オフシーズン突入前の興行レースとして、毎年多くのタレント選手を集めるアムステル・キュラソー・レースが、今年もカリブ海に浮かぶキュラソー島で開催された。メインレースはマイヨジョーヌを着たアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)が優勝した。

イルカと戯れるアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)とフランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)イルカと戯れるアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)とフランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) photo:Cor Vosキュラソー島は、ベネズエラの北部、カリブ海に浮かぶオランダ領アンティルの中心的な島。レーススポンサーはアムステル・ゴールドレースと同じオランダのビール会社「アムステル」だ。

このオフシーズン突入前の名物レースには毎年多くのトップ選手が休暇を兼ねて出場する。歴代の優勝者を見ると、2004年オスカル・フレイレ(スペイン)、2005年トム・ボーネン(ベルギー)、2006年アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)、2007年アルベルト・コンタドール(スペイン)、2008年アンディ・シュレク(ルクセンブルク)。その出場選手の豪華さは歴然だ。

ビーチバレーに興じるアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)ビーチバレーに興じるアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) photo:Cor Vos今年は優勝経験者のコンタドールとアンディの他、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア・HTC)、トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ)、エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)、ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)らが顔を揃えた。

温暖な気候のため、各選手ともレース前にはダイビングやビーチバレーなどバカンスを堪能。メインレースの前々日に開催されたクリテリウムはファンケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)が優勝している。

マイヨジョーヌを着て走るアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)とマイヨヴェールのトル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ)マイヨジョーヌを着て走るアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)とマイヨヴェールのトル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ) photo:Cor Vos今大会は興行レースの意味合いが強く、UCI(国際自転車競技連合)のルールが適用されない。そのためコンタドールはマイヨジョーヌ、フースホフトはマイヨヴェール、アンディはマイヨブランを着ての出場。さながら7月のツール・ド・フランスの再現といったところ。

起伏のある73.6kmで行なわれたメインレースは、オランダチャンピオンのコース・ムーレンハウト(オランダ、ラボバンク)が終盤にアタックを仕掛け、コンタドールとフースホフトが反応。そこからアタックを成功させたコンタドールが独走に持ち込み、お決まりの小銃発射ポーズでゴール。勝利で2009年シーズンを締めくくった。

マイヨジョーヌを着て優勝したアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)マイヨジョーヌを着て優勝したアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) photo:Cor Vos法的にアスタナ離脱が可能となり、ガーミン・スリップストリームやケースデパーニュ、クイックステップからオファーを受けたされるコンタドール。しかしイタリアのガゼッタ紙によると、アスタナは破格の年俸800万ユーロ(約10億8000万円)の4年契約を提示するなど、コンタドールのチーム残留に躍起だ。現段階ではまだツール・ド・フランス2勝男の去就は確定していない。


アムステル・キュラソー・レース結果
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)
2位 トル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ)
3位 コース・ムーレンハウト(オランダ、ラボバンク)
4位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア・HTC)
5位 ファンケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)
6位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)

ジャンティエル・クリテリウム結果
1位 ファンケニーロバート・ファンヒュンメル(オランダ、スキル・シマノ)
2位 ジョニー・フーガーランド(オランダ、ヴァカンソレイユ)
3位 ブリース・フェイユ(フランス、アグリチュベル)

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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