イタリアやフランスでステージレースが一段落した3月下旬、ベルギーでは本格的なクラシックシーズンに向けた熱が上がり始めている。3月19日に開催された伝統あるノケレ・コールス(UCI1.1)で、ケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル)が勝利した。



フランドル地方にクラシックの季節がやってきたフランドル地方にクラシックの季節がやってきた photo:Tim de Waele今年で開催69回目を迎えるノケレ・コールスは、ベルギー・フランドル地方のヘント近郊で行なわれるセミクラシック。コース全長は199.3kmで、後半にかけて「ノケレベルグ」を起点にした15kmの周回コースを8周する。ロンド・ファン・フラーンデレンにも登場する石畳の「ノケレベルグ(平均5.7%/長さ350m)」を駆け上がってフィニッシュするレイアウトは長年変わらない。スプリンターにもチャンスがあるセミクラシックとして長年親しまれている。

逃げグループを形成するジュリアン・アラフィリップ(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)ら逃げグループを形成するジュリアン・アラフィリップ(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)ら photo:Tim de Waele2013年は降雪により大会がキャンセルされたため、2年ぶりの開催となったノケレ・コールス。レース前半に形成された強力な17名がそのまま逃げ切るかと思われたが、レース後半の周回コースで最大3分あったタイム差は縮小する。最終周回で逃げグループは崩壊した。

石畳のノケレベルグをクリアするケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル)石畳のノケレベルグをクリアするケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル) photo:Tim de Waele辛うじて逃げ続けたヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)が先頭で最後の「ノケレベルグ」に突入。そのすぐ後ろではスプリンターたちがポジション争いを繰り広げながら発射のタイミングを待つ。最後の力を振り絞ってシッティングで登るステーグマンの後ろでスプリントが始まった。

ハンドルを投げ込むケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル)とトム・ファンアスブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)ハンドルを投げ込むケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル)とトム・ファンアスブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン) photo:Tim de Waeleフィニッシュラインまで数メートルを残して、ステーグマンをかわすケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル)とトム・ファンアスブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)の2人。写真判定の結果、先にハンドルを投げ込んだデハースに軍配が上がった。

2005年にロンド・ファン・フラーンデレンのエスポワール(U23)レースで勝利したデハースは現在29歳。普段はスプリンターのアシストとして走ることが多いが、クラシックシーズン中は「登れるスプリンター」として活躍。これまでヘント〜ウェベルヘムやシュヘルデプライス、ブラバンツペイルなどで何度もトップ10フィニッシュしている。

「大きな逃げグループが先行した時、多くのチームが逃げに選手を送る込んでいたので、もう集団にチャンスは無いと思った。最後はなかなかエキサイティングなフィニッシュだったよ。石畳で前輪が跳ねながらのスプリント。UCIワールドツアーではないけど、価値のある勝利だ。来週からはアシストとしてクラシックレースを走ることになる」と、シーズン2勝目を飾ったデハース。5日前にオランダで行なわれたツール・ド・ドレンテ(UCI1.1)でシーズン初勝利を飾ったばかりだった。

パリ〜ニースでマイヨジョーヌを着たナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)が3位。数メートル差で逃げ切りを果たせなかったステーグマンが4位に入っている。

選手コメントはロット・ベリソル公式サイトより。

ファンアスブロックとブアニとともに表彰台に上がるケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル)ファンアスブロックとブアニとともに表彰台に上がるケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル) photo:Tim de Waele


ノケレ・コールス2014結果
1位 ケニー・デハース(ベルギー、ロット・ベリソル)             4h21'39"
2位 トム・ファンアスブロック(ベルギー、トップスポートフラーンデレン)
3位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ.fr)
4位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 アンドリュー・フェン(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 スコット・スウェーツ(イギリス、ネットアップ・エンデューラ)
7位 クラース・ロデウィック(ベルギー、BMCレーシング)
8位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
9位 ジャンピエール・ドラッカー(ルクセンブルク、ワンティ・グループグベルト)
10位 バリー・マルクス(オランダ、ベルキン)

text:Kei Tsuji
photo:Tim de Waele

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