2017/07/02(日) - 06:27
ドイツ・デュッセルドルフでツール・ド・フランスが開幕!初日の14km個人タイムトライアルは雨に見舞われ、ウェットな路面にスリップダウンする選手が続出。最速タイムを叩き出したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)がマイヨジョーヌを手にした。
ツール・ド・フランスが30年ぶりにドイツで開幕した。第104回大会の初日はデュッセルドルフ北部に位置する見本市場の「メッセ・デュッセルドルフ」をスタート&フィニッシュする14kmの個人タイムトライアル。22チーム、198名の選手たちが1分間隔で「時間との戦い」に挑んだ。
「メッセ」をスタート後、ライン川に沿ってデュッセルドルフ中心部に向かう。オーバーカッセラー橋でライン川をまたぎ、ラインクニー橋で対岸に戻ってから観光名所ケーニヒ通りやハインリッヒハイネ通りを含む市街地を抜け、再びライン川沿いを走って「メッセ」に戻る。2つの橋を越える際のアップダウンを除いてフルフラットで、複雑な市街地コーナーを含む中盤はテクニカルだ。
この日が22歳の誕生日である最年少エリー・ジェスベール(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)から順に、198名の選手たち(9名x22チーム)が1分差スタートを切った。雨脚は強まったり弱まったり。前半スタートの後半スタートの選手も、ウェット加減に差はあれど、ほぼ平等に濡れた状態で「時間との戦い」に挑むことに。
濡れた路面の餌食になったのはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)やトニー・ガロパン(フランス、ロット・ソウダル)ら。中でも激しくクラッシュしたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)の2人はレース初日にリタイアを余儀なくされている。
元世界チャンピオンのヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)が16分11秒の暫定トップタイムをマーク。しばらくキリエンカのタイムはトップを維持したものの、中間計測通過時点で4秒遅れだったゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)が後半に挽回し、キリエンカを3秒上回る16分04秒でフィニッシュした。
地元ドイツの期待を背負ったトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)は中間計測でトーマスのタイムを4秒上回ったものの、後半に伸び悩んでトーマスから8秒遅れ。前半から好走したシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)も5秒届かず、濡れたコースを52.282km/hで駆け抜けたトーマスのステージ優勝が決まった。
「『どうせマルティンか誰か他の選手に更新される』と高をくくっていたので正直驚いている。驚いているし、信じられない気持ちだ」。グランツールでステージ初優勝を飾るとともに、マイヨジョーヌを手にしたトーマスは喜ぶ。トーマスはマリアローザ候補に挙げられながらも落車の影響でジロ・デ・イタリアをリタイア。その後、ツールに照準を合わせて調整を続けていた。「今年続いた不運はこの勝利のためだったのかもしれない。苦しい時も支え続けてくれたみんなに感謝している」。
マイヨジョーヌ候補の中で最も冴え渡ったのが最終出走者のクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)で、トーマスから12秒遅れのステージ6位で初日を終えている。フルームを基準にすると、リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)は35秒、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)は36秒、アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)は42秒失う結果に。
チームスカイはステージ優勝とマイヨジョーヌだけでなく、ステージトップ10に4名を送り込み、そしてフルームがライバルたちからリードを奪う最高の展開。「チームとしてタイムトライアルの準備に取り組んだ成果が出た。トーマスの勝利は本当に素晴らしい」とフルームは初日を振り返っている。
ツール・ド・フランスが30年ぶりにドイツで開幕した。第104回大会の初日はデュッセルドルフ北部に位置する見本市場の「メッセ・デュッセルドルフ」をスタート&フィニッシュする14kmの個人タイムトライアル。22チーム、198名の選手たちが1分間隔で「時間との戦い」に挑んだ。
「メッセ」をスタート後、ライン川に沿ってデュッセルドルフ中心部に向かう。オーバーカッセラー橋でライン川をまたぎ、ラインクニー橋で対岸に戻ってから観光名所ケーニヒ通りやハインリッヒハイネ通りを含む市街地を抜け、再びライン川沿いを走って「メッセ」に戻る。2つの橋を越える際のアップダウンを除いてフルフラットで、複雑な市街地コーナーを含む中盤はテクニカルだ。
この日が22歳の誕生日である最年少エリー・ジェスベール(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)から順に、198名の選手たち(9名x22チーム)が1分差スタートを切った。雨脚は強まったり弱まったり。前半スタートの後半スタートの選手も、ウェット加減に差はあれど、ほぼ平等に濡れた状態で「時間との戦い」に挑むことに。
濡れた路面の餌食になったのはディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNLユンボ)やトニー・ガロパン(フランス、ロット・ソウダル)ら。中でも激しくクラッシュしたアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)とヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)の2人はレース初日にリタイアを余儀なくされている。
元世界チャンピオンのヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)が16分11秒の暫定トップタイムをマーク。しばらくキリエンカのタイムはトップを維持したものの、中間計測通過時点で4秒遅れだったゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)が後半に挽回し、キリエンカを3秒上回る16分04秒でフィニッシュした。
地元ドイツの期待を背負ったトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)は中間計測でトーマスのタイムを4秒上回ったものの、後半に伸び悩んでトーマスから8秒遅れ。前半から好走したシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)も5秒届かず、濡れたコースを52.282km/hで駆け抜けたトーマスのステージ優勝が決まった。
「『どうせマルティンか誰か他の選手に更新される』と高をくくっていたので正直驚いている。驚いているし、信じられない気持ちだ」。グランツールでステージ初優勝を飾るとともに、マイヨジョーヌを手にしたトーマスは喜ぶ。トーマスはマリアローザ候補に挙げられながらも落車の影響でジロ・デ・イタリアをリタイア。その後、ツールに照準を合わせて調整を続けていた。「今年続いた不運はこの勝利のためだったのかもしれない。苦しい時も支え続けてくれたみんなに感謝している」。
マイヨジョーヌ候補の中で最も冴え渡ったのが最終出走者のクリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)で、トーマスから12秒遅れのステージ6位で初日を終えている。フルームを基準にすると、リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)は35秒、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)は36秒、アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)は42秒失う結果に。
チームスカイはステージ優勝とマイヨジョーヌだけでなく、ステージトップ10に4名を送り込み、そしてフルームがライバルたちからリードを奪う最高の展開。「チームとしてタイムトライアルの準備に取り組んだ成果が出た。トーマスの勝利は本当に素晴らしい」とフルームは初日を振り返っている。
ステージ成績
1位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) | 16:04 |
2位 | シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) | 0:05 |
3位 | ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ) | 0:07 |
4位 | トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | 0:08 |
5位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 0:10 |
6位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 0:12 |
7位 | ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:15 |
8位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | |
9位 | マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) | 0:16 |
10位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) | |
29位 | サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) | 0:37 |
49位 | リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) | 0:47 |
53位 | ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) | 0:48 |
54位 | ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) | 0:49 |
63位 | ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:51 |
66位 | ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) | 0:52 |
68位 | アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) | 0:54 |
113位 | ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAEチームエミレーツ) | 1:12 |
116位 | エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット) | 1:13 |
175位 | 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) | 1:46 |
DNF | アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) | |
DNF | ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) |
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) | 16:04 |
2位 | シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) | 0:05 |
3位 | ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ) | 0:07 |
4位 | トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) | 0:08 |
5位 | マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) | 0:10 |
6位 | クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) | 0:12 |
7位 | ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNLユンボ) | 0:15 |
8位 | ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) | |
9位 | マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) | 0:16 |
10位 | エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) |
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位 | ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) | 20pts |
2位 | シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) | 17pts |
3位 | ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ) | 15pts |
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位 | シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング) | 16:09 |
2位 | ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール) | 0:20 |
3位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ | 0:24 |
チーム総合成績
1位 | チームスカイ | 48:31 |
2位 | クイックステップフロアーズ | 0:37 |
3位 | サンウェブ | 0:58 |
text&photo:Kei Tsuji in Dusseldorf, Germany
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