2016/07/05(火) - 09:09
前半からソロエスケープが続いたため、スローな展開になったツール第3ステージ。スプリントで2勝目を飾ったカヴェンディッシュや2位のグライペル、マイヨジョーヌを守ったサガンらのコメントを紹介します。
ステージ2勝目を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)
どんなに僅差のスプリントでも、自分が勝ったか負けたかどうかは分かる。でも今日は勝ったかどうか確信がもてなかった。自分が勝ったとは思ったけど、今日よりも小さな差で負けた経験もあるし、本当に分からなかったんだ。
今朝はチームバスの中で長い時間をかけてミーティングを行い、フィニッシュ地点のレイアウトを確認して作戦を立てた。そしてロジャー・ハモンド監督が告げた作戦を、チームとして完璧にやり遂げたんだ。チームメイトたちは冷静さを失わず、作戦に沿って走り続けた。おそらくチームが全開で走れば残り数キロから完全に主導権を握ることだってできたけど、忍耐強くタイミングを待ち続けた。エドヴァルド(ボアッソンハーゲン)は冷静だったし、マーク(レンショー)も同様に冷静だった。正しいタイミングで彼らに引き上げられ、アンドレ・グライペルの番手を取ったんだ。
今日は最後の追い込みが勝利につながると思っていた。早めに仕掛けるであろうアンドレの後ろからスプリントするのが得策だと思っていた。その狙い通り、差し切る事が出来てよかったよ。今日はスプリントで勝ったのではなく、最後のハンドル投げで勝敗が分かれた。
ディメンションデータにとってこの上ない勝利。このチームのエースとして走ることを誇りに思っている。チームがツールに参戦している理由の一つであるキュベカ基金に少しでも力添えすることができて本当に嬉しい。
僅差の2位に終わったアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
残念な結果になってしまった。わずか数ミリの差で敗れた。最後の最後でカヴェンディッシュの方がわずかに速かった。カヴェンディッシュは強い。彼にとってこれがステージ通算28勝目であり、今も昔も良い強力なライバルだ。
今日のスプリントは混沌としていて、残り6〜7kmからチームとしてまとまるのが難しかった。最後はユルゲン・ルーランズにリードアウトされ、良いポジションからスプリント。緩斜面のスプリントだったので徐々にスピードを失ってしまった。でもチームとして勝てることを証明できたし、明日も引き続きチームでステージ優勝を狙うよ。
追い込んでステージ3位に入ったブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)
今日のフィニッシュ地点は地元に近く、多くのファンや友人が集まっていたので、彼らの前で勝ちたかった。ディレクトエネルジーは良いリードアウトトレインを組んだものの、先頭に出るのが早すぎた。明日のステージまでにしっかり連携を再確認したい。
自分の調子は日を追うごとに良くなっている。今日のスプリントは後方からの追い上げだったけど、先頭まであとわずかのところまで上がることが出来た。明日のリモージュのフィニッシュはトリッキーだけど、挑戦を続け、勝利を掴みたい。
マイヨジョーヌを守ったペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)
長い1日だった。220kmのうち最初の200kmはずっとスローな展開で、残り20kmを切ってからようやくレースが始まった。前半はあまりにも単調だったので、カフェに立ち寄ってコーヒーでも飲みたい気分だった。
マイヨジョーヌを着て走りながらも、マイヨヴェールのためにスプリントに絡んでポイントを稼がないといけない。最終スプリントはクレイジーだったけど、クレイジーじゃないスプリントなんてない。まずは落車せずに乗り切って、マイヨジョーヌを守ったことを喜びたい。明日も集団スプリントに持ち込まれる可能性が高いので、しっかり勝負に絡んで、1日でも長くこのマイヨジョーヌを着たいと思う。
ステージ7位に終わったマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
エティックス・クイックステップは残り25km地点から全開で集団を牽引。そのまま最後の勝負に持ち込んだけど、リードアウトトレインが先頭に出るのが早すぎた。最終的に他のチームにスピード負けしてしまい、前をふさがれてスプリントできなかった。
失敗から学ばなければならない。冷静に何がダメだったかを振り返り、改善につなげたい。調子は良く、脚も回っているので、明日以降のステージで再び勝利を狙う。
長時間単独で逃げたアルマンド・フォンセカ(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)
140kmにわたって逃げた……しかも単独で!できれば複数名で逃げたかったけど、誰も反応せず、ずっと単独で逃げ続けることになった。残り84km地点でトマ・ヴォクレールが集団を飛び出したことを知らされたのでペースダウン。彼が合流してから再びペースを上げ、協力してメイン集団を引き離した。
敢闘賞を獲得できずに残念な結果になってしまった。でも敢闘賞のために走っているわけじゃない。チームはこのツール・ド・フランスでステージ優勝することと、エドゥアルド・セプルベダの総合上位を目標に戦っている。今日はブルターニュを走る唯一のステージだったので、逃げて優勝を飾りたいと思っていた。地元を走るコースだったので興奮したよ。応援が大きくて耳が痛くなった。
敢闘賞を獲得したトマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)
(残り87kmの)アタックは予定していなかった。単調で面白味のないステージだったので、何かレースにスパイスを加えたくてアタックしたんだ。
一日中逃げていたわけじゃないので、エネルギーを無駄遣いしたとは思わない。コカ(コカール)のためにリードアウトトレインを組めるスピードを持ち合わせていないので、逃げでチャンスを狙うのが自分の役割なんだ。
落車せずに第3ステージを終えたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
今日は安全に乗り切った。でも脚に痛みがあるのでペダルに強い力を込めることができずにいる。昨日の落車で痛めた左脚が一番の問題。何よりもまず早くホテルに戻って、明日に向けてリカバリーしたい。今年のツールは今のところ厳しいものになっているが、21ステージのうち3ステージが終わっただけ。落車続きだったけど気持ちは切れていない。
text:Kei Tsuji
ステージ2勝目を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)
どんなに僅差のスプリントでも、自分が勝ったか負けたかどうかは分かる。でも今日は勝ったかどうか確信がもてなかった。自分が勝ったとは思ったけど、今日よりも小さな差で負けた経験もあるし、本当に分からなかったんだ。
今朝はチームバスの中で長い時間をかけてミーティングを行い、フィニッシュ地点のレイアウトを確認して作戦を立てた。そしてロジャー・ハモンド監督が告げた作戦を、チームとして完璧にやり遂げたんだ。チームメイトたちは冷静さを失わず、作戦に沿って走り続けた。おそらくチームが全開で走れば残り数キロから完全に主導権を握ることだってできたけど、忍耐強くタイミングを待ち続けた。エドヴァルド(ボアッソンハーゲン)は冷静だったし、マーク(レンショー)も同様に冷静だった。正しいタイミングで彼らに引き上げられ、アンドレ・グライペルの番手を取ったんだ。
今日は最後の追い込みが勝利につながると思っていた。早めに仕掛けるであろうアンドレの後ろからスプリントするのが得策だと思っていた。その狙い通り、差し切る事が出来てよかったよ。今日はスプリントで勝ったのではなく、最後のハンドル投げで勝敗が分かれた。
ディメンションデータにとってこの上ない勝利。このチームのエースとして走ることを誇りに思っている。チームがツールに参戦している理由の一つであるキュベカ基金に少しでも力添えすることができて本当に嬉しい。
僅差の2位に終わったアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)
残念な結果になってしまった。わずか数ミリの差で敗れた。最後の最後でカヴェンディッシュの方がわずかに速かった。カヴェンディッシュは強い。彼にとってこれがステージ通算28勝目であり、今も昔も良い強力なライバルだ。
今日のスプリントは混沌としていて、残り6〜7kmからチームとしてまとまるのが難しかった。最後はユルゲン・ルーランズにリードアウトされ、良いポジションからスプリント。緩斜面のスプリントだったので徐々にスピードを失ってしまった。でもチームとして勝てることを証明できたし、明日も引き続きチームでステージ優勝を狙うよ。
追い込んでステージ3位に入ったブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー)
今日のフィニッシュ地点は地元に近く、多くのファンや友人が集まっていたので、彼らの前で勝ちたかった。ディレクトエネルジーは良いリードアウトトレインを組んだものの、先頭に出るのが早すぎた。明日のステージまでにしっかり連携を再確認したい。
自分の調子は日を追うごとに良くなっている。今日のスプリントは後方からの追い上げだったけど、先頭まであとわずかのところまで上がることが出来た。明日のリモージュのフィニッシュはトリッキーだけど、挑戦を続け、勝利を掴みたい。
マイヨジョーヌを守ったペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)
長い1日だった。220kmのうち最初の200kmはずっとスローな展開で、残り20kmを切ってからようやくレースが始まった。前半はあまりにも単調だったので、カフェに立ち寄ってコーヒーでも飲みたい気分だった。
マイヨジョーヌを着て走りながらも、マイヨヴェールのためにスプリントに絡んでポイントを稼がないといけない。最終スプリントはクレイジーだったけど、クレイジーじゃないスプリントなんてない。まずは落車せずに乗り切って、マイヨジョーヌを守ったことを喜びたい。明日も集団スプリントに持ち込まれる可能性が高いので、しっかり勝負に絡んで、1日でも長くこのマイヨジョーヌを着たいと思う。
ステージ7位に終わったマルセル・キッテル(ドイツ、エティックス・クイックステップ)
エティックス・クイックステップは残り25km地点から全開で集団を牽引。そのまま最後の勝負に持ち込んだけど、リードアウトトレインが先頭に出るのが早すぎた。最終的に他のチームにスピード負けしてしまい、前をふさがれてスプリントできなかった。
失敗から学ばなければならない。冷静に何がダメだったかを振り返り、改善につなげたい。調子は良く、脚も回っているので、明日以降のステージで再び勝利を狙う。
長時間単独で逃げたアルマンド・フォンセカ(フランス、フォルトゥネオ・ヴァイタルコンセプト)
140kmにわたって逃げた……しかも単独で!できれば複数名で逃げたかったけど、誰も反応せず、ずっと単独で逃げ続けることになった。残り84km地点でトマ・ヴォクレールが集団を飛び出したことを知らされたのでペースダウン。彼が合流してから再びペースを上げ、協力してメイン集団を引き離した。
敢闘賞を獲得できずに残念な結果になってしまった。でも敢闘賞のために走っているわけじゃない。チームはこのツール・ド・フランスでステージ優勝することと、エドゥアルド・セプルベダの総合上位を目標に戦っている。今日はブルターニュを走る唯一のステージだったので、逃げて優勝を飾りたいと思っていた。地元を走るコースだったので興奮したよ。応援が大きくて耳が痛くなった。
敢闘賞を獲得したトマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)
(残り87kmの)アタックは予定していなかった。単調で面白味のないステージだったので、何かレースにスパイスを加えたくてアタックしたんだ。
一日中逃げていたわけじゃないので、エネルギーを無駄遣いしたとは思わない。コカ(コカール)のためにリードアウトトレインを組めるスピードを持ち合わせていないので、逃げでチャンスを狙うのが自分の役割なんだ。
落車せずに第3ステージを終えたアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)
今日は安全に乗り切った。でも脚に痛みがあるのでペダルに強い力を込めることができずにいる。昨日の落車で痛めた左脚が一番の問題。何よりもまず早くホテルに戻って、明日に向けてリカバリーしたい。今年のツールは今のところ厳しいものになっているが、21ステージのうち3ステージが終わっただけ。落車続きだったけど気持ちは切れていない。
text:Kei Tsuji
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