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ガーミンジャパンのアンバサダーを務める竹谷賢二さんに、新世代EDGE 550および850について詳しく話を聞いた。840シリーズから大きく進化した新モデルは、ハードウェアからソフトウェアまで刷新され、サイクリストにとって革新的な使用体験を提供している。

フルモデルチェンジを果たしたガーミンの定番モデルEDGE 550/850

ガーミン Edge 850

ガーミンの定番サイクルコンピューターEDGEシリーズ。その中でも数多くのサイクリストが愛用する800シリーズと500シリーズが2025年9月にモデルチェンジを果たし、EDGE 850とEDGE 550へと生まれ変わった。両モデルともに2.7インチのディスプレイを搭載し、新プロセッサーの採用によって処理速度が向上。ハードウェアからソフトウェアまで全面的に刷新されている。

ハードウェア面では、視認性の高いディスプレイと快適な操作性が特徴。ソフトウェア面では、スマート補給アラートやパワーガイド、GroupRide機能など、一人でも仲間とでもライドを充実させる機能を搭載している。またリアルタイム天気情報の確認や、デバイス上でのコース作成など、使い勝手を高める新機能も追加された。

新世代EDGEの何が変わり、どう進化したのか。シクロワイアードではアンバサダーを務める竹谷賢二さんにインタビューを行い、実際のユーザー視点で見たその真価を明らかにした。

ガーミンアンバサダー:竹谷賢二さん(エンデュアライフ)

ガーミンアンバサダーとして長年Edgeを使いこなす竹谷賢二さん(エンデュアライフ) photo:Kenta Onoguchi

フルタイムワーカーとしてMTBレースに参戦。2000年に全日本選手権優勝を経てプロライダーへ。2004年にはMTB XCOの日本代表としてアテネオリンピックに出場、同年のアジア選手権で優勝を遂げる。2009年の全日本選手権を最後に現役を引退。その後トライアスロンに挑戦し、アイアンマンでもエイジ世界4位を獲得。

現在は自ら立ち上げたエンデュアライフをベースにフィッティングやコーチングを行い、エンデュランススポーツを「生涯現役」で楽しめるアスリートをサポートしている。ガーミンのアンバサダーとしてトレーニングの有用性を広くレクチャーする活動も行っている。

大幅に進化したEdge850/550のハードウェア

スマホのような視認性を実現した新ディスプレイ

ガーミンの新世代Edge 850と550はデータを活用できるデバイスとなった photo:Kenta Onoguchi

「一番印象に残ったところは画面が見やすいとか、扱いやすいっていうところですね」と竹谷さんは新世代EDGEの第一印象を語る。物理的にボディのエッジが立っているため持ったときの感触が良く、ディスプレイが大きく明るくなり、視覚的に非常に見やすくなった。

竹谷さんはEdge 1050も使用しているが、「昨年登場したEdge 1050がガラケーからスマホになったと思うほどの進化を遂げていました」と評価する。その見やすいディスプレイのクオリティをEdge 800シリーズと500シリーズに反映させたモデルであり、Edge 1050を使い始めてから待ち望んでいたものがついに登場したと話す。

前世代より大きく進化した新型

「画面の表示が常に読み取りやすくなった」竹谷賢二さん(エンデュアライフ) photo:Kenta Onoguchi

Edge 850の進化は、Edge 830からEdge 840への変化よりも大きいという。「内部のハードウェアからソフトウェア、ボディ全てに大きな改良が施されているので、ガーミンの新世代マシンといっても過言ではありません」と竹谷さんは強調する。

ディスプレイの視認性向上は、特に深い前傾姿勢を取るトライアスロンやロードバイクでの走行時にアドバンテージを発揮する。「前傾姿勢の時はコンピューターと目が近いことが多いんですよ。その際に文字が読み取りにくいと、無意識のうちにストレスを感じていることがあります」。

それほど新型Edge 850/550のディスプレイは、文字と背景の輝度やコントラストの差を明確に感じられ、情報の読み取りやすさやパッと見の視認性が大きく向上している。コンマ一秒を争う状況でも、一瞬でデータを把握できるようになったという。

ライダーとのタッチポイントがストレスフリーに

「タッチ操作とボタン操作共に気持ちよく行えるようになった」竹谷賢二さん(エンデュアライフ) photo:Kenta Onoguchi

ボタンのクリック感も良くなっており、Edge 850のタッチスクリーンをスクロールしたときの感触も改善されている。「自転車用のデバイスでもコンタクトポイントは重要ですね」と竹谷さん。高額なデバイスだからこそ、触っているときの満足感やボタンを押したときの節度感、スクロールしたときの感触は大きな要素。

「iPhoneや最新のスマホに慣れていると、前世代のデバイスでは動作が重く感じます」という。普段最も触れるガジェットであるスマホの操作感覚に近くなったことで、違和感なく操作できるデバイスに仕上がっている。

一人でも。仲間とも。デバイスと共に進化したライド体験

新世代EDGEには、ライド体験を大きく変える新機能が複数搭載されている。これらの機能は、竹谷さんのようなトップアスリートだけでなく、週末ライダーにこそ大きな価値をもたらす。

スマート補給アラート:経験のないライダーほど恩恵を受ける機能

スマート補給アラートは通知音とポップアップで補給タイミングをお知らせしてくれる

「実は機能を知らずに使用していたら、走行中に突然ポップアップしたから気がついたんですよ」と竹谷さんが驚いたのが、スマート補給アラート機能だ。

この機能はライダーのプロフィール(体重やFTPなど)と、運動強度、気温を自動で考慮して、水分と栄養の補給タイミングを通知してくれるもの。これまでは補給アラートとして予め設定していた機能が今作から自動設定となり、機能を使用するハードルが引き下げられた。

「マレーシアの高温下では約30分おきにアラートが出現していましたが、11月下旬に開催された千葉でのライドイベントではスタートから1時間経過後に通知されました。気象コンディションと運動強度を考慮して通知がアレンジされるのは素直にすごいなと」と竹谷さんも驚く。

アイアンマンでも実証されたスマート補給の有用性

「アイアンマンではレース終盤にアラートがあるおかげで補給を続けられた」竹谷賢二さん(エンデュアライフ) photo:Kenta Onoguchi

竹谷さんはアイアンマン(バイクパートは180kmのトライアスロン)でスマート補給アラートの実用性を体験している。アスリートとしての経験が豊富な竹谷さんが自ら立てた計画は1時間に約90gの糖質を摂取するという内容で、それを数回に分けて摂取する。そして、システムが推奨するタイミングはその計画とほぼ一致していたという。

補給に慣れている人であれば、定期的に摂取するのはそう難しくはないと竹谷さんは言う。しかし、重要なのは後半の疲労時への対応だ。「レース後半で疲れてくると、補給に手を伸ばすのが億劫になってきたり、口にすること自体しんどくなってきたりするんですね。でも、そういう時に外部からアラートされると、やっぱり補給しなきゃと行動に移す後押しになる」。

レース後半になるにつれ、疲労によって下がってくる自分のクオリティを補ってくれるのが、この機能の真価ということだ。

ホビーサイクリストにこそメリットが大きいスマート補給アラート

竹谷さんがオーナーを務めるスペシャライズド幕張でも最新世代Edgeシリーズが販売されている photo:Kenta Onoguchi

ここまではレース中の補給に比較的慣れたアスリート目線の話。しかし、そもそもホビーサイクリストにとっては計画的な補給自体、難易度が高い。ポケットの補給食やボトルの水に手を伸ばすのを忘れていて、気がつけば力が出ないという経験は誰にでもあるはずだ。そんな状況でスマート補給アラートが通知してくれることで、定期的な補給を心がけられるようになる。

自転車のライド中にお店でしっかりと食事をしたいと考える状況は、既に補給が足りてないと竹谷さんはいう。つまり、すでにパフォーマンスは低下しているのだ。「補給を摂り続けるのはパフォーマンスの落ち込みを減らすためです。摂取してもスピードが速くなるわけではないですが、本来の実力を発揮できず遅くなることを防ぎ、ライド全体で平均的に速く走るためと考えてください」。

つまり、補給の意味はその瞬間に速くなることではなく、「コンビニ行くまで頑張ろうじゃなくて、コンビニへ行かなくてもいいように補給を摂取するイメージでライドに臨みたいですよね」と竹谷さんはいう。

慣れていないうちは「何kmで補給か?」と考えること自体が負担となるため、それが積み重なることで更に手が伸びなくなる。アスリートにおけるレース終盤と同じ状況だ。「その状態でライドを続けるとパフォーマンスが低下したまま走ることになり、辛い思いをすることになる。しっかりと補給を取ってサイクリングしていた方が気持ちよく、楽しく走れます。余裕が生まれることは、安全面にも寄与しますし、風景も楽しめるはずですから」と竹谷さんは言う。

パワーガイド:最適なペース配分で最後までサイクリングを楽しめるアドバイザー

ナビルートのプロフィールも表示してくれるため、直感的にパワーコントロールも行える

パワーガイドをEdge840の時代から使用してきた竹谷さんは、「知らない場所のイベントやレースに参加することも多く、特に海外レースなど、コースに馴染みがない時に活躍する」と評価する。

パワーガイドとは、ルートナビゲーション用に作成したデータにセクションごとのターゲットパワーを追加してくれる機能。例えば、平坦部分は100Wで走行し、頑張りどころである登りでは200Wで走行するように案内してくれ、それに従って走ることで目標通りのパフォーマンスを発揮できるというもの。

データを作成する際にFTP、バイクを含むライドギアの重量、乗車姿勢を予め設定すると、自分に合わせた数値が計算される。さらに、目標とする運動強度を設定でき、100%の力を発揮したいレースのようなシーンから、30%程度に抑えたいリカバリーライドまで対応可能。運動強度に関しては、ガーミンコネクトアプリで事前に設定するだけでなく、サイクルコンピューター本体から走行中に設定変更することも出来るので、ライド中に状況に合わせて調整することも出来る。

区間ごとのターゲットパワーなども事前に確認可能となっている photo:Kenta Onoguchi

FTPの事前設定が必要と聞くと本格的なパワートレーニングを想像する方も少なくないだろう。それは間違いないのだが、ガーミンコネクトを活用するのであれば、ランプテストなど厳しいテストを実施せずとも自動的にFTPを計算してくれる。つまり、FTPを使う機能であってもハードルは低くなっている。

ガーミンの統合的なナビゲーションを活用すれば、自分のパフォーマンスと地形的な情報、曲がり角などがすぐにわかるため、「ラリーのコ・パイロットがいるように情報が与えられながら走れる」とは竹谷さん。パワーの出し方も助手がいるような感覚と言う。

パワーガイドと現実との向き合いかた

パワーガイドに対して竹谷さんは「ピンポイントでみれば指示されるパワーが厳しいこともあります。その代わりに指示より大きなパワーで踏める区間もあるため、最終的には良い感じに落ち着いているという印象があります」という。

ClimbProもパワーガイド画面に反映されるため、ヒルクライムでも役立てられる

例えば、平坦でスピードを上げれば、それに応じて空気抵抗も大きくなるため、支払ったコストに対するリターンが小さくなることもある。一方、登りで頑張れば、スピードは伸びないかもしれないが、リターンが大きくなることもある。ライド全体で効率の良い走り方、タイムトライアルやトライアスロンのようなペーシングが行われているようだ。

パワーガイドの優れた点は、環境要因も自動で考慮することだ。風向きも自動的にパワーガイドに反映される。「風向きとか全部調べて、判断するのは手間なのは間違いないです。それを自動化してくれるのであれば楽できますよね」と竹谷さんは言う。特に周回するようなコースを走る場合は風向きは重要だ。

ペースコントロールに慣れていない方にパワーガイドは向いている

竹谷さんは明確に答える。「誰が使った方がいいの?というと、経験があまりない人が使った方が旨味はありますよね」と。

ライドにおけるペースコントロールは経験則によるものが大きい。曖昧な記憶を参考に「この登り坂であれば、一気に登り切れる」と判断したり、「あと何kmあるから無理するのはやめておこう」と考えたりする。感覚的に自分を信じることはできるが、経験が少ない場合はその判断が難しかったり、自分の決断に疑問を抱いたりしてしまう。

「パワーガイドは走り慣れていない方にとってメリットは大きい」竹谷賢二さん(エンデュアライフ) photo:Kenta Onoguchi

パワーガイドは力の出し方に関する判断をアウトソースできることが魅力だ。その内容は、ライダー個人がガーミンコネクトに蓄積したデータと、世界中のサイクリストから集めたビッグデータを元に算出される。ガーミンのアルゴリズムには、世界中の経験やノウハウが統合されている。

「競技者にとっての本番がレースであるならば、ホビーサイクリストの本番は週末のライドですよね。本番でその人なりの走り方ができると、その日の充実感は高まると思います」。つまり、トレーニングのような準備を重ねなくても、個人に合わせた良いパフォーマンスを発揮できることが、ライドのクオリティ向上に直結するという。

「サイクリングのペーシングは、どれだけ楽しい時間を増やせるかが大事です」と竹谷さんは語る。「逆に言えば苦しい時間を減らして、余裕をどれだけ持てるかが、サイクリングの楽しさに直結します」。

「サイクリングは余裕を持てた方が楽しめます」竹谷賢二さん(エンデュアライフ) photo:Kenta Onoguchi

例えばライド序盤で元気なうちに飛ばして、後半は疲労が溜まってしまうライドは「余裕がない」と竹谷さんはいう。「余裕がなくなると周りに気を配れなくなり、安全への配慮も少し疎かになります。何より自分へのご褒美やワクワク感が失われてしまいます。ライドの後半に絶景が待っているかもしれないのに、疲れて興味が持てなくなっているのは勿体ないです」。

リアルタイムスタミナとパワーガイドをチェックすることで、最後まで充実した時間を過ごせるようコントロールができる。ガーミンのこれらの機能はサイクリングを楽しむためという本来の目的に貢献する。そして新世代EDGEは、個人のライド体験だけでなく、仲間とのライドも充実させる。

GroupRide機能:仲間とのライド体験を上質にする先進機能

GroupRideがEdge 850/550ではより使いやすくなっている (c)ガーミン

スマート補給やパワーガイドはEDGEユーザーのパフォーマンスを最適化して、ライドのクオリティを高めようという機能だ。ガーミンは同時にGroupRide機能も充実させており、仲間とデバイス上でも連携することで、グループ全体のライドクオリティを高めてくれる。

GroupRide機能は昨年リリースされたEdge 1050から本格的にローンチされたもの。同じグループ内のライダーリスト表示とマップ上でのアイコン表示、メッセージ機能、リーダーボード機能をまとめた機能だ。仲間が今どこでどう走っているかが直感的にわかり、グループの一体感を醸成する。

シクロワイアードではEdge 1050登場時に特集しているため、以下のURLより記事をチェックしてもらいたい。

Edge 1050特集 Vol.1:仲間とのサイクリング体験をより良いものに ガーミンの新世代フラッグシップ・サイコン Edge1050に迫る
Edge 1050特集 Vol.2:ガーミンアンバサダー2名が語るEdge 1050 GroupRide機能で広がるサイクリングの可能性

GroupRide機能では速さだけではない表彰が行われる

GroupRide機能は仲間とのライドの可能性を広げる革新的な存在であり、その輪を広げるためにガーミンはEdge 840/540でもソフトウェアアップデートで使用可能としていた。そして、新しいプロセッサーを手に入れたEdge 850/550では今まで以上に気持ちよく使いこなせるようになっている。

Edge 1050の登場より1年経過した今、竹谷さんもGroupRide機能をショップライドなどで活用しているという。「数十人集まるライドではグループを二手に分けることもしばしばあります。そんな時にメンバーがどこを走っているかを早く把握できるのは役に立っています。特に信号待ちの少ない時間の中ではスマホを取り出せないことも多いですし」。

「素早く情報を確認できるのは安全性への寄与が一番大きいと思います。手元に目線を落としている時間が長ければ、その時間は周囲の確認ができないですから」と竹谷さんはEdgeで情報が完結することの重要性を感じている。そして、今作のディスプレイ改善なども大きく貢献しているのは間違いない。

バッテリー持続時間は約12時間〜

6時間30分のライド後でも50%の電池が残った

新世代EDGEのバッテリー持続時間は多くのサイクリストが関心事として注目した。特にミニマムが12時間と表記されており、丸一日をサドルの上で過ごすロードライドでは心許ないと感じられたサイクリストもいたはずだ。

この12時間という時間はMTBのダウンヒルなどで活用する5Hz(1秒間に5回位置情報を取得する)モードを使っていた場合のもの。マウンテンバイクで12時間行動は非常に長いものであるため、この時間であれば十分に活用できる。

バッテリーは他にもナビゲーションやセンサーの使用、画面の明るさ設定により、持続時間が変化するため、ガーミンは最も電力を使用する5Hzモードでの12時間と、節約モードでの36時間という値を公表した。

画面設定はほぼ初期設定のままテストを行なった

では実際に竹谷さんはどのように感じているかというと、アスリートらしくトレーニング時間は短めのため、バッテリーに不足を感じたことがないという。アイアンマンのレースでバイク180km(約5時間)、その前後のスタンバイを含めたとしても、残量が58%も維持されていた。

CW編集部員によるテストでは120km、行動時間は6時間30分オーバー/移動時間5時間30分足らずで残量は50%。単純に倍にするのであれば13時間程度は稼働できそう。ちなみにダッシュボードには節約モードに切り替えると29時間は稼働するという表示もされていた。

裏側に端子が備えられているため、専用アクセサリーを用いることで給電しながらライドが可能

この時の設定は輝度自動調整オン、バックライト常時点灯、表示モードは自動、ダウンヒル検知で5Hzモードに切り替えはオフ。ペアリング状況はスマホと心拍センサー、パワーメーターRALLYだ。ダウンヒル検知以外は初回起動時の設定のままのため、ランタイムを気にせず使用していても、12時間行動は可能そうだ。

新世代のEDGEは専用バッテリーパックや、USB-Cを通じてモバイルバッテリーからの給電を行いながらの使用も可能となっている。もし、超長時間ライドを行うのであれば、外部給電も検討した方が良いだろう。

細かな部分もアップデートされた新型Edge 850/550

広域の風向きを確認することで、ライドの予定を考えられる

新型Edge 850/550ではデバイス上でリアルタイム天気情報を確認可能となっている。これまでも現在位置の天気予報を確認できたが、今作ではマップ上に気温や雨雲、風向きを表示させることが可能となった。

この天気情報はトレーニングページではなく、ウィジェットに格納された天気ページからアクセス可能。当日の0時から3時間毎の変動をアニメーションのように表示してくれるため、気温の場合は増加・減少傾向を把握でき、雲の動きは自分に向かっているのか、風向きはどのように変動しているかも確認できる。

予報ではなく過去のデータを参照する機能のため、今とこれからの予測に役立てられる。特に風向きは長距離ライドではペースコントロールなどに重要で、情報を可視化することで向かい風などに対する心構えも整えられるのは嬉しい。

エリアごとの気温を確認できるため、ヒルクライムでは重宝しそうだ

一方でリアルタイム天気情報はある程度の広域地図でのみ活用できる。今現在ライダーがいるところの情報ではなく、配布されているデータのプロットのため、あくまでも参考程度での活用となることは注意してほしい。

新型Edgeにはデバイス上で直接コースを作成できる機能が搭載されている。これは目的地検索や地図上のピンなどを駆使してルート作成を行なってくれる機能で、ライド途中にカフェなどに寄り道する時に活躍してくれそうだ。

Edge 850ではベルを鳴らすことが可能となった

Edge 850にはスピーカーが内蔵されており、今までのビープ音とは異なる音色でライダーにアテンションを促す。非常にクリアに聞こえる音になっているため、周りの騒音が気になる公道でもしっかりとナビゲーションの案内に気が付くことが可能。ベルも内蔵しているため、安全性の向上にも貢献している。

総評:データを使う側になった新世代Edge

「Edgeシリーズはデータを記録するだけではなく、活用するためのデバイスへと進化しました」竹谷賢二さん(エンデュアライフ) photo:Kenta Onoguchi

新型となったEdge 850/550を竹谷さんは「データを記録するデバイスから、記録したデータを活かすデバイスへと変容している」と評価する。Edgeは各種センサーが取得した情報を表示、記録することが主目的だったが、ガーミンコネクトと各種機能の充実によって、データを加工し、ライダーのために役立てるようになった。

データに慣れていない初心者だけでなく、竹谷さんのような経験豊富なライダーにとっても使いやすいという。「データを活用することは非常にハードルが高いです。数値は眺めているだけでは活用しきれておらず、数値を自分の現状として認識して、それを改善する行動を検討し、実行する必要があります。小さなことが積み重なり、ハードルが高くなっていくので、データ活用は難しいです」。

新世代Edgeはデバイスが記録したデータをガーミンコネクトにアップロードするだけで、数値が持つ意味をガーミンが「サイクリング能力」や「持久力スコア」として翻訳してユーザーに伝えてくれる。そして、パワーガイドのような実践的な機能へと落とし込んでくれる。

ガーミンは取得したデータをわかりやすくライダーに伝えてくれる
FTPも指標から活用できるものとなった



Edge自体が多機能になっても、ユーザーのやることはシンプルになっていく。これが新世代EDGEの最大のメリットだ。記録媒体だったガーミンが、データを活用してくれるデバイスへと進化したのである。

一般のサイクリストにこそ、これらの機能は価値がある。気持ちよくライドするため、安全に走るため、そして自分の可能性を最大限に引き出すために、新世代EDGEは最適なパートナーとなるだろう。

-Edge 850Edge 550
サイズ54.6 x 92.2 x 16.8 mm54.6 x 92.2 x 16.8 mm
重量113 g110 g
防水等級IPX7IPX7
タッチスクリーン
ディスプレイタイプTFT LCDTFT LCD
ディスプレイサイズ対角2.7インチ対角2.7インチ
解像度420 x 600 ピクセル420 x 600 ピクセル
カラー表示
内蔵スピーカー
バッテリータイプ充電式リチウムイオン充電式リチウムイオン
稼働時間約12時間(5Hzの場合)/ バッテリー節約モード:約 36時間約12時間(5Hzの場合)/ バッテリー節約モード:約 36時間
バッテリー節約モード
ライド中の電源供給(Edgeパワーマウントおよび拡張バッテリーパック)
内蔵メモリストレージ64 GB32 GB
ポイント/お気に入り/位置200200
ナビゲーションルート100 コース100 コース
履歴最大200時間分最大200時間分
位置測位センサーGLONASS、Galileo、みちびき、GNSSマルチバンドGLONASS、Galileo、みちびき、GNSSマルチバンド
5 Hz GPS
磁力計
税込価格85,800円(本体のみ)、99,800円(センサーセット)71,800円
提供:ガーミン 制作:シクロワイアード編集部 写真:小野口健太