2013/11/11(月) - 19:23
前日の第2戦が行われた南ヶ丘牧場のトレイルから、天神浜の砂地に場所を移して行われた東北シクロクロスプロジェクト第3戦。信州クロス2連勝を飾った小坂光(宇都宮ブリッツエンシクロクロス)と宮内佐季子(CLUBviento)がそれぞれC1とL1を制し3連勝。後のUCIレースや全日本選手権に向けて弾みをつけた。
昨年の同シリーズ第2戦に引き続きの開催となった猪苗代湖の天神浜には砂地を多く含む全長2.5kmのテクニカルなコースが用意された。スタート後300mは舗装路、そして直角に曲がると風防林の間を縫うように走るシングルトラックへと続く。一度、砂区間へ突入した後、また舗装路を通って砂まじりの草地を折り返す。
1mほどのドロップオフから小川の横を抜け、再び砂区間を通り、ランの実力が試される長い降車区間と化した浜へと続いていく。そして周回を重ねたライダーの脚に堪えそうな砂場の2連続シケインを過ぎると、再び風防林のシングルトラックを抜けてゴール前へと戻ってくる。スピードが上がる区間が少ないため、パワー系のライダーよりも細かいバイクコントロールを得意とする選手に有利であると予想された。
また、この日の開会式では、TOHOKU CX Projectのオルガナイザー菅田さんがGMを務め、東日本をベースに活躍する選手で構成される新しいシクロクロスチーム「Team CHAINRING」の立ち上げが発表されている。
C2/Master/L1 がスタートする時間には冷たい雨が降り、砂浜付近では強風が吹き付ける厳しいコンディションの中レースが行われた。全体の先頭で帰ってきた羽鳥和重(cycleclub 3UP)がMasterを制し、終盤から三つ巴の戦いとなったC2は朽木聡(subtleSworks)が優勝した。L1は信州クロスからの3連戦目となった宮内佐季子(CLUBviento)が、全日本ロードチャンピオンの與那嶺恵理(TEAM FORZA)を引き離し、信州クロス飯山大会と合わせて3連勝を達成した。
C1のレースが始まる頃には雨も止み、気温も少しづつ上がってきた。スタートラインの鳥居には20名のライダーが並び、スピードに定評がある武井きょうすけ(チーム・フォルツァ!)が舗装路を利用して飛び出して行く。そこに小坂光(宇都宮ブリッツエンシクロクロス)、合田正之(cycleclub3UP)が続き、3人パックで進むかと思われた。しかし砂区間へ差し掛かると、テクニックに勝る小坂が抜け出す形に。
独走態勢に入った小坂は他を寄せ付けることなく最後まで逃げ切り、余裕の勝利となった。昔からの友人であるという後続の武井と合田は、終始競り合いを続けながら、最終周回後半まで互いに一歩も譲らない互角の展開を魅せる。最後は武井がスピードを上げて仕掛け、2位争いを制した。前日優勝の池本真也(和光機器-AUTHOR)は4位でレースを終えている。
小坂は信州クロス飯山大会の2連戦につぐ勝利で、11月2日~4日の3日間にかけて参戦した3レースで3連勝を達成。続くUCIレース、全日本選手権へ向けて弾みをつけた形だ。また、このレースは飯山ナイターに続くJCXシリーズの第2戦にもなっており、ポイントランキングでもトップに立っている。
選手コメント
小坂光(宇都宮ブリッツエンシクロクロス)「沢山の応援が力になった」
今日は武井さんがスタートダッシュを決めてから良いペースで走っていたので、合田さんと3人でしばらく行くかなと思いました。しかし、1周目の砂区間で抜け出せたため、そこからは自分の走りに集中しました。やはり3連勝したかったことに加え、いつも以上の沢山の応援がすごく力になりました (レースが行われた天神浜は小坂が拠点とする宇都宮から車で1時間ほど)。
3連戦の疲れはありましたが、疲れている中でも踏めるような、ステージレースを走っている時のような感覚があり、今日は昨日(信州クロス第5戦飯山大会)よりも疲れを感じずに走れました。来週はレースを休んで、次戦の野辺山に向けて調整し、2日間良い走りができるようにします。
2位の武井きょうすけ(チーム・フォルツァ!)
今日は光くんと走れたらいいなと思っていたのですが、彼はやはり上手いし、段々体も仕上がってきてるようで、インターバルがしっかり出来るようになっている。一方の自分は全然乗れていないため、まだまだ勝負出来ませんでした。加えてスキルが全然足りないということを痛感できました。次のレースはもっとうまく走りたいし、全日本へ向けてしっかり乗れる状態にしたいです。次は野辺山の2連戦走ります。
また今大会の様に、コンパクトに運営ができていて、こんな多くのオーディエンスが集まり、さらに楽しめるレースはなかなかないので、関東以北のみなさんは是非参加してみて欲しいですね。楽しみながら上手くなれると思います。自分にとっても良い機会なので、これからは積極的に参加しようと思います。
3位の合田正之(cycleclub3UP)
今日はコースがチャレンジングだったので、自分が得意なパートをしっかり走れるように心がけました。武井くんを引き離せたらと思ったのですが、やはりパワーがあってぴったり付いて来られました。逆にテクニカルな部分では自分が有利だったので、それぞれの得意な部分でうまく掛けあいながら2人で走っていました。最後はやはりパワーがあるので、一気に行かれてしまって、離れてしまいました。しかし、長い時間駆け引きをしながら集中して走ることができた良いレースでした。
コース的には、全体的に低速だったので、もう少しスピードが出る場所があっても良かったかなと思います。ダートでも良いので直線的な場所があると、観客もスピード感を楽しめるのではないでしょうか。次は、前橋のレースに出て、野辺山2daysの後、少し休んで全日本に備えます。
リザルト
C1 7周回
1位 小坂 光(宇都宮ブリッツエンシクロクロス) 0:56:03
2位 武井きょうすけ(チーム・フォルツァ!) +2:04
3位 合田正之(cycleclub3UP) +2:18
4位 池本真也(和光機器-AUTHOR) +3:19
5位 國井敏夫(MilePostRacing) +3:30
6位 影山善明(オンザロード) +4:39
7位 代田和明(SNEL CYCLOCROSS TEAM) +5:24
8位 斎藤朋寛(RIDE LIFE.GIANT.) +6:16
9位 James Machin(Champion System) +6:28
10位 山川惇太郎(ARAI MURACA) +6:41
C2 4周回
1位 朽木 聡(subtleSworks) 0:36:50
2位 柏崎裕紀(RIDEtoFUN) +0:05
3位 前田 歩(TonicCXTeamJapan) +0:06
C3 4周回
1位 大倉勇夢 0:28:15
2位 星 壮紀(TEAM AIBE) +0:37
3位 田中 忍(BOUNCE) +0:43
L1 4周回
1位 宮内佐季子(CLUBviento) 0:39:44
2位 與那嶺恵理(TEAM FORZA) +1:43
3位 武田和佳(ARAI MURACA) +2:37
Master 4周回
1位 羽鳥和重(cycleclub 3UP) 0:36:35
2位 佐藤 了(ぺだる小僧) +1:39
3位 坂手潤一(BOUNCE) +2:27
text:Alisa.Okazaki
photo:S.Oda(Kasukabe Vision FILMz)
昨年の同シリーズ第2戦に引き続きの開催となった猪苗代湖の天神浜には砂地を多く含む全長2.5kmのテクニカルなコースが用意された。スタート後300mは舗装路、そして直角に曲がると風防林の間を縫うように走るシングルトラックへと続く。一度、砂区間へ突入した後、また舗装路を通って砂まじりの草地を折り返す。
1mほどのドロップオフから小川の横を抜け、再び砂区間を通り、ランの実力が試される長い降車区間と化した浜へと続いていく。そして周回を重ねたライダーの脚に堪えそうな砂場の2連続シケインを過ぎると、再び風防林のシングルトラックを抜けてゴール前へと戻ってくる。スピードが上がる区間が少ないため、パワー系のライダーよりも細かいバイクコントロールを得意とする選手に有利であると予想された。
また、この日の開会式では、TOHOKU CX Projectのオルガナイザー菅田さんがGMを務め、東日本をベースに活躍する選手で構成される新しいシクロクロスチーム「Team CHAINRING」の立ち上げが発表されている。
C2/Master/L1 がスタートする時間には冷たい雨が降り、砂浜付近では強風が吹き付ける厳しいコンディションの中レースが行われた。全体の先頭で帰ってきた羽鳥和重(cycleclub 3UP)がMasterを制し、終盤から三つ巴の戦いとなったC2は朽木聡(subtleSworks)が優勝した。L1は信州クロスからの3連戦目となった宮内佐季子(CLUBviento)が、全日本ロードチャンピオンの與那嶺恵理(TEAM FORZA)を引き離し、信州クロス飯山大会と合わせて3連勝を達成した。
C1のレースが始まる頃には雨も止み、気温も少しづつ上がってきた。スタートラインの鳥居には20名のライダーが並び、スピードに定評がある武井きょうすけ(チーム・フォルツァ!)が舗装路を利用して飛び出して行く。そこに小坂光(宇都宮ブリッツエンシクロクロス)、合田正之(cycleclub3UP)が続き、3人パックで進むかと思われた。しかし砂区間へ差し掛かると、テクニックに勝る小坂が抜け出す形に。
独走態勢に入った小坂は他を寄せ付けることなく最後まで逃げ切り、余裕の勝利となった。昔からの友人であるという後続の武井と合田は、終始競り合いを続けながら、最終周回後半まで互いに一歩も譲らない互角の展開を魅せる。最後は武井がスピードを上げて仕掛け、2位争いを制した。前日優勝の池本真也(和光機器-AUTHOR)は4位でレースを終えている。
小坂は信州クロス飯山大会の2連戦につぐ勝利で、11月2日~4日の3日間にかけて参戦した3レースで3連勝を達成。続くUCIレース、全日本選手権へ向けて弾みをつけた形だ。また、このレースは飯山ナイターに続くJCXシリーズの第2戦にもなっており、ポイントランキングでもトップに立っている。
選手コメント
小坂光(宇都宮ブリッツエンシクロクロス)「沢山の応援が力になった」
今日は武井さんがスタートダッシュを決めてから良いペースで走っていたので、合田さんと3人でしばらく行くかなと思いました。しかし、1周目の砂区間で抜け出せたため、そこからは自分の走りに集中しました。やはり3連勝したかったことに加え、いつも以上の沢山の応援がすごく力になりました (レースが行われた天神浜は小坂が拠点とする宇都宮から車で1時間ほど)。
3連戦の疲れはありましたが、疲れている中でも踏めるような、ステージレースを走っている時のような感覚があり、今日は昨日(信州クロス第5戦飯山大会)よりも疲れを感じずに走れました。来週はレースを休んで、次戦の野辺山に向けて調整し、2日間良い走りができるようにします。
2位の武井きょうすけ(チーム・フォルツァ!)
今日は光くんと走れたらいいなと思っていたのですが、彼はやはり上手いし、段々体も仕上がってきてるようで、インターバルがしっかり出来るようになっている。一方の自分は全然乗れていないため、まだまだ勝負出来ませんでした。加えてスキルが全然足りないということを痛感できました。次のレースはもっとうまく走りたいし、全日本へ向けてしっかり乗れる状態にしたいです。次は野辺山の2連戦走ります。
また今大会の様に、コンパクトに運営ができていて、こんな多くのオーディエンスが集まり、さらに楽しめるレースはなかなかないので、関東以北のみなさんは是非参加してみて欲しいですね。楽しみながら上手くなれると思います。自分にとっても良い機会なので、これからは積極的に参加しようと思います。
3位の合田正之(cycleclub3UP)
今日はコースがチャレンジングだったので、自分が得意なパートをしっかり走れるように心がけました。武井くんを引き離せたらと思ったのですが、やはりパワーがあってぴったり付いて来られました。逆にテクニカルな部分では自分が有利だったので、それぞれの得意な部分でうまく掛けあいながら2人で走っていました。最後はやはりパワーがあるので、一気に行かれてしまって、離れてしまいました。しかし、長い時間駆け引きをしながら集中して走ることができた良いレースでした。
コース的には、全体的に低速だったので、もう少しスピードが出る場所があっても良かったかなと思います。ダートでも良いので直線的な場所があると、観客もスピード感を楽しめるのではないでしょうか。次は、前橋のレースに出て、野辺山2daysの後、少し休んで全日本に備えます。
リザルト
C1 7周回
1位 小坂 光(宇都宮ブリッツエンシクロクロス) 0:56:03
2位 武井きょうすけ(チーム・フォルツァ!) +2:04
3位 合田正之(cycleclub3UP) +2:18
4位 池本真也(和光機器-AUTHOR) +3:19
5位 國井敏夫(MilePostRacing) +3:30
6位 影山善明(オンザロード) +4:39
7位 代田和明(SNEL CYCLOCROSS TEAM) +5:24
8位 斎藤朋寛(RIDE LIFE.GIANT.) +6:16
9位 James Machin(Champion System) +6:28
10位 山川惇太郎(ARAI MURACA) +6:41
C2 4周回
1位 朽木 聡(subtleSworks) 0:36:50
2位 柏崎裕紀(RIDEtoFUN) +0:05
3位 前田 歩(TonicCXTeamJapan) +0:06
C3 4周回
1位 大倉勇夢 0:28:15
2位 星 壮紀(TEAM AIBE) +0:37
3位 田中 忍(BOUNCE) +0:43
L1 4周回
1位 宮内佐季子(CLUBviento) 0:39:44
2位 與那嶺恵理(TEAM FORZA) +1:43
3位 武田和佳(ARAI MURACA) +2:37
Master 4周回
1位 羽鳥和重(cycleclub 3UP) 0:36:35
2位 佐藤 了(ぺだる小僧) +1:39
3位 坂手潤一(BOUNCE) +2:27
text:Alisa.Okazaki
photo:S.Oda(Kasukabe Vision FILMz)
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