2014/11/11(火) - 19:33
日本最大のサイクルショーことCYCLE MODE internationalが今年も千葉県・幕張メッセで開催された。例年に増して女性やビギナー層の来場が多かった今年のショーの模様を、トピックス的プロダクトや会場の様子、同時開催されたレースイベントの模様と共に振り返る。
弱虫ペダル効果で女性&ビギナー層の来場が増加
サイクルモードと同時開催のスターライト幕張に参戦した弱虫ペダル作者渡辺航先生と大勢のファン photo:Makoto.AYANO
渡辺航先生直筆のチャリティーサコッシュは大人気
10回目を迎えたサイクルモード。今年は454ブランドから、展示車1,405台と試乗車507台が集結
試乗コースのサイクリストが途切れることはなかった (c)Makoto.AYANO
11月7~9日にかけて開催されたサイクルモード。その来場者数は、国内における自転車ビジネスの現況を表すバロメーターの1つとされている数字である。3日間を通して会場内で感じられたのが、女性とビギナー層の来場の増加したこと。もちろん人気自転車漫画「弱虫ペダル」が大きく影響していることは間違いない。一方で、出展ブースの担当者からは「レジャーや趣味としてスポーツサイクルを初めてみたいと普遍的なビギナーも多かった」という声も聞かれた。
それでは、3日間それぞれの来場者数を昨年と比較してみよう。近年無かった平日昼間の開催となった金曜日の初日は6,490人と昨年比62%となったものの、2日目は13,025人、3日目は11,634人とそれぞれ昨年比125%と130%に。3日間を通して31,149人が来場し、昨年比で104%と微増となり、ここ5年で初めて増加に転じた。
自身のバイクブランドをPRするために来日したグレッグ・レモン氏。2日目にはトークショーも行った
3日目に来場した新城幸也選手。どこへ行ってもサイン攻めだった
現役最後のシーズンをデローサと共に戦った宮沢崇史選手とクリスティアーノ・デローザ氏
各ブースで行われたトークショーも盛況
サイクルツーリズムで地域振興を図りたい自治体や各都道府県の自転車協会の出展も多かった
ビギナー向けのチューブ交換講習会も盛況 photo:Yuya.Yamamoto
出展についてはここ数年と同様に今年のサイクルモードも大手マスプロメーカーの出展が更に少なくなったが、一方では従来より出展している代理店がさらにブースの面積を拡大するというケースも見られた。また、国内市場を重要視する海外メーカーが直にブースを構えたり、マーケティング担当者が多くサイクルモードに来日した点も今年の特色と言えよう。また、ニーズの多様化に併せた専門性高いメーカーや、サイクルツーリズムで地域振興を図りたい自治体や各都道府県の自転車協会の出展も増加傾向にあった。
454ブランドが出展 展示車1,405台と試乗車507台が幕張メッセに集結
世界に先駆けてサイクルモードで発表されたピナレロ DOGMA F8のPaul Smithコラボレーションモデル
ケルビム等日本の職人魂が宿るプロダクトも多く展示された
ロードバイクにおけるエアロの追求はまだまだ続く
ヨネックスは塗装まで軽量化した660gのフレームを発表
ネオンカラーの人気は継続中だ
シマノブースではリア11速化を果たした新型シマノXTRをテストすることができた
454のブランドが揃った今年のブースエリアには、1,405台の展示車と507台の試乗車が集結した。そのほとんどがロードバイクやクロスバイク、小径車であり、シクロクロスやディスクブレーキロードが少々、マウンテンバイクに至っては極僅かという内訳。新ジャンルとして海外では大きな注目と人気を集めているオールマウンテンやファットバイクでも会場内では少数派で、ロードバイクの割合が比較的低いユーロバイクやインターバイクと言った海外サイクルショーとそのトレンドは真逆となっている。
スマートフォンと連携することでGPS機能を装備するキャットアイのサイクルコンピューター
xpedoのペダル式パワーメーターも国内展開が開始される
ガーミンから大型ディスプレイを備えたEdge1000Jが発表された
ダイレクトドライブ式トレーナーの先駆けであるエリートからはタブレット連動型のReal Muinが登場
ムービーカメラとサイクルコンピュータのマウント、ライトを一体化したgueeのアウトフロントマウント
そんな中でも、マウンテンバイクにおいて注目を集めたのが、フルモデルチェンジを果たしたシマノMTBコンポーネントの最高峰「M9000系XTR」だ。待望のリア11速化に加え、MTBでは初となる電動シフトDi2が話題に。サイクルモードでは国内初となるXTR Di2の試乗車は用意され、シマノのブースに設置された体験コーナーでは来場者が途切れることなく未来のMTBコンポーネントをテストしていた。
KOOFUがプロデュースするタウン用のプロトタイプヘルメット。展示することで声を聞き、来春の製品化に活かしたいという (c)Makoto.AYANO
ヴィットリアがロード&MTBホイールを一挙ラインナップ。そのテクノロジーをプロジェクトマネジャーのステファン・アントンさんが説明してくれた (c)Makoto.AYANO
IRCからはハードパック用のチューブレスCXタイヤがリリースされる
ハニカム材を使用したユニークなスミス・オプティクスのヘルメット
女性用アクセサリーもキーワードの1つだ
パーツ/アクセサリーに関しては、最先端のテクノロジーが詰め込まれたレーシング系モデルから、ツーリングやアーバンライドに対応した豊かなバイクライフ提案するアイテムまで実に様々であった。主だったところでは、カブトが発表したKOOFUの新型プロトタイプヘルメットや、タイヤのヴィットリアが満を持してリリースするホイール群、ピナレロDOGMA F8のPaul Smithコラボレーションモデル、ガーミンEdge1000Jなどがトピックス。会場を歩きまわって発見した最新プロダクツ&おもしろアイテムの詳細は後日掲載するブースレポートの中で紹介する。
サイクルモード初となる併催のシクロクロス スターライト幕張には5,000人が来場
ナイトレースで開催されたスターライト幕張のシクロクロスC1 photo:Kei Tsuji
10回目の開催となった今年のサイクルモードで新たな試みとして行われたのが、CXレースイベント「スターライト幕張」の併催。シクロクロス東京でお馴染みのチャンピオンシステム社がオーガナイザーを務め、県道15号線を挟んで幕張メッセの南側に位置する県立幕張海浜公園が舞台となった。
サイクルモード併催と共にAJOCCの公認レースとして開催されたことで、主催者側の予想を超える盛り上がりとなった様で、参加者は全競技で500名、来場者は土・日の2日間で約5,000名にも達した。コースは比較的フラットではだったものの、強烈なドロップオフと登り返しを繰り返す本場さながらの「二曲坂」やハンドル操作と体重移動をフル動員してこなす連続タイトコーナーなど、選手・観客共に大興奮。
幕張の副都心を望むコース photo:Kei Tsuji
スポンサーレースで久々のレース出場となった辻浦圭一 photo:Kei Tsuji
MTBエリミネーター優勝の小野寺健(MIYATA-MERIDA) photo:Kei Tsuji
会場では世界のビールが楽しめた photo:Makoto.AYANO
一歩も譲らぬ先頭争いを繰り広げた山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)と小橋勇利 (JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX) photo:Makoto.AYANO
山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)の勝利を祝う弱虫ペダル作者渡辺航先生 photo:Makoto.AYANO
そして、サイクルモード2日目の終了後にはイベントの大目玉であるナイトレースが行われた。コースに隣接するQVCマリンフィールドや副都心のビル群の明かりに照らされながらのレースは非常に画期的で幻想的でエキサイティング。メインイベントであるシクロクロスのカテゴリー1は小橋勇利(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX)との接戦を制した山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)が優勝を飾った(レースの詳細はこちらから)。
また、この他にもBCF主催の「第3回幕張クリテリウム&JBCF幕張エンデューロ」や、オリエンテーリングライド「GREATEARTH サイクルモードRIDE」が併催され、いずれも活況となったようだ。
3日間の最後を締めくくるタイムトライアル 辻善光が優勝
超本気の走りを見せスプリンターの本領を発揮した辻善光(Team Zenko)
コースサイドには多くのファンが集った
2013年全日本タイムトライアル王者の大場政登志 (クロップス×チャンピオンシステム)
現全日本ロードレースチャンピオンの佐野淳哉(那須ブラーゼン)も登場
このレースが怪我からの復帰戦となった豊岡英子(パナソニックレディース)
サイクルモード3日間の締めくくりとなったのは、毎年恒例の国内トッププロによる個人タイムトライアル選手権。同時にツール・ド・沖縄が開催される中にあっても、現全日本ロードレースチャンピオンの佐野淳哉(那須ブラーゼン)や2013年全日本タイムトライアル王者の大場政登志 (クロップス×チャンピオンシステム)、女性ライダーとしては初の参戦となる豊岡英子(パナソニックレディース)ら7名豪華メンバーが火花を散らした。
そして、試乗コースを使用したスリッピーな超短距離TTを制したのは、今季限りでの引退を発表している辻善光(Team Zenko)。「コーナーの立ち上がり時にコンクリートよりもマンホールのほうがリアタイヤが滑らず、加速しやすいことを試走で確認していた」という本気かつ辻らしいインテリジェンスな走りで賞金5万円を獲得した。
キッズ用ロードレーサーで真剣な走りを魅せた栗村修氏
最後は引退する辻善光を囲んでの記念撮影
サイクルモードインターナショナルに出展されたいた各ブースの様子や注目のプロダクツは、追って詳しく紹介していく。乞うご期待!
text:Yuya.Yamamoto
photo:CW編集部
弱虫ペダル効果で女性&ビギナー層の来場が増加




11月7~9日にかけて開催されたサイクルモード。その来場者数は、国内における自転車ビジネスの現況を表すバロメーターの1つとされている数字である。3日間を通して会場内で感じられたのが、女性とビギナー層の来場の増加したこと。もちろん人気自転車漫画「弱虫ペダル」が大きく影響していることは間違いない。一方で、出展ブースの担当者からは「レジャーや趣味としてスポーツサイクルを初めてみたいと普遍的なビギナーも多かった」という声も聞かれた。
それでは、3日間それぞれの来場者数を昨年と比較してみよう。近年無かった平日昼間の開催となった金曜日の初日は6,490人と昨年比62%となったものの、2日目は13,025人、3日目は11,634人とそれぞれ昨年比125%と130%に。3日間を通して31,149人が来場し、昨年比で104%と微増となり、ここ5年で初めて増加に転じた。






出展についてはここ数年と同様に今年のサイクルモードも大手マスプロメーカーの出展が更に少なくなったが、一方では従来より出展している代理店がさらにブースの面積を拡大するというケースも見られた。また、国内市場を重要視する海外メーカーが直にブースを構えたり、マーケティング担当者が多くサイクルモードに来日した点も今年の特色と言えよう。また、ニーズの多様化に併せた専門性高いメーカーや、サイクルツーリズムで地域振興を図りたい自治体や各都道府県の自転車協会の出展も増加傾向にあった。
454ブランドが出展 展示車1,405台と試乗車507台が幕張メッセに集結






454のブランドが揃った今年のブースエリアには、1,405台の展示車と507台の試乗車が集結した。そのほとんどがロードバイクやクロスバイク、小径車であり、シクロクロスやディスクブレーキロードが少々、マウンテンバイクに至っては極僅かという内訳。新ジャンルとして海外では大きな注目と人気を集めているオールマウンテンやファットバイクでも会場内では少数派で、ロードバイクの割合が比較的低いユーロバイクやインターバイクと言った海外サイクルショーとそのトレンドは真逆となっている。





そんな中でも、マウンテンバイクにおいて注目を集めたのが、フルモデルチェンジを果たしたシマノMTBコンポーネントの最高峰「M9000系XTR」だ。待望のリア11速化に加え、MTBでは初となる電動シフトDi2が話題に。サイクルモードでは国内初となるXTR Di2の試乗車は用意され、シマノのブースに設置された体験コーナーでは来場者が途切れることなく未来のMTBコンポーネントをテストしていた。





パーツ/アクセサリーに関しては、最先端のテクノロジーが詰め込まれたレーシング系モデルから、ツーリングやアーバンライドに対応した豊かなバイクライフ提案するアイテムまで実に様々であった。主だったところでは、カブトが発表したKOOFUの新型プロトタイプヘルメットや、タイヤのヴィットリアが満を持してリリースするホイール群、ピナレロDOGMA F8のPaul Smithコラボレーションモデル、ガーミンEdge1000Jなどがトピックス。会場を歩きまわって発見した最新プロダクツ&おもしろアイテムの詳細は後日掲載するブースレポートの中で紹介する。
サイクルモード初となる併催のシクロクロス スターライト幕張には5,000人が来場

10回目の開催となった今年のサイクルモードで新たな試みとして行われたのが、CXレースイベント「スターライト幕張」の併催。シクロクロス東京でお馴染みのチャンピオンシステム社がオーガナイザーを務め、県道15号線を挟んで幕張メッセの南側に位置する県立幕張海浜公園が舞台となった。
サイクルモード併催と共にAJOCCの公認レースとして開催されたことで、主催者側の予想を超える盛り上がりとなった様で、参加者は全競技で500名、来場者は土・日の2日間で約5,000名にも達した。コースは比較的フラットではだったものの、強烈なドロップオフと登り返しを繰り返す本場さながらの「二曲坂」やハンドル操作と体重移動をフル動員してこなす連続タイトコーナーなど、選手・観客共に大興奮。






そして、サイクルモード2日目の終了後にはイベントの大目玉であるナイトレースが行われた。コースに隣接するQVCマリンフィールドや副都心のビル群の明かりに照らされながらのレースは非常に画期的で幻想的でエキサイティング。メインイベントであるシクロクロスのカテゴリー1は小橋勇利(JP SPORTS TEST TEAM-MASSA-ANDEX)との接戦を制した山本和弘(弱虫ペダルシクロクロスチーム)が優勝を飾った(レースの詳細はこちらから)。
また、この他にもBCF主催の「第3回幕張クリテリウム&JBCF幕張エンデューロ」や、オリエンテーリングライド「GREATEARTH サイクルモードRIDE」が併催され、いずれも活況となったようだ。
3日間の最後を締めくくるタイムトライアル 辻善光が優勝





サイクルモード3日間の締めくくりとなったのは、毎年恒例の国内トッププロによる個人タイムトライアル選手権。同時にツール・ド・沖縄が開催される中にあっても、現全日本ロードレースチャンピオンの佐野淳哉(那須ブラーゼン)や2013年全日本タイムトライアル王者の大場政登志 (クロップス×チャンピオンシステム)、女性ライダーとしては初の参戦となる豊岡英子(パナソニックレディース)ら7名豪華メンバーが火花を散らした。
そして、試乗コースを使用したスリッピーな超短距離TTを制したのは、今季限りでの引退を発表している辻善光(Team Zenko)。「コーナーの立ち上がり時にコンクリートよりもマンホールのほうがリアタイヤが滑らず、加速しやすいことを試走で確認していた」という本気かつ辻らしいインテリジェンスな走りで賞金5万円を獲得した。


サイクルモードインターナショナルに出展されたいた各ブースの様子や注目のプロダクツは、追って詳しく紹介していく。乞うご期待!
text:Yuya.Yamamoto
photo:CW編集部
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