2016/03/16(水) - 06:12
ティレーノ〜アドリアティコ最終日の10.1km個人タイムトライアルでファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード)が最速タイム。サガンをわずか1秒差で下したグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)が大会初制覇を果たした。
「世界選手権やオリンピックに匹敵するような特別な勝利。サンベネデット・デル・トロントでの勝利は4回目であり、これが最後の勝利だ」。キャリア最後のシーズン序盤から勝利を重ね、ティレーノ〜アドリアティコを勝利で締めくくったカンチェラーラはそう語った。
アドリア海に面したサンベネデット・デル・トロントで行われる毎年恒例の平坦な個人タイムトライアル。カンチェラーラは自身が1年前に記録した優勝タイム11分23秒(平均52.7km/h)を大きく上回る11分08秒(平均54.431km/h)をマークし、ストラーデビアンケに続く今シーズン4勝目を飾った。
「ティレーノ開幕時は100%のコンディションではなかったけど、良い感触が戻ってきている。第5ステージのキャンセルは自分に味方したと思うし、全体的に見て良い判断だった。今はミラノ〜サンレモに向けて身体を休めたい」とカンチェラーラ。3日後の3月18日に35歳の誕生日を迎えるスパルタクスがクラシックシーズンに向けて順調な仕上がりを見せた。
トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)をはじめとするTTスペシャリストがステージ上位に名前を連ねる中、総合3位のペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)が好走する。総合逆転を狙うサガンはカンチェラーラから24秒遅れ、そして総合首位ファンアフェルマートよりも7秒速い11分32秒でステージ10位に入ったが、ブルージャージを奪うには1秒足りなかった。
「複雑な心境だ。確かに1秒という僅差で総合優勝を逃したことは悔しいけど、第5ステージがキャンセルされていなければこの総合のチャンスもなかった。今日よりも昨日の敗北による精神的なダメージの方が大きかったよ。今のコンディションには満足しているし、今シーズンの目標に向けて仕上がっていることを確認できた」と、総合2位で7日間の戦いを終えたサガンは語る。
辛くも総合リードを守り、総合優勝者の証であるブルージャージと槍のトロフィーを受け取ったファンアフェルマートは「中間計測のタイムを聞きながら、とにかく全力でペダルを回し続けた。全力を出し切れるかどうかが勝負の分かれ道。コーナーが連続するようなコースが得意で、今日のような真っ直ぐな平坦路は苦手分野だけど、決して悪い走りではなかったと思う」とウィニングランを振り返る。
ベルギー人によるティレーノ制覇は1977年のロジェ・デフラミンク以来、実に39年ぶり。ファンアフェルマートはHCレースのツール・ド・ワロニーやツアー・オブ・ベルギーでの総合優勝経験はあるが、UCIワールドツアーステージレースでの総合優勝は初めて。「総合優勝は完全に予想外だ。一生のうちに一度あるかないかのチャンスだった。デフラミンクをはじめとする歴代チャンピオンの名前が刻まれたレコードブックに自分の名前が入るなんて誇らしいよ。これまで不運続きだったけど、今シーズンは運が味方してくれている。エンジンの準備は整っているのでクラシックシーズンでも大きな勝利を収めたい」。
また、ファンアフェルマートはライバルのサガンについて「彼より前でフィニッシュすることは優勝を意味している。2位続きの気持ちは自分もよく知っているし、サガンはフラストレーションが溜まっていると思う。遅かれ早かれ世界チャンピオンの勝利はやってくると思うよ」と語っている。
ステージ81位に沈んだ総合2位ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)に代わって、チームメイトのボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク)が総合表彰台を獲得。ユンヘルスは同時にヤングライダー賞も獲得している。
選手コメントはレース公式リリースより。
ティレーノ〜アドリアティコ2016第7ステージ結果
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード) 11’08”
2位 ヨアン・レボン(フランス、FDJ) +13”
3位 トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +15”
4位 アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター)
5位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、ティンコフ) +17”
6位 アレクサンドル・ジェニエ(フランス、FDJ) +18”
7位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) +19”
8位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ) +20”
9位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング) +22”
10位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +24”
16位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) +26”
18位 セバスティアン・ライヘンバッハ(スイス、FDJ) +27”
19位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
23位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) +31”
25位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +33”
34位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) +39”
55位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ) +49”
56位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +50”
81位 ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ) +57”
93位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)+1’02”
個人総合成績
1位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) 20h42’22”
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +01”
3位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +23”
4位 セバスティアン・ライヘンバッハ(スイス、FDJ) +24”
5位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
6位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) +29”
7位 ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ) +33”
8位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) +39”
9位 バウク・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +45”
10位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ) +48”
ポイント賞
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)
山岳賞
1位 チェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・アルゴン18)
ヤングライダー賞
1位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)
チーム総合成績
1位 エティックス・クイックステップ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
「世界選手権やオリンピックに匹敵するような特別な勝利。サンベネデット・デル・トロントでの勝利は4回目であり、これが最後の勝利だ」。キャリア最後のシーズン序盤から勝利を重ね、ティレーノ〜アドリアティコを勝利で締めくくったカンチェラーラはそう語った。
アドリア海に面したサンベネデット・デル・トロントで行われる毎年恒例の平坦な個人タイムトライアル。カンチェラーラは自身が1年前に記録した優勝タイム11分23秒(平均52.7km/h)を大きく上回る11分08秒(平均54.431km/h)をマークし、ストラーデビアンケに続く今シーズン4勝目を飾った。
「ティレーノ開幕時は100%のコンディションではなかったけど、良い感触が戻ってきている。第5ステージのキャンセルは自分に味方したと思うし、全体的に見て良い判断だった。今はミラノ〜サンレモに向けて身体を休めたい」とカンチェラーラ。3日後の3月18日に35歳の誕生日を迎えるスパルタクスがクラシックシーズンに向けて順調な仕上がりを見せた。
トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ)をはじめとするTTスペシャリストがステージ上位に名前を連ねる中、総合3位のペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)が好走する。総合逆転を狙うサガンはカンチェラーラから24秒遅れ、そして総合首位ファンアフェルマートよりも7秒速い11分32秒でステージ10位に入ったが、ブルージャージを奪うには1秒足りなかった。
「複雑な心境だ。確かに1秒という僅差で総合優勝を逃したことは悔しいけど、第5ステージがキャンセルされていなければこの総合のチャンスもなかった。今日よりも昨日の敗北による精神的なダメージの方が大きかったよ。今のコンディションには満足しているし、今シーズンの目標に向けて仕上がっていることを確認できた」と、総合2位で7日間の戦いを終えたサガンは語る。
辛くも総合リードを守り、総合優勝者の証であるブルージャージと槍のトロフィーを受け取ったファンアフェルマートは「中間計測のタイムを聞きながら、とにかく全力でペダルを回し続けた。全力を出し切れるかどうかが勝負の分かれ道。コーナーが連続するようなコースが得意で、今日のような真っ直ぐな平坦路は苦手分野だけど、決して悪い走りではなかったと思う」とウィニングランを振り返る。
ベルギー人によるティレーノ制覇は1977年のロジェ・デフラミンク以来、実に39年ぶり。ファンアフェルマートはHCレースのツール・ド・ワロニーやツアー・オブ・ベルギーでの総合優勝経験はあるが、UCIワールドツアーステージレースでの総合優勝は初めて。「総合優勝は完全に予想外だ。一生のうちに一度あるかないかのチャンスだった。デフラミンクをはじめとする歴代チャンピオンの名前が刻まれたレコードブックに自分の名前が入るなんて誇らしいよ。これまで不運続きだったけど、今シーズンは運が味方してくれている。エンジンの準備は整っているのでクラシックシーズンでも大きな勝利を収めたい」。
また、ファンアフェルマートはライバルのサガンについて「彼より前でフィニッシュすることは優勝を意味している。2位続きの気持ちは自分もよく知っているし、サガンはフラストレーションが溜まっていると思う。遅かれ早かれ世界チャンピオンの勝利はやってくると思うよ」と語っている。
ステージ81位に沈んだ総合2位ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ)に代わって、チームメイトのボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク)が総合表彰台を獲得。ユンヘルスは同時にヤングライダー賞も獲得している。
選手コメントはレース公式リリースより。
ティレーノ〜アドリアティコ2016第7ステージ結果
1位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレック・セガフレード) 11’08”
2位 ヨアン・レボン(フランス、FDJ) +13”
3位 トニ・マルティン(ドイツ、エティックス・クイックステップ) +15”
4位 アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター)
5位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、ティンコフ) +17”
6位 アレクサンドル・ジェニエ(フランス、FDJ) +18”
7位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) +19”
8位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ) +20”
9位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング) +22”
10位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +24”
16位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) +26”
18位 セバスティアン・ライヘンバッハ(スイス、FDJ) +27”
19位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
23位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) +31”
25位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +33”
34位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) +39”
55位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ) +49”
56位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター) +50”
81位 ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ) +57”
93位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、エティックス・クイックステップ)+1’02”
個人総合成績
1位 グレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング) 20h42’22”
2位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ) +01”
3位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ) +23”
4位 セバスティアン・ライヘンバッハ(スイス、FDJ) +24”
5位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
6位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) +29”
7位 ゼネク・スティバル(チェコ、エティックス・クイックステップ) +33”
8位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ) +39”
9位 バウク・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +45”
10位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ) +48”
ポイント賞
1位 ペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ)
山岳賞
1位 チェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・アルゴン18)
ヤングライダー賞
1位 ボブ・ユンヘルス(ルクセンブルク、エティックス・クイックステップ)
チーム総合成績
1位 エティックス・クイックステップ
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
Amazon.co.jp
バイシクルクラブセレクション
エイ出版社
キャットアイ(CAT EYE) LEDヘッドライト VOLT400キット 急速充電クレードル&カートリッジバッテリー付属 HL-EL461RC/CRA-001/BA-2.2
キャットアイ(CAT EYE)
¥ 12,023