2014/05/11(日) - 03:27
ジロ・デ・イタリア第2ステージはベルファストを発着する219km。気温10〜15度の雨の中、選手たちは美しいアイルランドの海岸線を駆け抜けた。最終ゴールスプリントでマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)がジロのステージ初優勝を飾った。
第2ステージのスタート地点はベルファストのタイタニック博物館で、フィニッシュ地点はドネガル広場。つまり第1ステージのチームTTとスタート&フィニッシュが共通だ。
ベルファストを発って内陸の幹線道路を北上し、ユネスコ世界遺産に登録されているコーズウェー海岸に沿って南下。途中2つの4級山岳を越えてベルファストに戻ってくる。
マリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)着用のチャンスがあるだけに、正式なスタートが切られると同時にアタック合戦が始まる。3km地点で、アンドレア・フェーディ(イタリア、ネーリソットリ)、サンデル・アルミー(ベルギー、ロット・ベリソル)、マーティン・チャリンギ(オランダ、ベルキン)、ジェフリー・ロメロ(コロンビア、コロンビア)の4人が雨のエスケープを開始した。
この日はスタートからフィニッシュまでほぼ全行程が冷たい雨に降られた。レインジャケットを着込んだプロトンがコーズウェー海岸を駆け抜けていく。
逃げグループのタイム差は最大7分20秒まで広がったものの、オリカ・グリーンエッジがリーダーチームとしてメイン集団の先頭に立って状況をコントロール。レース後半にかけてキャノンデールやオメガファーマ・クイックステップ、チームスカイ、ジャイアント・シマノが集団牽引に合流したため、逃げのリードを抑え込まれた。
心配された海風はそこまで吹かなかったが、完全にウェットな路面が落車を誘発。ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)をはじめ、多くの選手が濡れたアスファルトに叩き付けられた。
リードが徐々に削り取られる中、4級山岳で力を見せたのはチャリンギ。ゴール勝負さながらのスプリントでチャリンギが2つの4級山岳を先頭通過し、マリアアッズーラ着用のチャンスを掴むことに成功する。そのチャリンギが残り9kmから独走に持ち込んだものの、平坦で直線的なコースで大集団を振り切ることは出来ない。20〜30秒ほどのリードでチャリンギが抵抗し続けたものの、残り4kmを切って全ての逃げは吸収された。
スプリンターチームがバトルを繰り広げながら、雨雲に包まれたベルファストへ。残り3kmを切ってから別府史之(トレックファクトリーレーシング)が渾身の表情でメイン集団を牽引する。
ジャイアント・シマノやFDJ.frが競り合いながら残り1km。オリカ・グリーンエッジを先頭に残り300mの左90度コーナーを抜け、スプリンターたちが腰を上げてペダルに力を込める。ラインを見つけて後方から仕掛けたマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)のスプリントが伸びた。
別ラインからナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)やジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)を抜き去ったキッテルが、何度もフィニッシュラインの位置を確認しながらもがききった。ポツリポツリと雨粒を落とす空の下、キッテルのガッツポーズが決まった。
ジロ初勝利を飾ったキッテルは「今日は何度かチームメイトから離れてしまって、何とか最終コーナーを抜けたところで前に上がることが出来た。ずっと雨が降り続いたステージの最後に、こうしてチームメイトたちの働きに応えて勝利したことを誇りに思う。最初の平坦ステージで勝利してジロを良いカタチでスタートさせるのがチームの目標だったんだ」と振り返る。キッテルはこれでグランツール全てでステージ優勝を達成したことになる。
翌日の5月11日に26歳の誕生日を迎えるキッテルは「明日もプレッシャーを感じることなく勝利を目指すよ」と、余計な気負いはない。
この日はステージ21位以下で集団が割れて3秒差がついたため、ステージ8位のマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がチームメイトのスヴェイン・タフト(カナダ)からマリアローザを譲り受けた。第2ステージを終えてマシューズが3秒差で総合首位に。マシューズはマリアビアンカも同時に手にしている。
総合エースとスプリンターの位置取りに力を使った別府史之と新城幸也(ユーロップカー)は、それぞれの役割をこなし、ステージ45位と49位。トレックファクトリーレーシングのニッツォロがステージ3位に入っている。
ジロ・デ・イタリア2014第1ステージ結果
マリアローザ 個人総合成績
マリアロッサ ポイント賞
マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
マリアアッズーラ 山岳賞
マーティン・チャリンギ(オランダ、ベルキン)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ
text&photo:Kei Tsuji in Belfast, Northern Ireland
第2ステージのスタート地点はベルファストのタイタニック博物館で、フィニッシュ地点はドネガル広場。つまり第1ステージのチームTTとスタート&フィニッシュが共通だ。
ベルファストを発って内陸の幹線道路を北上し、ユネスコ世界遺産に登録されているコーズウェー海岸に沿って南下。途中2つの4級山岳を越えてベルファストに戻ってくる。
マリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)着用のチャンスがあるだけに、正式なスタートが切られると同時にアタック合戦が始まる。3km地点で、アンドレア・フェーディ(イタリア、ネーリソットリ)、サンデル・アルミー(ベルギー、ロット・ベリソル)、マーティン・チャリンギ(オランダ、ベルキン)、ジェフリー・ロメロ(コロンビア、コロンビア)の4人が雨のエスケープを開始した。
この日はスタートからフィニッシュまでほぼ全行程が冷たい雨に降られた。レインジャケットを着込んだプロトンがコーズウェー海岸を駆け抜けていく。
逃げグループのタイム差は最大7分20秒まで広がったものの、オリカ・グリーンエッジがリーダーチームとしてメイン集団の先頭に立って状況をコントロール。レース後半にかけてキャノンデールやオメガファーマ・クイックステップ、チームスカイ、ジャイアント・シマノが集団牽引に合流したため、逃げのリードを抑え込まれた。
心配された海風はそこまで吹かなかったが、完全にウェットな路面が落車を誘発。ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)をはじめ、多くの選手が濡れたアスファルトに叩き付けられた。
リードが徐々に削り取られる中、4級山岳で力を見せたのはチャリンギ。ゴール勝負さながらのスプリントでチャリンギが2つの4級山岳を先頭通過し、マリアアッズーラ着用のチャンスを掴むことに成功する。そのチャリンギが残り9kmから独走に持ち込んだものの、平坦で直線的なコースで大集団を振り切ることは出来ない。20〜30秒ほどのリードでチャリンギが抵抗し続けたものの、残り4kmを切って全ての逃げは吸収された。
スプリンターチームがバトルを繰り広げながら、雨雲に包まれたベルファストへ。残り3kmを切ってから別府史之(トレックファクトリーレーシング)が渾身の表情でメイン集団を牽引する。
ジャイアント・シマノやFDJ.frが競り合いながら残り1km。オリカ・グリーンエッジを先頭に残り300mの左90度コーナーを抜け、スプリンターたちが腰を上げてペダルに力を込める。ラインを見つけて後方から仕掛けたマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)のスプリントが伸びた。
別ラインからナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)やジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)を抜き去ったキッテルが、何度もフィニッシュラインの位置を確認しながらもがききった。ポツリポツリと雨粒を落とす空の下、キッテルのガッツポーズが決まった。
ジロ初勝利を飾ったキッテルは「今日は何度かチームメイトから離れてしまって、何とか最終コーナーを抜けたところで前に上がることが出来た。ずっと雨が降り続いたステージの最後に、こうしてチームメイトたちの働きに応えて勝利したことを誇りに思う。最初の平坦ステージで勝利してジロを良いカタチでスタートさせるのがチームの目標だったんだ」と振り返る。キッテルはこれでグランツール全てでステージ優勝を達成したことになる。
翌日の5月11日に26歳の誕生日を迎えるキッテルは「明日もプレッシャーを感じることなく勝利を目指すよ」と、余計な気負いはない。
この日はステージ21位以下で集団が割れて3秒差がついたため、ステージ8位のマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がチームメイトのスヴェイン・タフト(カナダ)からマリアローザを譲り受けた。第2ステージを終えてマシューズが3秒差で総合首位に。マシューズはマリアビアンカも同時に手にしている。
総合エースとスプリンターの位置取りに力を使った別府史之と新城幸也(ユーロップカー)は、それぞれの役割をこなし、ステージ45位と49位。トレックファクトリーレーシングのニッツォロがステージ3位に入っている。
ジロ・デ・イタリア2014第1ステージ結果
1位 マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
2位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
3位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
4位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
5位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカトリ)
7位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
8位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
9位 ダヴィデ・アッポローニオ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
10位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
45位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
49位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
2位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
3位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレックファクトリーレーシング)
4位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール)
5位 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカトリ)
7位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
8位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
9位 ダヴィデ・アッポローニオ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
10位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
45位 別府史之(日本、トレックファクトリーレーシング)
49位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
5h13'12"
+03"
+03"
マリアローザ 個人総合成績
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
2位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、グリーンエッジ)
3位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 スヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
6位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
7位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 ピーター・セリー(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、グリーンエッジ)
3位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 スヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)
5位 ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
6位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
7位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 ジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
9位 ピーター・セリー(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、オメガファーマ・クイックステップ)
5h37'54"
+03"
+08"
+03"
+08"
マリアロッサ ポイント賞
マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
マリアアッズーラ 山岳賞
マーティン・チャリンギ(オランダ、ベルキン)
マリアビアンカ ヤングライダー賞
マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ
text&photo:Kei Tsuji in Belfast, Northern Ireland
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