2013/11/16(土) - 19:23
2日間にわたって開催される野辺山シクロクロスの初日、11月16日(土)、竹之内悠(Colba Superano-Ham)と豊岡英子(Panasonic Ladies)、横山航太(Shinonoi High school)がそれぞれUCIレースを制した。
野辺山で再び力を見せた全日本チャンピオン
長野県南佐久郡南牧村野辺山の滝沢牧場で開催された野辺山シクロクロス。2011年からUCI(国際自転車競技連合)のクラス2レースとして開催されており、開催4回目を迎えた今年はUCIレースが土曜日と日曜日の連日開催に。
観光牧場である滝沢牧場を駆け巡る全長2.4kmの周回コースは、国内では珍しいフライオーバー(立体交差)や四輪バギー用のダートサーキット、畑の中を抜ける泥セクション、テクニックが問われる林セクションなど、バリエーションに富んだもの。
初日の土曜日は全カテゴリーを合わせて389名のエントリー。最終レースのエリート男子で力を見せたのは、ヨーロッパから火曜日に帰ったばかりの全日本チャンピオン竹之内悠(Colba Superano-Ham)だった。
シェイクダウンしたばかりだと言うカーボンとクロモリのハイブリッドフレームを駆った竹之内は、「前半から上げて行こうと思っていた」と語り、2周目突入時にはすでに独走に。最速ラップタイムを刻みながら周回を重ねて行く。
昨シーズンの全米選手権エリートで2位に入った22歳のザック・マクドナルド(Rapha-FOCUS)が招待選手として出場したものの、数日前から体調不良で寝込み、大会当日も回復せず。青白い顔で走り続けたものの、中盤にレースを下りている。
竹之内を追い続けたのは昨シーズン全日本選手権2位の小坂光(Utsunomiya Blitzen CX team)。しかし竹之内の距離は縮まらない。「後半にかけて良い感じで踏めていた」と小坂は振り返っているが、ゴールまで2周を残して脚を痙攣してしまい、約1分その場に立ち尽くす。最終的に小坂は7位でレースを終えている。
小坂を抜いて2番手に上がったのは「オフロード走行を思い出しながら走った」と言う元MTBライダー・現ロードレーサーの山本和弘(cannondale championsystem)。「初めてチューブラータイヤを使ったんですが、最初はどこまでグリップするか分からなかった。徐々にグリップの感触を掴んで、ペースを上げた」と言う。
「後続の様子を見て、必要ならペースを上げて、後は自分のペースを刻んだ」と語る竹之内がそのまま独走でフィニッシュ。1分22秒差の2位に山本、そして1分53秒差の3位に小坂正則(SUWAKO RACING TEAM)が入った。竹之内の野辺山シクロクロス制覇は3年連続。翌日のUCIレースでも再び勝利を狙う。
女子は豊岡英子が圧勝 U23は接戦スプリントに
招待選手として出場した全日本チャンピオンの宮内佐季子(CLUB viento)や、今シーズンすでにヨーロッパレースを転戦した豊岡英子(Panasonic Ladies)、ロード全日本チャンピオンの與那嶺恵理(Team Forza!)らが揃ったエリート女子。パワーとテクニックが要求されるコースで、豊岡の強さが目立った。
1周目から独走に持ち込んだ豊岡はそのままフィニッシュまでハイペースを維持。後続を26秒引き離してフィニッシュラインを駆け抜けている。
好スタートを切った今井美穂(CycleClubjp)がしばらく2番手を走っていたものの、與那嶺を振り切った宮内が地脚を見せて2番手に浮上。最終的に宮内が2位、そして今井が3位に入っている。
接戦に沸いたのがU23レース。昨シーズンの全日本選手権でエリートレース5位(U23最高位)に入り、ヨーロッパでMTBシーズンを走った沢田時(TEAM BRIDGESTONE ANCHOR)と、昨シーズンのジュニアチャンピオン横山航太(Shinonoi High school)、そして前田公平(TEAM SCOTT)が三つ巴の闘いを繰り広げる。
レース中盤に前田が遅れると先頭は沢田と横山の2人に。互いに様子を伺いながらアタックを繰り返したが、それぞれ意地を見せて食らいつく。最終周回に入り、コーナー毎にスプリントとライン取りの攻防を繰り広げてなお先頭は2人のまま。一進一退の攻防はスプリントに持ち込まれ、最終コーナーを先頭で抜けた横山が沢田を振り切った。
「お互いに得意な場所と不得意な場所があり、アタックが決まらなかった」と横山。苦しみながらも「すごく楽しかった」と沢田との接戦を振り返る。翌日のU23レースでも再びバトルを繰り広げるはずだ。
その他カテゴリーのレースレポートは後日お伝えします。
エリート男子(10周回)
1位 竹之内悠(Colba Superano-Ham) 1h03'12"(Ave.23.82km/h)
2位 山本和弘(cannondale championsystem) +1'22"
3位 小坂正則(SUWAKO RACING TEAM) +1'53"
4位 丸山厚(JP Sports Test TEAM MASSA-ANDEX) +2'09"
5位 島田真琴(SHIMANO DRINKING) +3'23"
6位 濱由嵩(SNEL CYCLOCROSS TEAM) +3'43"
7位 小坂光(Utsunomiya Blitzen CX team) +4'05"
8位 武井きょうすけ(Team Forza!) +4'26"
9位 辻善光(Team Zenko) +4'31"
10位 合田正之(cycleclub3UP) +4'35"
エリート女子(5周回)
1位 豊岡英子(Panasonic Ladies) 36'58"(Ave.20.45km/h)
2位 宮内佐季子(CLUB viento) +0'26"
3位 今井美穂(CycleClubjp) +0'59"
4位 與那嶺恵理(Team Forza!) +1'13"
5位 相野田静香(CLUB GROW DIRTFREAK) +1'45"
6位 武田和佳(ARAI MURACA) +1'53"
7位 上田順子(BC.ANELLO) +4'43"
8位 川崎路子(CLUB viento) +5'54"
9位 綿貫通穂(Usu Kine Racing) -1lap
U23(8周回)
1位 横山航太(Shinonoi High school) 52'02"(Ave.23.18km/h)
2位 沢田時(TEAM BRIDGESTONE ANCHOR) +0'03"
3位 前田公平(TEAM SCOTT) +1'33"
4位 中原義貴(Cannondale) +2'02"
5位 山田誉史輝(DIRTFREAK/LITEC) +2'09"
6位 木村吉秀(IWAI Shokai RacingTeam) +2'29"
7位 重田兼吾(TeamCUORE) +2'30"
8位 小橋勇利(Ehime Cycle Fed.) +2'32"
9位 中井路雅(Kyoto Sangyo University) +3'57"
10位 村山優弥(SUWAKO RACING TEAM) +5'15"
text&photo:Kei Tsuji
野辺山で再び力を見せた全日本チャンピオン
長野県南佐久郡南牧村野辺山の滝沢牧場で開催された野辺山シクロクロス。2011年からUCI(国際自転車競技連合)のクラス2レースとして開催されており、開催4回目を迎えた今年はUCIレースが土曜日と日曜日の連日開催に。
観光牧場である滝沢牧場を駆け巡る全長2.4kmの周回コースは、国内では珍しいフライオーバー(立体交差)や四輪バギー用のダートサーキット、畑の中を抜ける泥セクション、テクニックが問われる林セクションなど、バリエーションに富んだもの。
初日の土曜日は全カテゴリーを合わせて389名のエントリー。最終レースのエリート男子で力を見せたのは、ヨーロッパから火曜日に帰ったばかりの全日本チャンピオン竹之内悠(Colba Superano-Ham)だった。
シェイクダウンしたばかりだと言うカーボンとクロモリのハイブリッドフレームを駆った竹之内は、「前半から上げて行こうと思っていた」と語り、2周目突入時にはすでに独走に。最速ラップタイムを刻みながら周回を重ねて行く。
昨シーズンの全米選手権エリートで2位に入った22歳のザック・マクドナルド(Rapha-FOCUS)が招待選手として出場したものの、数日前から体調不良で寝込み、大会当日も回復せず。青白い顔で走り続けたものの、中盤にレースを下りている。
竹之内を追い続けたのは昨シーズン全日本選手権2位の小坂光(Utsunomiya Blitzen CX team)。しかし竹之内の距離は縮まらない。「後半にかけて良い感じで踏めていた」と小坂は振り返っているが、ゴールまで2周を残して脚を痙攣してしまい、約1分その場に立ち尽くす。最終的に小坂は7位でレースを終えている。
小坂を抜いて2番手に上がったのは「オフロード走行を思い出しながら走った」と言う元MTBライダー・現ロードレーサーの山本和弘(cannondale championsystem)。「初めてチューブラータイヤを使ったんですが、最初はどこまでグリップするか分からなかった。徐々にグリップの感触を掴んで、ペースを上げた」と言う。
「後続の様子を見て、必要ならペースを上げて、後は自分のペースを刻んだ」と語る竹之内がそのまま独走でフィニッシュ。1分22秒差の2位に山本、そして1分53秒差の3位に小坂正則(SUWAKO RACING TEAM)が入った。竹之内の野辺山シクロクロス制覇は3年連続。翌日のUCIレースでも再び勝利を狙う。
女子は豊岡英子が圧勝 U23は接戦スプリントに
招待選手として出場した全日本チャンピオンの宮内佐季子(CLUB viento)や、今シーズンすでにヨーロッパレースを転戦した豊岡英子(Panasonic Ladies)、ロード全日本チャンピオンの與那嶺恵理(Team Forza!)らが揃ったエリート女子。パワーとテクニックが要求されるコースで、豊岡の強さが目立った。
1周目から独走に持ち込んだ豊岡はそのままフィニッシュまでハイペースを維持。後続を26秒引き離してフィニッシュラインを駆け抜けている。
好スタートを切った今井美穂(CycleClubjp)がしばらく2番手を走っていたものの、與那嶺を振り切った宮内が地脚を見せて2番手に浮上。最終的に宮内が2位、そして今井が3位に入っている。
接戦に沸いたのがU23レース。昨シーズンの全日本選手権でエリートレース5位(U23最高位)に入り、ヨーロッパでMTBシーズンを走った沢田時(TEAM BRIDGESTONE ANCHOR)と、昨シーズンのジュニアチャンピオン横山航太(Shinonoi High school)、そして前田公平(TEAM SCOTT)が三つ巴の闘いを繰り広げる。
レース中盤に前田が遅れると先頭は沢田と横山の2人に。互いに様子を伺いながらアタックを繰り返したが、それぞれ意地を見せて食らいつく。最終周回に入り、コーナー毎にスプリントとライン取りの攻防を繰り広げてなお先頭は2人のまま。一進一退の攻防はスプリントに持ち込まれ、最終コーナーを先頭で抜けた横山が沢田を振り切った。
「お互いに得意な場所と不得意な場所があり、アタックが決まらなかった」と横山。苦しみながらも「すごく楽しかった」と沢田との接戦を振り返る。翌日のU23レースでも再びバトルを繰り広げるはずだ。
その他カテゴリーのレースレポートは後日お伝えします。
エリート男子(10周回)
1位 竹之内悠(Colba Superano-Ham) 1h03'12"(Ave.23.82km/h)
2位 山本和弘(cannondale championsystem) +1'22"
3位 小坂正則(SUWAKO RACING TEAM) +1'53"
4位 丸山厚(JP Sports Test TEAM MASSA-ANDEX) +2'09"
5位 島田真琴(SHIMANO DRINKING) +3'23"
6位 濱由嵩(SNEL CYCLOCROSS TEAM) +3'43"
7位 小坂光(Utsunomiya Blitzen CX team) +4'05"
8位 武井きょうすけ(Team Forza!) +4'26"
9位 辻善光(Team Zenko) +4'31"
10位 合田正之(cycleclub3UP) +4'35"
エリート女子(5周回)
1位 豊岡英子(Panasonic Ladies) 36'58"(Ave.20.45km/h)
2位 宮内佐季子(CLUB viento) +0'26"
3位 今井美穂(CycleClubjp) +0'59"
4位 與那嶺恵理(Team Forza!) +1'13"
5位 相野田静香(CLUB GROW DIRTFREAK) +1'45"
6位 武田和佳(ARAI MURACA) +1'53"
7位 上田順子(BC.ANELLO) +4'43"
8位 川崎路子(CLUB viento) +5'54"
9位 綿貫通穂(Usu Kine Racing) -1lap
U23(8周回)
1位 横山航太(Shinonoi High school) 52'02"(Ave.23.18km/h)
2位 沢田時(TEAM BRIDGESTONE ANCHOR) +0'03"
3位 前田公平(TEAM SCOTT) +1'33"
4位 中原義貴(Cannondale) +2'02"
5位 山田誉史輝(DIRTFREAK/LITEC) +2'09"
6位 木村吉秀(IWAI Shokai RacingTeam) +2'29"
7位 重田兼吾(TeamCUORE) +2'30"
8位 小橋勇利(Ehime Cycle Fed.) +2'32"
9位 中井路雅(Kyoto Sangyo University) +3'57"
10位 村山優弥(SUWAKO RACING TEAM) +5'15"
text&photo:Kei Tsuji
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