2014/08/25(月) - 08:48
8月24日、平坦コースで行なわれたブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)第2ステージで、ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)が冴え渡るスプリントを見せ勝利。心配された風による荒れた展開にはならなかった。
ジブラルタル海峡の海岸線を行く第2ステージ。レース序盤18km地点で通過するタリファはヨーロッパ大陸最南端の街であり、海峡の向こうにはアフリカ大陸を望む。ヨーロッパ側のタリファ岬と対岸のモロッコは14kmしか離れていない。
スタート直後、11km地点で登場した3級山岳カブリト峠で山岳賞ジャージ着用を懸けたアタック合戦が勃発する。2011年のジャパンカップ覇者ネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・シャープ)がここを先着。山岳賞ジャージを確定させると、2番手通過のクリスティアン・ズバラーリ(イタリア)とともに集団に戻った。
ハースとズバラーリが下がると、ジャック・ヴァンレンスバーグ(南アフリカ、MTNキュベカ)、ヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ)、ハビエル・アラメンディア(スペイン、カハルーラル)、そしてこの日が26歳の誕生日のロメン・アルディ(フランス、コフィディス)が先行を開始する。
マイヨロホ擁するモビスターはこの動きを容認。タイム差は5分まで広がり、クリストファー・ホーナー(アメリカ)の代わりに急遽出場が決まったコンティがバーチャルリーダーとなる。レース中盤に差し掛かると、ジャイアント・シマノとFDJ.frがモビスターに手を差し伸べる形で集団牽引を開始。ゆっくりと、しかしながら確実にタイム差は縮まって行く。
この日は海風が心配されたが、幸いオーシャンロードで波乱は起こらず。危険回避のためポジショニングする総合系チームの積極性によって、逃げグループの中で最後まで粘っていたヴァンレンスバーグも残り18kmで吸収された。
残り12km地点で通過する吹きっさらしのホセ・レオン・デ・カランサ橋も無事クリア。ティンコフ・サクソやチームスカイ、BMCレーシング、カチューシャがメンバーを集めて集団先頭に立ち、ビーチに囲まれた一本道を突き進む。
残り5kmを切ってもなお総合系チームの支配は続き、残り1kmに差し掛かったところでようやくジャイアント・シマノとFDJ.frが主導権を奪い取る。リードアウトトレインを組む2チームがタイミングを見計らって一気に先頭に上がった。
FDJ.fr先頭で残り1kmを切り、ジョフレ・スープ(フランス、FDJ.fr)がリードアウトを続けて最終ストレートに突入。その後ろではオスカル・ガット(イタリア、キャノンデール)らがポジションを競り合う。緩やかに登るストレートで、パーフェクトな位置からブアニがスプリントを開始した。
「チームをプレッシャーから解くために、出来るだけ早く勝利を掴みたかった」。そう語るブアニが、後方から勢いよく追い上げたジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)らを悠々と振り切る。ジロでステージ3勝を飾ってポイント賞を獲得した24歳がスプリント第1ラウンドで圧勝した。
「まだ第2ステージなので何とも言えないけど、グリーンジャージ(ポイント賞)を守るためには中間スプリントも狙う必要が出てくるだろう。でもジャージに囚われることはないよ。次なる目標はステージ2勝目。この勝利は自分に自信を与えてくれる」と、2度目のブエルタで貪欲にステージ優勝を狙う姿勢を見せた。
好スタートを切ったFDJ.fr。しかしツール総合3位のティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)は終盤のペースアップによって集団から脱落し、1分17秒遅れのステージ181位でフィニッシュした。
まだツールの疲れを引きずっているというピノの他にも、ウイルス感染の影響でツールをパスしたカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、AG2Rラモンディアール)も1分15秒遅れに。両者は早くも総合争いから脱落した。
マイヨロホを着ながらアシストとして動き回ったヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)はトップ集団内でフィニッシュしたものの、着順の関係でアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)に首位を譲っている。
選手コメントはレース公式リリースより。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2014第2ステージ結果
マイヨロホ(個人総合成績)
マイヨプントス(ポイント賞)
マイヨモンターニャ(山岳賞)
マイヨコンビナーダ(複合賞)
チーム総合成績
ステージ敢闘賞
ハビエル・アラメンディア(スペイン、カハルーラル)
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
ジブラルタル海峡の海岸線を行く第2ステージ。レース序盤18km地点で通過するタリファはヨーロッパ大陸最南端の街であり、海峡の向こうにはアフリカ大陸を望む。ヨーロッパ側のタリファ岬と対岸のモロッコは14kmしか離れていない。
スタート直後、11km地点で登場した3級山岳カブリト峠で山岳賞ジャージ着用を懸けたアタック合戦が勃発する。2011年のジャパンカップ覇者ネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・シャープ)がここを先着。山岳賞ジャージを確定させると、2番手通過のクリスティアン・ズバラーリ(イタリア)とともに集団に戻った。
ハースとズバラーリが下がると、ジャック・ヴァンレンスバーグ(南アフリカ、MTNキュベカ)、ヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ)、ハビエル・アラメンディア(スペイン、カハルーラル)、そしてこの日が26歳の誕生日のロメン・アルディ(フランス、コフィディス)が先行を開始する。
マイヨロホ擁するモビスターはこの動きを容認。タイム差は5分まで広がり、クリストファー・ホーナー(アメリカ)の代わりに急遽出場が決まったコンティがバーチャルリーダーとなる。レース中盤に差し掛かると、ジャイアント・シマノとFDJ.frがモビスターに手を差し伸べる形で集団牽引を開始。ゆっくりと、しかしながら確実にタイム差は縮まって行く。
この日は海風が心配されたが、幸いオーシャンロードで波乱は起こらず。危険回避のためポジショニングする総合系チームの積極性によって、逃げグループの中で最後まで粘っていたヴァンレンスバーグも残り18kmで吸収された。
残り12km地点で通過する吹きっさらしのホセ・レオン・デ・カランサ橋も無事クリア。ティンコフ・サクソやチームスカイ、BMCレーシング、カチューシャがメンバーを集めて集団先頭に立ち、ビーチに囲まれた一本道を突き進む。
残り5kmを切ってもなお総合系チームの支配は続き、残り1kmに差し掛かったところでようやくジャイアント・シマノとFDJ.frが主導権を奪い取る。リードアウトトレインを組む2チームがタイミングを見計らって一気に先頭に上がった。
FDJ.fr先頭で残り1kmを切り、ジョフレ・スープ(フランス、FDJ.fr)がリードアウトを続けて最終ストレートに突入。その後ろではオスカル・ガット(イタリア、キャノンデール)らがポジションを競り合う。緩やかに登るストレートで、パーフェクトな位置からブアニがスプリントを開始した。
「チームをプレッシャーから解くために、出来るだけ早く勝利を掴みたかった」。そう語るブアニが、後方から勢いよく追い上げたジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)らを悠々と振り切る。ジロでステージ3勝を飾ってポイント賞を獲得した24歳がスプリント第1ラウンドで圧勝した。
「まだ第2ステージなので何とも言えないけど、グリーンジャージ(ポイント賞)を守るためには中間スプリントも狙う必要が出てくるだろう。でもジャージに囚われることはないよ。次なる目標はステージ2勝目。この勝利は自分に自信を与えてくれる」と、2度目のブエルタで貪欲にステージ優勝を狙う姿勢を見せた。
好スタートを切ったFDJ.fr。しかしツール総合3位のティボー・ピノ(フランス、FDJ.fr)は終盤のペースアップによって集団から脱落し、1分17秒遅れのステージ181位でフィニッシュした。
まだツールの疲れを引きずっているというピノの他にも、ウイルス感染の影響でツールをパスしたカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、AG2Rラモンディアール)も1分15秒遅れに。両者は早くも総合争いから脱落した。
マイヨロホを着ながらアシストとして動き回ったヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)はトップ集団内でフィニッシュしたものの、着順の関係でアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)に首位を譲っている。
選手コメントはレース公式リリースより。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2014第2ステージ結果
1位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
2位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
3位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4位 ヤスパー・ストゥイフェン(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)
5位 フランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハルーラル)
6位 オスカル・ガット(イタリア、キャノンデール)
7位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、AG2Rラモンディアール)
8位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 モレノ・ホフランド(オランダ、ベルキン)
10位 マッテオ・ペルッキ(イタリア、IAMサイクリング)
2位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
3位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
4位 ヤスパー・ストゥイフェン(ベルギー、トレックファクトリーレーシング)
5位 フランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハルーラル)
6位 オスカル・ガット(イタリア、キャノンデール)
7位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、AG2Rラモンディアール)
8位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 モレノ・ホフランド(オランダ、ベルキン)
10位 マッテオ・ペルッキ(イタリア、IAMサイクリング)
4h01'30"
マイヨロホ(個人総合成績)
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
3位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)
4位 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)
5位 イマノル・エルビーティ(スペイン、モビスター)
6位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター)
7位 オスカル・ガット(イタリア、キャノンデール)
8位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
9位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール)
10位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、キャノンデール)
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
3位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)
4位 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)
5位 イマノル・エルビーティ(スペイン、モビスター)
6位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、モビスター)
7位 オスカル・ガット(イタリア、キャノンデール)
8位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
9位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール)
10位 マチェイ・ボドナール(ポーランド、キャノンデール)
4h15'43"
+06"
+06"
マイヨプントス(ポイント賞)
1位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
2位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
3位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
2位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
3位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
25pts
20pts
16pts
20pts
16pts
マイヨモンターニャ(山岳賞)
1位 ネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
2位 クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、MTNキュベカ)
3位 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ)
2位 クリスティアン・ズバラーリ(イタリア、MTNキュベカ)
3位 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ)
3pts
2pts
1pt
2pts
1pt
マイヨコンビナーダ(複合賞)
1位 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、ランプレ・メリダ)
102pts
チーム総合成績
1位 モビスター
2位 キャノンデール
3位 オリカ・グリーンエッジ
2位 キャノンデール
3位 オリカ・グリーンエッジ
12h18'43"
+06"
+06"
ステージ敢闘賞
ハビエル・アラメンディア(スペイン、カハルーラル)
text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele
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