2014/09/05(金) - 16:44
落車が勝負の明暗を分けたブエルタ・ア・エスパーニャ第12ステージの集団スプリント。チームメイトの完璧なリードアウトを受けて3勝目を掴んだステージ3勝目を飾ったジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)の他、スプリンターたちのコメントをお届けします。
ステージ3勝目を飾ったジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
落車の音は聞こえたけど、自分のスプリントに集中していたので落車自体は見ていない。ラモン・シンケルダムのリードアウトは素晴らしかった。フィニッシュ前の少し混乱した状況を切り抜けて、チームの仕事を完璧にこなすことが出来てよかった。
何勝かしたいと思っていたので、ステージ3勝目に満足している。総合エースのワレン・バーギルも上位を狙える位置につけているし、チームとして結果を出せている。チームの雰囲気はとても良くて、互いを信頼して走ることが出来ている。
数日前に落車した影響が残っているんだ。山岳ステージでエネルギーが削がれたし、苦しみ続けた。この先のステージで脚の調子が戻れば良いけど、とにかくまだパーフェクトなコンディションにはほど遠い。落車の擦過傷で皮膚を失ったし、パワーが欠けていると感じる。ブエルタは偉大なレースだけど、世界選手権に向けた準備レースという位置づけでもある。世界選手権を見据えるならば、もっと調子を上げないと。世界選手権で勝ちたい。
ステージ2位のトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
ポジションも良かったし、パワーも出ていた。でも勝つためにはもっと早く仕掛けるべきだった。ハイスピードなスプリントだったので、今日は早く仕掛けた者勝ちだったんだ。僕をマークしていたデゲンコルブのスプリントは完璧だった。コース特性を最大限活かし、完璧なタイミングでスプリントを開始し、そして強かった。早く仕掛けていれば勝てていたと思う。本格的なスプリントに絡むのは今大会初めてだけど、久々に先頭争いに加わることが出来て嬉しいよ。
ステージ3位に入ったジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、アスタナ)
今日はグアルディーニのために走っていたので勝利を狙っていなかった。グアルディーニを引き上げるために多くのエネルギーを使ったけど、残り1.5kmを切ってから彼が落車に巻き込まれてしまった。デゲンコルブとボーネンに次いで3位に入ったものの、数年前までのスピードを取り戻せずにいる。だからリードアウトマンとして磨きをかけているんだ。今日はジャイアント・シマノが素晴らしいトレインを組んでいた。
単独で逃げ、敢闘賞を獲得したマティアス・クリセク(オーストリア、キャノンデール)
スタート前から「逃げに乗るぞ!」と思っていたけど、単独逃げになるなんて予想していなかった。飛び出してから誰かが追いついてくることを期待していたものの、誰も来なかった。逃げている間、ペースを下げたり用を足したりしながら後ろの反応を待ったものの、何も起こらなかった。だから諦めて自分のリズムで逃げ続けることにした。
まだ厳しいステージが残っているので、追い込み切らなかった。一人vsプロトンは圧倒的に不利。幻想は描かなかった。でも周回を重ねる度に名前を覚えてくれるファンが増えて、増え続ける大歓声に後押しされた。逃げていて飽きることはなかったよ。
ティンコフ・サクソのフィリップ・モデュイ監督
今日のようにフィニッシュ手前でラウンドアバウトを通過する場合、アルベルト(コンタドール)はチームメイトと一緒にペースを上げて集団を縦に伸ばすんだ。そうすることで安全度が上がる。最後のラウンドアバウトを通過してからペースを弱めて、あとはスプリンターたちに先を行かせた。
ブアニのリードアウトを担ったジョフレ・スープ(フランス、FDJ.fr)
残り500mで一気に前に出てナセルを発射しようと思っていた。でも目の前でペルッキとグアルディーニが落車。避けることが出来ずにナセルと一緒に突っ込んでしまった。スプリントに向けて一日中ずっとチームが働いていただけに悔しい結果になってしまった。不幸中の幸いは、ナセルも僕も無傷だということ。
ステージ9位のヤスパー・ストゥイフェン(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)
ポポ(ポポヴィッチ)とファビアン(カンチェラーラ)に連れられて残り4kmから始まる連続ラウンドアバウトを越えて、そこからファビアンの強力な走りで一気にポジションを上げた。まさにパーフェクトなポジションからのハイスピードスプリント。でもトップギア(11T)に変速出来ず、12Tでのハイケイデンススプリントになってしまった。今日こそ自分のスプリントに持ち込めると思っていただけに、チャンスを失ったことが残念でならない。
リードアウトしながら8位に入ったファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)
みんなフレッシュだったのでハイスピードな闘いになった。集団は簡単に55km/hから65km/hまで加速。最後は機材トラブルで勝負に持ち込めなかった。ギアが足りない状況でスペシャリストを相手にするのは不可能。グランツール初出場のヤスパー(ストゥイフェン)は健闘している。でもトップ10に2人が入ったことに意味は無い。
text:Kei Tsuji
ステージ3勝目を飾ったジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
落車の音は聞こえたけど、自分のスプリントに集中していたので落車自体は見ていない。ラモン・シンケルダムのリードアウトは素晴らしかった。フィニッシュ前の少し混乱した状況を切り抜けて、チームの仕事を完璧にこなすことが出来てよかった。
何勝かしたいと思っていたので、ステージ3勝目に満足している。総合エースのワレン・バーギルも上位を狙える位置につけているし、チームとして結果を出せている。チームの雰囲気はとても良くて、互いを信頼して走ることが出来ている。
数日前に落車した影響が残っているんだ。山岳ステージでエネルギーが削がれたし、苦しみ続けた。この先のステージで脚の調子が戻れば良いけど、とにかくまだパーフェクトなコンディションにはほど遠い。落車の擦過傷で皮膚を失ったし、パワーが欠けていると感じる。ブエルタは偉大なレースだけど、世界選手権に向けた準備レースという位置づけでもある。世界選手権を見据えるならば、もっと調子を上げないと。世界選手権で勝ちたい。
ステージ2位のトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
ポジションも良かったし、パワーも出ていた。でも勝つためにはもっと早く仕掛けるべきだった。ハイスピードなスプリントだったので、今日は早く仕掛けた者勝ちだったんだ。僕をマークしていたデゲンコルブのスプリントは完璧だった。コース特性を最大限活かし、完璧なタイミングでスプリントを開始し、そして強かった。早く仕掛けていれば勝てていたと思う。本格的なスプリントに絡むのは今大会初めてだけど、久々に先頭争いに加わることが出来て嬉しいよ。
ステージ3位に入ったジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、アスタナ)
今日はグアルディーニのために走っていたので勝利を狙っていなかった。グアルディーニを引き上げるために多くのエネルギーを使ったけど、残り1.5kmを切ってから彼が落車に巻き込まれてしまった。デゲンコルブとボーネンに次いで3位に入ったものの、数年前までのスピードを取り戻せずにいる。だからリードアウトマンとして磨きをかけているんだ。今日はジャイアント・シマノが素晴らしいトレインを組んでいた。
単独で逃げ、敢闘賞を獲得したマティアス・クリセク(オーストリア、キャノンデール)
スタート前から「逃げに乗るぞ!」と思っていたけど、単独逃げになるなんて予想していなかった。飛び出してから誰かが追いついてくることを期待していたものの、誰も来なかった。逃げている間、ペースを下げたり用を足したりしながら後ろの反応を待ったものの、何も起こらなかった。だから諦めて自分のリズムで逃げ続けることにした。
まだ厳しいステージが残っているので、追い込み切らなかった。一人vsプロトンは圧倒的に不利。幻想は描かなかった。でも周回を重ねる度に名前を覚えてくれるファンが増えて、増え続ける大歓声に後押しされた。逃げていて飽きることはなかったよ。
ティンコフ・サクソのフィリップ・モデュイ監督
今日のようにフィニッシュ手前でラウンドアバウトを通過する場合、アルベルト(コンタドール)はチームメイトと一緒にペースを上げて集団を縦に伸ばすんだ。そうすることで安全度が上がる。最後のラウンドアバウトを通過してからペースを弱めて、あとはスプリンターたちに先を行かせた。
ブアニのリードアウトを担ったジョフレ・スープ(フランス、FDJ.fr)
残り500mで一気に前に出てナセルを発射しようと思っていた。でも目の前でペルッキとグアルディーニが落車。避けることが出来ずにナセルと一緒に突っ込んでしまった。スプリントに向けて一日中ずっとチームが働いていただけに悔しい結果になってしまった。不幸中の幸いは、ナセルも僕も無傷だということ。
ステージ9位のヤスパー・ストゥイフェン(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)
ポポ(ポポヴィッチ)とファビアン(カンチェラーラ)に連れられて残り4kmから始まる連続ラウンドアバウトを越えて、そこからファビアンの強力な走りで一気にポジションを上げた。まさにパーフェクトなポジションからのハイスピードスプリント。でもトップギア(11T)に変速出来ず、12Tでのハイケイデンススプリントになってしまった。今日こそ自分のスプリントに持ち込めると思っていただけに、チャンスを失ったことが残念でならない。
リードアウトしながら8位に入ったファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)
みんなフレッシュだったのでハイスピードな闘いになった。集団は簡単に55km/hから65km/hまで加速。最後は機材トラブルで勝負に持ち込めなかった。ギアが足りない状況でスペシャリストを相手にするのは不可能。グランツール初出場のヤスパー(ストゥイフェン)は健闘している。でもトップ10に2人が入ったことに意味は無い。
text:Kei Tsuji
Amazon.co.jp