2009/10/19(月) - 20:39
最終周回、先頭は佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)とシマノ狩野智也・野寺秀徳。さらに畑中勇介がこれに加わろうと迫る。1対3の圧倒的不利な状況から佐野は力で抜け出し、見事Jサイクルツアー3勝目を挙げた。女子はリーダー逆転のかかったレース。年間王者を賭けて最終戦は白熱した戦いとなった。
10月18日(日)、石川県輪島市門前町で第2回禅の里ロードレースin輪島が行われた。4月の群馬で開幕した今年のJサイクルツアーも、ここ輪島で最終第12戦を迎えた。
昨年の第1回大会は土井雪広(スキルシマノ)が中村誠(チームブリヂストン・アンカー)を下して優勝。そのとおりに登坂の厳しいコースだ。1周12.6kmに二つ大きな上りがある。一つ目は急勾配の標高差220m、二つ目は見晴らしの良い直線状の標高差90m。下りでの挽回は難しいため、登坂力や独走力に優れる選手が有利だ。
FRクラス
FRクラスは年間女王の座が入れ替わるレースだ。暫定1位の豊岡英子(パナソニックレディース)に15点差で森田正美(チームブリヂストン・アンカーFR)が付く。豊岡は同日開催の全日本選手権トラックに出場しているため、森田は入賞レベルで逆転が可能だが、もちろん勝利で逆転したいところだ。
スタートから森田が先頭に立ち集団を率いる。一つ目の上りは「自分のペースで」上る。食らい付いた18歳の星川恵利奈(MUUR ZERO)も離れて早々に独走開始。橋本みどり(なるしまフレンド)と星川が2位グループで追走する。ローテーションする2人だが1周目後半には橋本が先頭を引く時間が長くなり、2周目に星川が離れて上位3人は独走に。そのまま森田はゴール、優勝でJフェミニン年間リーダーとなった。
TRクラス
TRクラスは7周88.6kmのレース。注目選手は佐野、野寺秀徳、阿部嵩之(シマノレーシング)、中村誠(ダイハツ・ボンシャンス飯田)、伊丹健治(チームブリヂストン・アンカー)らだ。佐野と阿部は調子が上がっており何よりもフィジカル面で強さを見せている。実力者野寺はまだ勝利していない。地元石川県登録の中村は昨年2位、そしてその中村を昨年献身的にアシストしたのは伊丹だ。
パレード走行の後、上りに入る。阿部嵩之(シマノレーシング)がハイペースでひっぱり、これに中村、栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)らが加わる。10%前後の坂にもかかわらず早くも一列棒状に。
頂上前後で抜け出した4人が先行する。佐野、阿部、中村、外勢健一朗(ダイハツ・ボンシャンス飯田)だ。二つ目の上りで中村はメンバーを見てメイン集団に戻る。
2周目一つ目の上りでメイン集団が10秒差まで接近する。ここで佐野は先頭に残り、後から狩野智也(シマノレーシング)、野寺、平塚吉光(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)、二戸康寛(なるしまフレンドレーシングチーム八王子)、奈良基(ダイハツ・ボンシャンス飯田)の6人が先頭グループを形成する。
3周目で奈良が離れて先頭は5人に。平塚も4周目と5周目に離れかけるが下りで復帰する。メイン集団とは30秒差前後の差だったが、しだいに離れて2分差にまで広がる。そのメイン集団をおもに引くのは伊丹。ブリッツェンやオーベストも加わる。5周目に二戸が離れる。メイン集団も鈴木真理らのペースアップでその数を減らしていく。
6周目、粘っていた平塚が離れて先頭は佐野、狩野、野寺の3人に。さらにメイン集団から畑中が単独抜け出して猛追する。最終周回、先頭の3人に畑中が10秒差にまで詰める。ここで佐野はペースを上げる。一つ目の上りで野寺が離れ、下りで復帰。二つ目の上りも同じく佐野がペースを上げる。ここで野寺が離れる。そして追い詰めた畑中も再び離されてしまう。
佐野と狩野の2人で最後の下りへ。ここを佐野は「スプリントの脚を残して」先頭で下る。そしてゴール、佐野が狩野を振り切りガッツポーズで駆け抜ける。
畑中も入れれば1対3の圧倒的不利な状況。7月の石川ロードの再現かと思われたが、佐野は自らの力でシマノ3人をふるい落として圧倒的な力で勝利を手に入れた。小川、大町美麻(ステージ2勝)に次ぐJサイクルツアー3勝は今年の年間最多だ。
有志が意見書を提出
レースの後に、全日本実業団自転車競技連盟登録チーム有志一同が同連盟へ意見書を提出した。すでに発表されている来季TR登録の各要項に対しての要望を記載、多数チームの署名が添付された。
結果
TRクラス 88.6km
1位 佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)2時間37分30秒(AVS33.75km/h)
2位 狩野智也(シマノレーシング)
3位 野寺秀徳(シマノレーシング)+17秒
4位 畑中勇介(シマノレーシング)+54秒
5位 真鍋和幸(TEAM NIPPO-COLNAGO)+2分24秒
6位 長沼隆行(UTSUNOMIYA BLITZEN)+2分25秒
7位 阿部嵩之(シマノレーシング)
8位 西谷雅史(オーベストディープラスデザイン)+2分29秒
9位 鈴木真理(シマノレーシング)+2分32秒
10位 山下貴宏(TEAM NIPPO-COLNAGO)+4分17秒
FRクラス 25.6km
1位 森田正美(チームブリヂストン・アンカーFR)52分00秒(29.52km/h)
2位 橋本みどり(なるしまフレンド)+1分26秒
3位 星川恵利奈(MUUR ZERO)+2分22秒
BR-1クラス 50.8km
1位 アドリエン・カラタユー(NFCC)1時間32分42秒(AVS32.87km/h)
2位 田崎友康(F(t) Racing)
3位 織田修平(DOKYUレーシングクラブ)+01秒
4位 石垣賢(BREZZAカミハギRT)
5位 角田昌洋(エルドラード)
6位 江下健太郎(TeamモトクロスSalsa)
ERクラス 38.2km
1位 海藤稜馬(エルドラード)1時間09分13秒(AVS33.10km/h)
2位 松原創平(チームオーベスト)+33秒
3位 釘町友樹(Team Comrade)+36秒
4位 矢澤友久(超人☆倶楽部田中産業)+1分53秒
5位 藤原真(DOKYUレーシングクラブ)
6位 松本翼(Team Comrade)
Jサイクルツアー チーム成績
1位 シマノレーシング 2230点
2位 TEAM NIPPO-COLNAGO 1221点
3位 UTSUNOMIYA BLITZEN 638点
Jサイクルツアー 個人成績
1位 鈴木真理(シマノレーシング)900点
2位 野寺秀徳(シマノレーシング)760点
3位 佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)555点
Jサイクルツアー U26
1位 長沼隆行(UTSUNOMIYA BLITZEN)395点
Jフェミニン 個人成績
1位 森田正美(チームブリヂストン・アンカーFR)1270点
2位 豊岡英子(パナソニックレディース)1134点
3位 CHISAKO(UTSUNOMIYA BLITZEN FR)938点
photo&text:高木秀彰
10月18日(日)、石川県輪島市門前町で第2回禅の里ロードレースin輪島が行われた。4月の群馬で開幕した今年のJサイクルツアーも、ここ輪島で最終第12戦を迎えた。
昨年の第1回大会は土井雪広(スキルシマノ)が中村誠(チームブリヂストン・アンカー)を下して優勝。そのとおりに登坂の厳しいコースだ。1周12.6kmに二つ大きな上りがある。一つ目は急勾配の標高差220m、二つ目は見晴らしの良い直線状の標高差90m。下りでの挽回は難しいため、登坂力や独走力に優れる選手が有利だ。
FRクラス
FRクラスは年間女王の座が入れ替わるレースだ。暫定1位の豊岡英子(パナソニックレディース)に15点差で森田正美(チームブリヂストン・アンカーFR)が付く。豊岡は同日開催の全日本選手権トラックに出場しているため、森田は入賞レベルで逆転が可能だが、もちろん勝利で逆転したいところだ。
スタートから森田が先頭に立ち集団を率いる。一つ目の上りは「自分のペースで」上る。食らい付いた18歳の星川恵利奈(MUUR ZERO)も離れて早々に独走開始。橋本みどり(なるしまフレンド)と星川が2位グループで追走する。ローテーションする2人だが1周目後半には橋本が先頭を引く時間が長くなり、2周目に星川が離れて上位3人は独走に。そのまま森田はゴール、優勝でJフェミニン年間リーダーとなった。
TRクラス
TRクラスは7周88.6kmのレース。注目選手は佐野、野寺秀徳、阿部嵩之(シマノレーシング)、中村誠(ダイハツ・ボンシャンス飯田)、伊丹健治(チームブリヂストン・アンカー)らだ。佐野と阿部は調子が上がっており何よりもフィジカル面で強さを見せている。実力者野寺はまだ勝利していない。地元石川県登録の中村は昨年2位、そしてその中村を昨年献身的にアシストしたのは伊丹だ。
パレード走行の後、上りに入る。阿部嵩之(シマノレーシング)がハイペースでひっぱり、これに中村、栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)らが加わる。10%前後の坂にもかかわらず早くも一列棒状に。
頂上前後で抜け出した4人が先行する。佐野、阿部、中村、外勢健一朗(ダイハツ・ボンシャンス飯田)だ。二つ目の上りで中村はメンバーを見てメイン集団に戻る。
2周目一つ目の上りでメイン集団が10秒差まで接近する。ここで佐野は先頭に残り、後から狩野智也(シマノレーシング)、野寺、平塚吉光(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)、二戸康寛(なるしまフレンドレーシングチーム八王子)、奈良基(ダイハツ・ボンシャンス飯田)の6人が先頭グループを形成する。
3周目で奈良が離れて先頭は5人に。平塚も4周目と5周目に離れかけるが下りで復帰する。メイン集団とは30秒差前後の差だったが、しだいに離れて2分差にまで広がる。そのメイン集団をおもに引くのは伊丹。ブリッツェンやオーベストも加わる。5周目に二戸が離れる。メイン集団も鈴木真理らのペースアップでその数を減らしていく。
6周目、粘っていた平塚が離れて先頭は佐野、狩野、野寺の3人に。さらにメイン集団から畑中が単独抜け出して猛追する。最終周回、先頭の3人に畑中が10秒差にまで詰める。ここで佐野はペースを上げる。一つ目の上りで野寺が離れ、下りで復帰。二つ目の上りも同じく佐野がペースを上げる。ここで野寺が離れる。そして追い詰めた畑中も再び離されてしまう。
佐野と狩野の2人で最後の下りへ。ここを佐野は「スプリントの脚を残して」先頭で下る。そしてゴール、佐野が狩野を振り切りガッツポーズで駆け抜ける。
畑中も入れれば1対3の圧倒的不利な状況。7月の石川ロードの再現かと思われたが、佐野は自らの力でシマノ3人をふるい落として圧倒的な力で勝利を手に入れた。小川、大町美麻(ステージ2勝)に次ぐJサイクルツアー3勝は今年の年間最多だ。
有志が意見書を提出
レースの後に、全日本実業団自転車競技連盟登録チーム有志一同が同連盟へ意見書を提出した。すでに発表されている来季TR登録の各要項に対しての要望を記載、多数チームの署名が添付された。
結果
TRクラス 88.6km
1位 佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)2時間37分30秒(AVS33.75km/h)
2位 狩野智也(シマノレーシング)
3位 野寺秀徳(シマノレーシング)+17秒
4位 畑中勇介(シマノレーシング)+54秒
5位 真鍋和幸(TEAM NIPPO-COLNAGO)+2分24秒
6位 長沼隆行(UTSUNOMIYA BLITZEN)+2分25秒
7位 阿部嵩之(シマノレーシング)
8位 西谷雅史(オーベストディープラスデザイン)+2分29秒
9位 鈴木真理(シマノレーシング)+2分32秒
10位 山下貴宏(TEAM NIPPO-COLNAGO)+4分17秒
FRクラス 25.6km
1位 森田正美(チームブリヂストン・アンカーFR)52分00秒(29.52km/h)
2位 橋本みどり(なるしまフレンド)+1分26秒
3位 星川恵利奈(MUUR ZERO)+2分22秒
BR-1クラス 50.8km
1位 アドリエン・カラタユー(NFCC)1時間32分42秒(AVS32.87km/h)
2位 田崎友康(F(t) Racing)
3位 織田修平(DOKYUレーシングクラブ)+01秒
4位 石垣賢(BREZZAカミハギRT)
5位 角田昌洋(エルドラード)
6位 江下健太郎(TeamモトクロスSalsa)
ERクラス 38.2km
1位 海藤稜馬(エルドラード)1時間09分13秒(AVS33.10km/h)
2位 松原創平(チームオーベスト)+33秒
3位 釘町友樹(Team Comrade)+36秒
4位 矢澤友久(超人☆倶楽部田中産業)+1分53秒
5位 藤原真(DOKYUレーシングクラブ)
6位 松本翼(Team Comrade)
Jサイクルツアー チーム成績
1位 シマノレーシング 2230点
2位 TEAM NIPPO-COLNAGO 1221点
3位 UTSUNOMIYA BLITZEN 638点
Jサイクルツアー 個人成績
1位 鈴木真理(シマノレーシング)900点
2位 野寺秀徳(シマノレーシング)760点
3位 佐野淳哉(TEAM NIPPO-COLNAGO)555点
Jサイクルツアー U26
1位 長沼隆行(UTSUNOMIYA BLITZEN)395点
Jフェミニン 個人成績
1位 森田正美(チームブリヂストン・アンカーFR)1270点
2位 豊岡英子(パナソニックレディース)1134点
3位 CHISAKO(UTSUNOMIYA BLITZEN FR)938点
photo&text:高木秀彰
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