2015/04/11(土) - 17:54
クラシックの王様「ロンド・ファン・フラーンデレン」を走ったプロバイクを紹介する第3弾。エティックス・クイックステップ、ロットNLユンボ、キャノンデール・ガーミン、BMCレーシング、AG2Rラモンディアール、トップスポートフラーンデレン、コフィディス、モビスターの8チームをピックアップします。
エティックス・クイックステップ 【スペシャライズド S-Works Venge、S-Works Tarmac】
北のクラシックでは随一のチーム力を誇るエティックス・クイックステップのバイクはスペシャライズド。ロンドでは同社のサポートを受ける他の2チームがオールラウンドモデル「S-Works Tarmac」をメインとしたのに対して、取り分け大柄で高出力なライダーが多いためか、今季フォーク等にマイナーチェンジが施されたロングセラーのエアロモデル「S-Works Venge」と使い分けている。
コンポーネントは9070系シマノDURA-ACEがメイン。クランクはFSAで、4アームタイプの「K-Force Light」が装着されたバイクも。ホイールはスペシャライズドがプロデュースするロヴァールRapide CLX40。組み合わせるタイヤはチームが普段使用するTurboのGriptonコンパウンドにFMBのコットンケーシングを組み合わせたプロ供給専用の北のクラシック特別モデルだ。
ハンドル、ステム、シートポスト(S-Works Tarmacのみ)はFSAで統一し、サドルにはスペシャライズドを採用。ボトルケージはタックスで、従来からの定番モデル「Tao」と昨年より使用率が高まっている「Deva」と、バイクによってモデルはまちまちであった。
ロットNLユンボ 【ビアンキ INFINITO CV】
ロットNLユンボのバイクは昨年のロンドと同じくビアンキのエンデュランスモデル「INFINITO CV」。エースのセプ・ファンマルク(ベルギー)は、塗装が削りとられたアルミフレームの様なペイントやバイクの設計コンセプト「LESS FATIGUE. MORE CONTROL」のレターが特徴的な特別仕様のマシンを駆った。
シマノのサポートを受け、コンポーネントは9070系DURA-ACEを採用。ファンマルクのバイクには装着されていなかったものの、パワーメーターはパイオニアのペダリングモニターを使用する。ホイールはシマノWH-9000で、50mmハイトモデルの「C50」で統一。タイヤはヴィットリアで、スタンダードモデルのCORSA CXではなく、ロットNLユンボは北のクラシックに関わらずシーズンを通してアメサイドのCORSA SCを使用している。
ハンドル、サドル、シートポストはFSAで、シートポストは堅実性を重視してかアルミ製のENERGYで統一されていた。その他、サドルはサンマルコ、ボトルケージ及びボトルはタックスだ。
キャノンデール・ガーミン 【キャノンデール SYNAPSE】
キャノンデール・ガーミンからはセバスティアン・ラングフェルド(オランダ)のマシンをピックアップ。バイクはエンデュランスモデルの「SYNAPSE」で、オランダの国旗の青と赤にチームのモチーフであるアーイガル柄を組み合わせたナショナルチャンピオンカラーとされている。
コンポーネントはワールドツアーチームながら機械式のシマノDURA-ACEがメインとし、クランクにはキャノンデール純正の「ホログラムSiSL」を組み合わせている。パワーメーターは本来ガーミンVectorであるものの、ロンドでは専用ペダルだけを装着しており、ラングフェルドのバイクにはSRMがアッセンブルされていた。ただし、もちろんサイクルコンピューターはガーミンEdgeシリーズを使用する。
ホイールはマヴィックCOSMIC CARBON 40T。タイヤもマヴィックのサポートながら、ラインアップにはないトラディショナルな構造から他ブランドのものをであると推察される。ハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一。フィジークのサドルはブラドレー・ウィギンズ(イギリス)同様にパッドを増量した定番モデルARIONEの特別仕様。ボトルケージ及びボトルはアランデールにキャメルバッグという組み合わせだ。
BMCレーシング 【BMC teammachine SLR01】
BMCレーシングのバイクはタイヤ以外ほぼ普段通りの仕様のBMC「teammachine SLR01」。コンポーネントは9070系シマノDURA-ACEで、FC-9000モデルのSRMクランク式パワーメーターを組み合わせている。ホイールも同じくDURA-ACEグレードのWH-9000で、50mmハイトモデルの「C50」が多く選択されていた。
タイヤは今季より再びサイドウォールがオレンジとなったコンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」。ハンドルとステムは引き続き3Tだが、昨シーズンとはグラフィックが異なる。赤の差し色が入ったチームカラーのフィジークのサドルは、選手によってARIONE、ALIANTE、ANTARESを使い分けている。
ボトルケージはエリートで、CUSTOM、CIUSSI GEL、CANNIBALといった定番ではなく、ロンドでは引退したカデル・エヴァンス(オーストラリア)が好んで使用していたSiorで統一されていた
AG2Rラモンディアール 【フォーカス IZALCO MAX】
北のクラシックでのチーム力が上昇したAG2Rラモンディアールがロンドで駆ったのは、フォークを始めとした細身のデザインが特徴的なフォーカスの軽量オールラウンドモデル「IZALCO MAX」。昨年のロンドで投入されたIZALCO MAXの兄弟モデル的位置付けのCXマシン「MARES CX」の姿はなかった。
今季のワールドツアーチームの中で唯一スラムのサポートを受け、コンポーネントはスラムRED22を使用する一方で、今大会では電動式のプロトタイプはテストされなかった様子。クランクはスラム傘下のパワーメーターブランドであるクォークのRED22モデルで、通常ラインアップの最適な長さがないためか、ヨハン・ファンスーメレン(ベルギー)のバイクには特別仕様のものが装着されていた。
ホイールもスラム傘下のジップで、リムハイト45mmの303で統一。組み合わせるタイヤは青いサイドウォールのシュワルベONEのプロトタイプを中心に、昨年北のクラシック用に製造されたFMB製コットンケーシング採用のONEも使用されていた。ハンドル、ステム、シートポストはフィジークのコックピットシリーズで、同様にサドルもチームカラーのフィジーク。その他ペダルはルックKeo Blade、ボトルケージ及びボトルはエリートだ。
トップスポートフラーンデレン 【エディメルクス EMX-525】
地元ベルギーのプロコンチネンタルチームのトップスポートフラーンデレンは、引き続きエディメルクスのバイクを駆る。2015モデルでラインナップが大きく変更になり、振動吸収性に優れるエンデュランスモデルも登場したが、ロンドでも普段のレースと同様に高剛性なフラッグシップ「EMX-525」を駆った。
メインコンポーネントはカンパニョーロSUPERRECORDからシマノDURA-ACEへ変更となったものの、ローターのクランク及びチェーンリングは引き続き採用される。ホイール及びタイヤはファストフォワードに、ヴィットリアCORSA CSという組み合わせ。ハンドル及びステムは3Tからデダ・エレメンティへとスイッチされている。その他サドルはプロロゴ、ペダルはルック、ボトルケージ及びボトルはタックスとしている。
コフィディス 【オルベア ORCA OMR】
現存するプロチームとしては1、2を争う長い歴史をもつコフィディスは、チームと同郷のルックからスペイン・バスク地方に居を構えるオルベアにスイッチ。モデルチェンジを果たした軽量オールラウンドモデル「ORCA OMP」を駆る。ただ、何故だかレッド/ブラックとホワイト/レッド/イエローと2種類のカラーが用意されている。
アッセンブリーの特徴はFSA及びヴィジョンのパーツが大部分を占めること。コンポーネントは9070系シマノDURA-ACE Di2をメインに、クランクをFSA K-Force Lightとしている。シリル・ルモワンヌ(フランス)のバイクは、変速性能を高めるために剛性の高い板状のTT用チェーンリングが装着されていた。
ホイールは全ライダーがヴィジョンMetron40で統一。タイヤはケンダがサポートするが、見た目にトラディショナルな構造から社外製だと考えられる。もちろんハンドル、ステム、シートポストはFSAで、サドルとバーテープはセライタリア。ボトルケージはフランスの老舗アクセサリーブランドのゼファールとしている。
モビスター 【キャニオン AEROAD CF SLX】
コフィディスと同じく長い歴史を持つスペインのモビスター。バイクはジャーマンブランドのキャニオンで、ロンド優勝者のアレクサンダー・クリストフのバイクと同じエアロモデル「AEROAD CF SLX」の使用率が高かった。
古くからのカンパニョーロのサポートは今年も継続され、メインコンポーネントにはSUPERRECORD EPSを採用。しかしながらカンパニョーロではダイレクトマウント方式をラインアップしていないことから、ブレーキはシマノDURA-ACEとしている。また、クランクはPower2maxパワーメーターの新型カンパニョーロ4アームモデルだ。
ホイールはカンパニョーロで、ワイドリム採用の新型BORA ULTRAやHYPERONを選手の好みに応じて使い分けている。ハンドルはキャニオンが製造するAEROAD CF SLXの専用品。サドルはフィジークで、形状はライダーによってまちまちだが紺とライムグリーンのチームカラーに統一されている。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
エティックス・クイックステップ 【スペシャライズド S-Works Venge、S-Works Tarmac】
北のクラシックでは随一のチーム力を誇るエティックス・クイックステップのバイクはスペシャライズド。ロンドでは同社のサポートを受ける他の2チームがオールラウンドモデル「S-Works Tarmac」をメインとしたのに対して、取り分け大柄で高出力なライダーが多いためか、今季フォーク等にマイナーチェンジが施されたロングセラーのエアロモデル「S-Works Venge」と使い分けている。
コンポーネントは9070系シマノDURA-ACEがメイン。クランクはFSAで、4アームタイプの「K-Force Light」が装着されたバイクも。ホイールはスペシャライズドがプロデュースするロヴァールRapide CLX40。組み合わせるタイヤはチームが普段使用するTurboのGriptonコンパウンドにFMBのコットンケーシングを組み合わせたプロ供給専用の北のクラシック特別モデルだ。
ハンドル、ステム、シートポスト(S-Works Tarmacのみ)はFSAで統一し、サドルにはスペシャライズドを採用。ボトルケージはタックスで、従来からの定番モデル「Tao」と昨年より使用率が高まっている「Deva」と、バイクによってモデルはまちまちであった。
ロットNLユンボ 【ビアンキ INFINITO CV】
ロットNLユンボのバイクは昨年のロンドと同じくビアンキのエンデュランスモデル「INFINITO CV」。エースのセプ・ファンマルク(ベルギー)は、塗装が削りとられたアルミフレームの様なペイントやバイクの設計コンセプト「LESS FATIGUE. MORE CONTROL」のレターが特徴的な特別仕様のマシンを駆った。
シマノのサポートを受け、コンポーネントは9070系DURA-ACEを採用。ファンマルクのバイクには装着されていなかったものの、パワーメーターはパイオニアのペダリングモニターを使用する。ホイールはシマノWH-9000で、50mmハイトモデルの「C50」で統一。タイヤはヴィットリアで、スタンダードモデルのCORSA CXではなく、ロットNLユンボは北のクラシックに関わらずシーズンを通してアメサイドのCORSA SCを使用している。
ハンドル、サドル、シートポストはFSAで、シートポストは堅実性を重視してかアルミ製のENERGYで統一されていた。その他、サドルはサンマルコ、ボトルケージ及びボトルはタックスだ。
キャノンデール・ガーミン 【キャノンデール SYNAPSE】
キャノンデール・ガーミンからはセバスティアン・ラングフェルド(オランダ)のマシンをピックアップ。バイクはエンデュランスモデルの「SYNAPSE」で、オランダの国旗の青と赤にチームのモチーフであるアーイガル柄を組み合わせたナショナルチャンピオンカラーとされている。
コンポーネントはワールドツアーチームながら機械式のシマノDURA-ACEがメインとし、クランクにはキャノンデール純正の「ホログラムSiSL」を組み合わせている。パワーメーターは本来ガーミンVectorであるものの、ロンドでは専用ペダルだけを装着しており、ラングフェルドのバイクにはSRMがアッセンブルされていた。ただし、もちろんサイクルコンピューターはガーミンEdgeシリーズを使用する。
ホイールはマヴィックCOSMIC CARBON 40T。タイヤもマヴィックのサポートながら、ラインアップにはないトラディショナルな構造から他ブランドのものをであると推察される。ハンドル、ステム、シートポストはFSAで統一。フィジークのサドルはブラドレー・ウィギンズ(イギリス)同様にパッドを増量した定番モデルARIONEの特別仕様。ボトルケージ及びボトルはアランデールにキャメルバッグという組み合わせだ。
BMCレーシング 【BMC teammachine SLR01】
BMCレーシングのバイクはタイヤ以外ほぼ普段通りの仕様のBMC「teammachine SLR01」。コンポーネントは9070系シマノDURA-ACEで、FC-9000モデルのSRMクランク式パワーメーターを組み合わせている。ホイールも同じくDURA-ACEグレードのWH-9000で、50mmハイトモデルの「C50」が多く選択されていた。
タイヤは今季より再びサイドウォールがオレンジとなったコンチネンタルのプロ供給専用モデル「COMPETITION PROLTD」。ハンドルとステムは引き続き3Tだが、昨シーズンとはグラフィックが異なる。赤の差し色が入ったチームカラーのフィジークのサドルは、選手によってARIONE、ALIANTE、ANTARESを使い分けている。
ボトルケージはエリートで、CUSTOM、CIUSSI GEL、CANNIBALといった定番ではなく、ロンドでは引退したカデル・エヴァンス(オーストラリア)が好んで使用していたSiorで統一されていた
AG2Rラモンディアール 【フォーカス IZALCO MAX】
北のクラシックでのチーム力が上昇したAG2Rラモンディアールがロンドで駆ったのは、フォークを始めとした細身のデザインが特徴的なフォーカスの軽量オールラウンドモデル「IZALCO MAX」。昨年のロンドで投入されたIZALCO MAXの兄弟モデル的位置付けのCXマシン「MARES CX」の姿はなかった。
今季のワールドツアーチームの中で唯一スラムのサポートを受け、コンポーネントはスラムRED22を使用する一方で、今大会では電動式のプロトタイプはテストされなかった様子。クランクはスラム傘下のパワーメーターブランドであるクォークのRED22モデルで、通常ラインアップの最適な長さがないためか、ヨハン・ファンスーメレン(ベルギー)のバイクには特別仕様のものが装着されていた。
ホイールもスラム傘下のジップで、リムハイト45mmの303で統一。組み合わせるタイヤは青いサイドウォールのシュワルベONEのプロトタイプを中心に、昨年北のクラシック用に製造されたFMB製コットンケーシング採用のONEも使用されていた。ハンドル、ステム、シートポストはフィジークのコックピットシリーズで、同様にサドルもチームカラーのフィジーク。その他ペダルはルックKeo Blade、ボトルケージ及びボトルはエリートだ。
トップスポートフラーンデレン 【エディメルクス EMX-525】
地元ベルギーのプロコンチネンタルチームのトップスポートフラーンデレンは、引き続きエディメルクスのバイクを駆る。2015モデルでラインナップが大きく変更になり、振動吸収性に優れるエンデュランスモデルも登場したが、ロンドでも普段のレースと同様に高剛性なフラッグシップ「EMX-525」を駆った。
メインコンポーネントはカンパニョーロSUPERRECORDからシマノDURA-ACEへ変更となったものの、ローターのクランク及びチェーンリングは引き続き採用される。ホイール及びタイヤはファストフォワードに、ヴィットリアCORSA CSという組み合わせ。ハンドル及びステムは3Tからデダ・エレメンティへとスイッチされている。その他サドルはプロロゴ、ペダルはルック、ボトルケージ及びボトルはタックスとしている。
コフィディス 【オルベア ORCA OMR】
現存するプロチームとしては1、2を争う長い歴史をもつコフィディスは、チームと同郷のルックからスペイン・バスク地方に居を構えるオルベアにスイッチ。モデルチェンジを果たした軽量オールラウンドモデル「ORCA OMP」を駆る。ただ、何故だかレッド/ブラックとホワイト/レッド/イエローと2種類のカラーが用意されている。
アッセンブリーの特徴はFSA及びヴィジョンのパーツが大部分を占めること。コンポーネントは9070系シマノDURA-ACE Di2をメインに、クランクをFSA K-Force Lightとしている。シリル・ルモワンヌ(フランス)のバイクは、変速性能を高めるために剛性の高い板状のTT用チェーンリングが装着されていた。
ホイールは全ライダーがヴィジョンMetron40で統一。タイヤはケンダがサポートするが、見た目にトラディショナルな構造から社外製だと考えられる。もちろんハンドル、ステム、シートポストはFSAで、サドルとバーテープはセライタリア。ボトルケージはフランスの老舗アクセサリーブランドのゼファールとしている。
モビスター 【キャニオン AEROAD CF SLX】
コフィディスと同じく長い歴史を持つスペインのモビスター。バイクはジャーマンブランドのキャニオンで、ロンド優勝者のアレクサンダー・クリストフのバイクと同じエアロモデル「AEROAD CF SLX」の使用率が高かった。
古くからのカンパニョーロのサポートは今年も継続され、メインコンポーネントにはSUPERRECORD EPSを採用。しかしながらカンパニョーロではダイレクトマウント方式をラインアップしていないことから、ブレーキはシマノDURA-ACEとしている。また、クランクはPower2maxパワーメーターの新型カンパニョーロ4アームモデルだ。
ホイールはカンパニョーロで、ワイドリム採用の新型BORA ULTRAやHYPERONを選手の好みに応じて使い分けている。ハンドルはキャニオンが製造するAEROAD CF SLXの専用品。サドルはフィジークで、形状はライダーによってまちまちだが紺とライムグリーンのチームカラーに統一されている。
photo:Makoto.AYANO
text:Yuya.Yamamoto
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