ツール・ド・サンルイス最終日の第7ステージは今大会2度目の集団スプリントに。今年ランプレ・メリダに移籍を果たしたイタリア期待のスプリンター、サッシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ)がサガンを下してステージ優勝。第2集団でゴールしたナイロ・キンタナが総合優勝を手にしている。



カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル)らを含む逃げ集団カルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル)らを含む逃げ集団 (c)www.toursanluis.comツール・ド・サンルイス最終日の第7ステージはサンルイスからステラサス・デル・ポルテズエロまでの148.1kmで、山岳ポイントは1箇所のみながらアップダウンを繰り返すというもの。そして、ゴール前500mにもうけられた平均勾配4%の登りがステージ優勝を決する鍵となった。

ラ・フロリダ貯水池のほとりを走る集団ラ・フロリダ貯水池のほとりを走る集団 (c)www.toursanluis.comこの日は序盤からハイペースで進み、17km地点に位置する3級山岳のアルト・ロス・プキオスでレースは最初の動きをみせた。総合に加え山岳賞でもトップに立つナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)がジャージを確実にするため飛び出しそのまま先頭通過。逆転の可能性を残していた2位のジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング)はポイントを獲得できなかったため、クインターナが山岳賞ジャージを確定させた。

ゴール前スプリントで先行するサッシャ・モドロ (左、イタリア、ランプレ・メリダ)ゴール前スプリントで先行するサッシャ・モドロ (左、イタリア、ランプレ・メリダ) (c)Cor.Vos続けざまに集団からアタックしたのはカルロスホセ・オチョア(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトリ)とクレベルソン・ウェバー(ブラジル、チクリズム-ボッテキア)の2名。さらにカルロスアルベルト・ベタンクール(コロンビア、アージェードゥーゼル)ら3名が逃げに加わり、5名の逃げ集団は残り50km地点で4分のタイム差を稼ぐ。

しかしながら、後続ではモドロを勝たせたいランプレ・メリダがメイン集団を牽引し、逃げ集団を猛追する。僅か20kmで4分差を縮め、残り30km地点で5名を吸収するとハイペースを維持したままステラサス・デル・ポルテズエロのゴールへ突入する。

ゴール前で主導権を握ったのはペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール・プロサイクリング)で勝利を狙うキャノンデールプロサイクリングだったが、ラスト500mの登りを前にアシストを使い切ってしまう。やむなく先頭となったサガンの横から勢い良く飛び出したマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ)がサッシャ・モドロ (イタリア、ランプレ・メリダ)を引き連れて先頭に踊り出る。

サガンは左コーナーのイン側に追いやられ、リケーゼとモドロに囲まれてしまったためスプリントを開始できず。絶好のチャンスを得たモドロはリケーゼの後ろから満を持して最後のスプリントを開始。昨年のツール・ド・サンルイスにつづいての最終ステージ優勝を飾った。総合は7秒遅れの第2集団でゴールしたキンタナが首位を維持し、総合優勝を手にしている。

総合表彰台 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が中央に立つ総合表彰台 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)が中央に立つ (c)www.toursanluis.com


ステージ優勝を飾ったサッシャ・モドロ(イタリア、ランプレ・メリダ)のコメント

ステージ優勝を飾ったサッシャ・モドロ (イタリア、ランプレ・メリダ)ステージ優勝を飾ったサッシャ・モドロ (イタリア、ランプレ・メリダ) (c)Cor.Vos第3ステージで勝負に絡めなかった後、次はステラサス・デル・ポルテズエロで勝つしかないと考えていたからとても嬉しい。そして素晴らしいアシストをしてくれたチームメイトにはとても感謝している。

ランプレ・メリダに加入して早々に1勝目を挙げられたことに満足している。しかも、サガンとのスプリントを制しての優勝だから満足感は一入だよ。

このフィーリングを維持しながら今後も勝利を重ねるためにより一層の努力を重ねて、常に自分のベストを尽くさならないね。

総合優勝を飾ったナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)のコメント

総合優勝を果たしたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)総合優勝を果たしたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) (c)Cor.Vos本格的なシーズンの到来に向けてとても意義のある勝利となった。レース前はこれといった特別なトレーニングはこなしてこなかったが、去年のシーズン開始時よりも少し強くなっていると感じていたんだ。スタート前からレース中にかけて目立った不調を感じることは無く至って順調だった。第1ステージでは腹痛に悩まされたけど、幸いなことに時が進むに連れ回復してくれた。

今回のレースでチームは僕のことを信頼して、第1ステージから最終ステージまで懸命なアシストをしてくれた。そのことについてとても感謝している。強力なチームメイトがそばに居てくれたことが大きな自信に繋がり、総合優勝を達成することができたと感じている。

今後の予定はまだ決まっておらず、ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスのどちらを走るかによって大きく異なってくるはず。サンルイスの後はスペインで行われるチームキャンプに出席し、コロンビアにもどって娘の出産に立ち会う予定だ。



ツール・ド・サンルイス2014第7ステージ結果
1位 サッシャ・モドロ (イタリア、ランプレ・メリダ) 3h13'28"
2位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール・プロサイクリング)
3位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ)
4位 マウロ・リケーゼ(アルゼンチン、アルゼンチンナショナルチーム)
5位  イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ジャコモ・ニッツォロ(イタリア、トレック・ファクトリーレーシング)
7位 マヌエル・べレッティ(イタリア、アンドローニ・ジョカトリ)
8位 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー、ロット・ベリソル)
9位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
10位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシング)

個人総合成績
1位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)              24h48'48"
2位 フィリップ・ガイモン(アメリカ・ガーミン・シャープ)              +43"
3位 ダニエル・ゴドイ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)          +2'02"
4位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング)    +2'54"
5位 ジョシュ・モヤーノ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)         +3'04"
6位 エデュアルド・セピヴェダ(アルゼンチン、ブルターニュ・エンヴァイロメント)  +3'43"
7位 マルク・デマール(オランダ領キュラソー、ユナイテッドヘルスケア)       +3'44"
8位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)              +3'51"
9位 ダーウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)              +3'57"
10位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)        +4'03"

山岳賞
ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)

新人賞
アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)

チーム総合成績
サンルイス・ソモストドス


text:Yuya.Yamamoto
photo:Cor.Vos、www.toursanluis.com

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