2014/09/02(火) - 16:30
今大会初めての休息日を迎えたブエルタ・ア・エスパーニャ。翌日には、勝負どころとなるタイムトライアルを控えた総合上位勢のコメントをお伝えします。
アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
明日は自分のコンディションがどの程度か見定める良いテストになる。昨日の結果で間違った憶測をしたくないから、明日の結果を待って見定めることにする。今言えることは、ブエルタの総合優勝を狙うであろうこと。でもまだ脚があるかどうかが分からない。山岳ステージを2つ越えた現時点でも明確なことが言えないんだ。ただし開幕から日に日に集中の度合いを高めているし、調子も上向きになっている。
ライバル達のレースもまだ始まったばかり。キンタナやフルームはタイムトライアルでは最強の一角になることに加え、他にロドリゲスやバルベルデも調子が良い。それぞれの走りを見るに現状のタイム差はほとんど意味をなさないと思って良いだろう。全員が総合順位で近いところにいるんだ。
僕の調子は万全ではない。2012年のブエルタではロドリゲスと常に競り合っていた。彼はどんなステージでも僕の動きに逐一反応していたね。今年はまだ難関山岳ステージが登場していないから厳密には言えないけれど、彼はその時よりも強さを増していると思う。
明日のTTのコースは、コースマップで見るよりもよりキツそうだ。最初の区間は急勾配を含む登りで、それを終えればすぐに舗装の安定していないハイスピードのダウンヒルが待っている。最後はスピードの乗る平坦路だから本当にタフなレースになるだろう。
もともとツールと同じように絶対的な目標を持ってブエルタに臨んではいないけれど、また第2週も同じように過剰な期待はしないでおく。たくさんの人からのサポートがあってこそこの舞台に立てているし、それ自体がここにいる理由そのものだ。ツールのようなプレッシャーは感じていないし、自分をプレッシャーから解放する術があることにも気づいた。リラックスできているよ。
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
昨日はタイム差を奪うことは時に考えていなかった。先週は自分の調子も良かったし、山岳でチームの動きもパーフェクトだったからマイヨロホを手に入れたいと思っていた。レースの展開的に僕がリーダージャージを着ることになったけれど、大きなリードを奪えている訳ではない。僕は自分のタイムトライアル能力を少し改善することができている。総合ライバルの多くはTTのスペシャリストでもあるのでタイムを失わないようにする必要があるけれど、結果的にどうなるかは分からない。
現時点では脚がある。この先も調子を良い状態でキープして明日は自分のベストを尽くして走りたいと思う。暑すぎでも寒すぎでもなく、いつものブエルタの気温となることを祈りたいね。僕らは最後までジャージを守り抜くべく走るけれど、それが簡単ではないことももちろん知っている。でも最強のチームがついてくれているし、然るべきタイミングが来るまで冷静に状況を見定めていきたい。
僕らのライバルがレース前に多くを語っていたけれど、それは全く意味をなさない。昨日の結果でコンタドールこそ力があると分かっただろう。彼はツールでのクラッシュを乗り越えてなお強力な走りを魅せているけれど、僕はレース前から彼が強いだろうことは分かっていた。次に警戒しなければならないのはプリートであり、TTに強いフルームだ。
僕らはレースの主導権を握っているけれど、モビスターの強みはリーダーが二人揃っていることにある。ライバルにとっては厄介な存在だし、僕らはどんな時でも冷静で戦略を立てていくことを忘れない。僕らにとって最大の目標は、チームとして動き、価値を狙っていくこと。まだまだレースには、どんなことだって起こりうる。
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
明日のタイムトライアルは非常にタフなステージになるだとう。最初の11kmはペースの変化が激しいためリズムが掴みにくく、登りの勾配も最後になるほどに厳しさを増していくから一定ペースは刻めない。平坦でも風が吹くだろうから休むポイントが無いんだ。強力なライバルになるだろうフルームは明日のTTでは最強クラスの選手だし、ステージ優勝にも可能性がある。でも僕やナイロをはじめとした総合勢も、様々なシチュエーションが混じりあったコースでは強さを発揮できると思う。
明日がどんな結果になっても、このブエルタに勝つために僕らは戦いつづけていくし、レースを楽しむつもりだ。僕らにとって何よりも大切なことは、僕らが成したこと、その結果として得たものを楽しむことなんだ。チームとしての目標は単純で、このブエルタに勝つために参加し、そして今は1位と3位というポジションを得ている。次の2週間も僕らはライバルよりも強くいられるだろう。
南部を通った最初の数日間は、苦しいステージだったけれどライバルたちの味わった苦しみに比べると軽いものだったのかもしれない。昨日なんかは40度以上の気温だったのが、雨と同時に一気に10度ぐらいまで下がってしまい、本当に寒くて仕方がなかった。
身体は昨日のような状況に対して警報を鳴らしていたよ。こういう気候の急激な変化が大きな影響を与えないことを祈るよ。ライバルたちが自分のコンディションをレースの前に隠していたかって?ロドリゲスは、いつもベストの結果を残すためにレースに出場しているしブエルタでも勝利を狙っている。フルームも同じだね。
コンタドールは、最初は出場しないと決めていたようだけど、怪我の回復も順調で最終的には出場を決めた。初日から調子は良さそうで積極的に動いていたし、今はもっと調子を上げている。僕にとっては最大のライバルだ。
今はこのブエルタのなかでも最も難しいタイミングだと思う。休息日明けのタイムトライアルというのは本当に珍しいシチュエーションで、体がどういった反応を返してくれるか未知数だからね。明後日からは、3つの山岳ステージが続く。最初のパンプローナのステージは特に厳しいだろう。そこでトライすることも出来るだろうけど、この長いレース中、チームをできるだけ良い形で保っておくことも必要なんだ。
ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
最初の週、非常によく生き残ることができたと思う。調子は良いし、総合での順位もかなり良いところで保っている。それに、チームのみんなは彼らの困難な任務のために良く準備してくれていたことを示せたと思う。
明日のステージは僕にとって、そしてこのレース全体にとって極めて大切な日となるだろう。僕はまだタイムトライアルのコースをまだ良く見ていないけど、一見したところ非常にタフで少し危険なコースの前半と、平坦な後半という二つのタイムトライアルの組み合わせの様に見える。僕は前半が好きだね。
クリス・フルームとアルベルト・コンタドールはこのタイムトライアルに向いているだろうけど、ツアーオブブルゴスのタイムトライアルで良い結果を残したナイロ・キンタナもいい成績を残すんじゃないかと考えている。
それはとにかくとして、僕は僕のために明日のタイムトライアルに挑戦するよ。きっとタイムを失うことになるだろうけど、山岳ステージでそのタイムロスを補うことができるだけの差に留められるように努力するつもりだ。
今、総合で6位にいる。最終的には、より良いポジションを狙っていくつもりだけど、これまでのステージでもいくつも危険なステージはあったし、そのたびにうまく切り抜けてこれた。これからの山岳ステージがブエルタをさらに際立たせてくれるはずだ。もし僕がこのブエルタで勝つことができるとすれば、山岳ステージの結果次第だろう。まだ、ブエルタは始まったばかりだ。
text:So.Isobe Naoki.YASUOKA
アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
明日は自分のコンディションがどの程度か見定める良いテストになる。昨日の結果で間違った憶測をしたくないから、明日の結果を待って見定めることにする。今言えることは、ブエルタの総合優勝を狙うであろうこと。でもまだ脚があるかどうかが分からない。山岳ステージを2つ越えた現時点でも明確なことが言えないんだ。ただし開幕から日に日に集中の度合いを高めているし、調子も上向きになっている。
ライバル達のレースもまだ始まったばかり。キンタナやフルームはタイムトライアルでは最強の一角になることに加え、他にロドリゲスやバルベルデも調子が良い。それぞれの走りを見るに現状のタイム差はほとんど意味をなさないと思って良いだろう。全員が総合順位で近いところにいるんだ。
僕の調子は万全ではない。2012年のブエルタではロドリゲスと常に競り合っていた。彼はどんなステージでも僕の動きに逐一反応していたね。今年はまだ難関山岳ステージが登場していないから厳密には言えないけれど、彼はその時よりも強さを増していると思う。
明日のTTのコースは、コースマップで見るよりもよりキツそうだ。最初の区間は急勾配を含む登りで、それを終えればすぐに舗装の安定していないハイスピードのダウンヒルが待っている。最後はスピードの乗る平坦路だから本当にタフなレースになるだろう。
もともとツールと同じように絶対的な目標を持ってブエルタに臨んではいないけれど、また第2週も同じように過剰な期待はしないでおく。たくさんの人からのサポートがあってこそこの舞台に立てているし、それ自体がここにいる理由そのものだ。ツールのようなプレッシャーは感じていないし、自分をプレッシャーから解放する術があることにも気づいた。リラックスできているよ。
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
昨日はタイム差を奪うことは時に考えていなかった。先週は自分の調子も良かったし、山岳でチームの動きもパーフェクトだったからマイヨロホを手に入れたいと思っていた。レースの展開的に僕がリーダージャージを着ることになったけれど、大きなリードを奪えている訳ではない。僕は自分のタイムトライアル能力を少し改善することができている。総合ライバルの多くはTTのスペシャリストでもあるのでタイムを失わないようにする必要があるけれど、結果的にどうなるかは分からない。
現時点では脚がある。この先も調子を良い状態でキープして明日は自分のベストを尽くして走りたいと思う。暑すぎでも寒すぎでもなく、いつものブエルタの気温となることを祈りたいね。僕らは最後までジャージを守り抜くべく走るけれど、それが簡単ではないことももちろん知っている。でも最強のチームがついてくれているし、然るべきタイミングが来るまで冷静に状況を見定めていきたい。
僕らのライバルがレース前に多くを語っていたけれど、それは全く意味をなさない。昨日の結果でコンタドールこそ力があると分かっただろう。彼はツールでのクラッシュを乗り越えてなお強力な走りを魅せているけれど、僕はレース前から彼が強いだろうことは分かっていた。次に警戒しなければならないのはプリートであり、TTに強いフルームだ。
僕らはレースの主導権を握っているけれど、モビスターの強みはリーダーが二人揃っていることにある。ライバルにとっては厄介な存在だし、僕らはどんな時でも冷静で戦略を立てていくことを忘れない。僕らにとって最大の目標は、チームとして動き、価値を狙っていくこと。まだまだレースには、どんなことだって起こりうる。
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
明日のタイムトライアルは非常にタフなステージになるだとう。最初の11kmはペースの変化が激しいためリズムが掴みにくく、登りの勾配も最後になるほどに厳しさを増していくから一定ペースは刻めない。平坦でも風が吹くだろうから休むポイントが無いんだ。強力なライバルになるだろうフルームは明日のTTでは最強クラスの選手だし、ステージ優勝にも可能性がある。でも僕やナイロをはじめとした総合勢も、様々なシチュエーションが混じりあったコースでは強さを発揮できると思う。
明日がどんな結果になっても、このブエルタに勝つために僕らは戦いつづけていくし、レースを楽しむつもりだ。僕らにとって何よりも大切なことは、僕らが成したこと、その結果として得たものを楽しむことなんだ。チームとしての目標は単純で、このブエルタに勝つために参加し、そして今は1位と3位というポジションを得ている。次の2週間も僕らはライバルよりも強くいられるだろう。
南部を通った最初の数日間は、苦しいステージだったけれどライバルたちの味わった苦しみに比べると軽いものだったのかもしれない。昨日なんかは40度以上の気温だったのが、雨と同時に一気に10度ぐらいまで下がってしまい、本当に寒くて仕方がなかった。
身体は昨日のような状況に対して警報を鳴らしていたよ。こういう気候の急激な変化が大きな影響を与えないことを祈るよ。ライバルたちが自分のコンディションをレースの前に隠していたかって?ロドリゲスは、いつもベストの結果を残すためにレースに出場しているしブエルタでも勝利を狙っている。フルームも同じだね。
コンタドールは、最初は出場しないと決めていたようだけど、怪我の回復も順調で最終的には出場を決めた。初日から調子は良さそうで積極的に動いていたし、今はもっと調子を上げている。僕にとっては最大のライバルだ。
今はこのブエルタのなかでも最も難しいタイミングだと思う。休息日明けのタイムトライアルというのは本当に珍しいシチュエーションで、体がどういった反応を返してくれるか未知数だからね。明後日からは、3つの山岳ステージが続く。最初のパンプローナのステージは特に厳しいだろう。そこでトライすることも出来るだろうけど、この長いレース中、チームをできるだけ良い形で保っておくことも必要なんだ。
ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
最初の週、非常によく生き残ることができたと思う。調子は良いし、総合での順位もかなり良いところで保っている。それに、チームのみんなは彼らの困難な任務のために良く準備してくれていたことを示せたと思う。
明日のステージは僕にとって、そしてこのレース全体にとって極めて大切な日となるだろう。僕はまだタイムトライアルのコースをまだ良く見ていないけど、一見したところ非常にタフで少し危険なコースの前半と、平坦な後半という二つのタイムトライアルの組み合わせの様に見える。僕は前半が好きだね。
クリス・フルームとアルベルト・コンタドールはこのタイムトライアルに向いているだろうけど、ツアーオブブルゴスのタイムトライアルで良い結果を残したナイロ・キンタナもいい成績を残すんじゃないかと考えている。
それはとにかくとして、僕は僕のために明日のタイムトライアルに挑戦するよ。きっとタイムを失うことになるだろうけど、山岳ステージでそのタイムロスを補うことができるだけの差に留められるように努力するつもりだ。
今、総合で6位にいる。最終的には、より良いポジションを狙っていくつもりだけど、これまでのステージでもいくつも危険なステージはあったし、そのたびにうまく切り抜けてこれた。これからの山岳ステージがブエルタをさらに際立たせてくれるはずだ。もし僕がこのブエルタで勝つことができるとすれば、山岳ステージの結果次第だろう。まだ、ブエルタは始まったばかりだ。
text:So.Isobe Naoki.YASUOKA