2009/08/26(水) - 15:58
8月29日に開幕する第64回ブエルタ・ア・エスパーニャ。開幕の地オランダからスペインに渡り、イベリア半島をカタルーニャ地方、バレンシア地方、ムルシア地方まで南下するブエルタ前半ステージ(第1〜10ステージ)を紹介します!
8月29日(土)第1ステージ アッセン(オランダ)4.8km(個人TT)
初日の個人タイムトライアルは、オランダ北東部ドレンテ州の州都アッセンにあるモーターバイク用サーキットで行なわれる。ブエルタがオランダに脚を踏み入れるのは史上初だ。
モトGPやスーパーバイク世界選手権が開催される有名な高速サーキットで、TTバイクを駆る選手たちが真っ平らなコースを超ハイスピードで駆け抜ける。最速タイムを記録した選手がマイヨオロ獲得だ。距離が短いため、短距離独走を得意とするスプリンターたちにもチャンスがあるだろう。
8月30日(日)第2ステージ アッセン(オランダ)〜エメン(オランダ)203.7km
オランダと言えば標高が低く、延々と平野が広がるイメージ。その国土の4分の1が標高0メートル以下で、国名Nederland(英語でNetherlands)が「低地の国」を意味するほど。第2ステージはまさにそんな“オランダらしい”上り皆無の平坦コースだ。
コースは延々標高10〜20mで、標高15m(?)の4級山岳が設定されているが、おそらくブエルタ史上最も平らなステージだろう。ボーナスタイム(1位20秒、2位12秒、3位8秒)によるマイヨオロ獲得を目指して、スプリンターたちがバトルを繰り広げる。
8月31日(月)第3ステージ ズトフェン(オランダ)〜フェンロ(オランダ)189.7km
オランダ北部を離れ、ブエルタはベルギーに向かって南下を開始。第3ステージは平坦な189kmで行なわれ、中盤には30kmほど隣国ドイツを通過する。
概ね平坦なコースだけに、123km地点で登場する起伏が難所に見えるが、実際は標高95mほどの小高い丘に過ぎない。数カ所登場する石畳セクションは、悪路を走り慣れていないクライマー系スペイン人選手にとっては厄介な存在。しかし最後は問題なく大集団によるスプリント勝負に持ち込まれるだろう。
9月1日(火)第4ステージ フェンロ(オランダ)〜リエージュ(ベルギー)225.5km
オランダ4日間の旅を締めくくる第4ステージは隣国ベルギーに入国。ゴール地点はワンディクラシックのメッカであるリエージュだ。
全長225kmのロングコースには、アムステル・ゴールドレース名物のカウベルグや、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ名物のサンニコラが登場。特にゴール13km手前のサンニコラはステージ優勝の行方を決める重要な勝負ポイントになるだろう。ブエルタがクラシックレースの聖地を走る珍しい光景に注目だ。
9月2日(水)第1休息日
9月3日(木)第5ステージ タラゴナ〜ビナロス 174km
オランダ行脚を終えた選手たちは、その日のうちに空路でスペインへ。ブエルタは早くも1回目の休息日を迎える。
スペイン初日の第5ステージは、地中海に面したタラゴナからビナロスまでの174km。前半に標高505mの2級山岳が設定されているが、スプリンターたちも問題なく越えられる。それよりもゴールの8km手前に設定された標高145mのエルミタ峠が曲者で、主催者によると、下りが細くてテクニカル。この上りと下りで飛び出した選手が優勝を掴む可能性も高い。
9月4日(金)第6ステージ シャティバ〜シャティバ 176.8km
第6ステージのスタート&ゴールを迎え入れるのは、バレンシア州に位置する人口3万人足らずの地方都市シャティバ。前半に登場する2つの3級山岳は勝負に大きく影響しないだろう。
それよりも注目は、3級山岳ベニガニム峠が設定されたシャティバのアップダウン周回コースだ。ゴールの10km手前には標高270mのセッラグロサ峠が設定されており、ここで逃げ切りを狙う選手によるアタック合戦は必至。上りで踏ん張ればスプリンターたちにも勝機はある。
9月5日(土)第7ステージ バレンシア 30km(個人TT)
今年のブエルタ主催者は何かと珍しい物好きだ。初日のモーターバイクサーキットに続いて、第7ステージの個人TTもモータースポーツゆかり地が舞台となる。
2008年からF1ヨーロッパGPが開催されているバレンシア市街地サーキットをスタートし、郊外のエル・サレルで折り返す平坦な30km。最後はF1でチェッカーフラッグが振られるストレートにゴールする。平均50km/hを超える高速バトルが予想されるため、総合を狙うクライマー系の選手にとっては粘りどころだ。
9月6日(日)第8ステージ アルシラ〜アルト・デ・アイタナ 204.7km
ブエルタ第64回大会に設定された山頂フィニッシュは実に5回。第8ステージは今大会最初の山頂フィニッシュが設定された厳しいステージだ。
序盤から断続的にカテゴリー2級と3級の山岳が7つ連続し、最後は超級山岳アイタナ峠を駆け上がる。ラスト21.7kmで標高差1245mを上り、平均勾配は5.7%。終盤にかけて勾配が増し、平均勾配が10%近いセクションも登場する。この難関山岳ステージで、間違いなく総合成績はシャッフルがかけられるだろう。
9月7日(月)第9ステージ アルコイ〜ソレット・デル・カティ 188.8km
総合成績は第8&9ステージの2日連続山頂フィニッシュで徐々にカタチを成してくる。
第9ステージには、序盤から2つの3級山岳と4つの2級山岳が連続し、最後に1級山岳ソレット・デル・カティ峠が登場。登坂距離は4kmに満たないが、最大勾配が20%に達するため、前日の超級山岳アイタナ峠とはまた違った難しさがある。この頂上通過後1km下り、緩斜面を駆け上がってゴール。厳密に言えば山頂フィニッシュではない。しかし急坂で飛び出した選手が栄光を掴むハズだ。
9月8日(火)第10ステージ アリカンテ〜ムルシア 171.2km
山岳2連戦を終えた選手たちを待っているのは、スペイン第7の都市ムルシア(人口42万人)にゴールする平坦ステージだ。ゴール12km手前には2級山岳クレスタ・デル・ガジョ峠が設定されており、スプリンターがここを乗り切れるかどうかが勝負の分かれ道。
地元ムルシア州出身のバルベルデ(ケスデパーニュ)のように上りアタックを得意とする選手たちが、この最後の山岳で攻撃を仕掛けてくるだろう。上りで飛び出す選手と追い上げるスプリンターチームの攻防に注目だ。
text:Kei Tsuji
image:www.lavuelta.com
8月29日(土)第1ステージ アッセン(オランダ)4.8km(個人TT)
初日の個人タイムトライアルは、オランダ北東部ドレンテ州の州都アッセンにあるモーターバイク用サーキットで行なわれる。ブエルタがオランダに脚を踏み入れるのは史上初だ。
モトGPやスーパーバイク世界選手権が開催される有名な高速サーキットで、TTバイクを駆る選手たちが真っ平らなコースを超ハイスピードで駆け抜ける。最速タイムを記録した選手がマイヨオロ獲得だ。距離が短いため、短距離独走を得意とするスプリンターたちにもチャンスがあるだろう。
8月30日(日)第2ステージ アッセン(オランダ)〜エメン(オランダ)203.7km
オランダと言えば標高が低く、延々と平野が広がるイメージ。その国土の4分の1が標高0メートル以下で、国名Nederland(英語でNetherlands)が「低地の国」を意味するほど。第2ステージはまさにそんな“オランダらしい”上り皆無の平坦コースだ。
コースは延々標高10〜20mで、標高15m(?)の4級山岳が設定されているが、おそらくブエルタ史上最も平らなステージだろう。ボーナスタイム(1位20秒、2位12秒、3位8秒)によるマイヨオロ獲得を目指して、スプリンターたちがバトルを繰り広げる。
8月31日(月)第3ステージ ズトフェン(オランダ)〜フェンロ(オランダ)189.7km
オランダ北部を離れ、ブエルタはベルギーに向かって南下を開始。第3ステージは平坦な189kmで行なわれ、中盤には30kmほど隣国ドイツを通過する。
概ね平坦なコースだけに、123km地点で登場する起伏が難所に見えるが、実際は標高95mほどの小高い丘に過ぎない。数カ所登場する石畳セクションは、悪路を走り慣れていないクライマー系スペイン人選手にとっては厄介な存在。しかし最後は問題なく大集団によるスプリント勝負に持ち込まれるだろう。
9月1日(火)第4ステージ フェンロ(オランダ)〜リエージュ(ベルギー)225.5km
オランダ4日間の旅を締めくくる第4ステージは隣国ベルギーに入国。ゴール地点はワンディクラシックのメッカであるリエージュだ。
全長225kmのロングコースには、アムステル・ゴールドレース名物のカウベルグや、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ名物のサンニコラが登場。特にゴール13km手前のサンニコラはステージ優勝の行方を決める重要な勝負ポイントになるだろう。ブエルタがクラシックレースの聖地を走る珍しい光景に注目だ。
9月2日(水)第1休息日
9月3日(木)第5ステージ タラゴナ〜ビナロス 174km
オランダ行脚を終えた選手たちは、その日のうちに空路でスペインへ。ブエルタは早くも1回目の休息日を迎える。
スペイン初日の第5ステージは、地中海に面したタラゴナからビナロスまでの174km。前半に標高505mの2級山岳が設定されているが、スプリンターたちも問題なく越えられる。それよりもゴールの8km手前に設定された標高145mのエルミタ峠が曲者で、主催者によると、下りが細くてテクニカル。この上りと下りで飛び出した選手が優勝を掴む可能性も高い。
9月4日(金)第6ステージ シャティバ〜シャティバ 176.8km
第6ステージのスタート&ゴールを迎え入れるのは、バレンシア州に位置する人口3万人足らずの地方都市シャティバ。前半に登場する2つの3級山岳は勝負に大きく影響しないだろう。
それよりも注目は、3級山岳ベニガニム峠が設定されたシャティバのアップダウン周回コースだ。ゴールの10km手前には標高270mのセッラグロサ峠が設定されており、ここで逃げ切りを狙う選手によるアタック合戦は必至。上りで踏ん張ればスプリンターたちにも勝機はある。
9月5日(土)第7ステージ バレンシア 30km(個人TT)
今年のブエルタ主催者は何かと珍しい物好きだ。初日のモーターバイクサーキットに続いて、第7ステージの個人TTもモータースポーツゆかり地が舞台となる。
2008年からF1ヨーロッパGPが開催されているバレンシア市街地サーキットをスタートし、郊外のエル・サレルで折り返す平坦な30km。最後はF1でチェッカーフラッグが振られるストレートにゴールする。平均50km/hを超える高速バトルが予想されるため、総合を狙うクライマー系の選手にとっては粘りどころだ。
9月6日(日)第8ステージ アルシラ〜アルト・デ・アイタナ 204.7km
ブエルタ第64回大会に設定された山頂フィニッシュは実に5回。第8ステージは今大会最初の山頂フィニッシュが設定された厳しいステージだ。
序盤から断続的にカテゴリー2級と3級の山岳が7つ連続し、最後は超級山岳アイタナ峠を駆け上がる。ラスト21.7kmで標高差1245mを上り、平均勾配は5.7%。終盤にかけて勾配が増し、平均勾配が10%近いセクションも登場する。この難関山岳ステージで、間違いなく総合成績はシャッフルがかけられるだろう。
9月7日(月)第9ステージ アルコイ〜ソレット・デル・カティ 188.8km
総合成績は第8&9ステージの2日連続山頂フィニッシュで徐々にカタチを成してくる。
第9ステージには、序盤から2つの3級山岳と4つの2級山岳が連続し、最後に1級山岳ソレット・デル・カティ峠が登場。登坂距離は4kmに満たないが、最大勾配が20%に達するため、前日の超級山岳アイタナ峠とはまた違った難しさがある。この頂上通過後1km下り、緩斜面を駆け上がってゴール。厳密に言えば山頂フィニッシュではない。しかし急坂で飛び出した選手が栄光を掴むハズだ。
9月8日(火)第10ステージ アリカンテ〜ムルシア 171.2km
山岳2連戦を終えた選手たちを待っているのは、スペイン第7の都市ムルシア(人口42万人)にゴールする平坦ステージだ。ゴール12km手前には2級山岳クレスタ・デル・ガジョ峠が設定されており、スプリンターがここを乗り切れるかどうかが勝負の分かれ道。
地元ムルシア州出身のバルベルデ(ケスデパーニュ)のように上りアタックを得意とする選手たちが、この最後の山岳で攻撃を仕掛けてくるだろう。上りで飛び出す選手と追い上げるスプリンターチームの攻防に注目だ。
text:Kei Tsuji
image:www.lavuelta.com