ツール初日の個人TTステージでは、トップ10に4人もの選手を送り込んだチームスカイの強さが目立った。ステージ優勝しマイヨジョーヌを獲得したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)始め、主要選手たちのコメントを紹介。



マイヨジョーヌを獲得したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)

マイヨ・ジョーヌを獲得したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)マイヨ・ジョーヌを獲得したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO
トップタイムを叩き出したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)トップタイムを叩き出したゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO今日は素晴らしい気分だよ。誰かが自分のタイムを上回るだろうと思っていたから、リラックスして待っていたんだ。この勝利には自分でも驚いているし、支えてくれた全ての人に感謝したい。

10歳の時に初めてツール・ド・フランスをテレビで見て自転車を始めたんだ。カメラの向こう側に映るイエロージャージは常に自分の夢だった。今年のチームスカイは強い。元TT世界チャンピオンのヴァシル・キリエンカもいるし、フルームは良い走りを見せただろう。今日は私たちにとって素晴らしい一日だったよ。

5秒差の2位でマイヨブランのシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)

シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)は新人賞を獲得シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシング)は新人賞を獲得 photo:Makoto.AYANO
勝てなかったのは残念だが、今日はトーマスが最も強かった。この日のためにシーズン初めから念入りに準備し、最善を尽くしたが、今日のようなウェットコンディションは難しかったね。リッチー・ポートも(他選手の)クラッシュが続いた後でのスタートだったので厳しかったことと思うが、タイムロスはあっても安全に走りきれたのは良かった。今後3週間に渡って素晴らしい走りを見せてくれると確信している。

個人的にもホワイトジャージ(マイヨブラン)を獲得できたことは大変嬉しい。ステージに上った時はもちろん鳥肌が立つような思いだったが、自分にとっての優先事項はステージ勝利ではなく、まず最初の1週間をリッチーが好調をキープできるようサポートすることだ。

8秒差の4位、TTアルカンシェルのトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)

トニー・マルティン(カチューシャ・アルペシン)は4位に終わるトニー・マルティン(カチューシャ・アルペシン)は4位に終わる photo:Makoto.AYANO
雨のコンディションは残念だったが、今日走った誰もが同じことを思っただろう。トーマスから8秒遅れてしまったが、何が悪かったか分析していきたい。周りのサポートは素晴らしく、自分にとって大きなモチベーションとなった。観客の皆が自分に向かって叫ぶ声援で無線が聞こえなかったほどさ。今日のステージから得られたものは大きいね。今日はラスト2kmでパワーを落としてしまったが、このような短いTTではよくあること。レースは始まったばかりで、やらなくてはいけない目標はまだまだ残っている。

ステージ5位 マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)

今日の自分のパフォーマンスには驚いている。満タンにしたガスを爆発させないように走るのが目標だった。何せあと3週間もレースは続くのだからね。気分良く走れたし、その上でこんな順位(5位)を取れるなんて思っても見なかった。こんなビッグなレースでトップ10に入れるなんて、これ以上のことはない。今日の結果は素晴らしく、今後への大きな自信になったよ。

ステージ5位・10秒差 マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)ステージ5位・10秒差 マッテオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) photo:Kei Tsuji / TDWsport49位に沈んだリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)49位に沈んだリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) photo:Makoto.AYANO

ステージ49位 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)

今日はとにかくコーナーを慎重に行くようにした。(チームメイトの)ニコラス・ロッシュの走りをサポートカーから見ていたけれど、今日は彼のベストな日ではなかった。それで余計緊張してしまったんだ。でもツールのスタートというのは素晴らしいものだ。今日のタイムにはがっかりしているが、最も重要なのは落車しないこと。路面はとても滑りやすかったからね。デッドフラット(死の平坦)とも言えるハードなタイムトライアルだった。危険なコーナーやラインを避けるために、かなり精神を削られるレースだった。

ステージ68位 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)

ステージ68位・54秒差 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)ステージ68位・54秒差 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) photo:Makoto.AYANOフルームはタイムを落とさなかったから、もしかしたらリスクを負った走りをしたのかもしれないが、彼が非常に速いということは明らかだ。重要なのはここからの展開。フルームから42秒失ってしまったが、レースはまだ始まったばかりでこれをひっくり返すチャンスは大いにある。既にフルームには先行されてしまっただけに、ここからは攻撃を続ける以外に手はない。

アレハンドロ(・バルベルデ)が落車したと聞いて、コーナーは慎重に行こうと決めた。安全にコーナーを抜けながらも直線では高速走行を維持したよ。フルームは我々に大きな差を見せつけたが、山岳コースに入り足の様子を見るまでは、どんな作戦でいくかはまだ分からない。

初日からチームのエースを失った新城幸也(バーレーン・メリダ)

雨のなかフィニッシュまで1kmを走る新城幸也(バーレーン・メリダ)雨のなかフィニッシュまで1kmを走る新城幸也(バーレーン・メリダ) photo:Makoto.AYANO
今日はチームにとって最悪なスタートとなってしまった。チームのエース、イザギレを失った。でも、ツールは始まっている。自分たちは止まることは出来ない。みんなで力を合わせて勝利を目指しシャンゼリゼまで進み続ける。

自分としては待ちに待ったツールが開幕、やはりツールは格別だ。沿道の応援が桁違いで、日本の国旗もたくさん見えた。コースはかなりスリッピーたったので、ゆっくりと慎重に。直線は良いテンポで走り切れた。明日からが本番。エースを失ったチームでも、勝ちをあきらめたわけではない(Team ユキヤ通信より)。

text:Yuto.Murata
photo:Makoto.AYANO,Kei Tsuji / TDWsport

最新ニュース(全ジャンル)