ける2名に協力を呼びかけるシーンもあった。


その喝が効いたのか、残り59km地点でチッコーネらは逃げ集団に合流する。そのため11名と大所帯になった逃げグループだったが、その時点でプロトンとの差は1分15秒。人数は揃っていたものの、逃げ切り勝利の可能性は限りなく低いと思われた。
今度はロレンツォ・ミレージ(イタリア、モビスター)が逃げ集団に喝を入れながら、3級山岳クエルチョーラ(距離11.3km/平均4.3%)に2分差で突入する。そのミレージはチームメイトのエイネル・ルビオ(コロンビア)によるステージ優勝のために登りでペースを作り、頂上を通過する頃に逃げはチッコーネら5名まで絞られる。しかしプロトンではヴィスマ・リースアバイクも牽引に加わっていたため、逃げのリードが広がることはなかった。
1級山岳コルノ・アッレ・スカーレ(距離10.8km/平均6.1%)に入る直前にチッコーネが集団を飛び出し、唯一ルビオが反応する。途中にあるレッドブルKMはルビオが先頭通過し、頂上まで残り7.5km地点でチッコーネが再びアタック。今度はルビオを引き離し、達成すれば自身4度目となるジロのステージ優勝を目指して、脚に力を込めた。



プロトンではその頃、麓からペースを作っていたデカトロンCMA CGMに代わり、ヴィスマ・リースアバイクが主導権を握った。エースであるヴィンゲゴーの背後にジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がつくなか、そのチームメイトで繰り下げでマリアビアンカ(ヤングライダー賞ジャージ)を着用するジュリオ・ペリツァーリ(イタリア)が遅れていく。ペリツァーリは結果的にトップから1分28秒遅れでフィニッシュし、総合でも6位から9位に後退している。
一方、マリアローザを着るアフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス)が何とか粘るプロトンから、平均勾配が10%まで上がった残り2.4km地点でフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)が飛び出す。総合3位の仕掛けには当然ヴィンゲゴーが追従し、あっという間に先頭のチッコーネを捉える。2名に道を開けるように脇に寄ったチッコーネは、並走する観客を腕で押しやるようにして、勝利を逃した悔しさを表したように見えた。


先頭の2名はラスト1km地点を表すゲートをくぐると、その直後の残り800m地点でヴィンゲゴーがアタック。後ろを振り向き、ガルとの距離が広がっていくことを確認したヴィンゲゴーはシッティングに切り替え、軽快に駆け上がった先のフィニッシュ地点に到達。ハンドルに貼られた家族の写真にキスをして、ガッツポーズと共に勝利を決めた。
ヴィンゲゴーのアタックを見送ったガルはその後も粘り、12秒遅れでフィニッシュ。そして3番手につけていたテイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス)をフィニッシュ前でかわし、3位に入ったのはヴィンゲゴーの若きアシストであるダヴィデ・ピガンゾーリ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク)。マリアビアンカの対象である23歳が1週目最後の山頂フィニッシュでそのポテンシャルを見せつけた。


第7ステージに続き、今大会2勝目を飾ったヴィンゲゴーはこれがプロ通算50勝目。「最初はステージ優勝を目標としておらず、様子を見ていた。だが最後の登りで全力で行くことを決め、終盤はガルが力強い加速を見せた。でも僕も今日は調子の良さを感じていた。1週目を勝利で締めくくれて嬉しいし、ダヴィデ(ピガンゾーリ)が3位に入り、強さを示すことができた。彼はとても才能のある選手だからね」と語ったヴィンゲゴー。また「僕らは(総合で)良い位置につけている。残りの戦いが楽しみだし、まずは火曜のタイムトライアルに向けて集中したい」と休息日を挟み迎える、2週目以降への意気込みを語った。
総合首位のエウラリオは41秒遅れのステージ5位という予想以上の結果を残し、マリアローザのキープに成功している。
ジロ・デ・イタリア2026第9ステージ結果
| 1位 | ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 4:20:21 |
| 2位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +0:12 |
| 3位 | ダヴィデ・ピガンゾーリ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:34 |
| 4位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス) | |
| 5位 | アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:41 |
| 6位 | デレク・ジーウェスト(カナダ、リドル・トレック) | +0:46 |
| 7位 | マティス・ロンデル(フランス、チューダープロサイクリング) | |
| 8位 | セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
| 9位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +0:50 |
| 10位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダープロサイクリング) |
マリアローザ(個人総合成績)
| 1位 | アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) | 38:49:44 |
| 2位 | ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | +2:24 |
| 3位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +2:59 |
| 4位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +4:32 |
| 5位 | クリスティアン・スカローニ(イタリア、XDSアスタナ) | +4:43 |
| 6位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス) | +5:00 |
| 7位 | マティス・ロンデル(フランス、チューダープロサイクリング) | +5:01 |
| 8位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | +5:03 |
| 9位 | ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +5:15 |
| 10位 | マイケル・ストーラー(オーストラリア、チューダープロサイクリング) | +5:20 |
マリアチクラミーノ(ポイント賞)
| 1位 | ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) | 130pts |
| 2位 | ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) | 86pts |
| 3位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | 76pts |
マリアアッズーラ(山岳賞)
| 1位 | ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 111pts |
| 2位 | ディエゴ・セビーリャ(スペイン、ポルティ・ヴィジットマルタ) | 60pts |
| 3位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | 48pts |
マリアビアンカ(ヤングライダー賞)
| 1位 | アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、バーレーン・ヴィクトリアス) | 38:49:44 |
| 2位 | マティス・ロンデル(フランス、チューダープロサイクリング) | +5:01 |
| 3位 | ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +5:15 |
チーム総合成績
| 1位 | ヴィスマ・リースアバイク | 116:46:35 |
| 2位 | レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ | +1:44 |
| 3位 | モビスター | +8:54 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
photo:CorVos, RCS Sport
Amazon.co.jp