2014/09/07(日) - 12:29
ブエルタ初登場の1級山岳、ラ・カンペロナ最後の激坂区間で抜け出したオリバー・ツァウグ(スイス、ティンコフ・サクソ)を忍耐の走りで捉えたライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)が、160kmにわたる逃げの末の勝利を手にした。総合争いも激化し、フルームがコンタドールに8秒を返す好走を見せた。
200.8kmと、今大会で2番目に長いステージ14。海沿いの大都市、サンタンデルから内陸の山岳地帯へと向けて長い1日を過ごすプロトンの前には、3つのカテゴリー山岳が立ちはだかった。
サンタンデルから、10.5kmの長いパレード走行を終え、アクチュアルスタートが切られると同時にアタックが頻発。一度は山岳ジャージを着るルイス・マスボネ(スペイン、カハルーラル)を含む19名の逃げが形成されるも、中間スプリントポイント前に吸収。
この日の逃げが決まったのは、36km地点の中間スプリントポイントを通過してから。ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)やアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)、ライダー・ヘシェダル、オリバー・ツァウグを含む23名の逃げグループが形成された。
集団はこの逃げを容認し、一気にタイム差は開いていく。最大で6分30秒差までタイム差が開く。レース中盤には、ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)やペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)がバイクを降りた。
カテゴリー山岳をこなしていく中で、23名の逃げ集団は数を減らしていく。2級山岳ラ・オス峠、1級山岳サングロリオ峠ともに、敢闘賞ゼッケンをつけるルイスレオン・サンチェスがトップ通過し、山岳ポイントを獲得。チームメイトのルイス・マスボネから山岳ジャージを譲り受ける展開に。
一気に1000m以上を駆け上がるサングロリオ峠の後には12人となった逃げ集団。ラスト8kmから始まる1級山岳ラ・カンペロナでは、前半の緩斜面区間で、アダム・ハンセンが逃げ集団を率いていく。一方、メイン集団ではチームスカイが一気にペースアップを図る。
急激に斜度を増す、残り2.5km地点でそれまで協調体制を保っていた逃げ集団は一気に崩壊。よじ登るようにして15%を超える急勾配区間を進む7名の中から、ライダー・ヘシェダルがペースアップしたのに合わせ、オリバー・ツァウグがアタックを決める。一気に10秒以上の差をつける。
このまま、ツァウグが行くかと思われたがヘシェダルも粘りを見せ、常にツァウグを視界に入れる位置で登り続ける。そして、の勾配が緩くなる区間を利用して一気に差を詰めるとラスト150mで追いつき、そのままアタック。この動きにツァウグは反応出来ず、ヘシェダルが160kmにわたる逃げ切り勝利を手に入れた。
一方、後方では総合勢も火花を散らしあった。口火を切ったのは、総合2位につけるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン・モビスター)。マイヨロホのアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がすかさず反応し、ホアキン・ロドリゲス(スペイン・カチューシャ)、ファビオ・アル(イタリア・アスタナ)の4名に絞られた中から、コンタドールが再度アタックするもののロドリゲスがチェックに入る。
これらの動きに反応していなかった、クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)はペースを保ち、後れを取ったバルベルデに入れ替わる形で、後ろから合流を果たす。コンタドール、フルーム、ロドリゲス、アルの4名となった集団。緩斜面の区間でフルームがアタックしペースアップ。ロドリゲスが必死に追走する中、コンタドールが遅れた。
最終的に、フルームはコンタドールに対し8秒、バルベルデに対し30秒を詰める結果となり、総合3位へポジションを上げた。
総合争いの行方を握る3連続山頂フィニッシュの初日、幸先のいいスタートを切ったクリス・フルーム。続く第15,16ステージで、総合は入れ替わるのか。ますます目が離せない。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2014第14ステージ結果
マイヨロホ(個人総合成績)
マイヨプントス(ポイント賞)
マイヨモンターニャ(山岳賞)
マイヨコンビナーダ(複合賞)
チーム総合成績
ステージ敢闘賞
ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)
text:Naoki.YASUOKA
photo:Cor Vos
200.8kmと、今大会で2番目に長いステージ14。海沿いの大都市、サンタンデルから内陸の山岳地帯へと向けて長い1日を過ごすプロトンの前には、3つのカテゴリー山岳が立ちはだかった。
サンタンデルから、10.5kmの長いパレード走行を終え、アクチュアルスタートが切られると同時にアタックが頻発。一度は山岳ジャージを着るルイス・マスボネ(スペイン、カハルーラル)を含む19名の逃げが形成されるも、中間スプリントポイント前に吸収。
この日の逃げが決まったのは、36km地点の中間スプリントポイントを通過してから。ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)やアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)、ライダー・ヘシェダル、オリバー・ツァウグを含む23名の逃げグループが形成された。
集団はこの逃げを容認し、一気にタイム差は開いていく。最大で6分30秒差までタイム差が開く。レース中盤には、ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)やペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)がバイクを降りた。
カテゴリー山岳をこなしていく中で、23名の逃げ集団は数を減らしていく。2級山岳ラ・オス峠、1級山岳サングロリオ峠ともに、敢闘賞ゼッケンをつけるルイスレオン・サンチェスがトップ通過し、山岳ポイントを獲得。チームメイトのルイス・マスボネから山岳ジャージを譲り受ける展開に。
一気に1000m以上を駆け上がるサングロリオ峠の後には12人となった逃げ集団。ラスト8kmから始まる1級山岳ラ・カンペロナでは、前半の緩斜面区間で、アダム・ハンセンが逃げ集団を率いていく。一方、メイン集団ではチームスカイが一気にペースアップを図る。
急激に斜度を増す、残り2.5km地点でそれまで協調体制を保っていた逃げ集団は一気に崩壊。よじ登るようにして15%を超える急勾配区間を進む7名の中から、ライダー・ヘシェダルがペースアップしたのに合わせ、オリバー・ツァウグがアタックを決める。一気に10秒以上の差をつける。
このまま、ツァウグが行くかと思われたがヘシェダルも粘りを見せ、常にツァウグを視界に入れる位置で登り続ける。そして、の勾配が緩くなる区間を利用して一気に差を詰めるとラスト150mで追いつき、そのままアタック。この動きにツァウグは反応出来ず、ヘシェダルが160kmにわたる逃げ切り勝利を手に入れた。
一方、後方では総合勢も火花を散らしあった。口火を切ったのは、総合2位につけるアレハンドロ・バルベルデ(スペイン・モビスター)。マイヨロホのアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)がすかさず反応し、ホアキン・ロドリゲス(スペイン・カチューシャ)、ファビオ・アル(イタリア・アスタナ)の4名に絞られた中から、コンタドールが再度アタックするもののロドリゲスがチェックに入る。
これらの動きに反応していなかった、クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)はペースを保ち、後れを取ったバルベルデに入れ替わる形で、後ろから合流を果たす。コンタドール、フルーム、ロドリゲス、アルの4名となった集団。緩斜面の区間でフルームがアタックしペースアップ。ロドリゲスが必死に追走する中、コンタドールが遅れた。
最終的に、フルームはコンタドールに対し8秒、バルベルデに対し30秒を詰める結果となり、総合3位へポジションを上げた。
総合争いの行方を握る3連続山頂フィニッシュの初日、幸先のいいスタートを切ったクリス・フルーム。続く第15,16ステージで、総合は入れ替わるのか。ますます目が離せない。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2014第14ステージ結果
1位 ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)
2位 オリバー・ツァウグ(スイス、ティンコフ・サクソ)
3位 イマノル・エルビーティ(スペイン、モビスター)
4位 アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)
5位 ルイス・メンシェス(南アフリカ、MTNキュベカ)
6位 バルト・ デクレルク(ベルギー、ロット・ベリソル)
7位 ロメン・シカール(フランス、ユーロップカー)
8位 ダビ・アロヨ(スペイン、カハルーラル)
9位 カルロス・ベローナ(スペイン、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
2位 オリバー・ツァウグ(スイス、ティンコフ・サクソ)
3位 イマノル・エルビーティ(スペイン、モビスター)
4位 アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)
5位 ルイス・メンシェス(南アフリカ、MTNキュベカ)
6位 バルト・ デクレルク(ベルギー、ロット・ベリソル)
7位 ロメン・シカール(フランス、ユーロップカー)
8位 ダビ・アロヨ(スペイン、カハルーラル)
9位 カルロス・ベローナ(スペイン、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
5h18'10"
+10"
+30"
+39"
+42"
+52"
+1'44"
+2'02"
+2'15"
+2'36"
+10"
+30"
+39"
+42"
+52"
+1'44"
+2'02"
+2'15"
+2'36"
マイヨロホ(個人総合成績)
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
7位 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
8位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ベルキン)
9位 ビネル・アナコナゴメス(コロンビア、ランプレ・メリダ)
10位 ダニエル・マーティン(イタリア、ガーミン・シャープ)
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
4位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
5位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ)
7位 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシング)
8位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ベルキン)
9位 ビネル・アナコナゴメス(コロンビア、ランプレ・メリダ)
10位 ダニエル・マーティン(イタリア、ガーミン・シャープ)
54h20'16"
+42"
+1'13"
+1'29"
+2'07"
+2'15"
+3'26"
+4'14"
+4'36"
+4'37"
+42"
+1'13"
+1'29"
+2'07"
+2'15"
+3'26"
+4'14"
+4'36"
+4'37"
マイヨプントス(ポイント賞)
1位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
2位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
3位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
116pts
80pts
73pts
80pts
73pts
マイヨモンターニャ(山岳賞)
1位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)
2位 ルイス・マスボネ(スペイン、カハルーラル)
3位 ビネル・アナコナゴメス(コロンビア、ランプレ・メリダ)
2位 ルイス・マスボネ(スペイン、カハルーラル)
3位 ビネル・アナコナゴメス(コロンビア、ランプレ・メリダ)
26pts
20pts
18pts
20pts
18pts
マイヨコンビナーダ(複合賞)
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
3位 クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
8pts
14pts
21pts
14pts
21pts
チーム総合成績
1位 モビスター
2位 カチューシャ
3位 オメガファーマ・クイックステップ
2位 カチューシャ
3位 オメガファーマ・クイックステップ
162h44'53"
+1'08"
+9'02"
+1'08"
+9'02"
ステージ敢闘賞
ルイスレオン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)
text:Naoki.YASUOKA
photo:Cor Vos
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