11月23日(土)、砂地が名物のベルギー・コクサイデでシクロクロスのUCIワールドカップ第3戦が開催。ニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス)が2年前に世界選手権を制した地で独走勝利を飾った。



レース序盤、先頭に出るラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)レース序盤、先頭に出るラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント) photo:Cor Vosベルギー・コクサイデと言えば砂のレース。砂地でありながらアップダウンがあるのが特徴で、トップ選手であっても担ぎ&押しを余儀なくされる難所も数カ所ある。

コクサイデ名物の長い砂セクションコクサイデ名物の長い砂セクション photo:Cor Vos9周のレースの幕開け、ホールショットを取ったのはベルギーチャンピオンのクラース・ヴァントルノウト(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)。

最初の長い砂セクションでUCIワールドカップリーダージャージを着るラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)とアルカンシェルを着るスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・KDL)の2人が先頭へ。続いて2周目に入るとコルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)が先行したが、タイム差が広がらないまま10名ほどがパックになって走行する。

すると3周目に入ってニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス)やフィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス)のペースアップがスタート。ネイスがポジションを落とす中、アルベルト、ワルスレーベン、ファンデルハール、ヴァントルノウト、トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)らがリードを奪う。そこから、4周目の最も長い砂セクションでアルベルトとメーウセンの先行が決まった。



序盤にレースをリードしたラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)序盤にレースをリードしたラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント) photo:Cor Vos安定した走りを見せるフィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス)安定した走りを見せるフィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス) photo:Cor Vos猛烈な追い上げで観客を沸かせたスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・KDL)猛烈な追い上げで観客を沸かせたスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・KDL) photo:Cor Vos
独走するニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス)独走するニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス) photo:Cor Vos



アルカンシェルを着るスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・KDL)アルカンシェルを着るスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・KDL) photo:Cor Vosメーウセンを引き離して独走に持ち込んだアルベルトの後方では、ネイスらが10名ほどのパックを形成して追走。ネイスは砂セクションでストップした際に後続の選手に衝突され、一旦諦めたような仕草を見せたものの、熱い声援を受けて再びペースアップした。

独走でゴールに飛び込むニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス)独走でゴールに飛び込むニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス) photo:Cor Vosワルスレーベンとフランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr)、ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)とともに先頭アルベルトを追うネイス。ハイペースで砂コースを駆け抜けたが、アルベルトとのタイム差は大きすぎた。

UCIワールドカップ第3戦を制したニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス)UCIワールドカップ第3戦を制したニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス) photo:Cor Vos先頭アルベルトのペースは落とさず走りきり、32秒差でフィニッシュ。2位争いのスプリントはムレーが制している。

「コクサイデのレースは特別」と語るアルベルトは、同じコクサイデで開催された2012年シクロクロス世界選手権で優勝している。

「スタート直後から調子の良さを感じていて、独走に持ち込んでからもペースは落ちなかった。明日(スーパープレスティージュ)も勝って良い週末にしたい」という言葉通り、11月24日(日)にオランダのギーテンで行なわれたスーパープレスティージュ第5戦でアルベルトは優勝。シーズン中盤にかけてコンディションを上げている。

UCIワールドカップ開幕2連勝を飾ったファンデルハールは10位に終わったものの、ワールドカップリーダーの座はキープ。今シーズンすでにスーパープレスティージュは第5戦まで、bpost bankトロフェーは第3戦までが終了。UCIワールドカップ次戦は12月22日のベルギー・ナミュールだ。

選手コメントはベルギーのニーウスブラット紙より。





エリート男子
1位 ニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス)         1h04'49"
2位 フランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr)                  +32"
3位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス)
4位 スヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・KDL)                +34"
5位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)      +37"
6位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)             +54"
7位 バルト・アールノウト(ベルギー、AAドリンク)              +1'05"
8位 クラース・ヴァントルノウト(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)  +1'13"
9位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)         +1'14"
10位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)    +1'33"

エリート女子
1位 キャサリン・コンプトン(アメリカ、トレックシクロクロス)        43'32"
2位 サンヌ・カント(ベルギー、エネルタルム・BKCP)             +1'08"
3位 ニキ・ハリス(イギリス、ヤングテレネット・フィデア)          +1'22"

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos