2009/09/22(火) - 11:11
9月12日から19日までの8日間、イギリス全土を舞台にした第70回ツアー・オブ・ブリテン(UCI2.1)が開催され、来季チームスカイに移籍するエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)がステージ4連勝の圧倒的な強さで総合優勝に輝いた。
イギリス最大のステージレース、ツアー・オブ・ブリテンが今年も8日間に渡って開催された。出場したのはアージェードゥーゼル、エウスカルテル、ガーミン、カチューシャ、ラボバンク、チームコロンビア・HTCのプロツアー6チームと、サーヴェロを始めとする国内外のプロコンチネンタル/コンチネンタル10チーム。
全8ステージは平坦コースがほとんどで、山岳の難易度は低く、いずれも集団スプリント向き。開幕ステージを制したクリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)がリーダージャージを獲得したが、翌第2ステージで9秒差の単独逃げ切り勝利を収めたカイ・レウス(オランダ、ラボバンク)が総合首位に。
そして、第3ステージからボアッソンの怒濤の活躍が始まった。昨年大会でステージ3勝を飾ったボアッソンを支えたのは、ロヴクヴィスト(スウェーデン)やマルティン(ドイツ)、キルシェン(ルクセンブルク)、ドックス(ベルギー)、モンフォール(ベルギー)ら、屈強なアシストたち。
強力なチームにサポートされたボアッソンは、スプリント勝負でステージ4連勝の離れ業をやってのけた。
ボーナスタイムを量産したボアッソンが単独首位に躍り出ると、最後まで総合リードを守りきって総合優勝。ベン・スウィフト(イギリス、カチューシャ)やミケーレ・メルロ(イタリア、バルロワールド)が一矢報いたが、ボアッソンの優位は揺るがなかった。ボアッソンは同時にポイント賞トップにも輝いている。
エネコ・ツアーに続くステージレース制覇を果たしたボアッソンはまだ22歳の若手選手。チームハイロード(現コロンビア・HTC)に合流した昨年から才能の片鱗を見せていたが、今年ヘント〜ウェベルヘムでの勝利で一気にブレイクした。ノルウェー選手権では3年連続タイムトライアル制覇。ジロ・デ・イタリアでは第7ステージでグランツール初勝利を飾っている。
現チームで輝かしい成績を収めてきたボアッソンだが、来季はチームスカイへの移籍が決定。タイムトライアルとスプリントで真価を発揮する22歳の新星は、新天地で更なる飛躍を見せてくれるだろう。
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)
「勝利でチームメイトの献身的な働きに応えることが出来た。自分にとってもチームにとっても大きな勝利だ。まさかステージ4勝も出来るとは思っていなかった。ファンタスティックな1週間だったよ。最終日、大観衆に包まれたロンドンで総合優勝の栄冠を手にしたのは、本当に信じられないような経験だ」。
選手コメントはチームコロンビア・HTCの公式サイトより。
ツアー・オブ・ブリテン2009結果
9月12日(土)第1ステージ スカンソープ〜ヨーク 172km
1位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)4h07'59"
2位 ミケーレ・メルロ(イタリア、バルロワールド)
3位 ベン・スウィフト(イギリス、カチューシャ)
総合首位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
9月13日(日)第2ステージ ダーリントン〜ゲーツヘッド 153km
1位 カイ・レウス(オランダ、ラボバンク)3h28'32"
2位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ジョーカー・ビアンキ)+09"
3位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)
総合首位 カイ・レウス(オランダ、ラボバンク)
9月14日(月)第3ステージ ピーブルス〜グレトナ・グリーン 153km
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)3h38'01"
2位 ミケーレ・メルロ(イタリア、バルロワールド)
3位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
総合首位 カイ・レウス(オランダ、ラボバンク)
9月15日(火)第4ステージ ブラックプール〜ブラックプール 148km
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)3h32'04"
2位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
3位 マルティン・ライマー(ドイツ、サーヴェロ)
総合首位 カイ・レウス(オランダ、ラボバンク)
9月16日(水)第5ステージ ブリタニア・スタジアム〜ストーク・オン・トレント 134km
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)3h15'57"
2位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)
3位 ラッセル・ダウニング(イギリス、キャンディTV)
総合首位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)
9月17日(木)第6ステージ フローム〜バイドフォード 183km
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)4h05'20"
2位 マルティン・ライマー(ドイツ、サーヴェロ)
3位 ラッセル・ダウニング(イギリス、キャンディTV)
総合首位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)
9月18日(金)第7ステージ ハザリィ〜ヨービル 159km
1位 ベン・スウィフト(イギリス、カチューシャ)3h52'19"
2位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)
3位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)
総合首位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)
9月19日(土)第7ステージ ロンドン〜ロンドン 92km
1位 ミケーレ・メルロ(イタリア、バルロワールド)1h56'55"
2位 コルド・フェルナンデス(スペイン、エウスカルテル)
3位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
個人総合成績
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)28h06'24"
2位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)+23"
3位 マルティン・ライマー(ドイツ、サーヴェロ)+25"
4位 カイ・レウス(オランダ、ラボバンク)+26"
5位 ラッセル・ダウニング(イギリス、キャンディTV)+39"
6位 ジェレイント・トーマス(イギリス、バルロワールド)+43"
7位 ジョフロワ・ルカトル(フランス、アグリチュベル)
8位 サイモン・クラーク(オーストラリア、ISD)+47"
9位 レイニア・ホーニッヒ(オランダ、ヴァカンソレイユ)+49"
10位 クリスチャン・ハウス(イギリス、ラファ・コンドル)
text:Kei Tsuji
photo:www.tourofbritain.co.uk
イギリス最大のステージレース、ツアー・オブ・ブリテンが今年も8日間に渡って開催された。出場したのはアージェードゥーゼル、エウスカルテル、ガーミン、カチューシャ、ラボバンク、チームコロンビア・HTCのプロツアー6チームと、サーヴェロを始めとする国内外のプロコンチネンタル/コンチネンタル10チーム。
全8ステージは平坦コースがほとんどで、山岳の難易度は低く、いずれも集団スプリント向き。開幕ステージを制したクリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)がリーダージャージを獲得したが、翌第2ステージで9秒差の単独逃げ切り勝利を収めたカイ・レウス(オランダ、ラボバンク)が総合首位に。
そして、第3ステージからボアッソンの怒濤の活躍が始まった。昨年大会でステージ3勝を飾ったボアッソンを支えたのは、ロヴクヴィスト(スウェーデン)やマルティン(ドイツ)、キルシェン(ルクセンブルク)、ドックス(ベルギー)、モンフォール(ベルギー)ら、屈強なアシストたち。
強力なチームにサポートされたボアッソンは、スプリント勝負でステージ4連勝の離れ業をやってのけた。
ボーナスタイムを量産したボアッソンが単独首位に躍り出ると、最後まで総合リードを守りきって総合優勝。ベン・スウィフト(イギリス、カチューシャ)やミケーレ・メルロ(イタリア、バルロワールド)が一矢報いたが、ボアッソンの優位は揺るがなかった。ボアッソンは同時にポイント賞トップにも輝いている。
エネコ・ツアーに続くステージレース制覇を果たしたボアッソンはまだ22歳の若手選手。チームハイロード(現コロンビア・HTC)に合流した昨年から才能の片鱗を見せていたが、今年ヘント〜ウェベルヘムでの勝利で一気にブレイクした。ノルウェー選手権では3年連続タイムトライアル制覇。ジロ・デ・イタリアでは第7ステージでグランツール初勝利を飾っている。
現チームで輝かしい成績を収めてきたボアッソンだが、来季はチームスカイへの移籍が決定。タイムトライアルとスプリントで真価を発揮する22歳の新星は、新天地で更なる飛躍を見せてくれるだろう。
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)
「勝利でチームメイトの献身的な働きに応えることが出来た。自分にとってもチームにとっても大きな勝利だ。まさかステージ4勝も出来るとは思っていなかった。ファンタスティックな1週間だったよ。最終日、大観衆に包まれたロンドンで総合優勝の栄冠を手にしたのは、本当に信じられないような経験だ」。
選手コメントはチームコロンビア・HTCの公式サイトより。
ツアー・オブ・ブリテン2009結果
9月12日(土)第1ステージ スカンソープ〜ヨーク 172km
1位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)4h07'59"
2位 ミケーレ・メルロ(イタリア、バルロワールド)
3位 ベン・スウィフト(イギリス、カチューシャ)
総合首位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
9月13日(日)第2ステージ ダーリントン〜ゲーツヘッド 153km
1位 カイ・レウス(オランダ、ラボバンク)3h28'32"
2位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ジョーカー・ビアンキ)+09"
3位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)
総合首位 カイ・レウス(オランダ、ラボバンク)
9月14日(月)第3ステージ ピーブルス〜グレトナ・グリーン 153km
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)3h38'01"
2位 ミケーレ・メルロ(イタリア、バルロワールド)
3位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
総合首位 カイ・レウス(オランダ、ラボバンク)
9月15日(火)第4ステージ ブラックプール〜ブラックプール 148km
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)3h32'04"
2位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
3位 マルティン・ライマー(ドイツ、サーヴェロ)
総合首位 カイ・レウス(オランダ、ラボバンク)
9月16日(水)第5ステージ ブリタニア・スタジアム〜ストーク・オン・トレント 134km
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)3h15'57"
2位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)
3位 ラッセル・ダウニング(イギリス、キャンディTV)
総合首位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)
9月17日(木)第6ステージ フローム〜バイドフォード 183km
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)4h05'20"
2位 マルティン・ライマー(ドイツ、サーヴェロ)
3位 ラッセル・ダウニング(イギリス、キャンディTV)
総合首位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)
9月18日(金)第7ステージ ハザリィ〜ヨービル 159km
1位 ベン・スウィフト(イギリス、カチューシャ)3h52'19"
2位 フィリッポ・ポッツァート(イタリア、カチューシャ)
3位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)
総合首位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)
9月19日(土)第7ステージ ロンドン〜ロンドン 92km
1位 ミケーレ・メルロ(イタリア、バルロワールド)1h56'55"
2位 コルド・フェルナンデス(スペイン、エウスカルテル)
3位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)
個人総合成績
1位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア・HTC)28h06'24"
2位 クリストファー・サットン(オーストラリア、ガーミン)+23"
3位 マルティン・ライマー(ドイツ、サーヴェロ)+25"
4位 カイ・レウス(オランダ、ラボバンク)+26"
5位 ラッセル・ダウニング(イギリス、キャンディTV)+39"
6位 ジェレイント・トーマス(イギリス、バルロワールド)+43"
7位 ジョフロワ・ルカトル(フランス、アグリチュベル)
8位 サイモン・クラーク(オーストラリア、ISD)+47"
9位 レイニア・ホーニッヒ(オランダ、ヴァカンソレイユ)+49"
10位 クリスチャン・ハウス(イギリス、ラファ・コンドル)
text:Kei Tsuji
photo:www.tourofbritain.co.uk