2014/09/15(月) - 07:48
落車で総合エースを失う苦しい闘いを強いられたモビスターが、初日のチームTTに続いて最終日の個人TTを制覇。アドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)が3週間の最後に勝ち星を挙げた。雨に濡れた危険なコースを安全に走り切ったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が3度目の総合優勝を果たしている。
ブエルタは1994年から一貫してマドリードで閉幕を迎えていたが、2014年の閉幕地はサンティアゴ・デ・コンポステーラ。世界的なキリスト教の巡礼地で第69回大会はフィナーレを迎えた。
郊外をスタートし、サンティアゴ・デ・コンポステーラ市内に向かう9.7kmコースはほぼ平坦。フィニッシュ地点は、ユネスコ世界遺産に設定された「巡礼路」と同様、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の真ん前に位置するオブラドリオ広場だ。
夕刻迫るサンティアゴ・デ・コンポステーラに到着したのは、3週間の闘いを終えんとする159名の選手たちと雨雲だった。中盤にかけて強い雨が降ったため、後半スタートの選手たちは危険なウェットコースを走ることに。
アドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)は幸運にも前半にスタートを切り、暫定トップタイムをマークして後続の走りを待つ。中間計測ポイントでローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がマローリのタイムを5秒更新したが、雨によって後半に失速して3位に終わる。その後もマローリのトップタイムを脅かす選手は現れなかった。
「3週間にわたってチームメイトのために働いたけど、昨日だけはエネルギーをセーブする走りに徹した。でも獲得標高差4000mのステージでは身体が休まらなかった」と長時間ホットシートに座り続けたマローリは語る。
「でも走り始めてすぐ手応えを掴み、実際にワット数も出ていた。雨の前に走ったジェシー・サージェントをはじめとするスペシャリストを下すことが出来て本当に嬉しいよ」。モビスターはチームTTの勝利で3週間をスタートさせ、個人TTの勝利で3週間を締めくくった。
総合上位陣がスタートする頃には雨が止み、暖かな太陽がコースを照らし始める。しかし路面はウェットなまま。選手たちは石畳を含むコースを慎重に駆け抜けた。
総合トップ10の中で最速タイムをマークしたのは総合3位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)。それでもチームメイトのマローリから55秒差のステージ32位がやっとだった。
マイヨロホを着るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)はリスクを負わない走りに徹し、1分40秒差のステージ101位でフィニッシュ。クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)やバルベルデからタイムを失ったが、総合首位の座を守るには充分だった。
ガッツポーズでフィニッシュラインを駆け抜けたコンタドールが2008年と2012年に続く3度目の総合優勝。サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の真ん前でマイヨロホと優勝プレートを受け取ったコンタドールは「3度目の総合優勝を果たすなんて夢のよう。山あり谷ありの数ヶ月の最後に落車するのは御免だ。だから慎重に走ったよ」と語る。ツールの悔しさを忘れ去るブエルタの勝利によって、コンタドールはUCIワールドツアーランキングの首位に躍り出た。
選手コメントはレース公式リリースより。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2014第21ステージ結果
マイヨロホ(個人総合成績)
マイヨプントス(ポイント賞)
マイヨモンターニャ(山岳賞)
マイヨコンビナーダ(複合賞)
チーム総合成績
ステージ敢闘賞
アドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ブエルタは1994年から一貫してマドリードで閉幕を迎えていたが、2014年の閉幕地はサンティアゴ・デ・コンポステーラ。世界的なキリスト教の巡礼地で第69回大会はフィナーレを迎えた。
郊外をスタートし、サンティアゴ・デ・コンポステーラ市内に向かう9.7kmコースはほぼ平坦。フィニッシュ地点は、ユネスコ世界遺産に設定された「巡礼路」と同様、サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の真ん前に位置するオブラドリオ広場だ。
夕刻迫るサンティアゴ・デ・コンポステーラに到着したのは、3週間の闘いを終えんとする159名の選手たちと雨雲だった。中盤にかけて強い雨が降ったため、後半スタートの選手たちは危険なウェットコースを走ることに。
アドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)は幸運にも前半にスタートを切り、暫定トップタイムをマークして後続の走りを待つ。中間計測ポイントでローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)がマローリのタイムを5秒更新したが、雨によって後半に失速して3位に終わる。その後もマローリのトップタイムを脅かす選手は現れなかった。
「3週間にわたってチームメイトのために働いたけど、昨日だけはエネルギーをセーブする走りに徹した。でも獲得標高差4000mのステージでは身体が休まらなかった」と長時間ホットシートに座り続けたマローリは語る。
「でも走り始めてすぐ手応えを掴み、実際にワット数も出ていた。雨の前に走ったジェシー・サージェントをはじめとするスペシャリストを下すことが出来て本当に嬉しいよ」。モビスターはチームTTの勝利で3週間をスタートさせ、個人TTの勝利で3週間を締めくくった。
総合上位陣がスタートする頃には雨が止み、暖かな太陽がコースを照らし始める。しかし路面はウェットなまま。選手たちは石畳を含むコースを慎重に駆け抜けた。
総合トップ10の中で最速タイムをマークしたのは総合3位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)。それでもチームメイトのマローリから55秒差のステージ32位がやっとだった。
マイヨロホを着るアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)はリスクを負わない走りに徹し、1分40秒差のステージ101位でフィニッシュ。クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)やバルベルデからタイムを失ったが、総合首位の座を守るには充分だった。
ガッツポーズでフィニッシュラインを駆け抜けたコンタドールが2008年と2012年に続く3度目の総合優勝。サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の真ん前でマイヨロホと優勝プレートを受け取ったコンタドールは「3度目の総合優勝を果たすなんて夢のよう。山あり谷ありの数ヶ月の最後に落車するのは御免だ。だから慎重に走ったよ」と語る。ツールの悔しさを忘れ去るブエルタの勝利によって、コンタドールはUCIワールドツアーランキングの首位に躍り出た。
選手コメントはレース公式リリースより。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2014第21ステージ結果
1位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)
2位 ジェシー・サージェント(ニュージーランド、トレックファクトリーレーシング)
3位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)
4位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)
5位 ジミー・アングルヴァン(フランス、ユーロップカー)
6位 セルゲイ・チェルネツキ(ロシア、カチューシャ)
7位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、キャノンデール)
8位 アレクセイ・ルトセンコ(カザフスタン、アスタナ)
9位 ヤスパー・ストゥイフェン(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)
10位 ダミアン・ゴダン(フランス、AG2Rラモンディアール)
32位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
48位 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
56位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
63位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
68位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール)
70位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
85位 ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス)
101位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
104位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
122位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
2位 ジェシー・サージェント(ニュージーランド、トレックファクトリーレーシング)
3位 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシング)
4位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チームスカイ)
5位 ジミー・アングルヴァン(フランス、ユーロップカー)
6位 セルゲイ・チェルネツキ(ロシア、カチューシャ)
7位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、キャノンデール)
8位 アレクセイ・ルトセンコ(カザフスタン、アスタナ)
9位 ヤスパー・ストゥイフェン(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)
10位 ダミアン・ゴダン(フランス、AG2Rラモンディアール)
32位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
48位 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
56位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
63位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
68位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール)
70位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
85位 ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス)
101位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
104位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
122位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
11'12"
+08"
+09"
+17"
+18"
+55"
+1'03"
+1'08"
+1'13"
+1'15"
+1'17"
+1'33"
+1'40"
+1'41"
+1'54"
+08"
+09"
+17"
+18"
+55"
+1'03"
+1'08"
+1'13"
+1'15"
+1'17"
+1'33"
+1'40"
+1'41"
+1'54"
マイヨロホ(個人総合成績)
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
5位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
6位 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
7位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
8位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
9位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール)
10位 ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス)
2位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
5位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
6位 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
7位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
8位 ワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・シマノ)
9位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール)
10位 ダニエル・ナバーロ(スペイン、コフィディス)
81h25'05"
+1'10"
+1'50"
+3'25"
+4'48"
+9'30"
+10'38"
+11'50"
+12'50"
+13'02"
+1'10"
+1'50"
+3'25"
+4'48"
+9'30"
+10'38"
+11'50"
+12'50"
+13'02"
マイヨプントス(ポイント賞)
1位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
169pts
146pts
145pts
146pts
145pts
マイヨモンターニャ(山岳賞)
1位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
58pts
45pts
40pts
45pts
40pts
マイヨコンビナーダ(複合賞)
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
6pts
8pts
11pts
8pts
11pts
チーム総合成績
1位 カチューシャ
2位 モビスター
3位 ティンコフ・サクソ
2位 モビスター
3位 ティンコフ・サクソ
244h19'36"
+38'54"
+40'16"
+38'54"
+40'16"
ステージ敢闘賞
アドリアーノ・マローリ(イタリア、モビスター)
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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