ランス・アームストロング(アメリカ)率いるレディオシャックが、着々と選手獲得を進めている。特にアスタナから多くのビッグ選手が移籍。ライプハイマー(アメリカ)やルビエラ(スペイン)に続いて、アンドレアス・クレーデン(ドイツ)やクリス・ホーナー(アメリカ)の移籍が決まった。

トップタイムを叩き出したアンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ)トップタイムを叩き出したアンドレアス・クレーデン(ドイツ、アスタナ) photo:Cor Vosアスタナからレディオシャックへの戦力流出が止まらない。ライプハイマーら5名がレディオシャックに移籍することは先月お伝えしたが、新たにクレーデンとホーナーの移籍が決定。ホーナーが自身のTwitterで認めた。

クレーデンは2004年ツール・ド・フランス総合2位、2006年総合3位、そして今年コンタドールとアームストロングをアシストしながら総合6位に入った34歳。全盛期の力は影を潜めているが、安定したその総合力は折り紙付きだ。今シーズンは2007年に総合優勝したティレーノ〜アドリアティコで総合3位。アームストロングの心強いアシストになることは間違いない。

クリストファー・ホーナー(アメリカ、アスタナ)クリストファー・ホーナー(アメリカ、アスタナ) photo:Cor Vosホーナーも同様に、アームストロングのアシストとして期待が集まる。山岳力に秀でたこの経験豊かなベテランは、アームストロングと同じ1971年生まれ。今年は骨折続きで、現在はブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージの大落車で負った左中手骨(手の甲)骨折の療養中。ホーナーの地元オレゴン州のoregonlive.comによると、ホーナーは昨年7位に入ったジロ・ディ・ロンバルディアまでに復帰する予定だ。

現アスタナ監督のヨハン・ブリュイネールやヴィアチェスラフ・エキモフも移籍することから、レディオシャックは非常に元アスタナ色の強い布陣になる。現段階でシクロワイアードが確認しているレディオシャック2010年メンバーは以下の通り。

レディオシャック2010年メンバー
ランス・アームストロング(アメリカ)アスタナ
リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)アスタナ
アンドレアス・クレーデン(ドイツ)アスタナ
クリストファー・ホーナー(アメリカ)アスタナ
セルジオ・パウリーニョ(ポルトガル)アスタナ
グレゴリー・ラスト(スイス)アスタナ
トーマス・ヴァイクス(リトアニア)アスタナ
ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア)アスタナ
ホセルイス・ルビエラ(スペイン)アスタナ
イワン・ロフニー(ロシア)カチューシャ
ヘルト・ステーグマン(ベルギー)カチューシャ
セバスティアン・ロセレル(ベルギー)クイックステップ
ベン・ヘルマンス(ベルギー)トップスポート・フラーンデレン
ジョフロワ・ルカトル(フランス)アグリチュベル
ダリル・インペイ(南アフリカ)バルロワールド
マルケル・イリサール(スペイン)エウスカルテル
ティアゴ・マシャド(ポルトガル)マデイノクス

上記の選手の他に、アイマル・スベルディア(スペイン)とヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ)の新チーム移籍も有力視されており、実現すれば、今年のツールメンバーの中でアスタナに残留するのはアルベルト・コンタドール(スペイン)とデミトリ・ムラフエフ(カザフスタン)の2人だけ。コンタドールがアスタナに残留して単独エースの座を手にしたとしても、今年のようなアシスト体制は望めないだろう。

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos