サムエル・サンチェス(スペイン)やイゴール・アントン(スペイン)ら、エウスカルテル・エウスカディに所属していた選手を取り巻く状況は一向に改善されない。バスクチームは2014年も契約が残っている選手にERE(解雇通告)を行なった。



サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) photo:Kei Tsujiエウスカルテル・エウスカディに所属していた選手のうち、約半数の選手がいまだに2014年の所属チームを見つけることが出来ていない。サンチェスやアントン、エゴイ・マルティネス、ゴルカ・ベルドゥーゴ、ルーベン・ペレス、ミゲル・ミンゲス、ヨン・アベラストゥリらは2014年の契約を残したままだが、1年間(サンチェスは2015年まで2年間)の給与が払われない可能性が出てきた。

エウスカルテル・エウスカディがステージに上がるエウスカルテル・エウスカディがステージに上がる photo:Kei Tsujiスペインのマルカ紙によると、エウスカルテル・エウスカディを運営するBCPT(バスクサイクリングプロチーム)が上記の選手たちにERE(解雇通告)を送付。それぞれ交渉の権利を有しているものの、仮に所属チームが見つからずBCPTに残った場合でも、給与が満額支払われる可能性は低い。

11月上旬に来日した際、サンチェスは「エウスカルテルとの2年契約が残っているので、来季のチームが見つからないという最悪の事態が起きても、もちろん不本意ではあるが、一家の主として家族を養っていける」と語っていたが、その2年契約にも黄信号が灯っている。

エウスカルテル・エウスカディ解散の発表以降、サンチェスやアントンとUCIプロコンチネンタルチームの交渉の噂は絶えない。ワイルドカード枠でのグランツール出場狙うベルギーのワンティが積極的にアプローチしていたものの、サンチェスとの交渉はまとまらず。現在はチームコロンビアがサンチェスと交渉段階に入っていると報じられているが、まだ具体的な情報は出てきていない。

そんな中、エウスカルテル・エウスカディのセカンドスポンサーを務めていたエウスカディ(バスク州自転車基金)がUCIコンチネンタルチームのライセンスをUCIに申請。資金不足によってライセンス獲得は確定的ではないが、バスクチームの伝統は守られようとしている。

text:Kei Tsuji

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